有価証券報告書-第73期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州では緩やかな景気回復が続き、新興国でも中国をはじめ多くの国で持ち直しの動きが見られます。また、わが国経済においても企業収益や雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復基調が続きました。
一方、当社グループの属する電子部品業界は、自動車市場における電装化の進展やIoT向け需要の増加により好調を持続しております。
このような状況のもと、当社グループはマーケティング力の向上のため、「事業ポートフォリオの変革」「顧客満足品質の追求」「新コア技術の創生」等の重点戦略に取り組み、市場ニーズに即した新商品開発や設備投資を行ってきました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ693,582千円増加し、7,782,228千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,091,697千円増加し、6,100,288千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ398,114千円減少し、1,681,939千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高4,611,703千円(前年同期比7.0%減)、営業損失376,155千円(前年同期は275,230千円の営業損失)、経常損失432,785千円(前年同期は263,563千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失441,530千円(前年同期は278,408千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
水晶製品事業は、売上高4,548,653千円(前年同期比7.2%減)、セグメント損失427,662千円(前年同期は258,844千円のセグメント損失)となりました。
その他の電子部品事業は、売上高63,049千円(前年同期比12.5%増)、セグメント損失5,123千円(前年同期は4,719千円のセグメント損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益の減少やたな卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出等の要因により一部相殺されたものの、売上債権の減少、長期借入れによる収入等により前連結会計年度に比べ260,797千円増加し、当連結会計年度末には990,446千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、54,289千円の支出(前連結会計年度は98,388千円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失434,337千円、減価償却費426,036千円、売上債権の減少額180,022千円、たな卸資産の増加額269,220千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、1,078,052千円の支出(前連結会計年度は368,393千円の支出)となりました。これは主として、定期預金の預入による支出1,079,479千円、有形固定資産の取得による支出1,065,019千円、定期預金の払戻による収入1,071,368千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、1,374,056千円の収入(前連結会計年度は111,856千円の収入)となりました。これは主として、長期借入金による収入2,350,000千円、短期借入金の減少額88,240千円、長期借入金の返済による支出834,410千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度のその他の電子部品事業において、受注残高が著しく変動がありました。これは主に、車載関連向け受注増加によるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣はこの連結財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発資産及び債務の開示に関連して、種々の見積りと仮定を行っております。見積りと仮定を前提とする重要な項目は、貸倒引当金、たな卸資産及び繰延税金資産、従業員給付に関連した資産及び債務であります。実際の結果につきましては、これらの見積りと異なることもありえます。
a.収益の認識
当社グループの売上高は、通常、発注書等に基づき取引先に製品が出荷された時点において計上されます。売上値引・割戻を控除した純額となっております。
b.貸倒引当金
当社グループは、取引先の支払不能時において発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.たな卸資産
たな卸資産の評価は、製品については主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)、仕掛品については主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)及び原材料については主として先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によっております。
d.繰延税金資産
当社グループは、将来の税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
