有価証券報告書-第89期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 15:45
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144項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績および財政状態の状況
当連結会計年度の経済環境は、日本におきましては、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会・経済活動の正常化が進んだことに加え、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しなどにより、景気は緩やかな回復傾向が継続しましたが、原材料価格の高騰や円安等の影響により物価上昇が進むなど、先行き不透明な状況が続きました。海外におきましては、米国では、良好な雇用環境や個人消費を背景に景気は堅調に推移したものの、中国では、不動産市況低迷や消費意欲の減退が継続するなど、景気の減速感が強まりました。また、各国における金融引き締めの継続やインフレの高止まりに加え、ロシア・ウクライナ紛争の長期化や中東地域をめぐる情勢などを背景に、世界経済は不安定な状況のまま推移しました。
半導体業界につきましては、AI向け半導体の需要拡大に伴う市場環境の改善が一部に見られるものの、パソコン、サーバー市場の低迷継続や、買い替えサイクル長期化等によるスマートフォン需要の減少、米国による対中半導体輸出規制ならびに在庫調整の影響などにより、市況低迷が長期化する厳しい環境が続きました。
このような環境下において、当社グループにおきましては、パソコン、スマートフォン需要低迷や在庫調整の長期化等を背景とする半導体市況回復の遅れの影響を大きく受けました。こうした厳しい市場環境の下、収益確保をはかるべく受注獲得および生産性向上、コストダウン等に注力しました。また、これまで継続的に取り組んでまいりました成長市場向けの設備投資につきましては、市況環境をふまえ、計画の一部見直しを行いましたが、半導体市場の中長期的な拡大や当社製品の今後の需要増加を見据え、引き続き重点的に経営資源を投下しました。半導体の一層の高機能化・高速化や省電力化等のニーズに対応するフリップチップタイプパッケージについては、新たな生産拠点として千曲工場(長野県千曲市)の工場建屋が竣工するなど、引き続き生産体制強化に向けた取り組みを推進いたしました。また、さらなる大型化、高多層化、高密度微細配線等の実現に対応する当社開発の「i-THOP®」等の先端半導体向け次世代フリップチップタイプパッケージに関する千曲工場における新たな設備投資計画が、「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」に基づく「供給確保計画」に認定され、助成金の交付が決定されました。半導体メモリーの高速化・大容量化に対応するプラスチックBGA基板については、生産能力増強をはかるべく、新井工場(新潟県妙高市)において新棟建設に着手しました。
それらの結果、フリップチップタイプパッケージは、パソコン・サーバー需要の回復の遅れ等により売上が大きく減少しました。また、半導体製造装置向けセラミック静電チャックは半導体輸出規制に加え、市況悪化の影響を受け売上が大きく減少し、リードフレームは在庫調整を背景に減収となるなど、総じて市況低迷の影響を受けました。
この結果、当連結会計年度の経営成績および財政状態は以下のとおりとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の売上高は2,099億72百万円(対前連結会計年度比26.7%減)、営業利益は248億10百万円(同67.7%減)、経常利益は272億57百万円(同65.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は186億9百万円(同65.8%減)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
(プラスチックパッケージ)
当連結会計年度の売上高は1,277億52百万円(対前連結会計年度比27.8%減)、経常利益は118億28百万円(同75.0%減)となりました。
なお、生産実績は1,084億8百万円(対前連結会計年度比21.4%減)、受注高は1,209億64百万円(同21.8%減)、受注残高は209億42百万円(同18.7%減)であります。
(メタルパッケージ)
当連結会計年度の売上高は738億78百万円(対前連結会計年度比25.6%減)、経常利益は161億33百万円(同48.3%減)となりました。
なお、生産実績は651億42百万円(対前連結会計年度比16.7%減)、受注高は769億92百万円(同13.5%減)、受注残高は179億88百万円(同29.1%増)であります。
なお、上記のセグメント別の売上高は外部顧客への売上高であり、経常利益はセグメント間取引調整前のものです。
b.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ68億16百万円増加し3,937億50百万円となりました。
当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末に比べ71億46百万円減少し1,287億73百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末に比べ139億63百万円増加し2,649億77百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における「現金及び現金同等物」(「②キャッシュ・フローの状況」において、以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ331億16百万円減少し824億75百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は454億64百万円(対前連結会計年度比61.5%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は732億73百万円(対前連結会計年度比12.4%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は68億86百万円(対前連結会計年度比4.3%減)となりました。
③生産、受注および販売の実績
「生産、受注および販売の実績」につきましては、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載したセグメントにより表示しております。なお、生産および受注の実績については、「①経営成績および財政状態の状況」に含めて記載しております。
