有価証券報告書-第72期(2023/04/01-2024/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行されたことにより、移動需要やインバウンド需要の回復など経済活動の正常化が進みました。一方、世界情勢の不安に伴う資源等の価格高騰、世界的なインフレ、円安の進行など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループを取り巻く経営環境においては、主要な取引先であるバス・鉄道業界における輸送量が増加した影響により、バス・鉄道事業者の設備投資意欲が回復してまいりました。また、材料価格高騰を踏まえた価格交渉等にも鋭意取り組んでおります。
このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、2021年4月よりスタートした長期ビジョン「VISION2030」と、長期ビジョンのアクションプランとして策定した当期を最終年度とする中期経営計画「CN2023(Challenge to the Next stage 2023)」の実現に向けた取組みを進めてまいりました。
中期経営計画「CN2023」では、重点課題である①「モノ+コトへの新たな事業展開」、②「MaaS、スマートシティに向けた新しい価値の提供」、③「海外・国内ビジネスの新たな融合と広がり」、④「事業構造の転換に向けた業務プロセスの抜本的変革」、⑤「育成分野への経営資源のスムーズな移行」の5つの課題に向けた取組みに注力しました。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の連結業績は、次のとおりとなりました。
① 全般概況
〇売上高は、前期比84億31百万円(59.2%)増の226億84百万円となりました。
これは主に、輸送機器事業のバス市場において事業者の設備投資意欲の回復、新紙幣関連売上増加に伴い大幅に増収となったほか、産業機器事業についても、バッテリー式フォークリフト用充電器の需要が底堅く推移するなど、全市場で売上が増加したことによるものです。
〇売上総利益は、前期比41億54百万円(112.0%)増の78億64百万円となりました。
これは主に、増収および商品構成の変化により売上原価率が前期比8.6ポイント良化したことによるものであります。
〇営業損益は、前期比34億74百万円増の31億64百万円となりました。
なお、販売費及び一般管理費につきましては、パソコン等事務用機器の購入費用、外部委託費用、試験研究費等の増加により、前期比6億80百万円増の46億99百万円となりました。
〇経常損益は、前期比37億64百万円増の35億57百万円となりました。
なお、営業外収益につきましては、主に為替差益等の増加により前期比2億88百万円(202.0%)増の4億31百万円となりました。また、営業外費用につきましては、前年から大きな変動はなく、37百万円となりました。
〇親会社株主に帰属する当期純損益は、前期比26億66百万円増の24億16百万円となりました。
なお、特別利益につきましては、産業機器事業における高電圧変圧器(インバーター式ネオン変圧器、燃焼器具用変圧器等)事業の譲渡に伴う譲渡益の計上等に伴い、3億76百万円となりました。また、特別損失につきましては、減損損失の増加等により、前期比10百万円(203.7%)増の16百万円となりました。
② セグメント別の状況
[輸送機器事業]
当事業の売上高は180億96百万円(前期比80億15百万円増、79.5%増)、営業利益は27億85百万円(前期は2億56百万円の営業損失)となりました。
市場別の売上高は、バス市場が138億69百万円(前期比69億90百万円増、101.6%増)、鉄道市場が31億12百万円(前期比10億13百万円増、48.2%増)、自動車市場が11億13百万円(前期比12百万円増、1.1%増)となりました。
バス市場は、バス事業者の設備投資意欲の回復を受け、運賃収受システムの導入に伴うシステム開発案件や、運賃箱、ICカードリーダライタなどの売上が増加したほか、新紙幣発行に伴う運賃箱の改造・ソフト改修などの売上が増加し、増収となりました。
鉄道市場は、ニューヨーク市地下鉄車両用灯具の納入が進んでいることに加え、新紙幣発行に伴う運賃箱の改造・ソフト改修などの売上が増加し、増収となりました。
自動車市場は、自動車LED灯具の売上が増加し、増収となりました。
当事業の損益は、増収および商品構成の変化による原価率の低下により黒字となりました。
[産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)]
当事業の売上高は45億51百万円(前期比4億15百万円増、10.0%増)、営業利益は4億36百万円(前期は11百万円の営業損失)となりました。
市場別の売上高は、電源ソリューション市場が27億79百万円(前期比1億76百万円増、6.8%増)、エコ照明・高電圧ソリューション市場が7億75百万円(前期比1億16百万円増、17.7%増)、EMS市場が9億96百万円(前期比1億22百万円増、14.0%増)となりました。
電源ソリューション市場は、物流市場の活況や電動化の気運により、バッテリー式フォークリフト用充電器の需要が底堅く推移していることに加え、価格改定の効果も表れ、増収となりました。
エコ照明・高電圧ソリューション市場は、燃焼器具用変圧器、電子式ネオン変圧器の売上が増加し、増収となりました。
EMS市場は、産業機器向け基板実装売上が増加し、増収となりました。
当事業の損益は、銅・鉄等の主要原材料価格の上昇を踏まえた価格改定の効果により、利益率が改善し、黒字となりました。
[その他]
当事業の売上高は37百万円、営業利益は4百万円となりました。事業の内容は、主としてレシップホールディングス株式会社による不動産賃貸業であります。
(2) 財政状態の状況
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は199億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億92百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が2億15百万円減少した一方、売掛金が23億20百万円、原材料及び貯蔵品が15億32百万円、商品及び製品が4億12百万円、未収入金が3億88百万円、繰延税金資産が2億18百万円、受取手形が1億80百万円、投資有価証券が95百万円増加したこと等によるものです。
