半期報告書-第209期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2025/11/10 10:57
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)業績の状況
当中間連結会計期間の世界経済は、底堅く推移しながらも、一部の地域において景気の持ち直しに足踏みがみられるほか、米国の関税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響もあり、先行きの不透明感がみられます。わが国経済については、米国の通商政策による影響を受けつつも、緩やかに回復しています。
当社グループの主力事業である航空・宇宙・防衛事業において、航空機需要が中長期的に増加することが見込まれる中、民間向け航空エンジンでは、運航時間の増加などを背景に、スペアパーツ販売が予想を上回って拡大しています。防衛事業では、防衛力強化の政策を背景に、継続して大型案件への受注対応を進めています。今後見込まれる民間向け航空エンジンや防衛事業、宇宙事業の需要拡大に応えていくため、リソース確保を含む生産能力の増強とともに、世界トップレベルの生産効率実現に向けた取組みを進めています。
出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムについては、引き続きプログラムパートナーとともに整備能力増強を図り、地上駐機数の低減に向けた対応を進めています。お客さまであるエアラインへの負担軽減及び信頼回復に取り組んでまいります。
中核事業におけるライフサイクルビジネスは、中長期的に見れば安定的な成長が見込まれるため、当社グループの収益への貢献や投資原資の創出を図るべく、引き続き拡大に向けて取り組みます。
事業ポートフォリオ改革の取組みとして、当中間連結会計期間においては、産業システム・汎用機械事業の中核事業の一部である株式会社IHI汎用ボイラの全株式、運搬機械事業及び株式会社IHIアグリテックの芝草・芝生管理機器事業の譲渡を完了しました。
本年6月26日には、当社持分法適用会社であるジャパン マリンユナイテッド株式会社(以下、「JMU」という。)の当社持分の一部を今治造船株式会社(以下、「今治造船」という。)へ譲渡することを決定しています。今後さらに激化することが予想される世界の造船市場の中で、日本造船業界の発展に貢献していきます。本件は、国内外の関係当局への届け出及び承認を条件とし、取引成立後のJMUにおける議決権比率は、現在の今治造船:30%・JFE(※):35%・IHI:35%から、今治造船:60%、JFE:20%、IHI:20%となる予定です。(※:JFEホールディングス株式会社)
本年8月6日には、航空・宇宙・防衛事業の中で気象・防災・宇宙事業を担う明星電気株式会社(以下、「明星電気」という。)と、社会基盤事業の「中核事業」の一部である交通システム事業を担う新潟トランシス株式会社(以下、「NTS」という。)の全株式を、それぞれ能美防災株式会社(以下、「能美防災」という。)と株式会社ジェイ・ケイ・エフ(※)へ譲渡する契約を締結しました。(※:株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズ(以下、「JWPという。」)が運営管理するファンドが設立した会社)
明星電気は、能美防災との相互シナジーや継続的な成長投資を通じて競争力を強化し、外部環境の変化に迅速に対応しながら持続的な成長を図っていきます。NTSは、JWPの経営支援を得ながら、国内の保守車両や除雪機械市場における競争力の強化や、成長が見込める海外市場への展開を進め、国内外に魅力ある製品・サービスの拡大を図っていきます。
また、社会基盤事業の「中核事業」の一部である橋梁・水門事業を担う株式会社IHIインフラシステムと株式会社IHIインフラ建設は、本年11月1日に統合しました。両社の強みと人財を融合し、社会課題の解決に向けた体制を構築し、橋梁・水門業界における国内トップクラスの地位確立と、グローバルな成長のループ構築によって更なる成長を目指します。
当社は引き続き、ボラティリティを抑えながら、安定的・持続的に成長できるポートフォリオの構築と、成長領域への大胆な経営資源のシフトを通じて、持続的な高成長企業への飛躍を目指していきます。
このような事業環境下において、当社グループの当中間連結会計期間の受注高は前年同期比17.5%増の8,934億円となりました。
売上収益については、防衛事業の拡大や、民間向け航空エンジンでのスペアパーツの販売の増加はありましたが、中核事業における事業譲渡に伴う減収や前年同期の大型工事の進捗の反動もあり、5.8%減の7,136億円となりました。
損益面では、営業利益は、民間向け航空エンジンのスペアパーツ販売増加に加えて、運搬機械事業の譲渡益計上等による増益はありましたが、民間向け航空エンジンにおける前年同期での整備費用発生遅れ及び為替円安の反動や、カーボンソリューションの一部海外事業の採算悪化により、78億円減益の694億円となりました。税引前中間利益は、為替差損の大幅な改善や持分法投資利益の増加により120億円増益の747億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は166億円増益の559億円です。
当中間連結会計期間の報告セグメント別の状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
報告セグメント受注高前中間当中間前年同期比
増減率
前中間
連結
会計期間
当中間
連結
会計期間
前年
同期比
増減率
(%)
連結会計期間連結会計期間
