有価証券報告書-第110期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における当社グループの事業環境は、海外においては、米中通商問題や英国のEU離脱問題などの不確定要素はあるものの、個人消費などを支えとして景気は概ね底堅く推移していましたが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大が地域経済に与える影響は大きく、先行きの不透明感が強い状況となりました。わが国経済は、生産や輸出に弱さはあったものの、雇用・所得環境の改善などにより景気は回復基調にありましたが、米中通商問題をはじめとした地政学的リスク、消費税率引き上げに伴う消費の減少に加え、2月以降の新型コロナウイルス感染拡大などにより景気の後退局面に入りました。
このような状況のもと、当連結会計年度の受注高は229,394百万円(前期比2.1%減)、売上高は226,423百万円(同5.1%減)となりました。
損益につきましては、営業利益は16,146百万円(同25.9%減)、経常利益は16,698百万円(同22.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,576百万円(同16.0%減)となりました。
上記の結果、当社グループが取り組んでおります4ヵ年計画「中期経営計画2020」における業績目標に対する進捗は、以下のとおりとなりました(「中期経営計画2020」については、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください)。
①売上高:2,264億円、②営業利益率:7.1%、海外売上高比率:57.4%(いずれも連結ベース)
当社グループは、同計画で掲げた目標の達成に向けて、引き続き市場ニーズに徹底対応した商品開発やモノづくり、グループ総合力を生かしたビジネスの拡大に取り組み、持続的成長力を強化してまいります。
なお、セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[チェーン]
チェーンにつきましては、日本国内におけるコンベヤチェーン、欧州におけるドライブチェーンやケーブル・ホース支持案内装置などの販売は堅調であったものの、日本国内におけるケーブル・ホース支持案内装置、米州や東アジア地域における各種チェーン商品の販売が低調であったことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、チェーンの受注高は65,055百万円(前期比4.6%減)、売上高は65,571百万円(同6.7%減)、営業利益は8,406百万円(同18.3%減)となりました。
[精機]
精機につきましては、日本国内におけるクラッチの販売が堅調であったものの、日本国内や中国における減速機、米州や欧州における各種精機商品の販売が減少したことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、精機の受注高は22,665百万円(前期比10.2%減)、売上高は23,269百万円(同7.2%減)、営業利益は2,189百万円(同34.5%減)となりました。
[自動車部品]
自動車部品につきましては、韓国やメキシコの拠点においてエンジン用タイミングチェーンシステムの販売が増加、欧州における同商品の販売が横ばいで推移したものの、日本、米国、タイ、中国の各拠点で同商品の販売が減少したことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、自動車部品の受注高は70,895百万円(前期比10.2%減)、売上高は70,949百万円(同10.2%減)となりました。営業利益につきましては、売上高の減少に加え、生産能力増強に向けた設備投資の増加に伴う減価償却費の増加やプロダクトミックスの悪化などにより5,791百万円(同33.7%減)となりました。
[マテハン]
マテハンにつきましては、日本国内における物流業界向けシステムや新聞印刷工場向けシステムの販売が増加したことに加え、日本国内や中国での粉粒体搬送コンベヤ、米州における自動車業界向けシステムの売上が増加したことなどから、前期比で増収となりました。
以上により、マテハンの受注高は67,968百万円(前期比15.1%増)、売上高は63,860百万円(同4.1%増)、営業利益は647百万円(同60.6%増)となりました。
[その他]
その他の受注高は2,810百万円(前期比2.1%増)、売上高は2,772百万円(同2.1%減)、営業利益は20百万円(前期は43百万円の営業損失)となりました。
※以上「経営成績」に記載した金額には、消費税等を含んでおりません。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載をしております。
生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループ(当社および連結子会社)の製品は、主に受注生産でありますが、製品の一部につきましては、見込生産も行っております。
(注) 1 金額は販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
① 資産
資産は、現金及び預金が4,628百万円減少したこと、保有株式の時価下落などにより投資有価証券が2,095百万円減少したこと、電子記録債権が1,738百万円減少したこと、仕掛品の減少などによりたな卸資産が1,606百万円減少したこと、償却などにより無形固定資産が1,425百万円減少したことなどから、前連結会計年度末と比較して11,817百万円減少し、294,098百万円となりました。
② 負債
負債は、借入金が7,736百万円増加した一方で、償還により社債が10,000百万円減少したこと、電子記録債務が3,755百万円減少したこと、支払手形及び買掛金が2,914百万円減少したことなどから、前連結会計年度末と比較して12,418百万円減少し、118,043百万円となりました。
③ 純資産
純資産は、取得などにより自己株式が3,205百万円増加したこと、為替の変動により為替換算調整勘定が2,107百万円減少したこと、保有株式の時価下落などによりその他有価証券評価差額金が1,272百万円減少した一方で、利益剰余金が7,044百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して601百万円増加し、176,055百万円となりました。また、自己資本比率は、2.5ポイント改善し、59.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して4,708百万円減少し、31,378百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は20,275百万円となりました。これは、仕入債務が6,435百万円減少したこと、法人税等の支払に5,089百万円支出した一方で、税金等調整前当期純利益を16,809百万円計上したこと、減価償却費を12,739百万円計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は14,241百万円となりました。これは、自動車部品生産設備等への設備投資代金の決済に14,661百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は10,385百万円となりました。これは、社債の償還による支出が10,000百万円あったことなどによるものであります。
② 資金需要および資金調達の方法
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入ならびに設備の増強、合理化および更新にかかる設備投資、企業買収によるものであります。
成長投資につきましては、2019年度は生産設備の増強、合理化、更新を中心に14,388百万円の設備投資を行い、研究開発費用は4,714百万円となりました。2020年度は新設、合理化および更新にかかる設備投資として12,186百万円を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
株主還元につきましては、株主重視の経営を目指す観点から、連結業績を反映した配当を基本方針とし、資金の状況、財務の状況等を総合的に勘案しながら連結配当性向30%を基準とした利益配分を目指しております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入および社債発行により資金を調達しております。なお、提出会社は2020年5月27日開催の取締役会において、金融機関に対しての長期借入金の借換と、新型コロナウイルスを起因とした資金繰悪化の予防的措置として、総額50億円の追加借入を決議し、実行しております。
(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値が実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループでは、以下に記載した会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、事業の区分をもとに概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位によって資産のグルーピングを行い、将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失に計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては事業計画や市場環境を考慮して慎重に検討しておりますが、その見積りの前提となった条件や仮定に見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に帰属する当期純損益額が変動する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響は不確実性が大きく、将来事業計画等への反映が困難ではありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における当社グループの事業環境は、海外においては、米中通商問題や英国のEU離脱問題などの不確定要素はあるものの、個人消費などを支えとして景気は概ね底堅く推移していましたが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大が地域経済に与える影響は大きく、先行きの不透明感が強い状況となりました。わが国経済は、生産や輸出に弱さはあったものの、雇用・所得環境の改善などにより景気は回復基調にありましたが、米中通商問題をはじめとした地政学的リスク、消費税率引き上げに伴う消費の減少に加え、2月以降の新型コロナウイルス感染拡大などにより景気の後退局面に入りました。
このような状況のもと、当連結会計年度の受注高は229,394百万円(前期比2.1%減)、売上高は226,423百万円(同5.1%減)となりました。
損益につきましては、営業利益は16,146百万円(同25.9%減)、経常利益は16,698百万円(同22.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は11,576百万円(同16.0%減)となりました。
上記の結果、当社グループが取り組んでおります4ヵ年計画「中期経営計画2020」における業績目標に対する進捗は、以下のとおりとなりました(「中期経営計画2020」については、「第2 事業の状況1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください)。
①売上高:2,264億円、②営業利益率:7.1%、海外売上高比率:57.4%(いずれも連結ベース)
当社グループは、同計画で掲げた目標の達成に向けて、引き続き市場ニーズに徹底対応した商品開発やモノづくり、グループ総合力を生かしたビジネスの拡大に取り組み、持続的成長力を強化してまいります。
なお、セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[チェーン]
チェーンにつきましては、日本国内におけるコンベヤチェーン、欧州におけるドライブチェーンやケーブル・ホース支持案内装置などの販売は堅調であったものの、日本国内におけるケーブル・ホース支持案内装置、米州や東アジア地域における各種チェーン商品の販売が低調であったことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、チェーンの受注高は65,055百万円(前期比4.6%減)、売上高は65,571百万円(同6.7%減)、営業利益は8,406百万円(同18.3%減)となりました。
[精機]
精機につきましては、日本国内におけるクラッチの販売が堅調であったものの、日本国内や中国における減速機、米州や欧州における各種精機商品の販売が減少したことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、精機の受注高は22,665百万円(前期比10.2%減)、売上高は23,269百万円(同7.2%減)、営業利益は2,189百万円(同34.5%減)となりました。
[自動車部品]
自動車部品につきましては、韓国やメキシコの拠点においてエンジン用タイミングチェーンシステムの販売が増加、欧州における同商品の販売が横ばいで推移したものの、日本、米国、タイ、中国の各拠点で同商品の販売が減少したことなどから、前期比で減収となりました。
以上により、自動車部品の受注高は70,895百万円(前期比10.2%減)、売上高は70,949百万円(同10.2%減)となりました。営業利益につきましては、売上高の減少に加え、生産能力増強に向けた設備投資の増加に伴う減価償却費の増加やプロダクトミックスの悪化などにより5,791百万円(同33.7%減)となりました。
[マテハン]
マテハンにつきましては、日本国内における物流業界向けシステムや新聞印刷工場向けシステムの販売が増加したことに加え、日本国内や中国での粉粒体搬送コンベヤ、米州における自動車業界向けシステムの売上が増加したことなどから、前期比で増収となりました。
以上により、マテハンの受注高は67,968百万円(前期比15.1%増)、売上高は63,860百万円(同4.1%増)、営業利益は647百万円(同60.6%増)となりました。
[その他]
その他の受注高は2,810百万円(前期比2.1%増)、売上高は2,772百万円(同2.1%減)、営業利益は20百万円(前期は43百万円の営業損失)となりました。
※以上「経営成績」に記載した金額には、消費税等を含んでおりません。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載をしております。
生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループ(当社および連結子会社)の製品は、主に受注生産でありますが、製品の一部につきましては、見込生産も行っております。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
チェーン | 48,896 | △5.9 |
精機 | 24,006 | △9.9 |
自動車部品 | 80,878 | △11.6 |
マテハン | 43,772 | △0.4 |
その他 | 168 | △43.0 |
合計 | 197,721 | △7.8 |
(注) 1 金額は販売価格で記載しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) | ||
チェーン | 65,055 | △4.6 | 10,619 | △7.1 | ||
精機 | 22,665 | △10.2 | 4,628 | △12.3 | ||
自動車部品 | 70,895 | △10.2 | 707 | △7.1 | ||
マテハン | 67,968 | 15.1 | 31,457 | 13.8 | ||
その他 | 2,810 | 2.1 | 346 | 10.6 | ||
合計 | 229,394 | △2.1 | 47,760 | 5.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
チェーン | 65,571 | △6.7 |
精機 | 23,269 | △7.2 |
自動車部品 | 70,949 | △10.2 |
マテハン | 63,860 | 4.1 |
その他 | 2,772 | △2.1 |
合計 | 226,423 | △5.1 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
椿本興業株式会社 | 27,506 | 11.5 | 26,273 | 11.6 |
3 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
① 資産
資産は、現金及び預金が4,628百万円減少したこと、保有株式の時価下落などにより投資有価証券が2,095百万円減少したこと、電子記録債権が1,738百万円減少したこと、仕掛品の減少などによりたな卸資産が1,606百万円減少したこと、償却などにより無形固定資産が1,425百万円減少したことなどから、前連結会計年度末と比較して11,817百万円減少し、294,098百万円となりました。
② 負債
負債は、借入金が7,736百万円増加した一方で、償還により社債が10,000百万円減少したこと、電子記録債務が3,755百万円減少したこと、支払手形及び買掛金が2,914百万円減少したことなどから、前連結会計年度末と比較して12,418百万円減少し、118,043百万円となりました。
③ 純資産
純資産は、取得などにより自己株式が3,205百万円増加したこと、為替の変動により為替換算調整勘定が2,107百万円減少したこと、保有株式の時価下落などによりその他有価証券評価差額金が1,272百万円減少した一方で、利益剰余金が7,044百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して601百万円増加し、176,055百万円となりました。また、自己資本比率は、2.5ポイント改善し、59.3%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して4,708百万円減少し、31,378百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は20,275百万円となりました。これは、仕入債務が6,435百万円減少したこと、法人税等の支払に5,089百万円支出した一方で、税金等調整前当期純利益を16,809百万円計上したこと、減価償却費を12,739百万円計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は14,241百万円となりました。これは、自動車部品生産設備等への設備投資代金の決済に14,661百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は10,385百万円となりました。これは、社債の償還による支出が10,000百万円あったことなどによるものであります。
② 資金需要および資金調達の方法
当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループ製品の製造のための材料や部品の購入ならびに設備の増強、合理化および更新にかかる設備投資、企業買収によるものであります。
成長投資につきましては、2019年度は生産設備の増強、合理化、更新を中心に14,388百万円の設備投資を行い、研究開発費用は4,714百万円となりました。2020年度は新設、合理化および更新にかかる設備投資として12,186百万円を見込んでおります。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
株主還元につきましては、株主重視の経営を目指す観点から、連結業績を反映した配当を基本方針とし、資金の状況、財務の状況等を総合的に勘案しながら連結配当性向30%を基準とした利益配分を目指しております。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当社グループは、運転資金および設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入および社債発行により資金を調達しております。なお、提出会社は2020年5月27日開催の取締役会において、金融機関に対しての長期借入金の借換と、新型コロナウイルスを起因とした資金繰悪化の予防的措置として、総額50億円の追加借入を決議し、実行しております。
(4)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値が実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループでは、以下に記載した会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。
(固定資産の減損)
当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、事業の区分をもとに概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位によって資産のグルーピングを行い、将来キャッシュ・フローを見積もっております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失に計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては事業計画や市場環境を考慮して慎重に検討しておりますが、その見積りの前提となった条件や仮定に見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に帰属する当期純損益額が変動する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大による影響は不確実性が大きく、将来事業計画等への反映が困難ではありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。