有価証券報告書-第68期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、緊急事態宣言の発出を受けての外出自粛や商業施設の休業・営業時間短縮がなされる等、経済活動が大きく制限されました。一時的に回復の兆しが見られたものの、変異ウイルスの感染拡大への懸念もあり、同感染症の収束時期の見通しが立たず、非常に厳しい状況が続いております。
当業界において、テレビ関連機器販売の市場に関しましては、長期化する外出自粛による巣ごもり需要の高まりによりテレビの買い替えが進んでいる一方で、テレビ受信用アンテナの需要は伸び悩んでおります。また、新設住宅着工戸数に関しましても、コロナ禍による消費者マインドの低迷の中、減少傾向で推移しております。
通信関連機器につきましては、民需向けは弱含んでおりますが、官需向けは堅調に推移しております。
このような状況の中、当社グループは、環境に左右されない経営基盤作りに取り組み、収益性に重点をおいた企業活動の推進や、新製品の開発、コストダウンへの継続的取組、業務の効率化による経費の適正な運営等に努めてまいりました。
この結果、通信用アンテナは官需向けの伸びにより売上が前連結会計年度を上回りましたが、テレビ関連機器販売及びソリューション事業は足踏み状態が続いており、当連結会計年度の売上高は15,297百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。
利益面につきましては、営業利益は284百万円(同63.7%減)、経常利益は230百万円(同70.0%減)となり、また固定資産処分損を計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純損失は79百万円(前連結会計年度は497百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来「送受信用製品製造事業」としていた報告セグメントの名称を「送受信用製品販売事業」に、また「工事事業」としていた報告セグメントの名称を「ソリューション事業」に変更しております。これは主に、当社グループを取り巻く事業環境を鑑み、既存の工事に加えて、長年にわたり培ってきた無線通信技術や施工ノウハウを最大限に生かし、より快適な暮らしを実現するための更なる付加価値を生み出すソリューションビジネスを展開することを企図したものであります。
また、この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
(送受信用製品販売事業)
放送関連機器の売上高につきましては、家庭用機器、事業者向け機器ともに伸び悩み、前連結会計年度比減となりました。
通信用アンテナの売上高につきましては、民需向けが思わしくない中、官需向けデジタル無線用アンテナが好調に推移したこと等から、前連結会計年度比増となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は13,363百万円(前連結会計年度比4.6%減)、営業利益は1,518百万円(同1.9%減)となりました。
(ソリューション事業)
主力のビル内共聴工事やアンテナ対策工事が低調に推移したことから、売上高は1,934百万円(前連結会計年度比23.3%減)、営業利益は75百万円(同58.4%減)となりました。
財政状態につきましては、まず、当連結会計年度末の流動資産は、18,249百万円(前連結会計年度末比2.4%減)となりました。これは、商品及び製品の増加や、現金及び預金の減少等によるものであります。
固定資産は、4,958百万円(同3.8%増)となりました。これは、投資有価証券の増加や、土地の減少等によるものであります。
当連結会計年度末の流動負債は、3,010百万円(前連結会計年度末比0.2%増)となりました。これは、未払法人税等の増加や、工事未払金の減少等によるものであります。
固定負債は、1,314百万円(同25.1%増)となりました。これは、株式給付引当金の増加等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の合計は、18,882百万円(前連結会計年度末比2.7%減)となりました。
この結果、自己資本比率は81.4%となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,306百万円となり、前連結会計年度末に比べ554百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、667百万円(前連結会計年度は838百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少や減価償却費の計上による増加と、たな卸資産の増加や仕入債務の減少による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、323百万円(前連結会計年度は716百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却や有価証券の売却・償還による収入による増加と、連結子会社の取得や有形及び無形固定資産の取得による支出による減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、886百万円(前連結会計年度は245百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得や配当金の支払による減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、売上高につきましては、15,297百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。これは主に、送受信用製品販売事業では、テレビ用アンテナや関連機器の販売が全体としては弱含みであったことや、官需向けデジタル無線用アンテナが堅調に推移したこと、また、ソリューション事業では、主力である共聴工事に伸び悩みがあったこと等によるものであります。
海外売上高は916百万円(同13.9%増)で、連結売上高に占める海外売上高の割合は6.0%と前連結会計年度より増加しております。これは主に、海外子会社の売上が前連結会計年度で増加したためであります。
販売費及び一般管理費は5,296百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い旅費交通費や広告宣伝費を抑制した一方で、連結子会社の取得により人件費や減価償却費が増加したことによるものであります。
この結果、営業利益は284百万円(前連結会計年度比63.7%減)となりました。
当連結会計年度の営業外損益は、54百万円の損失となりました。これは主に、為替差損を48百万円計上したこと(前連結会計年度は2百万円の為替差益)によるものであります。
この結果、経常利益は230百万円(前連結会計年度比70.0%減)となりました。
