訂正有価証券報告書-第202期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は,設備投資の増加や,堅調な企業業績と雇用・所得環境の改善に支えられ,安定的に推移しました。世界経済については,中国が景気減速傾向にあるものの,米国の着実な成長に支えられ,総じて緩やかな成長が続きました。一方で政治面では米中貿易摩擦や,英国のEU離脱問題など不安定な状況が続きました。
このような事業環境下において,当社グループの当連結会計年度の受注高は前期比7.0%減の1兆3,992億円となりました。また,売上高についても前期比6.7%減の1兆4,834億円となりました。
損益面では,営業利益は,新型エンジンの販売増加に伴う民間向け航空エンジンの採算性低下があるものの,北米で遂行中のプロセスプラント案件の採算悪化が総じて収まりつつあることなどから,102億円増益の824億円となりました。経常利益は,持分法投資損益や為替差損益の好転などにより増益幅が拡大し,443億円増益の657億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は,315億円増益の398億円となりました。
民間航空機エンジン事業で発生した不適切検査については,航空・宇宙・防衛事業領域では,1.安全意識の再徹底およびコンプライアンス教育,2.安全管理体制の抜本的見直し,3.業務実施体制の見直し,を軸とした再発防止策に取り組むとともに,当社グループ全体においてもコンプライアンス体制・品質保証体制・リスク管理活動の更なる強化を進めてまいります。なお,当該事案に伴って発生した操業停止の影響や,現状で見積もり可能な補償は,売上原価,営業外費用にそれぞれ計上しております。
また,前連結会計年度においては,一部の海外連結子会社の決算日を12月31日から3月31日に変更しており,該当する連結子会社の会計期間が15か月となっています。この影響により,前連結会計年度において売上高で579億円,営業利益で14億円がそれぞれ増加しています。
当連結会計年度の報告セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
(単位:億円)
⦅資源・エネルギー・環境⦆
パリ協定にて世界の平均気温上昇の上限や温室効果ガス排出量と吸収量のバランスについて長期目標が掲げられる中,気候変動への対策の動きが加速しております。それに伴い,社会やお客さまの抱える課題も地域ごと・発展段階ごとに多様化しており,柔軟に対応していく必要があります。
このような脱炭素社会への流れから,ボイラを中心とした大型の新設案件への見通しが不透明感を増し,太陽光を始めとする再生エネルギーを中心とした分散型エネルギーへのシフトが加速しています。また足元では,エネルギー安定供給の為の既存設備の高効率化や,ガスシフトに伴うガス関連設備(貯蔵・ガス発電)に対する一定の需要は見込めるものの,厳しい競争環境が続いています。
このような事業環境のもと,受注高は,ボイラ,陸用原動機プラントで前期に大型案件を受注した反動により,減少しました。
売上高は,前期の報告期間統一の影響のほか,プロセスプラントにおいて前期に大型プロジェクトが進捗した反動で減収となりました。
営業損益は,プロセスプラントで前期に生じた採算悪化が総じて収まりつつあることや,販管費の減少により,増益となりました。
この事業領域では,脱CO2・循環型社会に向け,枯渇性資源の有効活用,再生エネルギー,分散エネルギーの利用促進,再生可能資源の利活用等を通じて,地域・お客さまごとに最適な総合ソリューションの提供に取り組んでまいります。
⦅社会基盤・海洋⦆
新興国では経済発展に伴うインフラ開発が旺盛である一方で,先進国では進行するインフラ老朽化への対策が迫られております。加えて,持続可能な都市と豊かな生活に向けて,深刻化する気候変動と自然災害に適応する強靭な社会インフラシステムの構築が求められております。
足元では,国内において,橋梁・水門では道路,トンネルなどの新設工事は減少していくものの,橋梁の老朽化対策としての更新・修繕工事や保全工事等の需要が増加すると予想されます。シールドシステムやコンクリート建材では,リニア中央新幹線などの発注により,大型工事の需要が期待されます。また,海外においては,東南アジアを中心にインフラ投資が活発化しており,需要の拡大が期待されます。
このような事業環境のもと,受注高は,橋梁・水門で前期に海外の大型案件を受注した反動により,減少しました。
売上高は,橋梁・水門で増収となったものの,F-LNG・海洋構造物やシールドシステムで減収となりました。
営業利益は,F-LNG・海洋構造物やシールドシステムで減益となったものの,橋梁・水門で増益となりました。
この事業領域では,橋梁,トンネルを軸に,インフラ建設を主体とした事業から,計画・運営・保守・保全まで含めたライフサイクル型事業に展開・拡大し,将来の最適な都市環境の実現に資する社会インフラシステムの提供に取り組んでまいります。
