四半期報告書-第161期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日~12月31日)における世界経済は、多くの国で2021年3月期の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による急激な落ち込みからの回復が見られました。米国経済は感染再拡大や人手不足で雇用や消費の拡大ペースが一服したものの、回復傾向が持続しました。欧州ではオミクロン株の急拡大に伴う行動規制の強化などにより経済活動が影響を受けました。中国でも経済は堅調に推移しましたが、「ゼロコロナ」政策の影響や不動産市場の低迷などにより成長は鈍化しました。
わが国の経済は変異株拡大により活動制限と緩和が繰り返されましたが回復基調を維持し、慎重だった個人消費にも9月の緊急事態宣言解除後は持ち直しの動きが見られました。
(単位:百万円)
このような中、当社でも変異株の感染急拡大に伴い、ステークホルダーの健康、安全に留意しながら第7次中期経営計画の戦略を推進しました。ウオッチ事業では「グランドセイコー(GS)」や「セイコー プロスペックス」を中心としたグローバルブランド(GB)拡大の取組みを進め、特に海外市場で売上高が大きく伸長しました。電子デバイス事業では医療分野などの好調な需要を確実に捉え、システムソリューション事業でも多角化やストックビジネス拡大への取組みが奏功し、両事業とも前年同期および新型コロナウイルス拡大前の前々年同期を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,738億円(前年同期比19.1%増)となりました。
連結全体の国内売上高は911億円(同12.4%増)、海外売上高は826億円(同27.5%増)となり、海外売上高割合は47.6%でした。
当第3四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は、前年同期に対して約5%増加いたしましたが、前々年同期に対しては約15%下回る水準となりました。その他の経費も事業活動の回復に伴い前年同期から増加し通常の水準となりましたが、売上高の回復や収益性の改善により営業利益は前年同期から58億円改善し64億円(同837.4%増)となりました。営業外収支が持分法による投資損益や為替差損益の改善などにより前年同期から改善した結果、経常利益は前年同期を80億円上回る71億円(前年同期は経常損失8億円)となりました。補助金収入1億円を特別利益に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う損失9億円を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は39億円(同70.2%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル111.1円、1ユーロ130.6円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ウオッチ事業
ウオッチ事業の売上高は前年同期比152億円増加、前々年同期比では156億円減少の923億円(前年同期比19.8%増、前々年同期比14.5%減)となりました。当第3四半期連結累計期間の国内の完成品ウオッチは変異株拡大の影響で計画を下回ったものの、感染者数が減少した第3四半期からは回復基調に転じました。140周年記念モデルや荘厳な白樺林をダイヤルに表現したモデルを中心に好調だったGSが前年同期を上回ったほか、「セイコー アストロン」や「セイコー プレザージュ」の売上高が伸長しました。流通別には、富裕層の旺盛な購買に支えられた百貨店や時計専門店が順調に推移しました。
海外ではGSが牽引し、GBの売上高はすべての地域で前年同期だけでなく前々年同期を上回りました。米国ではクリスマス商戦も好調に推移し、GS、「セイコー プロスペックス」を中心に前年同期、前々年同期を大きく上回りました。欧州でも英国、フランスなど多くの国でGSをはじめとするGBが売上を伸ばしました。中国では夏以降、不動産会社のデフォルト懸念が広がるなど社会不安から消費マインドが低下し、売上高は前年同期を下回りました。変異株拡大の影響によりその他のアジアの売上高は前年並みに留まりましたが、オーストラリアではGBを中心に好調に推移しました。
ウオッチムーブメントの外販ビジネスは、アジア市場向けが低調でした。
事業活動の回復に伴い費用は前年同期から通常水準に戻りましたが、売上高増加に伴い営業利益は前年同期から18億円増加し58億円(前年同期比46.5%増)となりました。
電子デバイス事業
電子デバイス事業は売上高472億円(前年同期比35.3%増)、営業利益40億円(前年同期は営業利益16百万円)となりました。サーマルプリンタや一部の精密デバイスで部材供給の遅れなどの影響を受けたものの、医療向け電池や水晶に加えオシレータや半導体製造装置向けの高機能金属、自動車向けやデーターセンター向けの精密部品などが引き続き好調に推移し、前年同期から大幅な増収増益となりました。
システムソリューション事業
システムソリューション事業は売上高253億円(前年同期比0.7%増)、営業利益28億円(同11.2%増)となりました。外食産業などがコロナ禍の影響を受けたほか、一部で部材調達難が発生しましたが、社会のデジタル化の波を捉えた電子契約関連ビジネスや株式会社アイ・アイ・エムの性能管理・セキュリティ関連ビジネス、さらに公共・通信業界向けの5G向けネットワーク関連ビジネスが伸長し、23四半期連続で増収増益を達成しました。
タイムクリエーション・和光事業他
