四半期報告書-第159期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/13 13:03
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2019年4月1日~9月30日)における世界経済は、貿易や地政学的な情勢をめぐる不透明感の増大から各国で成長の同時減速が続きました。米国では堅調な個人消費が成長を下支えし、景気は安定して推移したものの設備投資を中心に企業部門では悪化の兆しが見られました。欧州では消費などの内需が底堅く推移しましたが、輸出の低迷や英国のEU離脱をめぐる不透明感を受けて経済成長の抑制が続きました。また、アジアでは中国経済が米国との貿易摩擦問題の影響による輸出減少や内需の伸び悩みなど減速感が強まり、周辺国もその影響を受け成長が鈍化しました。
一方、わが国の経済は、個人消費等は堅調に推移しましたが、世界経済減速の影響を受けて海外需要の弱さは変わらず、停滞感が継続しました。
当社の当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期から10億円の増収となる1,221億円(前年同期比0.9%増)となりました。事業別では、ウオッチ事業、システムソリューション事業およびその他の売上高が前年同期を上回りました。連結全体の国内売上高は704億円(同4.4%増)、海外売上高は516億円(同3.6%減)となり、海外売上高割合は42.3%でした。
第7次中期経営計画のスタートとともに積極的な投資に取り組み広告宣伝投資が前年同期から約20%増加いたしましたが、継続的なコスト削減や商品構成の改善などにより営業利益は70億円(同22.7%増)と前年同期から12億円増加いたしました。持分法による投資利益の減少などにより営業外収支が前年同期から悪化したことで、経常利益は前年同期を3億円上回る78億円(同4.2%増)となりました。固定資産売却益1億円を特別利益に、海外の退職給付に係る法制度改正に伴う退職給付費用1億円を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は54億円(同12.3%減)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル108.6円、1ユーロ121.4円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ウオッチ事業
ウオッチ事業の売上高は前年同期比19億円増加の710億円(前年同期比2.7%増)となりました。中期経営計画の基本方針に掲げたグローバルブランド戦略を推進し、国内、海外特に米国、アジアでの売上拡大を図りました。その結果、国内の完成品ウオッチでは9月に消費増税前の駆け込み需要もあり、「クレドール」や「グランドセイコー」などの高価格帯ウオッチを中心にデパートや時計専門店、量販店など多くの流通で売上を伸ばしました。海外でも全ての地域でグローバルブランドの売上高は前年同期を上回りました。特に米国では「グランドセイコー」が好調に売上を拡大し、欧州ではドイツやフランスで、アジアでは中国や台湾などで「セイコー プロスペックス」が順調に伸長しました。
また、ウオッチムーブメントの外販は、引き続きグローバル市場での普及価格帯ウオッチの低迷などにより前年同期の売上を下回りました。
利益につきましては、増産にともなう効率性の改善や継続的なコスト削減効果などにより、営業利益は前年同期比24億円増加の82億円(同42.8%増)となりました。また、営業利益の改善には一部の連結子会社の本社部門に係る費用の配分方法変更による4億円の改善が含まれています。
電子デバイス事業
電子デバイス事業の売上高は前年同期比27億円減少の260億円(前年同期比9.6%減)、営業利益は前年同期比8億円減少の4億円(同67.0%減)となりました。中国景気の減速や半導体設備投資の低迷が長引くなど外部環境に改善が見られず、精密部品や半導体製造装置向けの高機能金属などが伸び悩みました。なお、一部の連結子会社の本社部門に係る費用の配分方法変更により、営業利益は4億円増加しています。
システムソリューション事業
システムソリューション事業の売上高は前年同期比5億円増加の156億円(前年同期比3.7%増)、営業利益は前年同期比3億円増加の14億円(同36.8%増)となりました。モバイルソリューション事業や、金融向けシステムインテグレーション案件の拡大などにより売上高が増加しました。
その他
その他の売上高は前年同期比20億円増加の150億円(前年同期比15.5%増)、営業利益2億円(前年同期は1億円の営業損失)となりました。
消費増税前の駆け込み需要の影響により売上高が伸長した和光事業をはじめ、クロック事業、タイムシステム事業など前年同期を超える売上高となりました。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は2,987億円となり、前年度末に比べて43億円の減少となりました。流動資産では、たな卸資産が28億円、受取手形及び売掛金が2億円増加しましたが、現金及び預金が76億円減少したことなどにより、流動資産合計は前年度末より52億円減少の1,337億円となりました。固定資産では、有形固定資産が32億円増加した一方、無形固定資産が5億円、投資その他の資産が18億円減少した結果、固定資産合計は前年度末と比べ9億円増加し1,649億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が18億円減少し、1年内返済予定の長期借入金が2億円、長期借入金が10億円増加した結果、借入金合計は1,039億円となりました。そのほか、支払手形及び買掛金が24億円、電子記録債務が12億円、未払金が50億円減少したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ55億円減少し1,870億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が38億円増加した一方、その他有価証券評価差額金が13億円、為替換算調整勘定が13億円減少したことなどによりその他の包括利益累計額合計が26億円減少しました。この結果、純資産合計は前年度末と比べ12億円増加の1,116億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は261億円となり、前年度末と比べて76億円の減少となりました。
これは、主として以下の要因によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が78億円となり、減価償却費50億円を加え、売上債権の増加△11億円、たな卸資産の増加△36億円、仕入債務の減少△29億円および未払金の減少△42億円などの結果、前年同期から64億円減少の2億円のプラスとなりました(前年同期は67億円のプラス)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得△39億円などの支出により、47億円のマイナスとなりました(前年同期は33億円のマイナス)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入れ、配当金の支払などにより27億円のマイナスとなりました(前年同期は75億円のマイナス)。
(3)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は22億円であります。