e.投資有価証券
当社グループは、取引関係の長期化及び円滑化を目的として有価証券を保有しております。現在、当社グループの保有する有価証券は価格変動性が高い公開会社の売却可能な株式であるため、公正価値にて評価され、それに伴い認識される税効果考慮後の評価差額は、連結貸借対照表の純資産の部のその他有価証券評価差額金として計上されております。
f.退職給付に係る会計処理
当社及び国内連結子会社は、従業員の退職給付に備えるため、簡便法による退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
総資産は、前連結会計年度比9.8%増の7,782,228千円となりました。流動資産は、前連結会計年度比8.9%増の4,527,735千円でありました。固定資産は、前連結会計年度比11.0%増の3,254,492千円でありました。これは流動資産の受取手形及び売掛金が150,521千円前連結会計年度に比べ減少したものの、流動資産の現金及び預金が268,438千円、商品及び製品が153,116千円、固定資産の建設仮勘定が257,691千円前連結会計年度に比べ増加したことによるものであります。
(負債合計)
負債は、前連結会計年度比21.8%増の6,100,288千円となりました。これは流動負債の短期借入金が88,240千円、設備関係支払手形が77,104千円前連結会計年度に比べ減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が342,840千円、固定負債の長期借入金が1,172,750千円前連結会計年度に比べ増加したことによるものであります。
(純資産合計)
純資産は、前連結会計年度比19.1%減の1,681,939千円となりました。これは、資本剰余金が170,512千円、利益剰余金が271,018千円前連結会計年度に比べ減少したことによるものであります。これにより、自己資本比率は前連結会計年度の29.3%に対し21.6%になりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は前連結会計年度比7.0%減の4,611,703千円となりました。
水晶製品事業は、無線モジュール向けが従来製品から新製品への置換え需要もあり増収となりましたが、スマートフォン向けが一部ハイエンドモデル向け需要の伸び悩みやリファレンスモデルの設計変更に伴う中国メーカーからの受注減少の影響から大幅な減収となりました。これらの結果、水晶製品事業の売上高は、前連結会計年度比7.2%減の4,548,653千円となりました。売上高に占める比率は98.6%であります。
その他の電子部品事業は、車載関連向けが好調であったことから、前連結会計年度比12.5%増の63,049千円となりました。売上高に占める比率は1.4%であります。
(売上原価、販売費及び一般管理費及び営業利益)
売上原価は、原材料費や固定費の削減に努めたことから、前連結会計年度比5.3%減の3,941,856千円となりましたが、大幅な減収をカバーするに至らず、売上原価率は85.5%(前連結会計年度比1.5ポイント増加)となりました。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2.4%減の1,046,002千円となりました。これは主に給与手当及び研究開発費の減少によるものであります。
この結果、営業損失は376,155千円(前連結会計年度は275,230千円の営業損失)となりました。
(営業外収益(費用)及び経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度は為替差益25,316千円を計上しておりましたが、当連結会計年度は32,204千円の為替差損を計上している影響から前連結会計年度比74.7%減の10,470千円となりました。また、営業外費用についても為替差損の影響により、前連結会計年度比126.1%増の67,100千円となりました。
この結果、経常損失は432,785千円(前連結会計年度は263,563千円の経常損失)となりました。
(特別利益(損失)及び税金等調整前当期純利益)
特別利益は、前連結会計年度比97.4%減の21千円となりました。これは固定資産売却益の減少によるものであります。また、特別損失は、前連結会計年度比9.1%増の1,573千円となりました。これは固定資産除却損が増加したことによるものであります。
この結果、税金等調整前当期純損失は434,337千円(前連結会計年度は264,156千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(法人税等)
法人税等は、前連結会計年度比49.5%減の7,193千円となりました。これは法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額が減少したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純損失は441,530千円(前連結会計年度は278,408千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。1株当たり当期純損失は59.90円(前連結会計年度は37.77円の1株当たり当期純損失)になりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因としては、市場動向や原材料費の動向、災害、技術革新等があります。 市場動向については現在、売上高の7割程度をスマートフォン関連が占めており、非常に不安定な経営基盤であると認識しております。これまでも脱スマホを掲げ、自動車や医療分野といった成長市場に注力していくことを戦略の1つとして取り組んでおりますが、2020年の実用化が期待されている5G(第5世代移動通信システム)において急速に進展するであろうIoT市場において必要とされるデバイスをタイムリーに投入できる体制を整えてまいります。
