有価証券報告書-第75期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米中間の貿易・技術面における緊張の高まりや、英国のEU離脱をめぐって長引く不透明感など、困難な状況の下で、同時減速の様相を呈しております。米国においては、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費は堅調さを維持しておりますが、企業部門では、外需減速に加え、米中貿易摩擦をめぐる不確実性の高まりを受け、設備投資意欲が低下基調にあります。欧州においては、英国ではBrexitに対する不透明感から個人消費や設備投資の低迷がみられますが、ユーロ圏では雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は引き続き底堅く推移し、当面は、景気全体の下支えとなる見通しながら、製造業においては、購買担当者景気指数(PMI)が低下傾向を持続しており、回復にはなお時間を要するとみられております。中国においては、米国との貿易摩擦やシャドーバンキング規制の強化を背景に輸出、内需ともに減速傾向となっており、製造業で生産や投資に抑制の動きがみられております。日本においては2012年11月を底として長期にわたり景気回復を続けてきましたが、海外経済の減速を背景とした輸出低迷を主因として、停滞色を強めており、内閣府の「景気動向指数」による基調判断は2019年3月に景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」となるなど、内需には堅調さがみられる一方で、企業の生産活動は足踏み状態となっております。
このような経済環境の中、当連結会計年度の受注高は537億6千3百万円(前期比4.6%の減少)、売上高は553億8千1百万円(前期比2.6%の減少)となりました。受注残高は229億4千4百万円(前期比13.0%の減少)となりました。
利益面におきましては、主に減収の影響により、営業利益は59億1千8百万円(前期比9.5%の減少)、経常利益も同様に60億9千9百万円(前期比8.4%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は41億8千2百万円(前期比0.5%の減少)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
<粉体関連事業>当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。
医薬向けに回復がみられたほか、アジアやアフリカへの大型案件があったミネラル市場、リサイクル市場やアフターマーケットサービスなど堅調な市場や用途があった反面、前年度に大型投資が続いた食品向けや電子材料向けは反動減となりました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は417億1千8百万円(前期比3.3%の減少)、受注残高は172億6千5百万円(前期比3.0%の減少)となり、売上高は410億6千万円(前期比4.4%の減少)となりました。セグメント利益は52億6千7百万円(前期比12.1%の減少)となりました。
<プラスチック薄膜関連事業>当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。
アジア向けや東欧・南欧向けは堅調に推移いたしましたが、過年度まで当該市場を牽引してきた米国向けが 期後半以降、調整局面を迎えました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は120億4千5百万円(前期比8.9%の減少)、受注残高は56億7千9百万円(前期比33.6%の減少)となり、売上高は受注残高からの出荷が進み143億2千万円(前期比3.1%の増加)となりました。セグメント利益は18億3千万円(前期比6.0%の増加)となりました。
② 財政状態
(1) 資産の状況
当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、21億3百万円減少し、601億1千3百万円となりました。これは、主に現金及び預金が42億1千9百万円減少したことによるものであります。
(2) 負債の状況
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、16億3千5百万円減少し、232億8千1百万円となりました。これは、主に未払法人税等が5億4千6百万円減少したこと、前受金が5億3千5百万円減少したことによるものであります。
(3) 純資産の状況
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、4億6千7百万円減少し、368億3千2百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が26億5千8百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、29億9千2百万円減少し、167億7千4百万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、31億9千1百万円の資金の増加(前連結会計年度比21億5千9百万円の減少)となりました。主に税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億4千8百万円の資金の減少(前連結会計年度比17億6千9百万円の減少)となりました。主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、19億2千8百万円の資金の減少(前連結会計年度比8億8百万円の減少)となりました。主に配当金の支払によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益及び費用の計上に際し、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。当社グループ経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り判断を行っておりますが、実際の結果は不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループでは、特に以下の会計方針が連結財務諸表等に重要な影響を及ぼすと考えております。
(1) 貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について、それぞれの顧客の財政状態等を含む顧客の信用情報をもとに、貸倒れが発生すると推定される金額の引当てを計上しております。これまで実際に発生した貸倒れは、当社グループが予測し、計上した引当金の範囲内であり、当社グループ経営陣は、当社グループの見積りが妥当であると信じておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 繰延税金資産