当連結会計年度の特別損益は、193百万円の損失となりました。これは主に、政策保有株式の売却により投資有価証券売却益を33百万円計上した一方で、旧物流拠点の譲渡により固定資産処分損228百万円を計上したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は37百万円(前連結会計年度比94.5%減)となりました。
税金費用(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)は116百万円になりました。
これにより、親会社株主に帰属する当期純損失は79百万円(前連結会計年度は497百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
この結果、1株当たり当期純損失は7円38銭となりました。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響といたしましては、送受信用製品販売事業、ソリューション事業ともに、景気減速による売上減少が見込まれる一方、IoT関連製品の需要が喚起されることも想定されます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループといたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローが確保できており、企業活動の継続に特段の支障はないものと考えております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、まず、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ554百万円減少し、10,306百万円となりました。
重要な資本的支出の予定につきましては、「第一部 企業情報 第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
資金の源泉につきましては、主に、当連結会計年度末の現金及び現金同等物と営業活動により得られる資金であります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、下記のとおりの推移であります。
当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、通信用アンテナの官需向け販売は引き続き堅調であるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による景気後退に伴い新設住宅着工戸数の伸び悩みがあり、テレビ放送関連機器の需要が弱含みで推移し、共聴工事の市況も回復に至らないこと等から、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ減少いたしました。
また、売上高の減少に伴い、営業利益につきましても減少となっております。
この結果、売上高営業利益率につきましても落ち込みとなり、依然としてシェア獲得競争・価格競争の激化があるため、決して楽観視できる情勢ではないものと考えられます。
なお、連結子会社の取得による費用増や固定資産処分損等により、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことから、ROA・ROEにつきましては記載しておりません。
(セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容)
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
なお、財政状態につきましては、当社グループでは、セグメントごとではなく、当社グループ一体としての資金管理を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当っては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しております。
a.繰延税金資産
繰延税金資産は、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異につきまして計上しております。また、当該課税所得を見積るにあたり、前提条件とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が会計上の見積りに及ぼす影響を含め、詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.固定資産の減損損失
固定資産の減損会計の適用に際しては、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来、この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、利益に影響を与える可能性があります。
c.貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
d.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する有価証券を保有しておりますが、これら株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の確定が困難な非公開会社の株式を含んでおります。当社グループは、投資価値が下落し回復可能性がないと判断した場合、これら有価証券の減損を実施しております。公開会社の株式は、期末日の株価が取得額の50%以上下落した場合又は6四半期間続けて30%以上下落しかつ回復可能性がないと判断された場合、また非公開会社の株式は、原則として当該会社の純資産額が取得額の50%以上下落した場合に、それぞれ回復可能性がないと判断し減損処理を行うこととしております。
e.退職給付債務
従業員に対する退職給付債務は、保険数理計算に基づき決定しております。退職給付債務計算は、その前提として使用している割引率、報酬水準の増加率や従業員の平均残存勤務期間に影響されます。当社グループは、割引率を主として日本国債の金利により決定している他、報酬水準の増加率及び従業員の平均残存勤務期間については、これまでの実績値に基づき決定しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、緊急事態宣言の発出を受けての外出自粛や商業施設の休業・営業時間短縮がなされる等、経済活動が大きく制限されました。一時的に回復の兆しが見られたものの、変異ウイルスの感染拡大への懸念もあり、同感染症の収束時期の見通しが立たず、非常に厳しい状況が続いております。
当業界において、テレビ関連機器販売の市場に関しましては、長期化する外出自粛による巣ごもり需要の高まりによりテレビの買い替えが進んでいる一方で、テレビ受信用アンテナの需要は伸び悩んでおります。また、新設住宅着工戸数に関しましても、コロナ禍による消費者マインドの低迷の中、減少傾向で推移しております。
通信関連機器につきましては、民需向けは弱含んでおりますが、官需向けは堅調に推移しております。
このような状況の中、当社グループは、環境に左右されない経営基盤作りに取り組み、収益性に重点をおいた企業活動の推進や、新製品の開発、コストダウンへの継続的取組、業務の効率化による経費の適正な運営等に努めてまいりました。