原材料費の動向については特殊性や環境規制等もあり、資材取引先の複数購買や原材料の切替えが困難な場合もありますが、要素技術の深耕や設計の見直し、良品化率の向上等に努め、取引先との関係強化を図り、コスト削減を推進してまいります。
災害については台風・地震等の大規模自然災害や伝染病・感染症の世界的流行、システム障害等によって引き起こされる業務遂行リスクに対して、その影響を最小限にするべく、事業継続計画の整備や非常時対応訓練を実施・推進してまいります。
技術革新についてはこれまで水晶製品の小型化に注力し、他社との差別化を図ってまいりましたが、各社とも小型を推し進めるなかで、小型化だけでは大きなアドバンテージを獲得することが難しくなってきております。今後は小型化に加え、5G時代に求められる高周波デバイス、センサー等の分野への技術深耕を図ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は、事業活動に必要な運転資金及び設備資金が主たる内容であります。運転資金需要の主たるものは、製品を製造するための材料仕入、製造経費、営業経費及び研究開発費を含む販売費及び一般管理費によるものです。設備資金需要の主たるものは、事業拡大・生産性向上を目的とした機械装置等、固定資産の購入によるものです。これらは借入金や自己資金等により充当しております。当連結会計年度末の有利子負債残高はリース債務を含めて4,654,705千円であり,前連結会計年度末と比較して1,428,599千円増加しています。これは主に新製品の生産ラインの立ち上げによる機械装置等、固定資産の購入によるものであります。
当連結会計期間末の現金及び現金同等物は990,446千円であり、流動比率も139.3%と前連結会計年度末を上回っており、今後も主要銀行と調達手段の検討を含め、十分な流動性を確保してまいります。
財政政策
当社グループは営業活動で獲得した資金を運転資金及び設備資金に充当し、不足分は借入金等の有利子負債の調達を行っております。長期資金の調達については、経営計画に基づく資金需要や金利動向等を考慮の上、調達手段や調達規模等を判断、実施しております。他方、有利子負債圧縮のため、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮化に努めるほか、設備の稼働率向上等、資産効率の改善にも取り組んでおります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営目標達成状況を判断する重要指標として「売上高営業利益率3%超」を掲げております。当連結会計年度における売上高営業利益率は△8.2%(前連結会計年度2.6ポイントの悪化)と大きく目標を下回りました。主たる要因として、当社の主戦場であるスマートフォン市場における収益力低下によるところが大きいと認識しております。今後は重要戦略の1つである車載や医療関連、IoTデバイスといった成長市場への拡販活動を推進していくとともに資産の効率化を図り、収益力の改善に取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(水晶製品事業)
スマートフォンの一部最新ハイエンドモデルの販売不振、またリファレンスデザインの設計変更による中国スマートフォンメーカー向けの受注減少の影響から、主力のスマートフォン向けの売上高は、前期を大幅に下回りました。無線モジュール向けは、販売数量は前期を下回りましたが、新製品を中心にプロダクトミックスの改善が功を奏したことから、売上高は前期を上回りました。車載向けは、キーレスエントリー及びカーナビゲーション向けの販売数量の減少の影響により、売上高は前期を下回りました。またパソコン及び周辺機器向けは、SSD向けの需要は伸びましたが、HDD向けの需要が減退したことから、売上高は前期を下回りました。
この結果、当事業の売上高は4,548,653千円(前年同期比7.2%減)となりました。利益面につきましては固定費の削減に努めたものの、減収による利益の押し下げを補えず427,662千円のセグメント損失(前年同期は258,844千円のセグメント損失)となりました。
セグメント資産は、新製品の立上げによる有形固定資産の増加等により、前連結会計年度に比べ689,257千円増加の7,664,313千円となりました。
(その他の電子部品事業)
その他の電子部品事業は、車載関連向けの需要が好調に推移し、売上高は63,049千円(前年同期比12.5%増)となりました。利益面では、諸経費の抑制に努めたものの、増収に伴う販売管理費の増加の影響から5,123千円のセグメント損失(前年同期は4,719千円のセグメント損失)となりました。
セグメント資産は、増収に伴う売上債権の増加等により、前連結会計年度に比べ4,325千円増加の117,915千円となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国や欧州では緩やかな景気回復が続き、新興国でも中国をはじめ多くの国で持ち直しの動きが見られます。また、わが国経済においても企業収益や雇用・所得環境の改善により、緩やかな景気回復基調が続きました。
一方、当社グループの属する電子部品業界は、自動車市場における電装化の進展やIoT向け需要の増加により好調を持続しております。