負債は130億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億99百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金が23億87百万円減少した一方、未払法人税等が17億28百万円、電子記録債務が13億50百万円、前受金が5億18百万円、支払手形及び買掛金が4億14百万円、未払消費税等が3億51百万円、未払金が2億25百万円、賞与引当金が2億21百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億18百万円増加したこと等によるものです。
純資産は68億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億92百万円増加いたしました。主な要因は、為替換算調整勘定が2億57百万円減少した一方、利益剰余金が23億47百万円増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の31.6%から34.5%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2億15百万円減少し、29億64百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期は14億94百万円の支出に対し、23億36百万円の収入となりました。
これは主に、案件の増加に伴う売上債権の増加や棚卸資産の増加があった一方、税金等調整前当期純利益、仕入債務、未払消費税等、前受金が増加したことや、前年にあった法人税等の支払いがなくなったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期は2億22百万円の支出に対し、前期比1億16百万円支出が減少し、1億5百万円の支出となりました。
これは主に、事業譲渡による収入があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期は7億81百万円の収入に対し、24億80百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の返済によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)2021年3月期及び2023年3月期については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの表示はしておりません。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、製造原価によっております。
2 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの生産実績に著しい変動がありました。主な要因は
国内において当連結会計年度に受注した大型案件の進捗が進んだことによるものです。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの受注実績に著しい変動がありました。主な要因は
複数の大型案件の受注を獲得できたことによります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの販売実績に著しい変動がありました。主な要因
は新型コロナウイルス感染症が、5類感染症に移行したことに伴い、当社の主要な取引先であるバス・
鉄道事業者様の設備投資意欲が回復し、当連結会計年度に受注した案件の売上計上が進んだことによ
るものです。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績の状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおきましては、原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用に係る運転資金のほか、製品の競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資等に主たる資金需要が生じます。当社グループは、これらの資金需要に対して営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金並びに金融機関からの借入により充当しております。なお、営業活動によって得られた資金は、上記のとおり、運転資金及び設備等に充当するほか、継続的かつ安定的な株主還元に努めてまいりたいと考えております。
金融機関からの借入につきましては取引先金融機関と当座貸越契約を締結しており、資金流動性を確保しつつ、効率的かつ機動的な資金調達を可能としております。また、国内連結会社につきましては、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、国内連結子会社の余剰資金を連結親会社に集中させることにより、当社グループの資金効率化を図ると共に、国内連結子会社の資金業務を連結親会社に集中させることにより業務効率化を図っております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症へ移行されたことにより、移動需要やインバウンド需要の回復など経済活動の正常化が進みました。一方、世界情勢の不安に伴う資源等の価格高騰、世界的なインフレ、円安の進行など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループを取り巻く経営環境においては、主要な取引先であるバス・鉄道業界における輸送量が増加した影響により、バス・鉄道事業者の設備投資意欲が回復してまいりました。また、材料価格高騰を踏まえた価格交渉等にも鋭意取り組んでおります。
このような経営環境のなか、当社グループにおきましては、2021年4月よりスタートした長期ビジョン「VISION2030」と、長期ビジョンのアクションプランとして策定した当期を最終年度とする中期経営計画「CN2023(Challenge to the Next stage 2023)」の実現に向けた取組みを進めてまいりました。