この結果、通信用アンテナは官需向けの伸びにより売上が前連結会計年度を上回りましたが、テレビ関連機器販売及びソリューション事業は足踏み状態が続いており、当連結会計年度の売上高は15,297百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。
利益面につきましては、営業利益は284百万円(同63.7%減)、経常利益は230百万円(同70.0%減)となり、また固定資産処分損を計上したこと等から、親会社株主に帰属する当期純損失は79百万円(前連結会計年度は497百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来「送受信用製品製造事業」としていた報告セグメントの名称を「送受信用製品販売事業」に、また「工事事業」としていた報告セグメントの名称を「ソリューション事業」に変更しております。これは主に、当社グループを取り巻く事業環境を鑑み、既存の工事に加えて、長年にわたり培ってきた無線通信技術や施工ノウハウを最大限に生かし、より快適な暮らしを実現するための更なる付加価値を生み出すソリューションビジネスを展開することを企図したものであります。
また、この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
(送受信用製品販売事業)
放送関連機器の売上高につきましては、家庭用機器、事業者向け機器ともに伸び悩み、前連結会計年度比減となりました。
通信用アンテナの売上高につきましては、民需向けが思わしくない中、官需向けデジタル無線用アンテナが好調に推移したこと等から、前連結会計年度比増となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は13,363百万円(前連結会計年度比4.6%減)、営業利益は1,518百万円(同1.9%減)となりました。
(ソリューション事業)
主力のビル内共聴工事やアンテナ対策工事が低調に推移したことから、売上高は1,934百万円(前連結会計年度比23.3%減)、営業利益は75百万円(同58.4%減)となりました。
財政状態につきましては、まず、当連結会計年度末の流動資産は、18,249百万円(前連結会計年度末比2.4%減)となりました。これは、商品及び製品の増加や、現金及び預金の減少等によるものであります。
固定資産は、4,958百万円(同3.8%増)となりました。これは、投資有価証券の増加や、土地の減少等によるものであります。
当連結会計年度末の流動負債は、3,010百万円(前連結会計年度末比0.2%増)となりました。これは、未払法人税等の増加や、工事未払金の減少等によるものであります。
固定負債は、1,314百万円(同25.1%増)となりました。これは、株式給付引当金の増加等によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の合計は、18,882百万円(前連結会計年度末比2.7%減)となりました。
この結果、自己資本比率は81.4%となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,306百万円となり、前連結会計年度末に比べ554百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、667百万円(前連結会計年度は838百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少や減価償却費の計上による増加と、たな卸資産の増加や仕入債務の減少による減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、323百万円(前連結会計年度は716百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の売却や有価証券の売却・償還による収入による増加と、連結子会社の取得や有形及び無形固定資産の取得による支出による減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、886百万円(前連結会計年度は245百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得や配当金の支払による減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
送受信用製品販売事業(百万円) | 12,188 | 106.2 |
ソリューション事業(百万円) | 1,934 | 76.7 |
合計(百万円) | 14,122 | 100.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
送受信用製品販売事業 | 5,457 | 108.5 | 91 | 113.3 |
ソリューション事業 | 2,220 | 80.0 | 933 | 144.3 |
合計 | 7,678 | 98.4 | 1,025 | 140.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
送受信用製品販売事業(百万円) | 13,363 | 95.4 |
ソリューション事業(百万円) | 1,934 | 76.7 |
合計(百万円) | 15,297 | 92.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
株式会社ジュピターテレコム | 1,723 | 10.4 | 1,915 | 12.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、売上高につきましては、15,297百万円(前連結会計年度比7.5%減)となりました。これは主に、送受信用製品販売事業では、テレビ用アンテナや関連機器の販売が全体としては弱含みであったことや、官需向けデジタル無線用アンテナが堅調に推移したこと、また、ソリューション事業では、主力である共聴工事に伸び悩みがあったこと等によるものであります。
海外売上高は916百万円(同13.9%増)で、連結売上高に占める海外売上高の割合は6.0%と前連結会計年度より増加しております。これは主に、海外子会社の売上が前連結会計年度で増加したためであります。
販売費及び一般管理費は5,296百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い旅費交通費や広告宣伝費を抑制した一方で、連結子会社の取得により人件費や減価償却費が増加したことによるものであります。
この結果、営業利益は284百万円(前連結会計年度比63.7%減)となりました。
当連結会計年度の営業外損益は、54百万円の損失となりました。これは主に、為替差損を48百万円計上したこと(前連結会計年度は2百万円の為替差益)によるものであります。
この結果、経常利益は230百万円(前連結会計年度比70.0%減)となりました。