このような状況のもと、当社グループはマーケティング力の向上のため、「事業ポートフォリオの変革」「顧客満足品質の追求」「新コア技術の創生」等の重点戦略に取り組み、市場ニーズに即した新商品開発や設備投資を行ってきました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ693,582千円増加し、7,782,228千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,091,697千円増加し、6,100,288千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ398,114千円減少し、1,681,939千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高4,611,703千円(前年同期比7.0%減)、営業損失376,155千円(前年同期は275,230千円の営業損失)、経常損失432,785千円(前年同期は263,563千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失441,530千円(前年同期は278,408千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
水晶製品事業は、売上高4,548,653千円(前年同期比7.2%減)、セグメント損失427,662千円(前年同期は258,844千円のセグメント損失)となりました。
その他の電子部品事業は、売上高63,049千円(前年同期比12.5%増)、セグメント損失5,123千円(前年同期は4,719千円のセグメント損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益の減少やたな卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出等の要因により一部相殺されたものの、売上債権の減少、長期借入れによる収入等により前連結会計年度に比べ260,797千円増加し、当連結会計年度末には990,446千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、54,289千円の支出(前連結会計年度は98,388千円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純損失434,337千円、減価償却費426,036千円、売上債権の減少額180,022千円、たな卸資産の増加額269,220千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、1,078,052千円の支出(前連結会計年度は368,393千円の支出)となりました。これは主として、定期預金の預入による支出1,079,479千円、有形固定資産の取得による支出1,065,019千円、定期預金の払戻による収入1,071,368千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、1,374,056千円の収入(前連結会計年度は111,856千円の収入)となりました。これは主として、長期借入金による収入2,350,000千円、短期借入金の減少額88,240千円、長期借入金の返済による支出834,410千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 水晶製品 | 4,695,388 | 95.6 |
| その他の電子部品 | 65,838 | 149.9 |
| 計 | 4,761,226 | 96.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 水晶製品 | 4,629,277 | 93.5 | 494,756 | 120.0 |
| その他の電子部品 | 94,295 | 166.5 | 32,578 | 2,374.5 |
| 計 | 4,723,572 | 94.3 | 527,335 | 127.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度のその他の電子部品事業において、受注残高が著しく変動がありました。これは主に、車載関連向け受注増加によるものであります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 水晶製品 | 4,548,653 | 92.8 |
| その他の電子部品 | 63,049 | 112.5 |
| 計 | 4,611,703 | 93.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 日本サムスン株式会社 | 403,166 | 8.1 | 800,632 | 17.4 |
| 台湾晶技股份有限公司 | 1,030,714 | 20.8 | 532,128 | 11.5 |
| USI (Shanghai) Co., Ltd. | 424,789 | 8.6 | 505,397 | 11.0 |
| Shenzhen Murata Technology Co., Ltd. | 453,573 | 9.1 | 490,553 | 10.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣はこの連結財務諸表の作成に際し、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発資産及び債務の開示に関連して、種々の見積りと仮定を行っております。見積りと仮定を前提とする重要な項目は、貸倒引当金、たな卸資産及び繰延税金資産、従業員給付に関連した資産及び債務であります。実際の結果につきましては、これらの見積りと異なることもありえます。
a.収益の認識
当社グループの売上高は、通常、発注書等に基づき取引先に製品が出荷された時点において計上されます。売上値引・割戻を控除した純額となっております。
