有価証券報告書-第124期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、経営成績等という。)の概要は次のとおりである。
①経営成績
当連結会計年度の経済情勢は、海外では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行により依然として厳しい状況にある。国内でも、設備投資や雇用情勢が弱含みに推移しており、海外と同様に厳しい状況にあるが、公共投資が堅調なこともあり、持ち直しの動きも見られる。一方、先行きについては、新型コロナウイルス感染症が国内・海外経済に与える影響に留意する必要がある。
こうした中で、当社グループでは、2020年度からスタートした中期経営計画「Forward 22」のもと、製品・サービスの付加価値向上、事業の選択集中の推進とリソースの伸長分野へのシフト、業務効率化・生産性向上による働き方改革の実現を基本戦略として、各種重点施策を鋭意推進してきた。
当連結会計年度の経営成績について、売上高は、環境・プラント部門で増加したことにより、前連結会計年度に比べ6,142百万円(1.5%)増加の408,592百万円となった。
損益面について、営業利益は、環境・プラント部門で減少したものの、機械部門及びインフラ部門で大幅に改善したことにより、前連結会計年度に比べ1,505百万円(10.8%)増加の15,396百万円となった。経常利益は、営業利益の増加等により、前連結会計年度に比べ2,363百万円(25.1%)増加の11,792百万円となった。特別損失として減損損失を計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,061百万円(93.8%)増加の4,258百万円となった。
②財政状態
当連結会計年度末の財政状態について、連結総資産は前連結会計年度末に比べ19,805百万円増加の429,336百万円となった。このうち、流動資産は、前連結会計年度末の243,106百万円から16,399百万円(6.7%)増加し、259,505百万円となった。これは、主として売上債権の増加によるものである。固定資産は、前連結会計年度末の166,335百万円から3,432百万円(2.1%)増加し、169,767百万円となった。これは、主として退職給付に係る資産の増加によるものである。
負債の部は、前連結会計年度末の290,030百万円から11,139百万円(3.8%)増加し、301,169百万円となった。これは、主として未払費用の増加によるものである。
純資産の部は、前連結会計年度末の119,500百万円から8,667百万円(7.3%)増加し、128,167百万円となった。これは、主として退職給付に係る調整累計額の増加及び利益剰余金の増加によるものである。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が、投資活動及び財務活動により使用した資金を上回ったことにより、前連結会計年度末に比べ4,216百万円(10.1%)増加の45,812百万円となった。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度を10,128百万円(30.9%)下回る22,680百万円となった。これは、主として営業利益の計上等を反映したものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は13,847百万円となった(前連結会計年度は6,179百万円の資金の獲得)。これは、設備投資等による支出があったこと等を反映したものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、前連結会計年度を26,093百万円(83.2%)下回る5,271百万円となった。これは、営業活動により獲得した資金を、長短借入金の返済に充てたことを反映したものである。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.受注残高の前期比の算出にあたっては、為替レート変動による影響額を前期末受注残高において修正している。
3.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績については、総販売実績に対し10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略している。
3.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 .(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、工事進行基準による完成工事高及び完成工事原価の計上、貸倒引当金、保証工事引当金及び工事損失引当金等の重要な引当金の計上、固定資産の減損ならびに繰延税金資産の回収可能性の判断などの見積りについては、それぞれ合理的な基準に基づいて実施している。連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
②当連結会計年度の経営成績の分析
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、期初時点の見通しと比較して、売上高・利益項目ともに達成することができた。
一方で、SDGs(持続可能な開発目標)の概念が世界的に広がり、持続可能な開発・循環型社会の実現に向けて社会は動き出している。この動きは、事業・製品を通じてサステナブル(持続可能)で、安全・安心な社会の実現に貢献するという当社グループの事業の方向性と一致している。
こうした状況を踏まえ、当社は、2020年度から3か年の中期経営計画「Forward 22」を策定した。
詳細は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針、経営戦略等」に記載している。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、流動性の確保と財務体質の強化を基本方針として掲げている。
流動性の確保については、営業キャッシュ・フローの底上げ、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮による資金効率の向上を目指すとともに、資本市場へのアクセスの継続等により、長期安定資金の確保に対応している。
また、財務体質の強化として、中長期的には自己資本比率40%を目指し、信用格付の向上とリスク耐久力の強化に努めている。
(経営資源の配分に関する考え方)
