有価証券報告書-第90期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、通商問題をめぐる不確実性と地政学リスクの高まりから、米国における製造業の景況感の低下や中国での内需低迷、また、わが国における輸出伸び悩みなど減速感が増す中、第4四半期に入り、中国・アジアを中心に新型コロナウイルスの影響により、一段と厳しい状況となりました。
当社の関連するエレクトロニクス市場においては、成熟化する携帯機器市場の中で、中国スマートフォン市場で若干の成長回復が見られたものの、自動車市場は世界的な販売台数の減少から需要が低迷したほか、産業機器市場も中国における設備投資抑制による停滞が続き、総じて厳しい事業環境下で推移しました。
このような状況のもと、当社グループは経営方針・経営戦略等に基づき、主力のコネクタ事業を中心に、成長市場・機器に対し積極的なグローバルマーケティングと新製品開発活動のスピードアップによる受注・売上拡大を図るとともに、内製化の更なる強化によるコストダウン、設備効率化及び諸費用抑制など経営全般にわたる効率化を推進し業績向上に努めました。
しかしながら、各市場で需要が減少したことに加え、第4四半期には、中国の生産拠点での操業や中国からの部材調達が一時ストップしたこと、及び3月中旬以降、フィリピンの生産拠点での操業停止が継続するなど、新型コロナウイルスの影響を受けたことから、当連結会計年度の売上高は2,081億6百万円(前連結会計年度比94%)となりました。
利益面においては、売上高減少に伴い営業利益は141億50百万円(前連結会計年度比82%)、営業外収益における受取補償金計上がありましたが、営業外費用における為替差損計上により、経常利益は143億52百万円(前連結会計年度比80%)、特別利益における固定資産売却益により、親会社株主に帰属する当期純利益111億41百万円(前連結会計年度比82%)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① コネクタ事業
携帯機器分野においては、中国スマートフォン市場向けが成長したものの、特定製品の需要が減少しました。また、自動車市場向け製品では主要顧客などで需要が減少し、産機市場向け製品においても、設備投資抑制による停滞が継続したことから、当連結会計年度の売上高は1,835億92百万円(前連結会計年度比93%)、セグメント利益は173億86百万円(前連結会計年度比90%)となりました。
② インターフェース・ソリューション事業
産機分野における工作機械や産業用ロボット向けの操作パネルにおいて需要が減少したものの、自動車市場向けでは車載用フィルムセンサの生産拡大により増収となった一方、生産立上げ費用が増加したことにより、当連結会計年度の売上高は89億64百万円(前連結会計年度比110%)、セグメント損失は4億36百万円(前連結会計年度はセグメント利益4億39百万円)となりました。
③ 航機事業
防衛・宇宙向け製品で納入が増加しましたが、産機分野における国内半導体製造装置市場向け製品や油田向け製品で需要が減少したことから、当連結会計年度の売上高は148億53百万円(前連結会計年度比98%)、セグメント利益は14億10百万円(前連結会計年度比77%)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
① 資 産
当連結会計年度末の総資産は、売上債権及びたな卸資産の増加に加え、経営戦略の遂行に向けた新製品生産用設備投資の増加などにより、前連結会計年度末に比べ69億83百万円増加の1,935億88百万円となりました。
② 負 債
負債は、約定返済による借入金の減少はありましたが、仕入債務の増加などにより、前連結会計年度末に比べ21億95百万円増加の570億89百万円となりました。
③ 純資産
純資産は、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ47億87百万円増加の1,364億99百万円となりました。この結果、自己資本比率は、70.4%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権及びたな卸資産の増加に加え、前年度の法人税等の納付などのマイナス要因はありましたが、仕入債務の増加、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上などにより、285億82百万円のプラス(前連結会計年度は375億52百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として新製品生産用設備投資による有形固定資産の取得などにより、245億36百万円のマイナス(前連結会計年度は230億42百万円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の約定返済や配当金の支払いなどにより、65億54百万円のマイナス(前連結会計年度は68億91百万円のマイナス)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ28億97百万円減少の442億94百万円となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。なお、各金額には消費税等は含まれておりません。
(1) 生産実績
(注) 金額は販売価額によっております。
(2) 受注実績
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3) 販売実績
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
「(経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(2) 資金の流動性及び資本の源泉
① キャッシュ・フロー
「(経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 財務政策
当社の運転資金需要の主な内訳は、当社グループ製品の新製品開発及び製造のための材料及び部品の購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金需要の主な内訳は、新製品開発、製造及び生産性向上、品質向上のための設備投資と当社グループの永続的な発展のための投資であります。