タイムクリエーション・和光事業他の売上高は前年同期比27億円増加の201億円(前年同期比15.7%増)、営業利益は2億円(前年同期は営業損失4億円)となりました。国内では感染者数の減少に伴い年末に向けて市況感が回復しました。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,347億円となり、前年度末に比べて150億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が46億円、棚卸資産が60億円増加したことに加え、受取手形、売掛金及び契約資産が前年度末の受取手形及び売掛金と比べ14億円増加したことなどにより、流動資産合計は前年度末より119億円増加し1,619億円となりました。固定資産では、有形固定資産が1億円、無形固定資産が7億円減少した一方、投資その他の資産が41億円増加したことなどから、固定資産合計は前年度末と比べ31億円増加の1,727億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が34億円、1年内返済予定の長期借入金が46億円増加しましたが、長期借入金が94億円減少した結果、借入金合計は1,238億円となりました。支払手形及び買掛金が43億円、電子記録債務が28億円、繰延税金負債が15億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ103億円増加の2,169億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が6億円、その他有価証券評価差額金が23億円、為替換算調整勘定が12億円増加したことなどから、合計でも前年度末と比べ47億円増加の1,177億円となりました。
(2) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は29億円であります。
(3) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等のうち、当第3四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりであります。
(新設)
提出会社
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2021年4月1日~12月31日)における世界経済は、多くの国で2021年3月期の新型コロナウイルス感染症拡大の影響による急激な落ち込みからの回復が見られました。米国経済は感染再拡大や人手不足で雇用や消費の拡大ペースが一服したものの、回復傾向が持続しました。欧州ではオミクロン株の急拡大に伴う行動規制の強化などにより経済活動が影響を受けました。中国でも経済は堅調に推移しましたが、「ゼロコロナ」政策の影響や不動産市場の低迷などにより成長は鈍化しました。
わが国の経済は変異株拡大により活動制限と緩和が繰り返されましたが回復基調を維持し、慎重だった個人消費にも9月の緊急事態宣言解除後は持ち直しの動きが見られました。
(単位:百万円)
2020年3月期 第3四半期 累計期間(a) | 2021年3月期 第3四半期 累計期間(b) | 2022年3月期 第3四半期 累計期間① | 前々年同期 増減 ①-(a) | 前年同期 増減 ①-(b) | |
売上高 | 184,728 | 145,998 | 173,861 | △10,867 | 27,863 |
営業利益 | 8,115 | 692 | 6,492 | △1,622 | 5,800 |
% | 4.4% | 0.5% | 3.7% | △0.7pt | 3.2pt |
経常利益 | 9,357 | △878 | 7,196 | △2,160 | 8,074 |
% | 5.1% | - | 4.1% | △1.0pt | - |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 6,375 | 2,297 | 3,910 | △2,465 | 1,612 |
% | 3.5% | 1.6% | 2.2% | △1.3pt | 0.6pt |
換算レート | |||||
USD(円) | 108.7 | 106.1 | 111.1 | 2.4 | 5.0 |
EUR(円) | 121.0 | 122.4 | 130.6 | 9.6 | 8.2 |
このような中、当社でも変異株の感染急拡大に伴い、ステークホルダーの健康、安全に留意しながら第7次中期経営計画の戦略を推進しました。ウオッチ事業では「グランドセイコー(GS)」や「セイコー プロスペックス」を中心としたグローバルブランド(GB)拡大の取組みを進め、特に海外市場で売上高が大きく伸長しました。電子デバイス事業では医療分野などの好調な需要を確実に捉え、システムソリューション事業でも多角化やストックビジネス拡大への取組みが奏功し、両事業とも前年同期および新型コロナウイルス拡大前の前々年同期を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,738億円(前年同期比19.1%増)となりました。
連結全体の国内売上高は911億円(同12.4%増)、海外売上高は826億円(同27.5%増)となり、海外売上高割合は47.6%でした。
当第3四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は、前年同期に対して約5%増加いたしましたが、前々年同期に対しては約15%下回る水準となりました。その他の経費も事業活動の回復に伴い前年同期から増加し通常の水準となりましたが、売上高の回復や収益性の改善により営業利益は前年同期から58億円改善し64億円(同837.4%増)となりました。営業外収支が持分法による投資損益や為替差損益の改善などにより前年同期から改善した結果、経常利益は前年同期を80億円上回る71億円(前年同期は経常損失8億円)となりました。補助金収入1億円を特別利益に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う損失9億円を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は39億円(同70.2%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル111.1円、1ユーロ130.6円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ウオッチ事業