⦅産業システム・汎用機械⦆
世界的なデジタル技術の伸長に伴う各種自動化の進展により足元の設備投資は堅調であり,また自動車産業においても世界的な燃費効率の追求を背景に市場は堅調に推移しています。
一方で自動車産業における自動化・電動化などへの対応や環境負荷低減に向けた取り組み,デジタルトランスフォーメーションの進展などによる産業機械・物流業界における事業環境の変化が加速しています。また,お客さまの事業では,リードタイム短縮,人手不足,ノウハウ・技術力の低下などの課題が顕在化しており,それらの課題に迅速かつ適切に対応していく必要があります。
このような事業環境のもと,受注高は,前期の報告期間統一の影響により減少しましたが,この影響を除くと,運搬機械などで実質的に増加しました。
売上高は,前期の報告期間統一の影響により減収となりましたが,この影響を除くと,パーキング,回転機械で実質的に増収となりました。
営業利益は,前期の報告期間統一の影響はあるものの,上記の増収の影響や,熱・表面処理の採算改善により,増益となりました。
この事業領域では,社会・お客さまの「人」と「エネルギー」と「資産」の効率を最大化することを通じて非効率性から生じるさまざまな社会的課題を解決するとともに,お客さまと共にオペレーション(事業運営)の最適化をライフサイクルで徹底追求することで,産業インフラの高度な発展に貢献してまいります。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
環境負荷低減に向け資源・エネルギーの効率的な利活用が加速する中,安全・安心・快適な生活の実現に向け,航空輸送の安全性・信頼性の向上や気候変動等に柔軟に対応していく必要があります。
民間向け航空エンジンにおいては,引き続き航空需要の伸びが堅調に推移しており,高効率・低燃費の新型エンジンへの期待が高まっています。また,運航機数の増加によるアフターマーケットの安定的な成長も見込まれます。
このような事業環境のもと,受注高は,民間向け航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用で増加しました。
売上高は,民間向け航空エンジンで増収となりました。
営業利益は,民間向け航空エンジンにおいて,新型のPW1100Gエンジンに係る不具合対応費用の負担は減少したものの,引渡台数が増加した影響などにより,減益となりました。
この事業領域では,不適切検査が発生した民間航空機エンジン事業を中心に再発防止策を確実に進め,強靭な品質保証体制を再構築いたします。その上で,安全・環境低負荷かつ経済的な航空輸送を可能にする航空エンジンの提供や社会のニーズに沿った宇宙開発事業の展開を通じて,地球環境の保全とともに人々が豊かで安全安心に暮らせる社会の実現に貢献すべく,技術革新への飽くなき挑戦を続け,独自技術・ものづくり力の高度化を推し進めてまいります。
なお,文中の将来に関する事項は,当連結会計年度末現在において判断したものです。
b.資産及び負債,純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は1兆6,645億円となり,前連結会計年度末と比較して310億円増加しました。主な増加項目は,原材料及び貯蔵品で219億円,投資有価証券で186億円,前渡金などの流動資産その他で175億円,主な減少項目は,受取手形及び売掛金で226億円です。
負債は前連結会計年度末とほぼ同額の1兆2,828億円となりました。主な増加項目は,短期借入金で302億円,主な減少項目は,前受金で202億円,支払手形及び買掛金で148億円です。また,有利子負債残高はリース債務を含めて3,550億円となり,前連結会計年度末と比較して328億円増加しました。
純資産は3,816億円となり,前連結会計年度末と比較して314億円増加しました。これには,親会社株主に帰属する当期純利益398億円,剰余金の配当による減少92億円が含まれています。
以上の結果,1株当たり純資産額は,前連結会計年度末と比較して159円90銭増加して,2,263円12銭となり,自己資本比率は,前連結会計年度末の19.9%から21.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下,「資金」という。)の残高は,前連結会計年度末と比較して147億円減少し,926億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は464億円(前連結会計年度は990億円の獲得)となりました。これは,たな卸資産の増加や仕入債務の減少,過年度法人税等を含む法人税等の支払などがある一方で,売上債権の減少や税金等調整前当期純利益などによって資金が増加したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は792億円(前連結会計年度は479億円の使用)となりました。これは主に,有形及び無形固定資産の取得による支出641億円,有価証券及び投資有価証券の取得による支出182億円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は164億円(前連結会計年度は573億円の使用)となりました。これは主に,短期借入金の増加367億円などによるものです。