(2024.4~2024.9)(2025.4~2025.9)(%)
売上収益営業損益売上収益営業損益売上収益営業損益
資源・
エネルギー・
環境
1,4153,261130.42,100781,591△1△24.2-
社会基盤(※1)634591△6.8590△48592△330.5-
産業システム・
汎用機械
2,4242,234△7.82,273△102,094170△7.9-
航空・宇宙・防衛
(※2)
3,0282,703△10.72,4767662,73954710.6△28.6
報告セグメント 計7,5038,79117.27,4407857,017683△5.7△13.0
その他34540818.0321273666814.3148.3
調整額△246△264-△186△40△248△57--
合計7,6028,93417.57,5747727,136694△5.8△10.1

(注)金額は単位未満を切捨て表示し、比率は四捨五入表示しています。
(※1)前中間連結会計期間に「社会基盤」に含まれていた都市開発は「その他」に組み替えて表示しています。
(※2)売上収益及び営業損益には、出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムの為替変動による影響が、前中間連結会計期間で+83億円、当中間連結会計期間で+8億円含まれています。
⦅資源・エネルギー・環境⦆
受注高は、カーボンソリューションの国内案件の増加や原子力の需要増により増加しました。
売上収益は、アジア拠点EPCやカーボンソリューションでの前年同期の大型工事進捗の反動により減収となりました。
営業利益は、原子力や原動機の収益性向上による増益影響はあったものの、前述の減収影響に加えてカーボンソリューションの一部海外事業の採算悪化もあり、減益となりました。
⦅社会基盤⦆
受注高は、橋梁・水門は微増となりましたが、全体ではほぼ横ばいとなりました。
売上収益は、橋梁・水門や交通システムの前期大型工事の進捗の反動はあったものの、シールドシステムの大型工事の進捗により、ほぼ横ばいとなりました。
営業損益は、交通システム事業において新潟トランシス株式会社の株式譲渡に伴う固定資産減損損失の計上はありましたが、橋梁・水門の採算改善などにより増益となりました。
⦅産業システム・汎用機械⦆
受注高は、運搬機械事業の譲渡影響もあり減少しました。
売上収益は、車両過給機の販価改善等による増収はあったものの、運搬機械事業などの事業譲渡の影響もあり、減収となりました。
営業利益は、車両過給機での販価改善や固定費削減による収益性改善のほか、運搬機械事業等の譲渡益の計上により、増益となりました。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
受注高は、民間向け航空エンジンにおける前年同期の為替円安影響に加えて、前年同期の防衛事業の大型工事受注の反動により減少しました。
売上収益は、民間向け航空エンジンはスペアパーツ販売が拡大する一方で、前年同期の整備費用発生遅れや為替円安の反動によりほぼ横ばいとなりましたが、防衛事業の拡大により増収となりました。
営業利益は、民間向け航空エンジンにおける前年同期の整備費用発生遅れや為替円安の反動のほか、研究開発費や人件費など先行投資に係る費用が増加したことで、減益となりました。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末における総資産は2兆3,365億円となり、前連結会計年度末と比較して961億円増加しました。主な増加項目は、棚卸資産で805億円、主な減少項目は、現金及び現金同等物で348億円です。
負債は1兆7,704億円となり、前連結会計年度末と比較して387億円増加しました。主な増加項目は、リース負債含む有利子負債で664億円、契約負債で457億円、主な減少項目は、返金負債で246億円です。
資本は5,660億円となり、前連結会計年度末と比較して574億円増加しました。これには、親会社の所有者に帰属する中間利益559億円が含まれています。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の21.5%から23.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して348億円減少し、1,019億円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは571億円の支出超過(前年同期は74億円の支出超過)となりました。これは、契約負債が増加した一方で、棚卸資産及び前払金の増加や、出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラム関連の支出による返金負債の減少のほか、税金支出があったためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは229億円の支出超過(前年同期は252億円の支出超過)となりました。これは、子会社株式売却による収入があった一方で、固定資産取得による支出があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは400億円の収入超過(前年同期は146億円の支出超過)となりました。これは、前年同期は借入金の返済による支出などがあった一方で、当中間連結会計期間では資金確保のためコマーシャル・ペーパーの発行による収入があったためです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については、借入金や社債、コマーシャル・ペーパー及び自己資金により充当しています。当中間連結会計期間末の有利子負債残高はリース負債を含めて5,811億円となり、前連結会計年度末と比較して664億円増加しました。これは、主として事業活動による運転資金の増加を外部借入で調達したことやコマーシャル・ペーパーを発行したことによるものです。
