四半期報告書-第163期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~6月30日)における世界経済は、高インフレが継続する中で、欧米諸国を中心とした金融引き締めの状況が続いており、コロナ後の回復期を経て景気は減速基調となっています。中国経済もゼロコロナ政策下での厳しい活動制限や感染拡大で減速した昨年末の状況からは持ち直したものの、引き続き不動産投資が落ち込むなど、先行きは不透明な状況です。
わが国の経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられたことやインバウンド消費が急回復に向かうなかで、大都市圏を中心に回復基調となっています。
(単位:百万円)
このような中、エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業がインバウンド需要を背景に大きく売上高を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業も欧州、アジア地域を中心に売上高は前年同期を上回りました。デバイスソリューション事業は、中国経済の低迷、HDDの市場在庫調整、半導体市況の低迷等、昨年度第3四半期から悪化した事業環境の回復が見込まれない中、売上高は前年同期を大きく下回りました。システムソリューション事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は、629億円(前年同期比1.4%増)となりました。
連結全体の国内売上高は328億円(同6.3%増)、海外売上高は301億円(同3.4%減)となり、海外売上高割合は47.9%でした。
当第1四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期に対して約9%増加し、販売費及び一般管理費は前年同期から15億円の増加となりました。営業利益は、デバイスソリューション事業の減速により前年同期から2億円悪化し28億円(同9.1%減)となりました。営業外収支が為替差益の減少等により前年同期から悪化し、経常利益は前年同期を3億円下回る37億円(同8.0%減)となりました。前期に計上した感染症拡大に伴う損失や法人税等調整額の減少により、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億円増加の24億円(同41.2%増)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル137.5円、1ユーロ149.6円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)
EVS事業の売上高は前年同期比32億円増加の423億円(前年同期比8.4%増)となりました。
国内のウオッチは、回復基調が鮮明となったインバウンド需要を背景に「グランドセイコー」、「セイコープロスペックス」などのグローバルブランドの新製品が好調に推移し、前年同期から売上高を伸ばしました。また海外でも、グローバルブランドが米国、欧州、アジアで「セイコープロスペックス」「セイコー5スポーツ」などを中心に伸長し、中国の回復が遅れているものの、売上高は前年同期から増加しました。ウオッチムーブメントの外販ビジネスにつきましては、中国経済の低迷を受け、売上高は前年同期から減少しました。
和光事業の売上高はインバウンド需要の回復に伴い前年同期と比べ大きく伸長しましたが、クロック事業は海外向けで中国経済の低迷を受け、売上高は前年同期から減少しました。
営業利益は前年同期から10億円増加し34億円(同45.0%増)となりました。
デバイスソリューション事業(DS事業)
DS事業は売上高139億円(前年同期比15.8%減)、営業利益1億円(同90.3%減)となりました。
中国経済の低迷、HDDの市場在庫調整、半導体市況の低迷等により、サーマルプリンタを始め、水晶、半導体製造装置向けの高機能金属、精密部品等が低迷し、前年同期から大幅な減収減益となりました。
システムソリューション事業(SS事業)
SS事業の売上高は前年同期比1億円増加の93億円(前年同期比2.0%増)、営業利益は前年同期比99百万円増加の10億円(同10.1%増)となりました。
デジタル化や法改正を捉えた電子契約関連のビジネスが伸長し、性能管理・セキュリティ関連ビジネスなどデジタルインフラを支える事業も拡大したことなどにより、29四半期連続で対前年同四半期比増収増益となりました。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は3,675億円となり、前年度末に比べて、為替による影響も含め116億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が22億円減少する一方、棚卸資産が55億円増加したことなどにより、流動資産合計は前年度末より28億円増加し1,762億円となりました。固定資産では、有形固定資産が38億円、無形固定資産が1億円、投資その他の資産が47億円増加したことから、固定資産合計は前年度末と比べ88億円増加の1,913億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が23億円増加、長期借入金が30億円減少し、借入金合計は1,315億円となりました。未払金が24億円減少したほか、支払手形及び買掛金が21億円、繰延税金負債が13億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ、為替による影響も含め40億円増加の2,281億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が8億円増加し、また、為替換算調整勘定が38億円増加したことなどから、合計でも前年度末と比べ76億円増加の1,393億円となりました。
(2)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は9億円であります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~6月30日)における世界経済は、高インフレが継続する中で、欧米諸国を中心とした金融引き締めの状況が続いており、コロナ後の回復期を経て景気は減速基調となっています。中国経済もゼロコロナ政策下での厳しい活動制限や感染拡大で減速した昨年末の状況からは持ち直したものの、引き続き不動産投資が落ち込むなど、先行きは不透明な状況です。
わが国の経済は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に引き下げられたことやインバウンド消費が急回復に向かうなかで、大都市圏を中心に回復基調となっています。