(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示し,比率は四捨五入表示しています。
③生産,受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
(注)1 金額は販売価格によっており,セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 上記の金額には,消費税等は含まれていません。
3 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
(注)1 各セグメントの受注高は,セグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。
2 各セグメントの受注残高は,セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 消費税等は含まれていません。
4 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
(注)1 販売実績は売上高を持って示します。ただし,消費税は含まれていません。
2 各セグメントの売上高は,セグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去し
ています。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
4 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
(2)経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は,わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成にあたり,連結貸借対照表上の資産,負債の計上額,及び連結損益計算書上の収益,費用の計上額に影響を与える判断,見積りを行なう必要があります。当社グループの重要な会計方針のうち,判断,見積りを行なう割合が高いものは,貸倒引当金,受注工事損失引当金などの各引当金の計上,退職給付債務の算定,繰延税金資産の回収可能性の判断などがあります。これらの判断,見積りについては合理的な方法により算定していますが,見積り特有の不確実性が存在するため,将来において認識される業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。これらのうち,重要なものについては,第2「事業の状況」の2「事業等のリスク」に記載しています。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループ及びセグメントごとの経営成績の状況は(1)経営成績等の状況の概要の①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。
当社グループは,2016年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」に基づき,収益基盤の強化を図るべく事業を進めてまいりました。最終年度となる2018年度(2019年3月期)については,特定工事の下振れ継続,資源・エネルギー・環境を中心とした新設工事の市況悪化や為替変動等により,当初の経営目標に対して未達となりましたが,一方で,リスクマネジメントの強化や,集中と選択を推し進めたことなどにより,営業利益率およびROICは改善傾向にあり,収益基盤の強化については一定の成果が挙がったものと評価しております。
「グループ経営方針2016」のもと整備した収益基盤を土台として,経営体質とビジネスモデルの変革を加速し,環境の変化に応じて事業の中身を組み替えながら,「グループ経営方針2019」の経営目標(2021年度:ROIC 10%以上,営業利益率8%,CCC 80日)の達成を目指してまいります。
(注)各指標の算出方法は次のとおりです。
・ROIC:(1-「法定実効税率」)×(「営業利益」+「受取利息」+「受取配当金」)
÷(「株主資本合計」+「その他の包括利益累計額合計」+有利子負債の金額)
・D/Eレシオ:有利子負債の金額÷純資産合計
なお,セグメントごとの経営目標(営業利益率)の達成状況と今後の課題については以下のとおりです。
⦅資源・エネルギー・環境⦆