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末と比較して348億円減少し、1,019億円となりました。これは、主として事業活動による運転資金の支出に充てたこと等によるものです。
資金の流動性については、主要銀行との間の当座貸越枠に加え、コミットメントライン契約やコマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段を保有しており、上記現金及び現金同等物と合わせて引き続き十分な流動性を確保しています。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は156億円です。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)受注の実績
当中間連結会計期間における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比(%)期末受注残高
(百万円)
前期末比(%)
資源・エネルギー・環境326,190130.4610,70939.6
社会基盤(注4)59,132△6.8215,868△0.5
産業システム・汎用機械223,486△7.8217,0185.3
航空・宇宙・防衛270,347△10.7607,7490.3
報告セグメント 計879,15517.21,651,34412.6
その他40,82718.023,04811.8
調整額△26,490---
合計893,49217.51,674,39212.6

(注)1 各セグメントの受注高は、セグメント間の取引を含んでおり、調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。
2 各セグメントの受注残高は、セグメント間の取引を相殺消去しています。
3 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
4 前中間連結会計期間に「社会基盤」に含まれていた都市開発は「その他」に組み替えて表示しています。
(7)経営方針、経営戦略、対処すべき課題
当中間連結会計期間において、経営方針、経営戦略、対処すべき課題について重要な変更はありません。
世界経済は、米国の通商政策による影響の広がりから、景気持ち直しの動きが弱まる可能性があり、米国の政策動向の影響等による下振れリスクや金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があります。わが国経済についても、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが、米国の通商政策の影響による景気の下振れリスクや金融資本市場の変動等の影響に引き続き留意する必要があります。
当社グループは、2023年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2023」に基づく取組みを進めています。不確実性が高い経営環境が継続する中でも持続的な高成長を実現する事業へ変革するため、3か年の中期経営計画の最終年度となる2025年度では、成長をけん引する航空エンジン・ロケット分野の成長事業と、将来の事業の柱として期待されるクリーンエネルギー分野の育成事業、市場成長が見込めてかつ資本効率の高い事業への戦略的な経営資源のシフトを実行していきます。
成長事業である航空エンジン・ロケット分野では、確実に世界の航空機需要の伸びが予想される中で、民間向け航空エンジンにおける小型~大型クラスのベストセラーエンジンの開発・量産事業に参画しています。今後の需要増加が期待されるアフターマーケットでの事業拡大に向けて人財を集中投入していくとともに、自動化やDX高度化等による生産性の向上を進めています。民間航空機用エンジン整備拠点の一つである鶴ヶ島工場においては高品質なサービスを迅速に提供する取組みを進めるとともに、修理棟を新たに建設し、付加価値の高い部品修理需要の取り込みを加速していきます。また、需要の拡大が見込まれる防衛関連事業や宇宙関連事業においても、生産能力の強化や必要な技術開発を進めていきます。
育成事業であるクリーンエネルギー分野については、当社グループの技術力を活かしながら、燃料アンモニアに関する製造から貯蔵・輸送及び利活用に至るまでのバリューチェーンの構築を進め、カーボンフリーな世界の実現に貢献していきます。当中間連結会計期間においては、GE Vernovaと共同開発を進めているアンモニアガスタービン向け大型燃焼試験設備を当社相生工場内に新設し、今後はアンモニアガスタービンの実用化に向けて開発を加速していきます。
中核事業である資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械の各分野では、市場成長が見込め、当社の強みが活かせる事業については安定的なキャッシュ創出に向け必要なリソースを投入する一方、収益性・効率性の低い事業に関しては継続して事業構造改革を進めています。事業ポートフォリオの変革を通して継続的な成長を実現していきます。
(注)数値表記について、億円表示は切捨て、その他は四捨五入表示しています。

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