四半期報告書-第159期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

【提出】
2019/08/13 11:28
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2019年4月1日~6月30日)における世界経済は、米国では個人消費が堅調に推移しましたが、貿易摩擦や世界経済の成長鈍化に対する懸念から設備投資の伸びに減速感が見られるなど経済成長は緩やかな成長に留まりました。欧州では、英国の景気がEU離脱問題の長期化の影響で減速し、また、ユーロ圏でも失業率の低下が続くものの景気は横ばいに留まりました。アジアでは、米中貿易摩擦の影響により多くの国で経済成長が減速しました。中国では実質GDP成長率が前四半期から鈍化し、輸出や民間部門の固定資産投資なども低迷しました。しかしながら公共投資の持ち直しや小売売上高の伸びが加速するなど、一部には政府の景気テコ入れ、緩和措置の効果も見られました。
一方、わが国の経済は、中国向けを中心とした海外需要の弱さが継続していることや、5月に米国の中国に対する第4弾の追加関税が発表されたことで再度緊張感が高まった影響などにより停滞感が強まりました。
当社の当第1四半期連結累計期間の売上高は、585億円(前年同期比1.4%減)となりました。事業別の売上高は、ウオッチ事業は前年同期と同水準の売上高となり、システムソリューション事業も順調に推移いたしましたが、電子デバイス事業が前年同期を下回りました。連結全体の国内売上高は335億円(同0.8%減)、海外売上高は249億円(同2.2%減)となり、海外売上高割合は42.7%でした。
利益面では、第7次中期経営計画のスタートと共に積極的な投資に取り組み、広告宣伝販促費は前年同期から約20%増加いたしましたが、一方で継続的なコスト削減や商品構成の改善などにより、営業利益は28億円(同16.5%増)と前年同期から4億円増加いたしました。持分法による投資利益の減少や為替差損の計上などにより営業外収支が前年同期から悪化したことから、経常利益は前年同期を1億円下回る33億円(同4.3%減)に留まりました。海外の退職給付に係る法制度改正に伴い退職給付費用61百万円を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億円(同29.8%減)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル109.9円、1ユーロ123.5円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ウオッチ事業
ウオッチ事業の売上高は前年同期比1億円増加の339億円(前年同期比0.3%増)となりました。国内の完成品ウオッチでは、発売から20周年となるスプリングドライブや発売から50周年となるクオーツの高価格帯商品を中心に好調に売上を伸ばした「グランドセイコー」が全体を牽引しました。流通別では高価格帯商品の好調によりデパートなどが順調に推移しました。海外の完成品ウオッチでも、グローバル市場での「グランドセイコー」の売上拡大や、アジア、欧州などを中心とした「プロスペックス」の伸長により、海外の完成品ウオッチ全体の売上高は前年同期を上回りました。
ウオッチムーブメントの外販につきましては、メカニカルムーブメントの需要は安定しているものの、アナログクオーツムーブメント需要の低迷が続いており、全体の売上高は前年同期を下回りました。
利益につきましては、増産に伴う効率性の改善や継続的なコスト削減効果などにより、営業利益は前年同期から11億円増加し37億円(同43.2%増)となりました。なお、営業利益の改善には一部の連結子会社の本社部門に係る費用の配分方法変更による2億円の改善が含まれております。
電子デバイス事業
電子デバイス事業の売上高は前年同期比12億円減少の128億円(前年同期比9.2%減)、営業利益は前年同期比4億円減少の1億円(同69.2%減)となりました。中国景気の減速や半導体製造装置向け投資の低迷など前四半期から外部環境に大きな改善は見られず、精密部品や半導体製造装置向けの高機能金属などが伸び悩みました。なお、一部の連結子会社の本社部門に係る費用の配分方法変更により、営業利益は2億円増加しております。
システムソリューション事業
システムソリューション事業の売上高は前年同期比3億円増加の77億円(前年同期比4.3%増)、営業利益は前年同期比2億円増加の7億円(同47.8%増)となりました。金融業界向けのビジネスやIoT向けのモバイル通信機器関連ビジネスが引き続き好調に推移しました。また商品別利益の安定化がさらに進んだことなどにより前年同期から増益となりました。
その他
その他の売上高は前年同期比4億円増加の66億円(前年同期比6.6%増)、営業損失1億円(前年同期は営業損失1億円)となりました。和光事業などで売上を伸ばしたものの、経費も増加したことから営業損失は前年同期から若干の改善に留まりました。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は3,034億円となり、前年度末に比べて3億円の増加となりました。流動資産では、たな卸資産が25億円増加しましたが、現金及び預金が23億円、受取手形及び売掛金が29億円減少したことなどにより、流動資産合計は前年度末より14億円減少し1,374億円となりました。固定資産では、米国を除く在外連結子会社で当第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」を適用したことに伴い有形固定資産が38億円増加したことなどにより、有形固定資産合計は前年度末から29億円増加しました。一方で無形固定資産が3億円、投資その他の資産が7億円減少したことから、固定資産合計は前年度末と比べ18億円増加の1,659億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が55億円増加し、1年内返済予定の長期借入金が17億円、長期借入金が31億円減少した結果、借入金合計は1,050億円となりました。そのほか、未払金が35億円減少した一方で、IFRS第16号「リース」の適用に伴い流動負債が8億円、固定負債が30億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ9億円増加し1,935億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本は6億円増加しましたが、為替換算調整勘定の減少などによりその他の包括利益累計額合計が12億円減少したため、合計で前年度末と比べ6億円減少の1,098億円となりました。
(2) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は11億円であります。