北米で遂行中のプロセスプラント案件での下振れの発生や,新設工事の市況が想定以上に悪化したこともあり,営業利益率は0.9%(目標6.8%)と大幅な未達となりました。一方で事業環境の変化に応じて,社内リソースを柔軟に再配置したことなどにより,ボイラにおけるアフターサービスの受注拡大などの成果につなげることができました。
この事業領域では,引き続きリスクマネジメントを強化し下振れ防止を徹底するとともに,国内外の改造・更新需要の獲得に注力してまいります。
⦅社会基盤・海洋⦆
F-LNG事業からの撤退を完了したこと,プロジェクト管理の徹底や橋梁・シールド等の採算改善により,営業利益率は9.9%(目標7.5%)と経営目標を達成いたしました。
この事業領域では,増加する国内の橋梁等での保全工事について付加価値向上を図るとともに,着実な海外展開を進めてまいります。
⦅産業システム・汎用機械⦆
計画的にポートフォリオマネジメントを推進し,業績は改善傾向にあるものの,営業利益率は5.2%(目標5.9%)と未達となりました。
この事業領域では,引き続き集中と選択を推し進めるとともに,お客さま視点の価値提案によるサービス提供や海外市場への展開を加速することにより,事業拡大を図ってまいります。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
為替変動(「グループ経営方針2016」前提レート:115円/ドル)の影響や,素材高騰によるコストダウン未達等があったものの,補用部品やスペアエンジンの販売増加や,新型のPW1100Gエンジンの引渡遅れの影響などにより,営業利益率は9.4%(目標9.6%)と概ね経営目標を達成いたしました。
この事業領域では,品質問題への対応を最優先とした上で,着実な競争力強化へ向けた取り組みを継続してまいります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(1)経営成績等の状況の概要の①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおり,当連結会計年度末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,550億円であり,前連結会計年度末と比較して328億円増加しています。
これは,前連結会計年度に計上した北米のプロセスプラント案件の債務の支払い等によって増加した運転資本,及び新型のPW1100Gエンジンの増産に伴う設備投資によって増加した投資支出について,借入金を始めとした有利子負債により賄ったことによるものです。
また,当連結会計年度末の現金及び現金同等物は926億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は,設備投資の増加や,堅調な企業業績と雇用・所得環境の改善に支えられ,安定的に推移しました。世界経済については,中国が景気減速傾向にあるものの,米国の着実な成長に支えられ,総じて緩やかな成長が続きました。一方で政治面では米中貿易摩擦や,英国のEU離脱問題など不安定な状況が続きました。
このような事業環境下において,当社グループの当連結会計年度の受注高は前期比7.0%減の1兆3,992億円となりました。また,売上高についても前期比6.7%減の1兆4,834億円となりました。
損益面では,営業利益は,新型エンジンの販売増加に伴う民間向け航空エンジンの採算性低下があるものの,北米で遂行中のプロセスプラント案件の採算悪化が総じて収まりつつあることなどから,102億円増益の824億円となりました。経常利益は,持分法投資損益や為替差損益の好転などにより増益幅が拡大し,443億円増益の657億円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は,315億円増益の398億円となりました。
民間航空機エンジン事業で発生した不適切検査については,航空・宇宙・防衛事業領域では,1.安全意識の再徹底およびコンプライアンス教育,2.安全管理体制の抜本的見直し,3.業務実施体制の見直し,を軸とした再発防止策に取り組むとともに,当社グループ全体においてもコンプライアンス体制・品質保証体制・リスク管理活動の更なる強化を進めてまいります。なお,当該事案に伴って発生した操業停止の影響や,現状で見積もり可能な補償は,売上原価,営業外費用にそれぞれ計上しております。
また,前連結会計年度においては,一部の海外連結子会社の決算日を12月31日から3月31日に変更しており,該当する連結子会社の会計期間が15か月となっています。この影響により,前連結会計年度において売上高で579億円,営業利益で14億円がそれぞれ増加しています。
当連結会計年度の報告セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。
(単位:億円)