当社グループは、適正な手元現預金の水準を設定しており、中期経営計画「Forward 22」においては、売上高1.5ヶ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とする方針である。また、国内金融機関において、計30,000百万円のコミットメントラインを設定しており、マーケット環境の一時的な変化等不測の事態にも対応できる体制を整えている。
こうした資金を、営業キャッシュ・フローの範囲で「Forward 22」の基本方針である製品・サービスの付加価値向上に資するものに重点的に配分していく方針であり、株主還元についても、自己資本の充実と企業価値向上とのバランスを取りながら、安定的に継続していく方針である。
(資金調達に関する考え方)
当社グループは、事業戦略上必要な投資を、投資規模、将来収益等を勘案しながら判断しているが、その資金は主に自己資金及び外部資金より充当している。外部資金については、流動性の確保と資金調達の多様化を目的とし、金融機関からの借入及び社債発行による調達を行っている。
安定的な資金調達を目的とし、国内2社の格付機関から信用格付を取得している。
主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、当社事業の維持拡大、運転資金及び投資資金の調達に関して特段の問題はないと判断している。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中期経営計画「Forward 22」にて、2021年度及び2022年度は売上高400,000百万円レベル、2022年度営業利益率5%の目標を掲げている。2021年度は、売上高400,000百万円、営業利益14,000百万円となる見通しである。
新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響に関して、環境部門では、公共工事の割合が大きく、また豊富な受注済案件及び継続的事業により、受注・売上の落込みは見られていない。一方、機械・インフラ部門では、舶用原動機、自動車用プレス機械及び精密機械等、民需を中心としているため、2020年度に受注が減少した。2021年度に一部回復を予想するが、2019年度以前のレベルへの回復には至らないと予想している。こうした予想を踏まえ、2021年度の収益目標は、現時点まで及び現時点で予想されている影響を織り込んで作成している。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響が今後さらに拡大する、もしくは影響が長期化するといった状況になれば、収益目標の達成にマイナスの影響が生じるリスクがあるものの、現時点ではそうした影響を織り込んでいない。
なお、次期連結会計年度より報告セグメントの区分を変更する。詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりである。
d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(環境・プラント)
売上高は、国内ごみ焼却発電施設の大口工事は減少したものの、海外で英国(ベッドフォードシャー州)向けごみ焼却発電施設等が進捗したことにより、前連結会計年度に比べ15,160百万円(6.0%)増加の269,450百万円となった。
セグメント利益は、海外子会社の収益改善があったものの、売電事業の悪化及び環境新製品のコスト増等により、前連結会計年度に比べ3,153百万円(19.9%)減少の12,682百万円となった。
(機械)
売上高は、プロセス機器と舶用原動機が増加したものの、自動車用プレス機械の減少等に伴い、前連結会計年度に比べ1,572百万円(1.5%)減少の101,715百万円となった。
セグメント損益は、自動車用プレス機械で悪化したものの、プロセス機器の赤字縮小等により、前連結会計年度に比べ3,030百万円改善し1,847百万円の利益計上となった。
(インフラ)
売上高は、大口工事の減少により、前連結会計年度に比べ4,407百万円(13.2%)減少の29,100百万円となった。
セグメント損益は、前期の補償工事費の発生がなくなったこと等により、前連結会計年度に比べ2,357百万円改善し、785百万円の利益計上となった。
(その他)
売上高は前連結会計年度に比べ3,040百万円(26.7%)減少の8,325百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べ670百万円(77.7%)減少の192百万円となった。
なお、上記金額には消費税等は含まれていない。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、経営成績等という。)の概要は次のとおりである。
①経営成績
科目 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) | 前期比(%) |
売上高 | 402,450 | 408,592 | 6,142 | 1.5 |
営業利益 | 13,891 | 15,396 | 1,505 | 10.8 |
経常利益 | 9,429 | 11,792 | 2,363 | 25.1 |
親会社株主に 帰属する当期純利益 | 2,197 | 4,258 | 2,061 | 93.8 |
当連結会計年度の経済情勢は、海外では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行により依然として厳しい状況にある。国内でも、設備投資や雇用情勢が弱含みに推移しており、海外と同様に厳しい状況にあるが、公共投資が堅調なこともあり、持ち直しの動きも見られる。一方、先行きについては、新型コロナウイルス感染症が国内・海外経済に与える影響に留意する必要がある。
こうした中で、当社グループでは、2020年度からスタートした中期経営計画「Forward 22」のもと、製品・サービスの付加価値向上、事業の選択集中の推進とリソースの伸長分野へのシフト、業務効率化・生産性向上による働き方改革の実現を基本戦略として、各種重点施策を鋭意推進してきた。
当連結会計年度の経営成績について、売上高は、環境・プラント部門で増加したことにより、前連結会計年度に比べ6,142百万円(1.5%)増加の408,592百万円となった。
損益面について、営業利益は、環境・プラント部門で減少したものの、機械部門及びインフラ部門で大幅に改善したことにより、前連結会計年度に比べ1,505百万円(10.8%)増加の15,396百万円となった。経常利益は、営業利益の増加等により、前連結会計年度に比べ2,363百万円(25.1%)増加の11,792百万円となった。特別損失として減損損失を計上したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,061百万円(93.8%)増加の4,258百万円となった。
②財政状態