a.生産実績
「①経営成績および財政状態の状況」に含めて記載しております。
b.受注実績
「①経営成績および財政状態の状況」に含めて記載しております。
c.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
プラスチックパッケージ(百万円)127,75272.2
メタルパッケージ(百万円)73,87874.4
報告セグメント計(百万円)201,63173.0
その他(百万円)8,34181.5
合計(百万円)209,97273.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
INTEL CORPORATION78,22827.353,82925.6
ADVANCED MICRO DEVICES, INC.36,09512.626,37512.6
LAM RESEARCH CORPORATION32,38011.322,53310.7

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、連結会計年度末における資産・負債の金額および連結会計期間における収益・費用の金額に影響を与える重要な会計方針および各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。また、これらのうち主な会計上の見積りは以下のとおりでありますが、各種引当金等の見積り数値につきましては、見積り特有の不確実性があるため実際の結果とは異なる場合があります。
a.繰延税金資産
法人税等の算定に際しては、当社グループが事業活動を行う各国の税法規定の解釈や税法の改正、将来課税所得の金額および時期など、様々な要因について合理的な見積りおよび判断が必要になります。繰延税金資産は、将来課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し計上しておりますが、実際の課税所得が予測と異なり、回収可能性に疑義が生じた場合、もしくは税率の変更等を含む各国の税制に変更があった場合には、繰延税金資産の計算の見直しが必要となります。その結果として、繰延税金資産の残高が増減する可能性があります。
b.確定給付型退職給付制度
当社グループは、確定給付型およびリスク分担型ならびに確定拠出型の退職給付制度を設けております。確定給付型の退職給付制度の積立状況(退職給付債務から年金資産を控除した額)について、運用収益の悪化により年金資産が減少した場合や、退職給付債務算出にあたっての種々の前提条件(割引率、退職率、死亡率等)が変更され退職給付債務が増加した場合には、積立状況が悪化し、退職給付に係る負債(資産)や退職給付に係る調整累計額などに影響を及ぼす可能性があります。
c.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産が適正な価値で評価されるように売却可能性や収益性等を定期的に見直しており、需要動向および市況の変化に基づく過剰または長期滞留や陳腐化を考慮して評価損を計上しております。実際の需要動向または市況が想定より悪化した場合、追加で評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.固定資産の減損
当社グループは、事業用の設備、不動産など様々な有形・無形の固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待していたキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下によって投資額の回収が見込めなくなることにより、減損損失が発生する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ763億85百万円(26.7%)減少し2,099億72百万円となりました。
このうち、海外売上高は、フリップチップタイプパッケージおよびヒートスプレッダーが、コロナ特需の反動等によるパソコン・サーバーの需要回復の遅れや競争激化などの影響を受け、半導体製造装置向けセラミック静電チャックは、米国による対中半導体輸出規制やメモリー市況悪化などにより、売上が大きく減少しました。また、リードフレームは、半導体市況低迷による在庫調整等を背景に受注減少となり、IC組立はスマートフォン市場の減速によりハイエンドスマートフォン向けの需要が減少し、プラスチックBGA基板は先端メモリー向けが在庫調整の影響を受けるなど、それぞれ売上が減少しました。これらの結果、前連結会計年度に比べ28.3%減少し1,830億38百万円となりました。
国内売上高は、リードフレーム、IC組立およびプラスチックBGA基板が自動車向けに在庫調整が継続し、ガラス端子は光学機器向けが低調に推移したことにより、それぞれ減収となりました。これらの結果、前連結会計年度に比べ13.6%減少し269億33百万円となりました。
当連結会計年度における海外売上高比率は87.2%となり、前連結会計年度より1.9ポイント低下しました。なお、当連結会計年度における米国ドルの平均為替レートは143円となり、前連結会計年度に比べ9円の円安となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上原価は、前連結会計年度に比べ235億94百万円(12.1%)減少し1,710億70百万円となりました。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ527億91百万円(57.6%)減少し389億2百万円となり、売上総利益率は前連結会計年度より13.5ポイント減少し18.5%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ8億89百万円(5.9%)減少し140億91百万円となりました。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ519億1百万円(67.7%)減少し248億10百万円となり、営業利益率は前連結会計年度より15.0ポイント減少し11.8%となりました。
(経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益は、前連結会計年度に比べ514億97百万円(65.4%)減少し272億57百万円となりました。
経常利益率は、前連結会計年度より14.5ポイント減少し13.0%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ358億78百万円(65.8%)減少し186億9百万円となりました。
売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は、前連結会計年度より10.1ポイント減少し8.9%となりました。