| 報告セグメント | 受注高 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | |||||
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 前期比 増減率 (%) | (2017.4~2018.3) | (2018.4~2019.3) | 増減率(%) | ||||
| 売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | ||||
| 資源・ エネルギー・ 環境 | 3,780 | 2,855 | △24.5 | 4,904 | △148 | 3,770 | 33 | △23.1 | - |
| 社会基盤・海洋 | 1,639 | 1,244 | △24.1 | 1,545 | 139 | 1,431 | 142 | △7.4 | 2.2 |
| 産業システム・ 汎用機械 | 4,740 | 4,589 | △3.2 | 4,590 | 189 | 4,410 | 231 | △3.9 | 22.3 |
| 航空・宇宙・防衛 | 4,638 | 4,943 | 6.6 | 4,637 | 601 | 4,922 | 464 | 6.1 | △22.8 |
| 報告セグメント 計 | 14,799 | 13,632 | △7.9 | 15,677 | 781 | 14,535 | 871 | △7.3 | 11.5 |
| その他 | 741 | 814 | 9.8 | 735 | 27 | 793 | 23 | 7.9 | △13.9 |
| 調整額 | △490 | △454 | - | △509 | △86 | △494 | △70 | - | - |
| 合計 | 15,050 | 13,992 | △7.0 | 15,903 | 722 | 14,834 | 824 | △6.7 | 14.1 |
⦅資源・エネルギー・環境⦆
パリ協定にて世界の平均気温上昇の上限や温室効果ガス排出量と吸収量のバランスについて長期目標が掲げられる中,気候変動への対策の動きが加速しております。それに伴い,社会やお客さまの抱える課題も地域ごと・発展段階ごとに多様化しており,柔軟に対応していく必要があります。
このような脱炭素社会への流れから,ボイラを中心とした大型の新設案件への見通しが不透明感を増し,太陽光を始めとする再生エネルギーを中心とした分散型エネルギーへのシフトが加速しています。また足元では,エネルギー安定供給の為の既存設備の高効率化や,ガスシフトに伴うガス関連設備(貯蔵・ガス発電)に対する一定の需要は見込めるものの,厳しい競争環境が続いています。
このような事業環境のもと,受注高は,ボイラ,陸用原動機プラントで前期に大型案件を受注した反動により,減少しました。
売上高は,前期の報告期間統一の影響のほか,プロセスプラントにおいて前期に大型プロジェクトが進捗した反動で減収となりました。
営業損益は,プロセスプラントで前期に生じた採算悪化が総じて収まりつつあることや,販管費の減少により,増益となりました。
この事業領域では,脱CO2・循環型社会に向け,枯渇性資源の有効活用,再生エネルギー,分散エネルギーの利用促進,再生可能資源の利活用等を通じて,地域・お客さまごとに最適な総合ソリューションの提供に取り組んでまいります。
⦅社会基盤・海洋⦆
新興国では経済発展に伴うインフラ開発が旺盛である一方で,先進国では進行するインフラ老朽化への対策が迫られております。加えて,持続可能な都市と豊かな生活に向けて,深刻化する気候変動と自然災害に適応する強靭な社会インフラシステムの構築が求められております。
足元では,国内において,橋梁・水門では道路,トンネルなどの新設工事は減少していくものの,橋梁の老朽化対策としての更新・修繕工事や保全工事等の需要が増加すると予想されます。シールドシステムやコンクリート建材では,リニア中央新幹線などの発注により,大型工事の需要が期待されます。また,海外においては,東南アジアを中心にインフラ投資が活発化しており,需要の拡大が期待されます。
このような事業環境のもと,受注高は,橋梁・水門で前期に海外の大型案件を受注した反動により,減少しました。
売上高は,橋梁・水門で増収となったものの,F-LNG・海洋構造物やシールドシステムで減収となりました。
営業利益は,F-LNG・海洋構造物やシールドシステムで減益となったものの,橋梁・水門で増益となりました。
この事業領域では,橋梁,トンネルを軸に,インフラ建設を主体とした事業から,計画・運営・保守・保全まで含めたライフサイクル型事業に展開・拡大し,将来の最適な都市環境の実現に資する社会インフラシステムの提供に取り組んでまいります。
⦅産業システム・汎用機械⦆
世界的なデジタル技術の伸長に伴う各種自動化の進展により足元の設備投資は堅調であり,また自動車産業においても世界的な燃費効率の追求を背景に市場は堅調に推移しています。