科目 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) | 前期比(%) |
連結総資産 | 409,531 | 429,336 | 19,805 | 4.8 |
流動資産 | 243,106 | 259,505 | 16,399 | 6.7 |
固定資産 | 166,335 | 169,767 | 3,432 | 2.1 |
負債の部 | 290,030 | 301,169 | 11,139 | 3.8 |
純資産の部 | 119,500 | 128,167 | 8,667 | 7.3 |
当連結会計年度末の財政状態について、連結総資産は前連結会計年度末に比べ19,805百万円増加の429,336百万円となった。このうち、流動資産は、前連結会計年度末の243,106百万円から16,399百万円(6.7%)増加し、259,505百万円となった。これは、主として売上債権の増加によるものである。固定資産は、前連結会計年度末の166,335百万円から3,432百万円(2.1%)増加し、169,767百万円となった。これは、主として退職給付に係る資産の増加によるものである。
負債の部は、前連結会計年度末の290,030百万円から11,139百万円(3.8%)増加し、301,169百万円となった。これは、主として未払費用の増加によるものである。
純資産の部は、前連結会計年度末の119,500百万円から8,667百万円(7.3%)増加し、128,167百万円となった。これは、主として退職給付に係る調整累計額の増加及び利益剰余金の増加によるものである。
③キャッシュ・フローの状況
科目 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 32,808 | 22,680 | △10,128 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 6,179 | △13,847 | △20,026 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △31,364 | △5,271 | 26,093 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 41,595 | 45,812 | 4,216 |
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金が、投資活動及び財務活動により使用した資金を上回ったことにより、前連結会計年度末に比べ4,216百万円(10.1%)増加の45,812百万円となった。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度を10,128百万円(30.9%)下回る22,680百万円となった。これは、主として営業利益の計上等を反映したものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は13,847百万円となった(前連結会計年度は6,179百万円の資金の獲得)。これは、設備投資等による支出があったこと等を反映したものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、前連結会計年度を26,093百万円(83.2%)下回る5,271百万円となった。これは、営業活動により獲得した資金を、長短借入金の返済に充てたことを反映したものである。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
環境・プラント | 275,090 | 6.4 |
機械 | 117,411 | △3.9 |
インフラ | 40,825 | 9.6 |
その他 | 13,374 | △20.0 |
合計 | 446,703 | 2.8 |
(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去している。
2.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) |
環境・プラント | 303,742 | 4.9 | 637,482 | 5.7 |
機械 | 89,479 | △21.7 | 83,388 | △12.8 |
インフラ | 27,804 | △29.9 | 43,337 | △2.9 |
その他 | 8,394 | △21.6 | 270 | 34.3 |
合計 | 429,421 | △5.4 | 764,478 | 2.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.受注残高の前期比の算出にあたっては、為替レート変動による影響額を前期末受注残高において修正している。
3.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
環境・プラント | 269,450 | 6.0 |
機械 | 101,715 | △1.5 |
インフラ | 29,100 | △13.2 |
その他 | 8,325 | △26.7 |
合計 | 408,592 | 1.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.主な相手先別の販売実績については、総販売実績に対し10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略している。
3.上記の金額には、消費税等を含んでいない。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成に当たっての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 .(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
また、工事進行基準による完成工事高及び完成工事原価の計上、貸倒引当金、保証工事引当金及び工事損失引当金等の重要な引当金の計上、固定資産の減損ならびに繰延税金資産の回収可能性の判断などの見積りについては、それぞれ合理的な基準に基づいて実施している。連結財務諸表作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
②当連結会計年度の経営成績の分析
a.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度は、期初時点の見通しと比較して、売上高・利益項目ともに達成することができた。
一方で、SDGs(持続可能な開発目標)の概念が世界的に広がり、持続可能な開発・循環型社会の実現に向けて社会は動き出している。この動きは、事業・製品を通じてサステナブル(持続可能)で、安全・安心な社会の実現に貢献するという当社グループの事業の方向性と一致している。