こうした資金需要に対し当社グループは、グローバルマーケティングの強化及び技術開発力の強化による受注・売上の拡大と環境・品質を重視した競合に負けない物づくりを積極的に推進し、営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
更に、財務対策として売上債権の流動化等、資金調達の多様化並びに資産の効率化を推進しているほか、グループ資金調達リスクの回避及び資金コストの低減を図るため、コミットメントライン契約による資金調達枠の確保、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)導入によるグループ内資金の効率化など様々な対策を講じております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2019年10月28日に公表した業績予想に対する実績値の状況は以下のとおりであります。
「(経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載した状況のもと、コネクタ事業における携帯機器分野を中心に売上高が伸長し、経常利益も予想値を上回る結果となりました。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来減算一時差異の解消時期をスケジューリングし、繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社の事業セグメントごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
③ 退職給付債務
退職給付債務及び退職給付費用は、主に退職給付債務の数理計算に使用する割引率、年金資産の期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の優良社債の市場利回りを参考に決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、通商問題をめぐる不確実性と地政学リスクの高まりから、米国における製造業の景況感の低下や中国での内需低迷、また、わが国における輸出伸び悩みなど減速感が増す中、第4四半期に入り、中国・アジアを中心に新型コロナウイルスの影響により、一段と厳しい状況となりました。
当社の関連するエレクトロニクス市場においては、成熟化する携帯機器市場の中で、中国スマートフォン市場で若干の成長回復が見られたものの、自動車市場は世界的な販売台数の減少から需要が低迷したほか、産業機器市場も中国における設備投資抑制による停滞が続き、総じて厳しい事業環境下で推移しました。
このような状況のもと、当社グループは経営方針・経営戦略等に基づき、主力のコネクタ事業を中心に、成長市場・機器に対し積極的なグローバルマーケティングと新製品開発活動のスピードアップによる受注・売上拡大を図るとともに、内製化の更なる強化によるコストダウン、設備効率化及び諸費用抑制など経営全般にわたる効率化を推進し業績向上に努めました。
しかしながら、各市場で需要が減少したことに加え、第4四半期には、中国の生産拠点での操業や中国からの部材調達が一時ストップしたこと、及び3月中旬以降、フィリピンの生産拠点での操業停止が継続するなど、新型コロナウイルスの影響を受けたことから、当連結会計年度の売上高は2,081億6百万円(前連結会計年度比94%)となりました。
利益面においては、売上高減少に伴い営業利益は141億50百万円(前連結会計年度比82%)、営業外収益における受取補償金計上がありましたが、営業外費用における為替差損計上により、経常利益は143億52百万円(前連結会計年度比80%)、特別利益における固定資産売却益により、親会社株主に帰属する当期純利益111億41百万円(前連結会計年度比82%)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① コネクタ事業
携帯機器分野においては、中国スマートフォン市場向けが成長したものの、特定製品の需要が減少しました。また、自動車市場向け製品では主要顧客などで需要が減少し、産機市場向け製品においても、設備投資抑制による停滞が継続したことから、当連結会計年度の売上高は1,835億92百万円(前連結会計年度比93%)、セグメント利益は173億86百万円(前連結会計年度比90%)となりました。
② インターフェース・ソリューション事業
産機分野における工作機械や産業用ロボット向けの操作パネルにおいて需要が減少したものの、自動車市場向けでは車載用フィルムセンサの生産拡大により増収となった一方、生産立上げ費用が増加したことにより、当連結会計年度の売上高は89億64百万円(前連結会計年度比110%)、セグメント損失は4億36百万円(前連結会計年度はセグメント利益4億39百万円)となりました。
③ 航機事業
防衛・宇宙向け製品で納入が増加しましたが、産機分野における国内半導体製造装置市場向け製品や油田向け製品で需要が減少したことから、当連結会計年度の売上高は148億53百万円(前連結会計年度比98%)、セグメント利益は14億10百万円(前連結会計年度比77%)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
① 資 産
当連結会計年度末の総資産は、売上債権及びたな卸資産の増加に加え、経営戦略の遂行に向けた新製品生産用設備投資の増加などにより、前連結会計年度末に比べ69億83百万円増加の1,935億88百万円となりました。
② 負 債
負債は、約定返済による借入金の減少はありましたが、仕入債務の増加などにより、前連結会計年度末に比べ21億95百万円増加の570億89百万円となりました。
③ 純資産
