四半期報告書-第162期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~12月31日)では、前期からの世界同時的な景気回復等から生じた物価上昇に加え、ウクライナ情勢の影響を受けた国際商品市況の高騰や中国でのゼロコロナ政策によるロックダウンにともなうサプライチェーンの混乱、さらに各国での金融引き締めの進展等を背景に世界経済における景気減速感が鮮明になってきました。一方、わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことによる個人消費の回復が顕著となり、世界景気の悪化や物価高等を背景とした停滞感はあるものの、インバウンド需要の回復も始まり緩やかな回復傾向となっています。
(単位:百万円)
このような中、当社は、当期を初年度とする5か年計画である第8次中期経営計画「SEIKO Milestone 145 = SMILE145」をスタートさせ、新たに定めた3つの戦略ドメインである「エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)」、「デバイスソリューション事業(DS事業)」、「システムソリューション事業(SS事業)」を中心に事業展開を進めました。
EVS事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が個人消費の改善を背景に大きく回復し、ウオッチ事業の海外市場向けも多くの国や地域で売上高を伸ばすことができました。DS事業でも引き続き好調な需要を確実に捉えることで売上高を伸ばしましたが、第3四半期から受注状況に減速傾向が見られています。SS事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,974億円(前年同期比13.6%増)となりました。
連結全体の国内売上高は978億円(同7.3%増)、海外売上高は996億円(同20.5%増)となり、海外売上高割合は50.5%でした。
当第3四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期に対して約10%増加いたしました。その他の販売費および一般管理費も前年同期から増加しましたが、売上高が伸びたことなどにより営業利益は前年同期から59億円改善し124億円(同91.7%増)となりました。営業外収支が2億円のプラスとなり、経常利益は前年同期を55億円上回る127億円(同76.7%増)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大にともなう損失等を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は81億円(同107.3%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル136.5円、1ユーロ140.6円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当社はグループ10年ビジョンの実現に向け、提供するソリューションを基準とした3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューションドメイン、デバイスソリューションドメイン、システムソリューションドメイン)を設定し、第8次中期経営計画「SMILE145」においてもドメインごとの戦略を策定し、推進しております。これにともない、報告セグメントを従来の「ウオッチ事業」、「電子デバイス事業」、「システムソリューション事業」から、第1四半期連結会計期間より3つの戦略ドメインである「エモーショナルバリューソリューション事業」、「デバイスソリューション事業」、「システムソリューション事業」へ変更しております。従来のウオッチ事業および電子デバイス事業に含めていた一部事業ならびにタイムクリエーション・和光事業他に含めていたタイムクリエーション事業・和光事業をエモーショナルバリューソリューション事業といたしました。デバイスソリューション事業は、従来の電子デバイス事業からエモーショナルバリューソリューション事業に変更した一部事業以外となります。システムソリューション事業は従来から変更はありません。
エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)
EVS事業の売上高は前年同期比188億円増加の1,295億円(前年同期比17.1%増)となりました。
国内の完成品ウオッチは個人消費の回復により「グランドセイコー」、「セイコー プロスペックス」を中心に前年同期から大きく売上高を伸ばしました。また海外でも、米国で「グランドセイコー」をはじめとしたグローバルブランドが牽引し大幅な売上高増となり、欧州でも全般的に「グランドセイコー」が好調に推移し、英国、フランス、ドイツ等で大きく売上高が増加しました。一方、中国ではロックダウンやその後の個人消費の低迷の影響を受けて売上高を落としました。
ウオッチムーブメントの外販ビジネスにつきましては、機械式ムーブメントを中心に売上高を伸ばしています。
和光事業の売上高は国内消費の回復に伴い前年同期と比べ大きく伸びましたが、国内市場向けクロック、設備時計の売上高は伸び悩みました。
売上高の増加、円安の進行等により営業利益は前年同期から48億円増加し110億円(同80.1%増)となりました。
デバイスソリューション事業(DS事業)
DS事業は売上高499億円(前年同期比12.6%増)、営業利益52億円(同36.5%増)となりました。
第3四半期以降、民生品向けあるいは汎用品向けデバイスの受注に減速傾向が見られはじめたものの、医療向け電池、半導体製造装置向け高機能金属やオシレータ等が引き続き好調に推移し、前年同期から大幅な増収増益となりました。
システムソリューション事業(SS事業)
SS事業の売上高は前年同期比16億円増加の269億円(前年同期比6.7%増)、営業利益は前年同期比3億円増加の31億円(同11.2%増)となりました。