中期経営計画「CN2023」では、重点課題である①「モノ+コトへの新たな事業展開」、②「MaaS、スマートシティに向けた新しい価値の提供」、③「海外・国内ビジネスの新たな融合と広がり」、④「事業構造の転換に向けた業務プロセスの抜本的変革」、⑤「育成分野への経営資源のスムーズな移行」の5つの課題に向けた取組みに注力しました。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度の連結業績は、次のとおりとなりました。
2023年3月期 | 2024年3月期 | 前期比 増減額 | 前期比 増減率 | |
売上高 | 142億53百万円 | 226億84百万円 | 84億31百万円 | 59.2% |
売上総利益 | 37億9百万円 | 78億64百万円 | 41億54百万円 | 112.0% |
営業損益 | ▲3億10百万円 | 31億64百万円 | 34億74百万円 | - |
経常損益 | ▲2億7百万円 | 35億57百万円 | 37億64百万円 | - |
親会社株主に帰属する 当期純損益 | ▲2億49百万円 | 24億16百万円 | 26億66百万円 | - |
① 全般概況
〇売上高は、前期比84億31百万円(59.2%)増の226億84百万円となりました。
これは主に、輸送機器事業のバス市場において事業者の設備投資意欲の回復、新紙幣関連売上増加に伴い大幅に増収となったほか、産業機器事業についても、バッテリー式フォークリフト用充電器の需要が底堅く推移するなど、全市場で売上が増加したことによるものです。
〇売上総利益は、前期比41億54百万円(112.0%)増の78億64百万円となりました。
これは主に、増収および商品構成の変化により売上原価率が前期比8.6ポイント良化したことによるものであります。
〇営業損益は、前期比34億74百万円増の31億64百万円となりました。
なお、販売費及び一般管理費につきましては、パソコン等事務用機器の購入費用、外部委託費用、試験研究費等の増加により、前期比6億80百万円増の46億99百万円となりました。
〇経常損益は、前期比37億64百万円増の35億57百万円となりました。
なお、営業外収益につきましては、主に為替差益等の増加により前期比2億88百万円(202.0%)増の4億31百万円となりました。また、営業外費用につきましては、前年から大きな変動はなく、37百万円となりました。
〇親会社株主に帰属する当期純損益は、前期比26億66百万円増の24億16百万円となりました。
なお、特別利益につきましては、産業機器事業における高電圧変圧器(インバーター式ネオン変圧器、燃焼器具用変圧器等)事業の譲渡に伴う譲渡益の計上等に伴い、3億76百万円となりました。また、特別損失につきましては、減損損失の増加等により、前期比10百万円(203.7%)増の16百万円となりました。
② セグメント別の状況
[輸送機器事業]
当事業の売上高は180億96百万円(前期比80億15百万円増、79.5%増)、営業利益は27億85百万円(前期は2億56百万円の営業損失)となりました。
市場別の売上高は、バス市場が138億69百万円(前期比69億90百万円増、101.6%増)、鉄道市場が31億12百万円(前期比10億13百万円増、48.2%増)、自動車市場が11億13百万円(前期比12百万円増、1.1%増)となりました。
バス市場は、バス事業者の設備投資意欲の回復を受け、運賃収受システムの導入に伴うシステム開発案件や、運賃箱、ICカードリーダライタなどの売上が増加したほか、新紙幣発行に伴う運賃箱の改造・ソフト改修などの売上が増加し、増収となりました。
鉄道市場は、ニューヨーク市地下鉄車両用灯具の納入が進んでいることに加え、新紙幣発行に伴う運賃箱の改造・ソフト改修などの売上が増加し、増収となりました。
自動車市場は、自動車LED灯具の売上が増加し、増収となりました。
当事業の損益は、増収および商品構成の変化による原価率の低下により黒字となりました。
[産業機器事業(エネルギーマネジメントシステム事業)]
当事業の売上高は45億51百万円(前期比4億15百万円増、10.0%増)、営業利益は4億36百万円(前期は11百万円の営業損失)となりました。
市場別の売上高は、電源ソリューション市場が27億79百万円(前期比1億76百万円増、6.8%増)、エコ照明・高電圧ソリューション市場が7億75百万円(前期比1億16百万円増、17.7%増)、EMS市場が9億96百万円(前期比1億22百万円増、14.0%増)となりました。
電源ソリューション市場は、物流市場の活況や電動化の気運により、バッテリー式フォークリフト用充電器の需要が底堅く推移していることに加え、価格改定の効果も表れ、増収となりました。
エコ照明・高電圧ソリューション市場は、燃焼器具用変圧器、電子式ネオン変圧器の売上が増加し、増収となりました。
EMS市場は、産業機器向け基板実装売上が増加し、増収となりました。
当事業の損益は、銅・鉄等の主要原材料価格の上昇を踏まえた価格改定の効果により、利益率が改善し、黒字となりました。
[その他]
当事業の売上高は37百万円、営業利益は4百万円となりました。事業の内容は、主としてレシップホールディングス株式会社による不動産賃貸業であります。
(2) 財政状態の状況
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は199億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億92百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が2億15百万円減少した一方、売掛金が23億20百万円、原材料及び貯蔵品が15億32百万円、商品及び製品が4億12百万円、未収入金が3億88百万円、繰延税金資産が2億18百万円、受取手形が1億80百万円、投資有価証券が95百万円増加したこと等によるものです。
負債は130億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億99百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金が23億87百万円減少した一方、未払法人税等が17億28百万円、電子記録債務が13億50百万円、前受金が5億18百万円、支払手形及び買掛金が4億14百万円、未払消費税等が3億51百万円、未払金が2億25百万円、賞与引当金が2億21百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億18百万円増加したこと等によるものです。
