四半期報告書-第162期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/11 9:41
【資料】
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【項目】
44項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~9月30日)では、前期からの世界同時的な景気回復等から生じた物価上昇に加え、ウクライナ情勢の影響を受けた国際商品市況の高騰や中国でのゼロコロナ政策によるロックダウンにともなうサプライチェーンの混乱、さらに各国での金融引き締めの進展等を背景に世界経済は不安定な状況が続きました。また、わが国の経済は、当初は新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され個人消費の回復が見られましたが、7月以降、世界景気の悪化や新型コロナウイルス感染第7波等により個人消費や輸出を中心に停滞感が強まってきました。
(百万円)
2021年3月期
第2四半期
累計期間(a)
2022年3月期
第2四半期
累計期間(b)
2023年3月期
第2四半期
累計期間①
前々年同期
増減
①-(a)
前年同期
増減
①-(b)
売上高87,490110,395129,92142,43119,525
営業利益△1,5113,4538,84710,3595,394
%△1.7%3.1%6.8%-3.7pt
経常利益△2,0553,5619,56711,6236,006
%△2.3%3.2%7.4%-4.2pt
親会社株主に帰属する
四半期純利益
2,1071,1935,2923,1854,099
%2.4%1.1%4.1%1.7pt3.0pt
換算レート
USD(円)106.9109.8134.027.124.2
EUR(円)121.3130.9138.817.57.9

このような中、当社は、当期を初年度とする5か年計画である第8次中期経営計画「SEIKO Milestone 145 = SMILE145」をスタートさせ、新たに定めた3つの戦略ドメインである「エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)」、「デバイスソリューション事業(DS事業)」、「システムソリューション事業(SS事業)」を中心に事業展開を進めました。
EVS事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が個人消費の改善を背景に大きく回復し、ウオッチ事業の海外市場向けも多くの国や地域で売上高を伸ばすことができました。DS事業でも引き続き好調な需要を確実に捉えることで売上高を伸ばし、SS事業も多角化やストックビジネス拡大への取組みが奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,299億円(前年同期比17.7%増)となりました。
連結全体の国内売上高は634億円(同10.2%増)、海外売上高は664億円(同25.9%増)となり、海外売上高割合は51.1%でした。
当第2四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期に対して約10%増加いたしました。その他の販売費および一般管理費も前年同期から増加しましたが、売上高が伸びたことなどにより営業利益は前年同期から53億円改善し88億円(同156.2%増)となりました。営業外収支が持分法による投資利益の増加等により前年同期から改善し、経常利益は前年同期を60億円上回る95億円(同168.7%増)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う損失等を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は52億円(同343.5%増)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル134.0円、1ユーロ138.8円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当社はグループ10年ビジョンの実現に向け、提供するソリューションを基準とした3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューションドメイン、デバイスソリューションドメイン、システムソリューションドメイン)を設定し、第8次中期経営計画「SMILE145」においてもドメインごとの戦略を策定し、推進しております。これにともない、報告セグメントを従来の「ウオッチ事業」、「電子デバイス事業」、「システムソリューション事業」から、第1四半期連結会計期間より3つの戦略ドメインである「エモーショナルバリューソリューション事業」、「デバイスソリューション事業」、「システムソリューション事業」へ変更しております。従来のウオッチ事業および電子デバイス事業に含めていた一部事業ならびにタイムクリエーション・和光事業他に含めていたタイムクリエーション事業・和光事業をエモーショナルバリューソリューション事業といたしました。デバイスソリューション事業は、従来の電子デバイス事業からエモーショナルバリューソリューション事業に変更した一部事業以外となります。システムソリューション事業は従来から変更はありません。
エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)
EVS事業の売上高は前年同期比148億円増加の831億円(前年同期比21.7%増)となりました。
国内の完成品ウオッチは個人消費の回復により「グランドセイコー」、「セイコー プロスペックス」を中心に前年同期から大きく売上高を伸ばしました。また海外でも、米国で「グランドセイコー」をはじめとしたグローバルブランドが牽引し大幅な売上高増となり、欧州でも全般的に「グランドセイコー」が好調に推移し、英国、フランス、ドイツ等で大きく売上高が増加しました。一方、中国ではロックダウンやその後の個人消費の低迷の影響を受けて売上高を落としました。
ウオッチムーブメントの外販ビジネスにつきましては、付加価値ムーブメントを中心に売上高を伸ばしています。
和光事業の売上高は国内消費の回復に伴い前年同期と比べ大きく伸びましたが、クロック、設備時計の売上高は伸び悩みました。
売上高の増加、円安の進行等により営業利益は前年同期から42億円増加し69億円(同153.7%増)となりました。
デバイスソリューション事業(DS事業)
DS事業は売上高343億円(前年同期比16.9%増)、営業利益41億円(同64.9%増)となりました。
一部製品で中国のロックダウン等の影響を受けましたが、サーマルプリンタ、医療向け電池や水晶、半導体製造装置向け高機能金属やオシレータ等が引き続き好調に推移し、前年同期から大幅な増収増益となりました。
システムソリューション事業(SS事業)
SS事業の売上高は前年同期比11億円増加の180億円(前年同期比6.8%増)、営業利益は前年同期比1億円増加の20億円(同6.3%増)となりました。
外食産業向けなどにコロナ禍からの回復傾向が見られた他、性能管理・セキュリティ関連ビジネスなども順調に推移し、システム関連、決済関連が伸長した結果、26四半期連続で対前年同四半期比増収増益となりました。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は3,551億円となり、前年度末に比べて為替による影響も含め275億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が52億円、棚卸資産が124億円増加したことなどにより、流動資産合計は前年度末より196億円増加し1,744億円となりました。固定資産では、有形固定資産が40億円、無形固定資産が12億円、投資その他の資産が26億円増加したことから、固定資産合計は前年度末と比べ79億円増加の1,807億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が121億円増加、長期借入金が19億円減少し、借入金合計は1,263億円となりました。未払金が34億円減少したほか、支払手形及び買掛金が19億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ、為替による影響も含め154億円増加の2,213億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が43億円増加し、また、為替換算調整勘定が67億円増加したことなどから、合計でも前年度末と比べ121億円増加の1,337億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は358億円となり、前年度末と比べて51億円の増加(含む換算差額28億円)となりました。
これは、主として以下の要因によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が94億円となり、減価償却費61億円を加え、棚卸資産の増加△86億円および未払金の減少△34億円などの調整を行った結果、前年同期から43億円減少の32億円のプラスとなりました(前年同期は76億円のプラス)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得△64億円などに連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△14億円などを加えた結果、81億円のマイナスとなりました(前年同期は40億円のマイナス)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入れ、配当金の支払などにより71億円のプラスとなりました(前年同期は71億円のマイナス)。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は20億円であります。
(4)従業員の状況
当第2四半期連結累計期間において、当社の従業員数は前連結会計年度末から194名減少し、167名となりました。主な要因は、グループ横断での技術・新事業開発を中長期的な視点かつ機動性を持って遂行するため、当社グループの開発系リソースをセイコーフューチャークリエーション株式会社に配置したことにより、研究開発及び生産技術開発機能を同社へ移管したことによるものであります。なお、セグメント情報では、セイコーフューチャークリエーション株式会社はデバイスソリューション事業に含まれております。