当連結会計年度の特別損益は、193百万円の損失となりました。これは主に、政策保有株式の売却により投資有価証券売却益を33百万円計上した一方で、旧物流拠点の譲渡により固定資産処分損228百万円を計上したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は37百万円(前連結会計年度比94.5%減)となりました。
税金費用(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)は116百万円になりました。
これにより、親会社株主に帰属する当期純損失は79百万円(前連結会計年度は497百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
この結果、1株当たり当期純損失は7円38銭となりました。
なお、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響といたしましては、送受信用製品販売事業、ソリューション事業ともに、景気減速による売上減少が見込まれる一方、IoT関連製品の需要が喚起されることも想定されます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループといたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローが確保できており、企業活動の継続に特段の支障はないものと考えております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、まず、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ554百万円減少し、10,306百万円となりました。
重要な資本的支出の予定につきましては、「第一部 企業情報 第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
資金の源泉につきましては、主に、当連結会計年度末の現金及び現金同等物と営業活動により得られる資金であります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、下記のとおりの推移であります。
第64期 | 第65期 | 第66期 | 第67期 | 第68期 | ||
売上高 | (百万円) | 14,051 | 14,356 | 16,692 | 16,535 | 15,297 |
営業利益又は営業損失(△) | (百万円) | △292 | 144 | 1,135 | 784 | 284 |
売上高営業利益率 | (%) | - | 1.0 | 6.8 | 4.7 | 1.9 |
ROA(純利益/総資本) | (%) | - | 0.8 | 4.5 | 2.1 | - |
ROE(純利益/自己資本) | (%) | - | 1.0 | 5.6 | 2.6 | - |
当社グループを取り巻く事業環境といたしましては、通信用アンテナの官需向け販売は引き続き堅調であるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による景気後退に伴い新設住宅着工戸数の伸び悩みがあり、テレビ放送関連機器の需要が弱含みで推移し、共聴工事の市況も回復に至らないこと等から、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ減少いたしました。
また、売上高の減少に伴い、営業利益につきましても減少となっております。
この結果、売上高営業利益率につきましても落ち込みとなり、依然としてシェア獲得競争・価格競争の激化があるため、決して楽観視できる情勢ではないものと考えられます。
なお、連結子会社の取得による費用増や固定資産処分損等により、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したことから、ROA・ROEにつきましては記載しておりません。
(セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容)
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
なお、財政状態につきましては、当社グループでは、セグメントごとではなく、当社グループ一体としての資金管理を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当っては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しております。
a.繰延税金資産
繰延税金資産は、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異につきまして計上しております。また、当該課税所得を見積るにあたり、前提条件とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が会計上の見積りに及ぼす影響を含め、詳細につきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.固定資産の減損損失
固定資産の減損会計の適用に際しては、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングし、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っております。将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、回収可能価額まで帳簿価額を減額しております。将来、この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、利益に影響を与える可能性があります。
c.貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
d.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する有価証券を保有しておりますが、これら株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の確定が困難な非公開会社の株式を含んでおります。当社グループは、投資価値が下落し回復可能性がないと判断した場合、これら有価証券の減損を実施しております。公開会社の株式は、期末日の株価が取得額の50%以上下落した場合又は6四半期間続けて30%以上下落しかつ回復可能性がないと判断された場合、また非公開会社の株式は、原則として当該会社の純資産額が取得額の50%以上下落した場合に、それぞれ回復可能性がないと判断し減損処理を行うこととしております。
e.退職給付債務
従業員に対する退職給付債務は、保険数理計算に基づき決定しております。退職給付債務計算は、その前提として使用している割引率、報酬水準の増加率や従業員の平均残存勤務期間に影響されます。当社グループは、割引率を主として日本国債の金利により決定している他、報酬水準の増加率及び従業員の平均残存勤務期間については、これまでの実績値に基づき決定しております。