一方で自動車産業における自動化・電動化などへの対応や環境負荷低減に向けた取り組み,デジタルトランスフォーメーションの進展などによる産業機械・物流業界における事業環境の変化が加速しています。また,お客さまの事業では,リードタイム短縮,人手不足,ノウハウ・技術力の低下などの課題が顕在化しており,それらの課題に迅速かつ適切に対応していく必要があります。
このような事業環境のもと,受注高は,前期の報告期間統一の影響により減少しましたが,この影響を除くと,運搬機械などで実質的に増加しました。
売上高は,前期の報告期間統一の影響により減収となりましたが,この影響を除くと,パーキング,回転機械で実質的に増収となりました。
営業利益は,前期の報告期間統一の影響はあるものの,上記の増収の影響や,熱・表面処理の採算改善により,増益となりました。
この事業領域では,社会・お客さまの「人」と「エネルギー」と「資産」の効率を最大化することを通じて非効率性から生じるさまざまな社会的課題を解決するとともに,お客さまと共にオペレーション(事業運営)の最適化をライフサイクルで徹底追求することで,産業インフラの高度な発展に貢献してまいります。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
環境負荷低減に向け資源・エネルギーの効率的な利活用が加速する中,安全・安心・快適な生活の実現に向け,航空輸送の安全性・信頼性の向上や気候変動等に柔軟に対応していく必要があります。
民間向け航空エンジンにおいては,引き続き航空需要の伸びが堅調に推移しており,高効率・低燃費の新型エンジンへの期待が高まっています。また,運航機数の増加によるアフターマーケットの安定的な成長も見込まれます。
このような事業環境のもと,受注高は,民間向け航空エンジン,ロケットシステム・宇宙利用で増加しました。
売上高は,民間向け航空エンジンで増収となりました。
営業利益は,民間向け航空エンジンにおいて,新型のPW1100Gエンジンに係る不具合対応費用の負担は減少したものの,引渡台数が増加した影響などにより,減益となりました。
この事業領域では,不適切検査が発生した民間航空機エンジン事業を中心に再発防止策を確実に進め,強靭な品質保証体制を再構築いたします。その上で,安全・環境低負荷かつ経済的な航空輸送を可能にする航空エンジンの提供や社会のニーズに沿った宇宙開発事業の展開を通じて,地球環境の保全とともに人々が豊かで安全安心に暮らせる社会の実現に貢献すべく,技術革新への飽くなき挑戦を続け,独自技術・ものづくり力の高度化を推し進めてまいります。
なお,文中の将来に関する事項は,当連結会計年度末現在において判断したものです。
b.資産及び負債,純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は1兆6,645億円となり,前連結会計年度末と比較して310億円増加しました。主な増加項目は,原材料及び貯蔵品で219億円,投資有価証券で186億円,前渡金などの流動資産その他で175億円,主な減少項目は,受取手形及び売掛金で226億円です。
負債は前連結会計年度末とほぼ同額の1兆2,828億円となりました。主な増加項目は,短期借入金で302億円,主な減少項目は,前受金で202億円,支払手形及び買掛金で148億円です。また,有利子負債残高はリース債務を含めて3,550億円となり,前連結会計年度末と比較して328億円増加しました。
純資産は3,816億円となり,前連結会計年度末と比較して314億円増加しました。これには,親会社株主に帰属する当期純利益398億円,剰余金の配当による減少92億円が含まれています。
以上の結果,1株当たり純資産額は,前連結会計年度末と比較して159円90銭増加して,2,263円12銭となり,自己資本比率は,前連結会計年度末の19.9%から21.0%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下,「資金」という。)の残高は,前連結会計年度末と比較して147億円減少し,926億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は464億円(前連結会計年度は990億円の獲得)となりました。これは,たな卸資産の増加や仕入債務の減少,過年度法人税等を含む法人税等の支払などがある一方で,売上債権の減少や税金等調整前当期純利益などによって資金が増加したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用された資金は792億円(前連結会計年度は479億円の使用)となりました。これは主に,有形及び無形固定資産の取得による支出641億円,有価証券及び投資有価証券の取得による支出182億円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって得られた資金は164億円(前連結会計年度は573億円の使用)となりました。これは主に,短期借入金の増加367億円などによるものです。