また、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績および財政状態の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(プラスチックパッケージ)
フリップチップタイプパッケージは、コロナ特需の反動などによるパソコン・サーバー需要回復の遅れや競争激化などにより、大幅な減収となりました。プラスチックBGA基板は先端メモリー向けが在庫調整の影響を受け、IC組立はスマートフォン市場の減速によりハイエンドスマートフォン向けの需要が減少するなど、それぞれ売上が減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,277億52百万円(対前連結会計年度比27.8%減)、経常利益は売上高減少の影響を大きく受け118億28百万円(同75.0%減)となりました。
(メタルパッケージ)
半導体製造装置向けセラミック静電チャックは、米国による対中半導体輸出規制やメモリー市況悪化などの影響を受け、大幅な減収となりました。リードフレームは、半導体市況低迷による在庫調整等を背景に受注が減少し、また、CPU向けヒートスプレッダーは、パソコン・サーバー需要減退等の影響を大きく受け、ガラス端子は光学機器向けが低調に推移し、それぞれ売上が減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は738億78百万円(対前連結会計年度比25.6%減)、経常利益は売上高減少の影響を大きく受け161億33百万円(同48.3%減)となりました。
(注)セグメント資産は、事業セグメントに資産を配分していないため、記載しておりません。
2)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ68億16百万円増加し3,937億50百万円となりました。
流動資産は、手許流動性預金および売掛金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ416億16百万円減少し1,844億59百万円となりました。
固定資産は、設備投資に伴う有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ484億32百万円増加し2,092億91百万円となりました。
(負債の部)
負債は、未払金および買掛金が増加した一方、未払法人税等および契約負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ71億46百万円減少し1,287億73百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は、前連結会計年度末に比べ139億63百万円増加し2,649億77百万円となりました。
この結果、1株当たり純資産額は1,961.09円(前連結会計年度末は1,857.90円)となりました。
また、自己資本比率は67.3%(前連結会計年度末は64.9%)となりました。
3)キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローで得られた資金は454億64百万円(対前連結会計年度比61.5%減)となりました。主な要因は、減価償却費、税金等調整前当期純利益および売上債権の減少などにより資金が増加し、法人税等の支払および契約負債の減少などにより資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローでは732億73百万円(対前連結会計年度比12.4%増)の資金を使用しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローでは68億86百万円(対前連結会計年度比4.3%減)の資金を使用しました。主に、配当金の支払に使用したものであります。
これらの活動の結果に為替換算差額を加味した当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の1,155億92百万円から331億16百万円減少し824億75百万円となりました。
なお、2023年12月12日付「JICC-04株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」で公表しましたとおり、JICC-04株式会社による当社の普通株式に対する公開買付けに関して、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨を同日開催の取締役会において決議しております。
当社は、市況環境変化の激しい半導体産業にあって、当社製品・テクノロジーの中長期的な市場拡大の可能性を的確に捉え、機動的かつ柔軟な経営判断を行うことが重要との認識に基づき、成長市場向けの設備投資・技術開発を重点的に展開する当社の事業方針を基本的に支持し、政府系ファンドとして短期的な業績変動に動じず、中長期的な観点で企業価値の向上に資する取組みを推進していくことが可能なJICキャピタル株式会社を中心に構成される公開買付者による本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募を推奨することといたしました。今後、本公開買付けおよびその後に予定された手続により、当社株式を非公開化することを目的とする一連の取引を実行し、これまで以上の意思決定のスピードアップをはかり、当社事業推進において根幹となる人的資本の拡充などの施策を進めるとともに、次世代半導体ビジネスの推進や次世代製品における市場競争力の強化等に取り組み、中長期的かつ持続的な企業価値向上を目指し「限りなき発展」を果たしてまいります。
b.資本の財源および資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、原材料の購入等の製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金および設備投資によるものであります。また、当社ではプラスチックパッケージにおいて半導体用フリップチップタイプパッケージの生産体制強化および半導体メモリー用プラスチックBGA基板の生産能力増強に、メタルパッケージにおいてはセラミック静電チャックの生産能力増強に向けた設備投資などを進めております。
これらに必要な資金については自己資金をもって充当することを基本とし、必要に応じて銀行借入等を行うこととしております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 a.経営成績等 3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

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