b.貸倒引当金
当社グループは、取引先の支払不能時において発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.たな卸資産
たな卸資産の評価は、製品については主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)、仕掛品については主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)及び原材料については主として先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によっております。
d.繰延税金資産
当社グループは、将来の税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で繰延税金資産を計上しております。
e.投資有価証券
当社グループは、取引関係の長期化及び円滑化を目的として有価証券を保有しております。現在、当社グループの保有する有価証券は価格変動性が高い公開会社の売却可能な株式であるため、公正価値にて評価され、それに伴い認識される税効果考慮後の評価差額は、連結貸借対照表の純資産の部のその他有価証券評価差額金として計上されております。
f.退職給付に係る会計処理
当社及び国内連結子会社は、従業員の退職給付に備えるため、簡便法による退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
総資産は、前連結会計年度比9.8%増の7,782,228千円となりました。流動資産は、前連結会計年度比8.9%増の4,527,735千円でありました。固定資産は、前連結会計年度比11.0%増の3,254,492千円でありました。これは流動資産の受取手形及び売掛金が150,521千円前連結会計年度に比べ減少したものの、流動資産の現金及び預金が268,438千円、商品及び製品が153,116千円、固定資産の建設仮勘定が257,691千円前連結会計年度に比べ増加したことによるものであります。
(負債合計)
負債は、前連結会計年度比21.8%増の6,100,288千円となりました。これは流動負債の短期借入金が88,240千円、設備関係支払手形が77,104千円前連結会計年度に比べ減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が342,840千円、固定負債の長期借入金が1,172,750千円前連結会計年度に比べ増加したことによるものであります。
(純資産合計)
純資産は、前連結会計年度比19.1%減の1,681,939千円となりました。これは、資本剰余金が170,512千円、利益剰余金が271,018千円前連結会計年度に比べ減少したことによるものであります。これにより、自己資本比率は前連結会計年度の29.3%に対し21.6%になりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は前連結会計年度比7.0%減の4,611,703千円となりました。
水晶製品事業は、無線モジュール向けが従来製品から新製品への置換え需要もあり増収となりましたが、スマートフォン向けが一部ハイエンドモデル向け需要の伸び悩みやリファレンスモデルの設計変更に伴う中国メーカーからの受注減少の影響から大幅な減収となりました。これらの結果、水晶製品事業の売上高は、前連結会計年度比7.2%減の4,548,653千円となりました。売上高に占める比率は98.6%であります。
その他の電子部品事業は、車載関連向けが好調であったことから、前連結会計年度比12.5%増の63,049千円となりました。売上高に占める比率は1.4%であります。
(売上原価、販売費及び一般管理費及び営業利益)
売上原価は、原材料費や固定費の削減に努めたことから、前連結会計年度比5.3%減の3,941,856千円となりましたが、大幅な減収をカバーするに至らず、売上原価率は85.5%(前連結会計年度比1.5ポイント増加)となりました。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2.4%減の1,046,002千円となりました。これは主に給与手当及び研究開発費の減少によるものであります。
この結果、営業損失は376,155千円(前連結会計年度は275,230千円の営業損失)となりました。
(営業外収益(費用)及び経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度は為替差益25,316千円を計上しておりましたが、当連結会計年度は32,204千円の為替差損を計上している影響から前連結会計年度比74.7%減の10,470千円となりました。また、営業外費用についても為替差損の影響により、前連結会計年度比126.1%増の67,100千円となりました。
この結果、経常損失は432,785千円(前連結会計年度は263,563千円の経常損失)となりました。
(特別利益(損失)及び税金等調整前当期純利益)
特別利益は、前連結会計年度比97.4%減の21千円となりました。これは固定資産売却益の減少によるものであります。また、特別損失は、前連結会計年度比9.1%増の1,573千円となりました。これは固定資産除却損が増加したことによるものであります。
この結果、税金等調整前当期純損失は434,337千円(前連結会計年度は264,156千円の税金等調整前当期純損失)となりました。
(法人税等)