(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示し,比率は四捨五入表示しています。
③生産,受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 資源・エネルギー・環境 | 375,400 | △22.4 |
| 社会基盤・海洋 | 135,127 | △6.8 |
| 産業システム・汎用機械 | 441,671 | △3.2 |
| 航空・宇宙・防衛 | 426,409 | △2.5 |
| 報告セグメント 計 | 1,378,607 | △9.5 |
| その他 | 59,950 | △5.2 |
| 合計 | 1,438,557 | △9.3 |
(注)1 金額は販売価格によっており,セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 上記の金額には,消費税等は含まれていません。
3 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 期末受注残高 (百万円) | 前期末比(%) |
| 資源・エネルギー・環境 | 285,587 | △24.5 | 523,193 | △19.3 |
| 社会基盤・海洋 | 124,440 | △24.1 | 191,659 | △7.0 |
| 産業システム・汎用機械 | 458,970 | △3.2 | 180,340 | 12.0 |
| 航空・宇宙・防衛 | 494,300 | 6.6 | 562,613 | 5.5 |
| 報告セグメント 計 | 1,363,297 | △7.9 | 1,457,805 | △5.9 |
| その他 | 81,441 | 9.8 | 20,454 | 10.9 |
| 調整額 | △45,496 | - | - | - |
| 合計 | 1,399,242 | △7.0 | 1,478,259 | △5.7 |
(注)1 各セグメントの受注高は,セグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。
2 各セグメントの受注残高は,セグメント間の取引については相殺消去しています。
3 消費税等は含まれていません。
4 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 資源・エネルギー・環境 | 377,071 | △23.1 |
| 社会基盤・海洋 | 143,157 | △7.4 |
| 産業システム・汎用機械 | 441,082 | △3.9 |
| 航空・宇宙・防衛 | 492,246 | 6.1 |
| 報告セグメント 計 | 1,453,556 | △7.3 |
| その他 | 79,307 | 7.9 |
| 調整額 | △49,421 | - |
| 合計 | 1,483,442 | △6.7 |
(注)1 販売実績は売上高を持って示します。ただし,消費税は含まれていません。
2 各セグメントの売上高は,セグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去し
ています。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 一般財団法人 日本航空機エンジン協会 | 161,258 | 10.1 | 205,100 | 13.8 |
4 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
(2)経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は,わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成にあたり,連結貸借対照表上の資産,負債の計上額,及び連結損益計算書上の収益,費用の計上額に影響を与える判断,見積りを行なう必要があります。当社グループの重要な会計方針のうち,判断,見積りを行なう割合が高いものは,貸倒引当金,受注工事損失引当金などの各引当金の計上,退職給付債務の算定,繰延税金資産の回収可能性の判断などがあります。これらの判断,見積りについては合理的な方法により算定していますが,見積り特有の不確実性が存在するため,将来において認識される業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。これらのうち,重要なものについては,第2「事業の状況」の2「事業等のリスク」に記載しています。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループ及びセグメントごとの経営成績の状況は(1)経営成績等の状況の概要の①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。