こうした状況を踏まえ、当社は、2020年度から3か年の中期経営計画「Forward 22」を策定した。
詳細は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針、経営戦略等」に記載している。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、流動性の確保と財務体質の強化を基本方針として掲げている。
流動性の確保については、営業キャッシュ・フローの底上げ、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮による資金効率の向上を目指すとともに、資本市場へのアクセスの継続等により、長期安定資金の確保に対応している。
また、財務体質の強化として、中長期的には自己資本比率40%を目指し、信用格付の向上とリスク耐久力の強化に努めている。
(経営資源の配分に関する考え方)
当社グループは、適正な手元現預金の水準を設定しており、中期経営計画「Forward 22」においては、売上高1.5ヶ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とする方針である。また、国内金融機関において、計30,000百万円のコミットメントラインを設定しており、マーケット環境の一時的な変化等不測の事態にも対応できる体制を整えている。
こうした資金を、営業キャッシュ・フローの範囲で「Forward 22」の基本方針である製品・サービスの付加価値向上に資するものに重点的に配分していく方針であり、株主還元についても、自己資本の充実と企業価値向上とのバランスを取りながら、安定的に継続していく方針である。
(資金調達に関する考え方)
当社グループは、事業戦略上必要な投資を、投資規模、将来収益等を勘案しながら判断しているが、その資金は主に自己資金及び外部資金より充当している。外部資金については、流動性の確保と資金調達の多様化を目的とし、金融機関からの借入及び社債発行による調達を行っている。
安定的な資金調達を目的とし、国内2社の格付機関から信用格付を取得している。
主要な取引先金融機関とは良好な関係を維持しており、当社事業の維持拡大、運転資金及び投資資金の調達に関して特段の問題はないと判断している。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、中期経営計画「Forward 22」にて、2021年度及び2022年度は売上高400,000百万円レベル、2022年度営業利益率5%の目標を掲げている。2021年度は、売上高400,000百万円、営業利益14,000百万円となる見通しである。
新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響に関して、環境部門では、公共工事の割合が大きく、また豊富な受注済案件及び継続的事業により、受注・売上の落込みは見られていない。一方、機械・インフラ部門では、舶用原動機、自動車用プレス機械及び精密機械等、民需を中心としているため、2020年度に受注が減少した。2021年度に一部回復を予想するが、2019年度以前のレベルへの回復には至らないと予想している。こうした予想を踏まえ、2021年度の収益目標は、現時点まで及び現時点で予想されている影響を織り込んで作成している。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響が今後さらに拡大する、もしくは影響が長期化するといった状況になれば、収益目標の達成にマイナスの影響が生じるリスクがあるものの、現時点ではそうした影響を織り込んでいない。
なお、次期連結会計年度より報告セグメントの区分を変更する。詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりである。
d.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメント | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) | |||
売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | 売上高 | 営業利益 | |
環境・プラント | 254,290 | 15,835 | 269,450 | 12,682 | 15,160 | △3,153 |
機械 | 103,287 | △1,183 | 101,715 | 1,847 | △1,572 | 3,030 |
インフラ | 33,507 | △1,572 | 29,100 | 785 | △4,407 | 2,357 |
その他 | 11,365 | 862 | 8,325 | 192 | △3,040 | △670 |
セグメント計 | 402,450 | 13,941 | 408,592 | 15,507 | 6,142 | 1,566 |
調整額 | - | △49 | - | △110 | - | △61 |
合計 | 402,450 | 13,891 | 408,592 | 15,396 | 6,142 | 1,505 |
(環境・プラント)
売上高は、国内ごみ焼却発電施設の大口工事は減少したものの、海外で英国(ベッドフォードシャー州)向けごみ焼却発電施設等が進捗したことにより、前連結会計年度に比べ15,160百万円(6.0%)増加の269,450百万円となった。
セグメント利益は、海外子会社の収益改善があったものの、売電事業の悪化及び環境新製品のコスト増等により、前連結会計年度に比べ3,153百万円(19.9%)減少の12,682百万円となった。
(機械)
売上高は、プロセス機器と舶用原動機が増加したものの、自動車用プレス機械の減少等に伴い、前連結会計年度に比べ1,572百万円(1.5%)減少の101,715百万円となった。
セグメント損益は、自動車用プレス機械で悪化したものの、プロセス機器の赤字縮小等により、前連結会計年度に比べ3,030百万円改善し1,847百万円の利益計上となった。
(インフラ)
売上高は、大口工事の減少により、前連結会計年度に比べ4,407百万円(13.2%)減少の29,100百万円となった。
セグメント損益は、前期の補償工事費の発生がなくなったこと等により、前連結会計年度に比べ2,357百万円改善し、785百万円の利益計上となった。
(その他)
売上高は前連結会計年度に比べ3,040百万円(26.7%)減少の8,325百万円、セグメント利益は前連結会計年度に比べ670百万円(77.7%)減少の192百万円となった。
なお、上記金額には消費税等は含まれていない。