純資産は、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ47億87百万円増加の1,364億99百万円となりました。この結果、自己資本比率は、70.4%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権及びたな卸資産の増加に加え、前年度の法人税等の納付などのマイナス要因はありましたが、仕入債務の増加、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上などにより、285億82百万円のプラス(前連結会計年度は375億52百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主として新製品生産用設備投資による有形固定資産の取得などにより、245億36百万円のマイナス(前連結会計年度は230億42百万円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の約定返済や配当金の支払いなどにより、65億54百万円のマイナス(前連結会計年度は68億91百万円のマイナス)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ28億97百万円減少の442億94百万円となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。なお、各金額には消費税等は含まれておりません。
(1) 生産実績
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
コネクタ事業 | 183,024 | 92.5 |
インターフェース・ソリューション事業 | 9,001 | 111.5 |
航機事業 | 14,819 | 96.8 |
その他 | 556 | 77.1 |
計 | 207,402 | 93.4 |
(注) 金額は販売価額によっております。
(2) 受注実績
セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前期比 (%) |
コネクタ事業 | 185,551 | 95.3 | 16,173 | 113.8 |
インターフェース・ソリューション事業 | 9,781 | 123.1 | 2,123 | 162.6 |
航機事業 | 13,190 | 81.9 | 10,782 | 86.6 |
その他 | 696 | 85.5 | 95 | 101.3 |
計 | 209,221 | 95.3 | 29,175 | 104.0 |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3) 販売実績
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
コネクタ事業 | 183,592 | 92.8 |
インターフェース・ソリューション事業 | 8,964 | 110.2 |
航機事業 | 14,853 | 97.5 |
その他 | 695 | 82.6 |
計 | 208,106 | 93.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
Apple Inc. | 55,902 | 25.2 | 38,867 | 18.7 |
三信電気㈱ | 26,192 | 11.8 | 38,271 | 18.4 |
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
「(経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(2) 資金の流動性及び資本の源泉
① キャッシュ・フロー
「(経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 財務政策
当社の運転資金需要の主な内訳は、当社グループ製品の新製品開発及び製造のための材料及び部品の購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金需要の主な内訳は、新製品開発、製造及び生産性向上、品質向上のための設備投資と当社グループの永続的な発展のための投資であります。
こうした資金需要に対し当社グループは、グローバルマーケティングの強化及び技術開発力の強化による受注・売上の拡大と環境・品質を重視した競合に負けない物づくりを積極的に推進し、営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
更に、財務対策として売上債権の流動化等、資金調達の多様化並びに資産の効率化を推進しているほか、グループ資金調達リスクの回避及び資金コストの低減を図るため、コミットメントライン契約による資金調達枠の確保、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)導入によるグループ内資金の効率化など様々な対策を講じております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2019年10月28日に公表した業績予想に対する実績値の状況は以下のとおりであります。
「(経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載した状況のもと、コネクタ事業における携帯機器分野を中心に売上高が伸長し、経常利益も予想値を上回る結果となりました。
指標 | 2020年3月期 業績予想 (百万円) | 2020年3月期 実績値 (百万円) | 達成度 (%) |
売上高 | 203,000 | 208,106 | 102.5 |
経常利益 | 14,000 | 14,352 | 102.5 |
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来減算一時差異の解消時期をスケジューリングし、繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社の事業セグメントごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
③ 退職給付債務
退職給付債務及び退職給付費用は、主に退職給付債務の数理計算に使用する割引率、年金資産の期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の優良社債の市場利回りを参考に決定し、また、年金資産の期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。割引率及び期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。