外食産業向けなどにコロナ禍からの回復傾向が見られた他、性能管理・セキュリティ関連ビジネスなどデジタルインフラを支える事業も順調に推移し、システム関連、決済関連が伸長した結果、27四半期連続で対前年同四半期比増収増益となりました。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,613億円となり、前年度末に比べて、為替による影響も含め338億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が70億円、棚卸資産が140億円増加したことなどにより、流動資産合計は前年度末より246億円増加し1,794億円となりました。固定資産では、有形固定資産が53億円、無形固定資産が9億円、投資その他の資産が27億円増加したことから、固定資産合計は前年度末と比べ91億円増加の1,818億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が212億円増加し長期借入金が91億円減少したことで借入金合計は1,282億円となりました。支払手形及び買掛金が43億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ、為替による影響も含め224億円増加の2,283億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が55億円増加し、また、為替換算調整勘定が42億円増加したことなどから、合計でも前年度末と比べ113億円増加の1,329億円となりました。
(2) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は30億円であります。
(3)従業員の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社の従業員数は前連結会計年度末から192名減少し、169名となりました。主な要因は、グループ横断での技術・新事業開発を中長期的な視点かつ機動性を持って遂行するため、当社グループの開発系リソースをセイコーフューチャークリエーション株式会社に配置したことにより、研究開発及び生産技術開発機能を同社へ移管したことによるものであります。なお、セグメント情報では、セイコーフューチャークリエーション株式会社はデバイスソリューション事業に含まれております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~12月31日)では、前期からの世界同時的な景気回復等から生じた物価上昇に加え、ウクライナ情勢の影響を受けた国際商品市況の高騰や中国でのゼロコロナ政策によるロックダウンにともなうサプライチェーンの混乱、さらに各国での金融引き締めの進展等を背景に世界経済における景気減速感が鮮明になってきました。一方、わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和されたことによる個人消費の回復が顕著となり、世界景気の悪化や物価高等を背景とした停滞感はあるものの、インバウンド需要の回復も始まり緩やかな回復傾向となっています。
(単位:百万円)
2021年3月期 第3四半期 累計期間(a) | 2022年3月期 第3四半期 累計期間(b) | 2023年3月期 第3四半期 累計期間① | 前々年同期 増減 ①-(a) | 前年同期 増減 ①-(b) | |
売上高 | 145,998 | 173,861 | 197,459 | 51,461 | 23,597 |
営業利益 | 692 | 6,492 | 12,446 | 11,754 | 5,954 |
% | 0.5% | 3.7% | 6.3% | 5.8pt | 2.6pt |
経常利益 | △878 | 7,196 | 12,716 | 13,594 | 5,520 |
% | - | 4.1% | 6.4% | - | 2.3pt |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 2,297 | 3,910 | 8,104 | 5,807 | 4,194 |
% | 1.6% | 2.2% | 4.1% | 2.5pt | 1.9pt |
換算レート | |||||
USD(円) | 106.1 | 111.1 | 136.5 | 30.4 | 25.4 |
EUR(円) | 122.4 | 130.6 | 140.6 | 18.2 | 10.0 |
このような中、当社は、当期を初年度とする5か年計画である第8次中期経営計画「SEIKO Milestone 145 = SMILE145」をスタートさせ、新たに定めた3つの戦略ドメインである「エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)」、「デバイスソリューション事業(DS事業)」、「システムソリューション事業(SS事業)」を中心に事業展開を進めました。
EVS事業では、国内市場向けのウオッチ事業、和光事業が個人消費の改善を背景に大きく回復し、ウオッチ事業の海外市場向けも多くの国や地域で売上高を伸ばすことができました。DS事業でも引き続き好調な需要を確実に捉えることで売上高を伸ばしましたが、第3四半期から受注状況に減速傾向が見られています。SS事業は多角化やストックビジネス拡大への取組みが奏功して、前年同期を上回る売上高となりました。その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、1,974億円(前年同期比13.6%増)となりました。
連結全体の国内売上高は978億円(同7.3%増)、海外売上高は996億円(同20.5%増)となり、海外売上高割合は50.5%でした。