当社グループは、各構成単位で納税地の税法に基づいて法人所得税・未払法人税等の見積りを行っております。また、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異については、税効果会計を実施し、連結貸借対照表に繰延税金資産・負債を計上しております。当社グループ経営陣は経営計画や期中の経営情報資料、外部環境予測等に基づき、将来の課税所得を推定し、繰延税金資産の回収可能性を判断しており、実現できないと思われる部分については評価性引当金を計上しております。将来の課税所得あるいは課税時期に関する当社グループ経営陣の判断が変わることにより、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、評価性引当金が変動する可能性があります。
(3) 長期性資産
当社グループは、長期性資産に関して、環境の変化により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少するなど、帳簿価額相当額を回収することができないと判断されるような事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を実施しております。現状では、長期性資産について、重要な減損の発生はないと考えておりますが、経営戦略の変更等があった場合には、その資産から将来得られるキャッシュ・フローの予想や公正価値の算出に影響し、長期性資産の回収可能性の評価判断が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 退職給付費用及び債務
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算定しております。当社グループ経営陣は、数理計算上で設定される前提条件は妥当なものであると信じておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
(5) 今後適用となる新会計基準
・「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日 企業会計基準委員会)
・「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2018年3月30日 企業会計基準委員会)
概要につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(未適用の会計基準等)に記載のとおりであります。
当社グループでは、2020年9月期の期首から適用予定であります。なお、財政状態及び経営成績等に与える影響については、当連結財務諸表の作成時において評価中であります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び・検討内容
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、2.6%減の553億8千1百万円となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
コア事業と位置付ける粉体関連事業におきましては、特に対ユーロ通貨において円高が進んだことから、邦貨への換算において為替換算上の目減りが発生したことに加え、納期の長い案件が多く見られたことから、前連結会計年度に比べ4.4%減の410億6千万円となりました。もう一つの柱であるプラスチック薄膜関連事業におきましては、受注高では期後半以降、主力となる米国向けが減速しましたが、売上高では期初の繰越受注残高からの出荷が順調に進み、米国市場向けが過去最高を記録するなど、前連結会計年度に比べ3.1%増加となる143億2千万円となりました。なお、プラスチックゴミ問題が喧伝されておりますが、米国における受注減速は一時的な調整であり、受注環境に大きな変化は感じておりません。
売上総利益は前連結会計年度に比べ8億9千1百万円減の200億7千5百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。減収及び売上構成内容の変化等により売上総利益率が0.6%ポイント低下したことによるものであります。また、営業利益は前連結会計年度と比べ6億2千3百万円減の59億1千8百万円(同9.5%減)となりました。販売費及び一般管理費の削減に努めましたが、売上総利益の減少により減益となりました。しかしながら、営業利益の水準は過去2番目の高い水準を維持しております。
経常利益は前連結会計年度と比べ8.4%減の60億9千9百万円となりました。持分法による投資利益等の計上により、経常利益の減益幅は営業利益の減益幅を下回っております。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ0.5%減の41億8千2百万円となりました。前連結会計年度は米国税制改正の影響により、繰延税金資産の戻入を行ったことなどから法人税等合計額が増加しましたが、当連結会計年度はこのような特殊要因もなく、親会社株主に帰属する当期純利益は小幅減益に留まりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発に向けた研究開発費用、さらには株主各位への配当金支払等であります。また、長期性の資金需要は、粉体関連機器及びプラスチック薄膜製造機器の製造に係る工作機械等の製造設備や顧客テストに供するテストセンター機器、受託加工装置の増強のための設備投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、現預金等の流動性資金は、月次連結売上高の2.0ヶ月以上を維持するよう努めております。
資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の有利子負債の残高は11億8千2百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は158億6千7百万円となっております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は218.9%と流動性は十分な水準にあります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは2018年9月期をスタートとする現在の第16次中期3カ年経営計画において、最終年度となる2020年9月期に売上高560億円、営業利益56億円(営業利益率10%)以上の達成、総配分性向の向上とROE(株主資本利益率)10%以上の達成を掲げております。
初年度となりました2018年9月期において、多くの大型優良案件の獲得により、過去最高となる568億5千2百万円の売上高の下、65億4千1百万円の営業利益を達成しましたが、経済環境に不透明感が増してきたことなどから、2019年9月期は前連結会計年度に比べ減収減益となりました。総配分性向は、2018年11月に実施いたしました自社株買いを含め34.0%となり、ROEは11.3%(前連結会計年度に比べ0.5%ポイント低下)となりました。