当社グループは,2016年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」に基づき,収益基盤の強化を図るべく事業を進めてまいりました。最終年度となる2018年度(2019年3月期)については,特定工事の下振れ継続,資源・エネルギー・環境を中心とした新設工事の市況悪化や為替変動等により,当初の経営目標に対して未達となりましたが,一方で,リスクマネジメントの強化や,集中と選択を推し進めたことなどにより,営業利益率およびROICは改善傾向にあり,収益基盤の強化については一定の成果が挙がったものと評価しております。
「グループ経営方針2016」のもと整備した収益基盤を土台として,経営体質とビジネスモデルの変革を加速し,環境の変化に応じて事業の中身を組み替えながら,「グループ経営方針2019」の経営目標(2021年度:ROIC 10%以上,営業利益率8%,CCC 80日)の達成を目指してまいります。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 「グループ 経営方針2016」 2019年3月期 経営目標 | |
| 営業利益率 | 1.4% | 3.2% | 4.5% | 5.6% | 7% |
| ROIC | 2.3% | 5.0% | 7.7% | 8.7% | 10% |
| D/Eレシオ | 1.12倍 | 1.10倍 | 0.92倍 | 0.93倍 | 0.7倍以下 |
(注)各指標の算出方法は次のとおりです。
・ROIC:(1-「法定実効税率」)×(「営業利益」+「受取利息」+「受取配当金」)
÷(「株主資本合計」+「その他の包括利益累計額合計」+有利子負債の金額)
・D/Eレシオ:有利子負債の金額÷純資産合計
なお,セグメントごとの経営目標(営業利益率)の達成状況と今後の課題については以下のとおりです。
⦅資源・エネルギー・環境⦆
北米で遂行中のプロセスプラント案件での下振れの発生や,新設工事の市況が想定以上に悪化したこともあり,営業利益率は0.9%(目標6.8%)と大幅な未達となりました。一方で事業環境の変化に応じて,社内リソースを柔軟に再配置したことなどにより,ボイラにおけるアフターサービスの受注拡大などの成果につなげることができました。
この事業領域では,引き続きリスクマネジメントを強化し下振れ防止を徹底するとともに,国内外の改造・更新需要の獲得に注力してまいります。
⦅社会基盤・海洋⦆
F-LNG事業からの撤退を完了したこと,プロジェクト管理の徹底や橋梁・シールド等の採算改善により,営業利益率は9.9%(目標7.5%)と経営目標を達成いたしました。
この事業領域では,増加する国内の橋梁等での保全工事について付加価値向上を図るとともに,着実な海外展開を進めてまいります。
⦅産業システム・汎用機械⦆
計画的にポートフォリオマネジメントを推進し,業績は改善傾向にあるものの,営業利益率は5.2%(目標5.9%)と未達となりました。
この事業領域では,引き続き集中と選択を推し進めるとともに,お客さま視点の価値提案によるサービス提供や海外市場への展開を加速することにより,事業拡大を図ってまいります。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
為替変動(「グループ経営方針2016」前提レート:115円/ドル)の影響や,素材高騰によるコストダウン未達等があったものの,補用部品やスペアエンジンの販売増加や,新型のPW1100Gエンジンの引渡遅れの影響などにより,営業利益率は9.4%(目標9.6%)と概ね経営目標を達成いたしました。
この事業領域では,品質問題への対応を最優先とした上で,着実な競争力強化へ向けた取り組みを継続してまいります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(1)経営成績等の状況の概要の①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおり,当連結会計年度末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,550億円であり,前連結会計年度末と比較して328億円増加しています。
これは,前連結会計年度に計上した北米のプロセスプラント案件の債務の支払い等によって増加した運転資本,及び新型のPW1100Gエンジンの増産に伴う設備投資によって増加した投資支出について,借入金を始めとした有利子負債により賄ったことによるものです。
また,当連結会計年度末の現金及び現金同等物は926億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(注)この項に記載の金額は単位未満を切捨て表示しています。