(単位:百万円)
2022年3月期 第1四半期 累計期間(a) | 2023年3月期 第1四半期 累計期間(b) | 2024年3月期 第1四半期 累計期間① | 前々年同期 増減 ①-(a) | 前年同期 増減 ①-(b) | |
売上高 | 54,609 | 62,078 | 62,949 | 8,340 | 870 |
営業利益 | 1,512 | 3,105 | 2,823 | 1,311 | △281 |
% | 2.8% | 5.0% | 4.5% | 1.7pt | △0.5pt |
経常利益 | 1,791 | 4,056 | 3,732 | 1,940 | △324 |
% | 3.3% | 6.5% | 5.9% | 2.6pt | △0.6pt |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 53 | 1,707 | 2,411 | 2,358 | 703 |
% | 0.1% | 2.8% | 3.8% | 3.7pt | 1.0pt |
換算レート | |||||
USD(円) | 109.5 | 129.7 | 137.5 | 28.0 | 7.8 |
EUR(円) | 131.9 | 138.3 | 149.6 | 17.7 | 11.3 |
このような中、エモーショナルバリューソリューション事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業がインバウンド需要を背景に大きく売上高を伸ばし、海外市場向けのウオッチ事業も欧州、アジア地域を中心に売上高は前年同期を上回りました。デバイスソリューション事業は、中国経済の低迷、HDDの市場在庫調整、半導体市況の低迷等、昨年度第3四半期から悪化した事業環境の回復が見込まれない中、売上高は前年同期を大きく下回りました。システムソリューション事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが引き続き奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当第1四半期連結累計期間の売上高は、629億円(前年同期比1.4%増)となりました。
連結全体の国内売上高は328億円(同6.3%増)、海外売上高は301億円(同3.4%減)となり、海外売上高割合は47.9%でした。
当第1四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期に対して約9%増加し、販売費及び一般管理費は前年同期から15億円の増加となりました。営業利益は、デバイスソリューション事業の減速により前年同期から2億円悪化し28億円(同9.1%減)となりました。営業外収支が為替差益の減少等により前年同期から悪化し、経常利益は前年同期を3億円下回る37億円(同8.0%減)となりました。前期に計上した感染症拡大に伴う損失や法人税等調整額の減少により、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億円増加の24億円(同41.2%増)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル137.5円、1ユーロ149.6円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)
EVS事業の売上高は前年同期比32億円増加の423億円(前年同期比8.4%増)となりました。
国内のウオッチは、回復基調が鮮明となったインバウンド需要を背景に「グランドセイコー」、「セイコープロスペックス」などのグローバルブランドの新製品が好調に推移し、前年同期から売上高を伸ばしました。また海外でも、グローバルブランドが米国、欧州、アジアで「セイコープロスペックス」「セイコー5スポーツ」などを中心に伸長し、中国の回復が遅れているものの、売上高は前年同期から増加しました。ウオッチムーブメントの外販ビジネスにつきましては、中国経済の低迷を受け、売上高は前年同期から減少しました。
和光事業の売上高はインバウンド需要の回復に伴い前年同期と比べ大きく伸長しましたが、クロック事業は海外向けで中国経済の低迷を受け、売上高は前年同期から減少しました。
営業利益は前年同期から10億円増加し34億円(同45.0%増)となりました。
デバイスソリューション事業(DS事業)
DS事業は売上高139億円(前年同期比15.8%減)、営業利益1億円(同90.3%減)となりました。
中国経済の低迷、HDDの市場在庫調整、半導体市況の低迷等により、サーマルプリンタを始め、水晶、半導体製造装置向けの高機能金属、精密部品等が低迷し、前年同期から大幅な減収減益となりました。
システムソリューション事業(SS事業)
SS事業の売上高は前年同期比1億円増加の93億円(前年同期比2.0%増)、営業利益は前年同期比99百万円増加の10億円(同10.1%増)となりました。
デジタル化や法改正を捉えた電子契約関連のビジネスが伸長し、性能管理・セキュリティ関連ビジネスなどデジタルインフラを支える事業も拡大したことなどにより、29四半期連続で対前年同四半期比増収増益となりました。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は3,675億円となり、前年度末に比べて、為替による影響も含め116億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が22億円減少する一方、棚卸資産が55億円増加したことなどにより、流動資産合計は前年度末より28億円増加し1,762億円となりました。固定資産では、有形固定資産が38億円、無形固定資産が1億円、投資その他の資産が47億円増加したことから、固定資産合計は前年度末と比べ88億円増加の1,913億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が23億円増加、長期借入金が30億円減少し、借入金合計は1,315億円となりました。未払金が24億円減少したほか、支払手形及び買掛金が21億円、繰延税金負債が13億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ、為替による影響も含め40億円増加の2,281億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が8億円増加し、また、為替換算調整勘定が38億円増加したことなどから、合計でも前年度末と比べ76億円増加の1,393億円となりました。
(2)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は9億円であります。