第16次中期経営計画最終年度となる2020年9月期は、さらに経済環境に不透明感が増していることや、期初の繰越受注残高の減少などから、売上高545億円、営業利益50億円の減収減益を計画しておりますが、更なる収益向上に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米中間の貿易・技術面における緊張の高まりや、英国のEU離脱をめぐって長引く不透明感など、困難な状況の下で、同時減速の様相を呈しております。米国においては、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費は堅調さを維持しておりますが、企業部門では、外需減速に加え、米中貿易摩擦をめぐる不確実性の高まりを受け、設備投資意欲が低下基調にあります。欧州においては、英国ではBrexitに対する不透明感から個人消費や設備投資の低迷がみられますが、ユーロ圏では雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は引き続き底堅く推移し、当面は、景気全体の下支えとなる見通しながら、製造業においては、購買担当者景気指数(PMI)が低下傾向を持続しており、回復にはなお時間を要するとみられております。中国においては、米国との貿易摩擦やシャドーバンキング規制の強化を背景に輸出、内需ともに減速傾向となっており、製造業で生産や投資に抑制の動きがみられております。日本においては2012年11月を底として長期にわたり景気回復を続けてきましたが、海外経済の減速を背景とした輸出低迷を主因として、停滞色を強めており、内閣府の「景気動向指数」による基調判断は2019年3月に景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」となるなど、内需には堅調さがみられる一方で、企業の生産活動は足踏み状態となっております。
このような経済環境の中、当連結会計年度の受注高は537億6千3百万円(前期比4.6%の減少)、売上高は553億8千1百万円(前期比2.6%の減少)となりました。受注残高は229億4千4百万円(前期比13.0%の減少)となりました。
利益面におきましては、主に減収の影響により、営業利益は59億1千8百万円(前期比9.5%の減少)、経常利益も同様に60億9千9百万円(前期比8.4%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は41億8千2百万円(前期比0.5%の減少)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
<粉体関連事業>当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。
医薬向けに回復がみられたほか、アジアやアフリカへの大型案件があったミネラル市場、リサイクル市場やアフターマーケットサービスなど堅調な市場や用途があった反面、前年度に大型投資が続いた食品向けや電子材料向けは反動減となりました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は417億1千8百万円(前期比3.3%の減少)、受注残高は172億6千5百万円(前期比3.0%の減少)となり、売上高は410億6千万円(前期比4.4%の減少)となりました。セグメント利益は52億6千7百万円(前期比12.1%の減少)となりました。
<プラスチック薄膜関連事業>当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。
アジア向けや東欧・南欧向けは堅調に推移いたしましたが、過年度まで当該市場を牽引してきた米国向けが 期後半以降、調整局面を迎えました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は120億4千5百万円(前期比8.9%の減少)、受注残高は56億7千9百万円(前期比33.6%の減少)となり、売上高は受注残高からの出荷が進み143億2千万円(前期比3.1%の増加)となりました。セグメント利益は18億3千万円(前期比6.0%の増加)となりました。
② 財政状態
(1) 資産の状況
当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、21億3百万円減少し、601億1千3百万円となりました。これは、主に現金及び預金が42億1千9百万円減少したことによるものであります。
(2) 負債の状況
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、16億3千5百万円減少し、232億8千1百万円となりました。これは、主に未払法人税等が5億4千6百万円減少したこと、前受金が5億3千5百万円減少したことによるものであります。
(3) 純資産の状況
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、4億6千7百万円減少し、368億3千2百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が26億5千8百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、29億9千2百万円減少し、167億7千4百万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、31億9千1百万円の資金の増加(前連結会計年度比21億5千9百万円の減少)となりました。主に税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億4千8百万円の資金の減少(前連結会計年度比17億6千9百万円の減少)となりました。主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、19億2千8百万円の資金の減少(前連結会計年度比8億8百万円の減少)となりました。主に配当金の支払によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
粉体関連事業 | 25,090 | △6.6 |
プラスチック薄膜関連事業 | 9,822 | △6.6 |
合計 | 34,912 | △6.6 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
粉体関連事業 | 41,718 | △3.3 | 17,265 | △3.0 |
プラスチック薄膜関連事業 | 12,045 | △8.9 | 5,679 | △33.6 |
合計 | 53,763 | △4.6 | 22,944 | △13.0 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
粉体関連事業 | 41,060 | △4.4 |
プラスチック薄膜関連事業 | 14,320 | 3.1 |
合計 | 55,381 | △2.6 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益及び費用の計上に際し、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。当社グループ経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り判断を行っておりますが、実際の結果は不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループでは、特に以下の会計方針が連結財務諸表等に重要な影響を及ぼすと考えております。
(1) 貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について、それぞれの顧客の財政状態等を含む顧客の信用情報をもとに、貸倒れが発生すると推定される金額の引当てを計上しております。これまで実際に発生した貸倒れは、当社グループが予測し、計上した引当金の範囲内であり、当社グループ経営陣は、当社グループの見積りが妥当であると信じておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、見積りを変更する必要が生じ、当社グループの財政状態及び経営に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 繰延税金資産
