有価証券報告書-第67期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 15:23
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109項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善や堅調な雇用・所得環境の改善を背景に個人消費や消費者マインドの持ち直しがみられるなど、緩やかな景気回復基調が続きました。また、世界経済においては先進国の景気好調が継続、中国並びにアセアン等の新興国経済においては堅調な回復が見られたものの、各国における政治や政策面等、先行き不透明な状況で推移いたしました。このような環境にあって当企業グループは、お客様のニーズに迅速かつ的確に対応することにより日系メーカーからの受注獲得に努めるとともに、欧米、中国、インド、アセアンでは非日系メーカーを重点としたグローバル展開を推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ41億85百万円増加し、732億95百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ16億44百万円増加し、144億55百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ25億40百万円増加し、588億39百万円となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は590億50百万円(前期比3.8%増)、営業利益は48億34百万円(前期比9.4%増)、経常利益は52億83百万円(前期比14.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は35億83百万円(前期比144.4%増)となりました。
セグメントの実績は次のとおりであります。
軸受機器セグメントの売上高は449億59百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は47億77百万円(前期比1.3%減)となりました。
構造機器セグメントの売上高は68億80百万円(前期比4.7%増)、セグメント損失は11百万円(前期はセグメント損失5億70百万円)となりました。
建築機器セグメントの売上高は58億95百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は48百万円(前期比57.1%減)となりました。
その他は、売上高は13億55百万円(前期比8.0%増)、利益は14百万円(前期比49.2%減)となりました。
なお、地域に関する情報のうち顧客の所在地を基礎とした売上高は、日本向けが372億21百万円(連結売上高に占める割合は63.0%)、北米向けが49億43百万円(同8.4%)、欧州向けが30億4百万円(同5.1%)、アジア向けが124億43百万円(同21.1%)、その他の地域向けが14億36百万円(同2.4%)となり、海外向け売上高の合計は前期の209億48百万円(同36.8%)より4.2%増加し、218億28百万円(同37.0%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)

前連結会計年度当連結会計年度増減
営業活動によるキャッシュ・フロー6,4406,126△314
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,445△3,802△1,356
財務活動によるキャッシュ・フロー△2,694△2,758△63
現金及び現金同等物の期末残高16,41916,208△211

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億11百万円減少し、162億8百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ3億14百万円減少し61億26百万円となりました。主な内訳は、収入項目では税金等調整前当期純利益52億22百万円、減価償却費26億39百万円、支出項目では売上債権の増加額16億9百万円、法人税等の支払額14億32百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ13億56百万円増加し38億2百万円となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出32億82百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、前連結会計年度に比べ63百万円増加し27億58百万円となりました。主な内訳は配当金の支払額15億74百万円、自己株式の取得による支出10億7百万円などであります。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
軸受機器(百万円)44,720103.6
構造機器(百万円)7,176111.9
建築機器(百万円)5,892100.4
報告セグメント計(百万円)57,789104.2
その他(百万円)1,355110.8
合計(百万円)59,144104.3

