訂正有価証券報告書-第122期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2021/08/04 13:14
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166項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、経営成績等という。)の概要は次のとおりである。
また、「『税効果会計に関する会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用し、前連結会計年度の数値を変更している。前連結会計年度との比較は、変更後の数値を用いて実施している。
①経営成績
当連結会計年度の経済情勢は、海外では、中国及び欧州において一部弱さは見られるものの、米国経済の着実な回復により、全体としては緩やかに回復した。国内でも、雇用情勢の着実な改善や設備投資の増加等が見られ、景気は緩やかに回復した。一方、先行きについては、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、金融資本市場の変動の影響等による景気下振れリスクに留意する必要がある。
こうした中で、当社グループでは、2017年度からスタートした中期経営計画「Change & Growth」のもと、事業基盤の再構築と生産性向上、グループ総合力の発揮及びポートフォリオ・マネジメントの推進を基本戦略として、各種重点施策を鋭意推進してきた。
当連結会計年度の経営成績について、売上高は、プロセス機器の売上高が増加したこと等、主として機械部門で増加したことにより、前連結会計年度に比べ1,703百万円(0.5%)増加の378,140百万円となった。
損益面について、営業利益は、機械部門で悪化したものの、ごみ焼却施設建設工事の採算改善及び海外子会社の収益改善等、主として環境・プラント部門でセグメント利益が増加したことにより、前連結会計年度に比べ1,451百万円(24.6%)増加の7,358百万円となった。経常利益は、前連結会計年度に営業外費用に計上していた訴訟関連費用が減少したことに加え、営業外収益に受取保険金を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ3,355百万円(99.7%)増加の6,720百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用の増加があったものの、主として営業利益及び経常利益の増加により、前連結会計年度に比べ3,274百万円(150.8%)増加の5,445百万円となった。
②財政状態
当連結会計年度末の財政状態について、連結総資産は前連結会計年度末に比べ37,180百万円増加の429,040百万円となった。このうち、流動資産は、前連結会計年度末の218,314百万円から34,879百万円(16.0%)増加し、253,193百万円となった。これは、主として売上債権の増加によるものである。固定資産は、前連結会計年度末の173,497百万円から2,237百万円(1.3%)増加し、175,734百万円となった。これは、主として設備投資及び無形固定資産への支出によるものである。
負債の部は、前連結会計年度末の272,846百万円から35,784百万円(13.1%)増加し、308,630百万円となった。これは、主として有利子負債の増加によるものである。
純資産の部は、前連結会計年度末の119,014百万円から1,396百万円(1.2%)増加し、120,410百万円となった。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものである。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,651百万円(5.0%)増加の34,394百万円となった。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により使用した資金及び投資活動により使用した資金を、財務活動により獲得した資金が上回ったことにより、前連結会計年度末に比べ1,651百万円(5.0%)増加の34,394百万円となった。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ2,055百万円増加の5,428百万円となった。これは、主として海外子会社の売上債権が増加したことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べ3,151百万円(29.4%)減少し7,574百万円となった。これは、設備投資による支出が減少したこと等によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は14,982百万円となった(前連結会計年度は4,018百万円の資金の使用)。これは、営業活動及び投資活動に伴う資金需要の増加により、有利子負債が増加したことを反映したものである。
④生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より、セグメント区分を一部変更している。これに伴い、前期比の数値も、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えて算定している。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
環境・プラント237,0962.4
機械117,31515.7
インフラ49,09942.4
その他20,04469.8
合計423,55511.7

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高
(百万円)
前期比(%)
環境・プラント314,72622.4572,22017.8
機械100,7292.385,907△6.4
インフラ27,581△19.738,475△10.0
その他12,01414.7878281.7
合計455,05113.6697,48212.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.受注残高の前期比の算出にあたっては、為替レート変動による影響額を前期末受注残高において修正している。
3.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
環境・プラント228,352△1.5
機械106,5705.9
インフラ31,852△4.6
その他11,3656.9
合計378,1400.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績については、総販売実績に対し10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略している。
3.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施している。
詳細については、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載している。
②当連結会計年度の経営成績の分析
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、期初時点の見通しと比較して、海外子会社の大幅な収益悪化、国内では原動機、プロセス機器、精密機械等、ものづくり事業の収益低迷により、利益項目は大幅未達となった。2019年度の計数計画を達成するために、海外子会社の現地マネジメントの強化による収益改善、及び国内不振事業のコスト削減や効率向上のための構造改革を着実に実行する必要がある。
この他の施策については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載している。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、設備投資計画、研究開発計画及び事業運営における資金需要に応じて、資金調達を行っている。一時的な資金余剰は安全性の高い金融資産で運用し、運転資金は主に金融機関より調達している。
このような状況において、当連結会計年度末の社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、前連結会計年度末の107,249百万円から19,094百万円増加し、126,343百万円となった。なお、2018年9月に、第25回無担保社債10,000百万円、第26回無担保社債5,000百万円を発行した。第26回無担保社債はグリーンボンドとして発行している。
また、安定的な経常運転資金枠の確保及びマーケット環境の一時的な変化等不測の事態への対応手段確保のため、主要取引銀行との間で30,000百万円のコミットメントラインを設定しており、当連結会計年度末の借入実行残高は10,000百万円、借入未実行残高は20,000百万円である。
さらに、当社と主要な連結子会社間にてキャッシュ・マネジメント・サービスを導入し、余剰資金をグループ会社間で融通することで、資金効率向上に努めている。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中期経営計画「Change & Growth」の最終年度となる2019年度における収益目標として、売上高430,000百万円、営業利益20,500百万円を計画していたが、2018年度の実績及び現状を踏まえ、2019年度の収益目標としては、売上高380,000百万円、営業利益12,000百万円と、初期の計数計画を見直している。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度より、セグメント区分を一部変更している。これに伴い、前連結会計年度の数値についても、変更後の区分に組み替えて記載している。
(環境・プラント)
売上高は、国内で熊本県八代市向けや長野広域連合向け、海外で中国長沙市向けにごみ焼却発電施設建設工事等を完工したものの、カタール向け大型海水淡水化プラント建設工事の売上計上額の減少等により、前連結会計年度に比べ3,446百万円(1.5%)減少の228,352百万円となった。
セグメント利益は、国内ごみ焼却施設建設工事の採算改善及び海外子会社の赤字縮小等により、前連結会計年度に比べ4,320百万円(328.3%)増加の5,636百万円となった。
(機械)
売上高は、国内向け塔槽、熱交換器などのプロセス機器が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5,943百万円(5.9%)増加の106,570百万円となった。
セグメント損益は、舶用原動機、プレス機械及びプロセス機器の採算悪化等により、前連結会計年度に比べ2,785百万円減少し282百万円の損失計上となった。
(インフラ)
売上高は、熊本県宇城市向け戸馳大橋など橋梁の大口工事や東京外かく環状道路大泉南工事向けなどシールド掘進機の製作が順調に進捗したものの海洋の大口工事の売上減少により、前連結会計年度に比べ1,528百万円(4.6%)減少の31,852百万円となった。
セグメント利益は、橋梁工事の収益改善により、前連結会計年度に比べ138百万円(12.1%)増加の1,272百万円となった。
(その他)
売上高は前連結会計年度に比べ734百万円(6.9%)増加の11,365百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べ231百万円(24.0%)減少の733百万円となった。
なお、上記金額には消費税等は含まれていない。