ウオッチ事業の売上高は前年同期比152億円増加、前々年同期比では156億円減少の923億円(前年同期比19.8%増、前々年同期比14.5%減)となりました。当第3四半期連結累計期間の国内の完成品ウオッチは変異株拡大の影響で計画を下回ったものの、感染者数が減少した第3四半期からは回復基調に転じました。140周年記念モデルや荘厳な白樺林をダイヤルに表現したモデルを中心に好調だったGSが前年同期を上回ったほか、「セイコー アストロン」や「セイコー プレザージュ」の売上高が伸長しました。流通別には、富裕層の旺盛な購買に支えられた百貨店や時計専門店が順調に推移しました。
海外ではGSが牽引し、GBの売上高はすべての地域で前年同期だけでなく前々年同期を上回りました。米国ではクリスマス商戦も好調に推移し、GS、「セイコー プロスペックス」を中心に前年同期、前々年同期を大きく上回りました。欧州でも英国、フランスなど多くの国でGSをはじめとするGBが売上を伸ばしました。中国では夏以降、不動産会社のデフォルト懸念が広がるなど社会不安から消費マインドが低下し、売上高は前年同期を下回りました。変異株拡大の影響によりその他のアジアの売上高は前年並みに留まりましたが、オーストラリアではGBを中心に好調に推移しました。
ウオッチムーブメントの外販ビジネスは、アジア市場向けが低調でした。
事業活動の回復に伴い費用は前年同期から通常水準に戻りましたが、売上高増加に伴い営業利益は前年同期から18億円増加し58億円(前年同期比46.5%増)となりました。
電子デバイス事業
電子デバイス事業は売上高472億円(前年同期比35.3%増)、営業利益40億円(前年同期は営業利益16百万円)となりました。サーマルプリンタや一部の精密デバイスで部材供給の遅れなどの影響を受けたものの、医療向け電池や水晶に加えオシレータや半導体製造装置向けの高機能金属、自動車向けやデーターセンター向けの精密部品などが引き続き好調に推移し、前年同期から大幅な増収増益となりました。
システムソリューション事業
システムソリューション事業は売上高253億円(前年同期比0.7%増)、営業利益28億円(同11.2%増)となりました。外食産業などがコロナ禍の影響を受けたほか、一部で部材調達難が発生しましたが、社会のデジタル化の波を捉えた電子契約関連ビジネスや株式会社アイ・アイ・エムの性能管理・セキュリティ関連ビジネス、さらに公共・通信業界向けの5G向けネットワーク関連ビジネスが伸長し、23四半期連続で増収増益を達成しました。
タイムクリエーション・和光事業他
タイムクリエーション・和光事業他の売上高は前年同期比27億円増加の201億円(前年同期比15.7%増)、営業利益は2億円(前年同期は営業損失4億円)となりました。国内では感染者数の減少に伴い年末に向けて市況感が回復しました。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,347億円となり、前年度末に比べて150億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が46億円、棚卸資産が60億円増加したことに加え、受取手形、売掛金及び契約資産が前年度末の受取手形及び売掛金と比べ14億円増加したことなどにより、流動資産合計は前年度末より119億円増加し1,619億円となりました。固定資産では、有形固定資産が1億円、無形固定資産が7億円減少した一方、投資その他の資産が41億円増加したことなどから、固定資産合計は前年度末と比べ31億円増加の1,727億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が34億円、1年内返済予定の長期借入金が46億円増加しましたが、長期借入金が94億円減少した結果、借入金合計は1,238億円となりました。支払手形及び買掛金が43億円、電子記録債務が28億円、繰延税金負債が15億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ103億円増加の2,169億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が6億円、その他有価証券評価差額金が23億円、為替換算調整勘定が12億円増加したことなどから、合計でも前年度末と比べ47億円増加の1,177億円となりました。
(2) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は29億円であります。
(3) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等のうち、当第3四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりであります。
(新設)
提出会社
事業所名等 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 帳簿価額(百万円) | 完了年月 | ||
建物及び構築物 | 工具、器具及び 備品その他 | 合計 | ||||
賃貸設備 (東京都中央区) | 全社 | 建物・備品 | 1,414 | 44 | 1,459 | 2021年9月 |