法人税等は、前連結会計年度比49.5%減の7,193千円となりました。これは法人税、住民税及び事業税及び法人税等調整額が減少したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純損失は441,530千円(前連結会計年度は278,408千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。1株当たり当期純損失は59.90円(前連結会計年度は37.77円の1株当たり当期純損失)になりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因としては、市場動向や原材料費の動向、災害、技術革新等があります。 市場動向については現在、売上高の7割程度をスマートフォン関連が占めており、非常に不安定な経営基盤であると認識しております。これまでも脱スマホを掲げ、自動車や医療分野といった成長市場に注力していくことを戦略の1つとして取り組んでおりますが、2020年の実用化が期待されている5G(第5世代移動通信システム)において急速に進展するであろうIoT市場において必要とされるデバイスをタイムリーに投入できる体制を整えてまいります。
原材料費の動向については特殊性や環境規制等もあり、資材取引先の複数購買や原材料の切替えが困難な場合もありますが、要素技術の深耕や設計の見直し、良品化率の向上等に努め、取引先との関係強化を図り、コスト削減を推進してまいります。
災害については台風・地震等の大規模自然災害や伝染病・感染症の世界的流行、システム障害等によって引き起こされる業務遂行リスクに対して、その影響を最小限にするべく、事業継続計画の整備や非常時対応訓練を実施・推進してまいります。
技術革新についてはこれまで水晶製品の小型化に注力し、他社との差別化を図ってまいりましたが、各社とも小型を推し進めるなかで、小型化だけでは大きなアドバンテージを獲得することが難しくなってきております。今後は小型化に加え、5G時代に求められる高周波デバイス、センサー等の分野への技術深耕を図ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの資金需要は、事業活動に必要な運転資金及び設備資金が主たる内容であります。運転資金需要の主たるものは、製品を製造するための材料仕入、製造経費、営業経費及び研究開発費を含む販売費及び一般管理費によるものです。設備資金需要の主たるものは、事業拡大・生産性向上を目的とした機械装置等、固定資産の購入によるものです。これらは借入金や自己資金等により充当しております。当連結会計年度末の有利子負債残高はリース債務を含めて4,654,705千円であり,前連結会計年度末と比較して1,428,599千円増加しています。これは主に新製品の生産ラインの立ち上げによる機械装置等、固定資産の購入によるものであります。
当連結会計期間末の現金及び現金同等物は990,446千円であり、流動比率も139.3%と前連結会計年度末を上回っており、今後も主要銀行と調達手段の検討を含め、十分な流動性を確保してまいります。
財政政策
当社グループは営業活動で獲得した資金を運転資金及び設備資金に充当し、不足分は借入金等の有利子負債の調達を行っております。長期資金の調達については、経営計画に基づく資金需要や金利動向等を考慮の上、調達手段や調達規模等を判断、実施しております。他方、有利子負債圧縮のため、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮化に努めるほか、設備の稼働率向上等、資産効率の改善にも取り組んでおります。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営目標達成状況を判断する重要指標として「売上高営業利益率3%超」を掲げております。当連結会計年度における売上高営業利益率は△8.2%(前連結会計年度2.6ポイントの悪化)と大きく目標を下回りました。主たる要因として、当社の主戦場であるスマートフォン市場における収益力低下によるところが大きいと認識しております。今後は重要戦略の1つである車載や医療関連、IoTデバイスといった成長市場への拡販活動を推進していくとともに資産の効率化を図り、収益力の改善に取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(水晶製品事業)
スマートフォンの一部最新ハイエンドモデルの販売不振、またリファレンスデザインの設計変更による中国スマートフォンメーカー向けの受注減少の影響から、主力のスマートフォン向けの売上高は、前期を大幅に下回りました。無線モジュール向けは、販売数量は前期を下回りましたが、新製品を中心にプロダクトミックスの改善が功を奏したことから、売上高は前期を上回りました。車載向けは、キーレスエントリー及びカーナビゲーション向けの販売数量の減少の影響により、売上高は前期を下回りました。またパソコン及び周辺機器向けは、SSD向けの需要は伸びましたが、HDD向けの需要が減退したことから、売上高は前期を下回りました。
この結果、当事業の売上高は4,548,653千円(前年同期比7.2%減)となりました。利益面につきましては固定費の削減に努めたものの、減収による利益の押し下げを補えず427,662千円のセグメント損失(前年同期は258,844千円のセグメント損失)となりました。
セグメント資産は、新製品の立上げによる有形固定資産の増加等により、前連結会計年度に比べ689,257千円増加の7,664,313千円となりました。
(その他の電子部品事業)
その他の電子部品事業は、車載関連向けの需要が好調に推移し、売上高は63,049千円(前年同期比12.5%増)となりました。利益面では、諸経費の抑制に努めたものの、増収に伴う販売管理費の増加の影響から5,123千円のセグメント損失(前年同期は4,719千円のセグメント損失)となりました。
セグメント資産は、増収に伴う売上債権の増加等により、前連結会計年度に比べ4,325千円増加の117,915千円となりました。