当第3四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期に対して約10%増加いたしました。その他の販売費および一般管理費も前年同期から増加しましたが、売上高が伸びたことなどにより営業利益は前年同期から59億円改善し124億円(同91.7%増)となりました。営業外収支が2億円のプラスとなり、経常利益は前年同期を55億円上回る127億円(同76.7%増)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大にともなう損失等を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は81億円(同107.3%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル136.5円、1ユーロ140.6円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当社はグループ10年ビジョンの実現に向け、提供するソリューションを基準とした3つの戦略ドメイン(エモーショナルバリューソリューションドメイン、デバイスソリューションドメイン、システムソリューションドメイン)を設定し、第8次中期経営計画「SMILE145」においてもドメインごとの戦略を策定し、推進しております。これにともない、報告セグメントを従来の「ウオッチ事業」、「電子デバイス事業」、「システムソリューション事業」から、第1四半期連結会計期間より3つの戦略ドメインである「エモーショナルバリューソリューション事業」、「デバイスソリューション事業」、「システムソリューション事業」へ変更しております。従来のウオッチ事業および電子デバイス事業に含めていた一部事業ならびにタイムクリエーション・和光事業他に含めていたタイムクリエーション事業・和光事業をエモーショナルバリューソリューション事業といたしました。デバイスソリューション事業は、従来の電子デバイス事業からエモーショナルバリューソリューション事業に変更した一部事業以外となります。システムソリューション事業は従来から変更はありません。
エモーショナルバリューソリューション事業(EVS事業)
EVS事業の売上高は前年同期比188億円増加の1,295億円(前年同期比17.1%増)となりました。
国内の完成品ウオッチは個人消費の回復により「グランドセイコー」、「セイコー プロスペックス」を中心に前年同期から大きく売上高を伸ばしました。また海外でも、米国で「グランドセイコー」をはじめとしたグローバルブランドが牽引し大幅な売上高増となり、欧州でも全般的に「グランドセイコー」が好調に推移し、英国、フランス、ドイツ等で大きく売上高が増加しました。一方、中国ではロックダウンやその後の個人消費の低迷の影響を受けて売上高を落としました。
ウオッチムーブメントの外販ビジネスにつきましては、機械式ムーブメントを中心に売上高を伸ばしています。
和光事業の売上高は国内消費の回復に伴い前年同期と比べ大きく伸びましたが、国内市場向けクロック、設備時計の売上高は伸び悩みました。
売上高の増加、円安の進行等により営業利益は前年同期から48億円増加し110億円(同80.1%増)となりました。
デバイスソリューション事業(DS事業)
DS事業は売上高499億円(前年同期比12.6%増)、営業利益52億円(同36.5%増)となりました。
第3四半期以降、民生品向けあるいは汎用品向けデバイスの受注に減速傾向が見られはじめたものの、医療向け電池、半導体製造装置向け高機能金属やオシレータ等が引き続き好調に推移し、前年同期から大幅な増収増益となりました。
システムソリューション事業(SS事業)
SS事業の売上高は前年同期比16億円増加の269億円(前年同期比6.7%増)、営業利益は前年同期比3億円増加の31億円(同11.2%増)となりました。
外食産業向けなどにコロナ禍からの回復傾向が見られた他、性能管理・セキュリティ関連ビジネスなどデジタルインフラを支える事業も順調に推移し、システム関連、決済関連が伸長した結果、27四半期連続で対前年同四半期比増収増益となりました。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3,613億円となり、前年度末に比べて、為替による影響も含め338億円の増加となりました。流動資産では、現金及び預金が70億円、棚卸資産が140億円増加したことなどにより、流動資産合計は前年度末より246億円増加し1,794億円となりました。固定資産では、有形固定資産が53億円、無形固定資産が9億円、投資その他の資産が27億円増加したことから、固定資産合計は前年度末と比べ91億円増加の1,818億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が212億円増加し長期借入金が91億円減少したことで借入金合計は1,282億円となりました。支払手形及び買掛金が43億円増加したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ、為替による影響も含め224億円増加の2,283億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、株主資本が55億円増加し、また、為替換算調整勘定が42億円増加したことなどから、合計でも前年度末と比べ113億円増加の1,329億円となりました。
(2) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は30億円であります。
(3)従業員の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社の従業員数は前連結会計年度末から192名減少し、169名となりました。主な要因は、グループ横断での技術・新事業開発を中長期的な視点かつ機動性を持って遂行するため、当社グループの開発系リソースをセイコーフューチャークリエーション株式会社に配置したことにより、研究開発及び生産技術開発機能を同社へ移管したことによるものであります。なお、セグメント情報では、セイコーフューチャークリエーション株式会社はデバイスソリューション事業に含まれております。