純資産は68億81百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億92百万円増加いたしました。主な要因は、為替換算調整勘定が2億57百万円減少した一方、利益剰余金が23億47百万円増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の31.6%から34.5%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2億15百万円減少し、29億64百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期は14億94百万円の支出に対し、23億36百万円の収入となりました。
これは主に、案件の増加に伴う売上債権の増加や棚卸資産の増加があった一方、税金等調整前当期純利益、仕入債務、未払消費税等、前受金が増加したことや、前年にあった法人税等の支払いがなくなったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期は2億22百万円の支出に対し、前期比1億16百万円支出が減少し、1億5百万円の支出となりました。
これは主に、事業譲渡による収入があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期は7億81百万円の収入に対し、24億80百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の返済によるものであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
自己資本比率(%) | 34.3 | 32.5 | 33.0 | 31.6 | 34.5 |
時価ベースの 自己資本比率(%) | 37.3 | 49.9 | 50.5 | 44.9 | 43.2 |
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(%) | 99.5 | ― | 196.5 | ― | 133.0 |
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 79.7 | ― | 81.3 | ― | 78.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注5)2021年3月期及び2023年3月期については、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの表示はしておりません。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
輸送機器事業 | 9,285,908 | 165.9 |
産業機器事業 (エネルギーマネジメントシステム事業) | 3,458,230 | 88.3 |
合計 | 12,744,138 | 134.0 |
(注)1 金額は、製造原価によっております。
2 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの生産実績に著しい変動がありました。主な要因は
国内において当連結会計年度に受注した大型案件の進捗が進んだことによるものです。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
輸送機器事業 | 28,396,495 | 283.1 | 14,658,617 | 336.3 |
産業機器事業 (エネルギーマネジメントシステム事業) | 4,103,156 | 100.9 | 783,827 | 63.6 |
合計 | 32,499,652 | 230.5 | 15,442,444 | 276.2 |
(注)1 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの受注実績に著しい変動がありました。主な要因は
複数の大型案件の受注を獲得できたことによります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
輸送機器事業 | 18,096,115 | 179.5 |
内 バス市場向け | 13,869,763 | 201.6 |
内 鉄道市場向け | 3,112,869 | 148.2 |
内 自動車市場向け | 1,113,483 | 101.1 |
産業機器事業 (エネルギーマネジメントシステム事業) | 4,551,195 | 110.0 |
その他 | 37,328 | 99.6 |
合計 | 22,684,639 | 159.2 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2 当連結会計年度において、輸送機器事業セグメントの販売実績に著しい変動がありました。主な要因
は新型コロナウイルス感染症が、5類感染症に移行したことに伴い、当社の主要な取引先であるバス・
鉄道事業者様の設備投資意欲が回復し、当連結会計年度に受注した案件の売上計上が進んだことによ
るものです。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 経営成績の状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおきましては、原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用に係る運転資金のほか、製品の競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資等に主たる資金需要が生じます。当社グループは、これらの資金需要に対して営業活動によるキャッシュ・フローで得られる自己資金並びに金融機関からの借入により充当しております。なお、営業活動によって得られた資金は、上記のとおり、運転資金及び設備等に充当するほか、継続的かつ安定的な株主還元に努めてまいりたいと考えております。
金融機関からの借入につきましては取引先金融機関と当座貸越契約を締結しており、資金流動性を確保しつつ、効率的かつ機動的な資金調達を可能としております。また、国内連結会社につきましては、キャッシュ・マネジメント・システムを導入し、国内連結子会社の余剰資金を連結親会社に集中させることにより、当社グループの資金効率化を図ると共に、国内連結子会社の資金業務を連結親会社に集中させることにより業務効率化を図っております。