当社グループは、各構成単位で納税地の税法に基づいて法人所得税・未払法人税等の見積りを行っております。また、繰越欠損金や税務上と会計上の取扱いの違いにより生じる一時差異については、税効果会計を実施し、連結貸借対照表に繰延税金資産・負債を計上しております。当社グループ経営陣は経営計画や期中の経営情報資料、外部環境予測等に基づき、将来の課税所得を推定し、繰延税金資産の回収可能性を判断しており、実現できないと思われる部分については評価性引当金を計上しております。将来の課税所得あるいは課税時期に関する当社グループ経営陣の判断が変わることにより、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、評価性引当金が変動する可能性があります。
(3) 長期性資産
当社グループは、長期性資産に関して、環境の変化により、将来その資産から生み出されるキャッシュ・フローが減少するなど、帳簿価額相当額を回収することができないと判断されるような事象や状況の変化が生じた場合には、減損に関する検討を実施しております。現状では、長期性資産について、重要な減損の発生はないと考えておりますが、経営戦略の変更等があった場合には、その資産から将来得られるキャッシュ・フローの予想や公正価値の算出に影響し、長期性資産の回収可能性の評価判断が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 退職給付費用及び債務
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算定しております。当社グループ経営陣は、数理計算上で設定される前提条件は妥当なものであると信じておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、年金債務と将来の費用に影響を与える可能性があります。
(5) 今後適用となる新会計基準
・「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日 企業会計基準委員会)
・「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2018年3月30日 企業会計基準委員会)
概要につきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(未適用の会計基準等)に記載のとおりであります。
当社グループでは、2020年9月期の期首から適用予定であります。なお、財政状態及び経営成績等に与える影響については、当連結財務諸表の作成時において評価中であります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び・検討内容
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、2.6%減の553億8千1百万円となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
コア事業と位置付ける粉体関連事業におきましては、特に対ユーロ通貨において円高が進んだことから、邦貨への換算において為替換算上の目減りが発生したことに加え、納期の長い案件が多く見られたことから、前連結会計年度に比べ4.4%減の410億6千万円となりました。もう一つの柱であるプラスチック薄膜関連事業におきましては、受注高では期後半以降、主力となる米国向けが減速しましたが、売上高では期初の繰越受注残高からの出荷が順調に進み、米国市場向けが過去最高を記録するなど、前連結会計年度に比べ3.1%増加となる143億2千万円となりました。なお、プラスチックゴミ問題が喧伝されておりますが、米国における受注減速は一時的な調整であり、受注環境に大きな変化は感じておりません。
売上総利益は前連結会計年度に比べ8億9千1百万円減の200億7千5百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。減収及び売上構成内容の変化等により売上総利益率が0.6%ポイント低下したことによるものであります。また、営業利益は前連結会計年度と比べ6億2千3百万円減の59億1千8百万円(同9.5%減)となりました。販売費及び一般管理費の削減に努めましたが、売上総利益の減少により減益となりました。しかしながら、営業利益の水準は過去2番目の高い水準を維持しております。
経常利益は前連結会計年度と比べ8.4%減の60億9千9百万円となりました。持分法による投資利益等の計上により、経常利益の減益幅は営業利益の減益幅を下回っております。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ0.5%減の41億8千2百万円となりました。前連結会計年度は米国税制改正の影響により、繰延税金資産の戻入を行ったことなどから法人税等合計額が増加しましたが、当連結会計年度はこのような特殊要因もなく、親会社株主に帰属する当期純利益は小幅減益に留まりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発に向けた研究開発費用、さらには株主各位への配当金支払等であります。また、長期性の資金需要は、粉体関連機器及びプラスチック薄膜製造機器の製造に係る工作機械等の製造設備や顧客テストに供するテストセンター機器、受託加工装置の増強のための設備投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、現預金等の流動性資金は、月次連結売上高の2.0ヶ月以上を維持するよう努めております。
資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の有利子負債の残高は11億8千2百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は158億6千7百万円となっております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は218.9%と流動性は十分な水準にあります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは2018年9月期をスタートとする現在の第16次中期3カ年経営計画において、最終年度となる2020年9月期に売上高560億円、営業利益56億円(営業利益率10%)以上の達成、総配分性向の向上とROE(株主資本利益率)10%以上の達成を掲げております。
初年度となりました2018年9月期において、多くの大型優良案件の獲得により、過去最高となる568億5千2百万円の売上高の下、65億4千1百万円の営業利益を達成しましたが、経済環境に不透明感が増してきたことなどから、2019年9月期は前連結会計年度に比べ減収減益となりました。総配分性向は、2018年11月に実施いたしました自社株買いを含め34.0%となり、ROEは11.3%(前連結会計年度に比べ0.5%ポイント低下)となりました。
第16次中期経営計画最終年度となる2020年9月期は、さらに経済環境に不透明感が増していることや、期初の繰越受注残高の減少などから、売上高545億円、営業利益50億円の減収減益を計画しておりますが、更なる収益向上に向けて取り組んでまいります。