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
軸受機器44,978103.63,134100.7
構造機器8,263106.17,124124.1
建築機器5,939100.1759106.3
報告セグメント計59,181103.611,018115.2
その他1,494125.8371189.5
合計60,676104.111,390116.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(c)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
軸受機器(百万円)44,956104.0
構造機器(百万円)6,880104.7
建築機器(百万円)5,894100.6
報告セグメント計(百万円)57,731103.7
その他(百万円)1,318106.9
合計(百万円)59,050103.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択、適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。見積りにつきましては、過去の実績や状況を踏まえた合理的な判断を基礎として行っていますが、この見積りは不確実性が伴うため実際の結果と異なる場合があり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。当企業グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ41億85百万円増加し732億95百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ20億22百万円増加し455億81百万円となりました。これは主に、売上が増加したことにより、受取手形及び売掛金が17億28百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ21億62百万円増加し277億13百万円となりました。これは主に工場拡張工事等による建設仮勘定が10億57百万円、株価上昇による投資有価証券が11億57百万円増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億44百万円増加し144億55百万円となりました。これは主に売上増加に伴う、仕入金額の増加による支払手形及び買掛金の6億50百万円の増加と、未払費用3億13百万円が増加したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金20億8百万円の増加、その他有価証券評価差額金8億3百万円の増加、非支配株主持分5億16百万円の減少などにより、25億40百万円増加し588億39百万円となりました。2)経営成績
(売上高・営業利益)
売上高は、一般産業向け製品の受注増加や、海外自動車メーカーとの取引が堅調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ3.8%増加し、590億50百万円となりました。
営業利益は、原材料費の高騰や米国拠点における品質改善のための費用増加があったものの、構造機器事業における構造改革が奏功し、前連結会計年度に比べ9.4%増加し、48億34百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記のほか、受取配当金の1億23百万円や法人税等の15億12百万円などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は35億83百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」、「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、次なる成長のため、グローバル視点で描いた新たな中期経営計画のスタートの年で、顧客ニーズにすばやく対応するための技術や材料および販売地域獲得に向け、積極的に進めてまいりました。中期経営計画における売上計画値とは乖離が出ているものの、今後この計画値に近づけるよう、さらに加速してまいります。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
(軸受機器)
一般産業機械向け製品は射出成形機やFA機器、並びにプラント設備向け製品の売上が拡大いたしました。また、自動車向け製品についても、欧州、インド、アセアンにおける自動車メーカーとの取引が堅調に推移し、軸受機器全体で増収になったものの、銅合金を中心とした原材料価格が高騰したことや、米国拠点における品質改善を目的とした構造改革に費用を計上したことにより、利益については前年を下回りました。
この結果、軸受機器セグメントの売上高は449億59百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は47億77百万円(前期比1.3%減)となりました。
今後は、海外ローカルメーカーでの売上をさらに拡大させるため、海外現地法人の営業、技術対応力の強化と生産技術の向上を図ってまいります。そして、グローバル戦略の一環として、成長するブラジル市場において軸受製品の市場開拓を積極的に進め、売上拡大を図るために平成30年1月にブラジル連邦共和国にOiles Brasil Eireliを設立いたしました。今後もグローバルな事業展開を加速させてまいります。
(構造機器)
激しい企業間競争など厳しい事業環境が依然として継続しており、橋梁向け製品の受注が低迷しましたが、建物向け製品について前年を上回る受注を獲得できたことなどにより、構造機器全体として売上は僅かではありますが前年を上回り、利益についても赤字幅が縮小しました。
この結果、構造機器セグメントの売上高は68億80百万円(前期比4.7%増)、セグメント損失は11百万円(前期はセグメント損失5億70百万円)となりました。
今後も、顧客ニーズの変化をすばやく察知し、当社技術の優位性を活かし収益性の高い製品の営業強化を図ってまいります。また、新たな事業として物流およびインフラ設備等に向けた市場開拓を進めており、従来の建築機器、橋梁機器に次ぐ第三の柱への成長に向け積極的に推進してまいります。
(建築機器)
主力製品であるウィンドウ オペレーターの受注が堅調に推移したことと、住宅向け製品の販売に注力した結果、前年並みの売上を確保いたしました。一方、利益については積極的な営業展開により販管費が増加したため、昨年を下回りました。
この結果、建築機器セグメントの売上高は58億95百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益は48百万円(前期比57.1%減)となりました。
建築着工件数が減少しており、主力製品であるウィンドウ オペレーターの新規物件獲得が苦戦する中で、今後は既設のウィンドウ オペレーターのメンテナンスおよびリニューアル物件の獲得に注力してまいります。また省エネに有効な外付けブラインドや自然換気装置の売上拡大にも積極的に取組んでまいります。
(c)資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当企業グループの資金需要は、営業活動については、生産活動のための製造費(主に製品を生産するための材料仕入等)、受注・販売活動のための販売費、新たな製品の開発や既存製品の改良開発等を行うための研究開発費が主な内容となっております。投資活動については、事業伸長・生産性向上を目的とした生産設備等固定資産の取得が主な内容となっております。
今後の資本的支出の予定につきましては、急成長を続けるグローバルな市場ニーズに迅速かつ柔軟に対応できる体制を整え、成長戦略を加速するため、必要な設備投資や研究開発投資を継続して行ってまいります。
(財務政策)
当企業グループは現在、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金の活用を基本としております。事業計画に基づく資金需要に対し内部資金が不足することとなった場合は、金利動向等の調達環境を考慮の上、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
(d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当企業グループは目標とすべき経営指標として(1)売上高営業利益率、(2)自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。(1)は本来事業により獲得する利益、(2)は資本の効率性の観点から獲得すべき利益の目標として、事業活動を推進する上での指標としております。
なお、この両指標を高めることで、企業価値向上が図れるものと考え、売上高営業利益率は15%以上、自己資本当期純利益率は10%以上を目指しております。当連結会計年度における売上高営業利益率は8.2%であり、自己資本当期純利益率は6.4%でした。引き続きこれらの目標が達成されるように取組んでまいります。
(e)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(b)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりであります。