四半期報告書-第160期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年4月1日~9月30日)における世界経済は、前期から続く新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う急激な落ち込みから、概ね5月以降、回復基調にあるものの、一部の国や地域では夏に回復のペースが鈍化するなど、各国で感染抑制と経済活動継続の両立の試行錯誤が続きました。米国でも5月から6月上旬にかけて経済活動は着実に回復しましたが、夏に米国西部および南部で新規感染者数が急増したことにより回復のスピードは鈍化し、外需も低迷しました。欧州でも5月以降、ロックダウンの段階的な緩和に伴って経済活動が再開されましたが、9月頃からは再び新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、感染拡大抑制のため規制強化の動きが見られました。英国の経済環境は回復に向かっているものの感染症拡大以前の水準には届かず、雇用環境も悪化するなど景気の減速感が強まりました。ユーロ圏の国々の個人消費については国ごとに改善傾向にばらつきが見られたのに対して、企業の景況感についてはドイツを中心にユーロ圏全体が改善しました。中国経済は厳格な封鎖措置、大規模な検査等による新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、3月中旬ごろから回復に向かい、7月以降もそれまで抑制されていた需要の顕在化や輸出の力強い伸びが見られるなど、景気の回復が持続しました。その他のアジアの経済活動も徐々に回復に向かいました。
わが国の経済も4月に発令された緊急事態宣言に伴い、デパートや小売店舗など多くの商業施設が閉鎖されたことから急速に縮小いたしましたが、5月下旬の緊急事態宣言の解除後は輸出が牽引し、景気は緩やかな回復基調が続きました。
このような状況の中、当社の業績は6月以降、徐々に回復いたしましたが、世界的な移動制限によるインバウンド需要の消失や国内での移動自粛、外食産業の低迷等、感染症拡大の長期化による影響が継続したため、ウオッチ事業、電子デバイス事業、クロック事業、和光事業などの売上高が伸び悩みました。一方、システムソリューション事業は事業の多角化やストックビジネス拡大の取組みを進めてきたことが功を奏し、順調に推移いたしました。その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、874億円(前年同期比28.4%減)となりました。
連結全体の国内売上高は499億円(同29.2%減)、海外売上高は375億円(同27.3%減)となり、海外売上高割合は42.9%でした。
第7次中期経営計画の方針に大きな変更はないものの、成長に向けた投資については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う環境の変化により、投資の時期や方法について見直しを行ったことから、当第2四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期から約25%減少いたしました。その他の経費も売上高減少に伴う削減や主に第1四半期に発生した休業時固定費の特別損失への振替えなどで前年同期から減少いたしましたが、営業利益は前年同期から85億円悪化し、営業損失15億円(前年同期は営業利益70億円)となりました。四半期別では7月から9月までの当第2四半期連結会計期間の営業利益は6億円となり、第1四半期連結累計期間の営業損失21億円から大きく改善いたしました。営業外収支は、持分法適用関連会社であった半導体事業会社の株式譲渡などにより持分法による投資利益が減少したことで前年同期から悪化し、経常利益は前年同期を99億円下回る経常損失20億円(前年同期は経常利益78億円)となりました。半導体事業会社の株式譲渡益76億円、固定資産売却益5億円および補助金収入5億円を特別利益に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う損失31億円を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億円(同61.0%減)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル106.9円、1ユーロ121.3円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ウオッチ事業
ウオッチ事業の売上高は前年同期比276億円減少の434億円(前年同期比38.8%減)となりました。国内の完成品ウオッチでは4月から5月までの2か月間、緊急事態宣言に伴い小売店舗、商業施設が閉鎖されたことやインバウンド需要が消失したことなどにより売上高は大きく減少いたしましたが、緊急事態宣言が解除された6月以降は、新型コロナウイルス感染症の影響の少ない地方を中心に徐々に売上高は回復いたしました。7月半ばから8月には再び感染症拡大の傾向が見られましたが、売上高は7月、8月も回復が継続しました。前年の9月は消費増税前の駆け込み需要の影響が含まれているため、売上高は前年同月を大きく下回りましたが、前々年9月の売上高に対してはインバウンド需要を除いて概ね同水準まで回復いたしました。ブランド別にはセイコーダイバーズウオッチ55周年となる「セイコー プロスペックス」が、テレビコマーシャルなどの効果もあり売上高が前年同月を上回る月もありました。流通別には首都圏を中心に展開しているデパートや量販店で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けました。
海外の完成品ウオッチでも、5月頃まで世界各地で継続したロックダウンなどにより売上高が伸び悩みましたが、7月以降は多くの国や地域で売上高は回復に向かいました。米国では、7月以降オンラインを使用した販促活動に加え、実店舗での活動を再開しましたが、限定品などが好調に売上を伸ばした「グランドセイコー」に加え、「セイコー プロスペックス」でもセイコーダイバーズウオッチ55周年記念モデルなどが順調に推移したことなどにより、米国全体の7月から9月の3か月間の売上高は前年同期を上回りました。欧州では、普及価格帯ウオッチの回復が遅れているものの、「セイコー プロスペックス」や「グランドセイコー」を中心とするグローバルブランドの当第2四半期連結累計期間の売上高は、ほとんどの国で前年同期を上回る結果となりました。中国では、引き続きEコマースが順調に推移したことに加え、グランドセイコーブティックを含めた実店舗でも「グランドセイコー」の売上高が拡大したことなどにより、7月以降すべての月で売上高は前年同月を上回って進捗いたしました。また、デパートのウオッチフェアーで「グランドセイコー」の売上が伸長したタイや、9月に台北にグランドセイコーブティックをオープンした台湾、さらにデジタル施策を強化したオーストラリアなどで当第2四半期連結会計期間3か月間の売上高が前年同期を上回りました。「グランドセイコー」を中心に各国で順調に推移した結果、当第2四半期連結累計期間の海外全体のグローバルブランドの売上高は前年同期を上回りました。
ウオッチムーブメントの外販ビジネスにつきましては、長引くファッションウオッチ市場の冷え込みに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でアナログクオーツムーブメントの需要は低迷が続きました。また、メカニカルムーブメントでも政府の要請により製造活動の一部が制限を受けたことなどにより、売上高は伸び悩みました。
外部環境に合わせた投資の見直しや経済活動の制限に伴う削減などにより費用は前年同期を下回りましたが、営業利益は前年同期から71億円減少し営業利益10億円(前年同期比87.3%減)となりました。
電子デバイス事業
電子デバイス事業は売上高224億円(前年同期比13.8%減)、営業損失1億円(前年同期は営業利益4億円)となりました。プリンタ関連事業では新型コロナウイルス感染症拡大の影響からビジネスは徐々に回復しつつあるものの、小売市場やサイン市場の需要回復のスピードが遅く、売上高が伸び悩みました。一方、データセンター向けの精密部品や酸化銀電池、半導体製造装置向けの高機能金属などは順調に推移いたしました。
システムソリューション事業
システムソリューション事業の売上高は前年同期比11億円増加の167億円(前年同期比7.3%増)、営業利益は前年同期比2億円増加の16億円(同14.8%増)となりました。モバイル通信機器や外食産業向けソリューションなど新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業があったものの、4月に株式会社コスモが子会社となったことに加え、キャッシュレス関連ビジネスやアプリケーション性能管理ソフトなどが伸長いたしました。
その他
その他の売上高は105億円(前年同期比30.0%減)、営業損失は5億円(前年同期は営業利益2億円)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大による国内での緊急事態宣言を受け約2か月間店舗を閉鎖した和光事業や、デパートや量販店など販売流通の多くが閉鎖されたクロック事業では第1四半期の売上高が大きく落ち込みました。6月以降ビジネスは回復していますが、感染症拡大の長期化による影響もあり、前年同期の売上高を下回りました。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は3,110億円となり、前年度末に比べて110億円の増加となりました。流動資産では、たな卸資産が66億円、現金及び預金が29億円増加した一方、受取手形及び売掛金が31億円減少したことなどにより、流動資産合計は前年度末より64億円増加し1,445億円となりました。固定資産では、有形固定資産が92億円、無形固定資産が1億円増加し、投資その他の資産が47億円減少したことから、固定資産合計は前年度末と比べ46億円増加の1,664億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が219億円、1年内返済予定の長期借入金が80百万円増加し、長期借入金が29億円減少した結果、借入金合計は1,286億円となりました。米国で第1四半期連結会計期間よりASU第2016-02「リース」を適用したことに伴い流動負債が2億円、固定負債が6億円増加したほか、支払手形及び買掛金が30億円、未払金が44億円減少したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ107億円増加の2,065億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、利益剰余金が6億円増加した一方、為替換算調整勘定が5億円減少したことから、合計で前年度末と比べ2億円増加の1,045億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は288億円となり、前年度末と比べて26億円の増加となりました。
これは、主として以下の要因によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が34億円となり、減価償却費51億円、売上債権の減少35億円を加え、たな卸資産の増加△68億円、仕入債務の減少△36億円および未払金の減少△37億円、さらに投資有価証券売却益△76億円などの調整を行った結果、前年同期から96億円減少の94億円のマイナスとなりました(前年同期は2億円のプラス)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得△126億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△13億円などに投資有価証券の売却による収入101億円などを加えた結果、35億円のマイナスとなりました(前年同期は47億円のマイナス)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入れ、配当金の支払などにより158億円のプラスとなりました(前年同期は27億円のマイナス)。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は18億円であります。
なお、2020年4月1日付けで、グループ全体の技術開発力のさらなる強化を目指し、研究開発・生産技術開発機能を、連結子会社であるセイコーインスツル株式会社から当社へ移管いたしました。
(4) 従業員の状況
当第2四半期連結累計期間において当社の従業員数は前連結会計年度末から203名増加し、346名となりました。これは、主としてグループ内の組織再編に伴う本社機能の当社への移管によるものであります。
(5) 生産、受注及び販売の実績
販売実績
当第2四半期連結累計期間における販売実績は、新型コロナウイルス感染症の拡大等により前年同期比28.4%減となりました。なお、販売実績については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(6) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、以下の主要な設備を取得しております。
提出会社
(注)従前より賃借し子会社へ賃貸している設備を取得したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年4月1日~9月30日)における世界経済は、前期から続く新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う急激な落ち込みから、概ね5月以降、回復基調にあるものの、一部の国や地域では夏に回復のペースが鈍化するなど、各国で感染抑制と経済活動継続の両立の試行錯誤が続きました。米国でも5月から6月上旬にかけて経済活動は着実に回復しましたが、夏に米国西部および南部で新規感染者数が急増したことにより回復のスピードは鈍化し、外需も低迷しました。欧州でも5月以降、ロックダウンの段階的な緩和に伴って経済活動が再開されましたが、9月頃からは再び新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、感染拡大抑制のため規制強化の動きが見られました。英国の経済環境は回復に向かっているものの感染症拡大以前の水準には届かず、雇用環境も悪化するなど景気の減速感が強まりました。ユーロ圏の国々の個人消費については国ごとに改善傾向にばらつきが見られたのに対して、企業の景況感についてはドイツを中心にユーロ圏全体が改善しました。中国経済は厳格な封鎖措置、大規模な検査等による新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、3月中旬ごろから回復に向かい、7月以降もそれまで抑制されていた需要の顕在化や輸出の力強い伸びが見られるなど、景気の回復が持続しました。その他のアジアの経済活動も徐々に回復に向かいました。
わが国の経済も4月に発令された緊急事態宣言に伴い、デパートや小売店舗など多くの商業施設が閉鎖されたことから急速に縮小いたしましたが、5月下旬の緊急事態宣言の解除後は輸出が牽引し、景気は緩やかな回復基調が続きました。
(百万円) | ||||
2020年3月期 第2四半期累計期間 | 2021年3月期 第2四半期累計期間 | 増減 | % | |
売上高 | 122,152 | 87,490 | △34,662 | △28.4% |
営業利益 | 7,016 | △1,511 | △8,527 | - |
% | 5.7% | - | - | - |
経常利益 | 7,848 | △2,055 | △9,904 | - |
% | 6.4% | - | - | - |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 5,407 | 2,107 | △3,300 | △61.0% |
% | 4.4% | 2.4% | - | - |
換算レート | ||||
USD(円) | 108.6 | 106.9 | △1.7 | △1.6% |
EUR(円) | 121.4 | 121.3 | △0.1 | △0.1% |
このような状況の中、当社の業績は6月以降、徐々に回復いたしましたが、世界的な移動制限によるインバウンド需要の消失や国内での移動自粛、外食産業の低迷等、感染症拡大の長期化による影響が継続したため、ウオッチ事業、電子デバイス事業、クロック事業、和光事業などの売上高が伸び悩みました。一方、システムソリューション事業は事業の多角化やストックビジネス拡大の取組みを進めてきたことが功を奏し、順調に推移いたしました。その結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の売上高は、874億円(前年同期比28.4%減)となりました。
連結全体の国内売上高は499億円(同29.2%減)、海外売上高は375億円(同27.3%減)となり、海外売上高割合は42.9%でした。
第7次中期経営計画の方針に大きな変更はないものの、成長に向けた投資については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う環境の変化により、投資の時期や方法について見直しを行ったことから、当第2四半期連結累計期間の広告宣伝販促費は前年同期から約25%減少いたしました。その他の経費も売上高減少に伴う削減や主に第1四半期に発生した休業時固定費の特別損失への振替えなどで前年同期から減少いたしましたが、営業利益は前年同期から85億円悪化し、営業損失15億円(前年同期は営業利益70億円)となりました。四半期別では7月から9月までの当第2四半期連結会計期間の営業利益は6億円となり、第1四半期連結累計期間の営業損失21億円から大きく改善いたしました。営業外収支は、持分法適用関連会社であった半導体事業会社の株式譲渡などにより持分法による投資利益が減少したことで前年同期から悪化し、経常利益は前年同期を99億円下回る経常損失20億円(前年同期は経常利益78億円)となりました。半導体事業会社の株式譲渡益76億円、固定資産売却益5億円および補助金収入5億円を特別利益に、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う損失31億円を特別損失に計上し、法人税等および非支配株主に帰属する四半期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億円(同61.0%減)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の平均為替レートは1米ドル106.9円、1ユーロ121.3円でした。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ウオッチ事業
ウオッチ事業の売上高は前年同期比276億円減少の434億円(前年同期比38.8%減)となりました。国内の完成品ウオッチでは4月から5月までの2か月間、緊急事態宣言に伴い小売店舗、商業施設が閉鎖されたことやインバウンド需要が消失したことなどにより売上高は大きく減少いたしましたが、緊急事態宣言が解除された6月以降は、新型コロナウイルス感染症の影響の少ない地方を中心に徐々に売上高は回復いたしました。7月半ばから8月には再び感染症拡大の傾向が見られましたが、売上高は7月、8月も回復が継続しました。前年の9月は消費増税前の駆け込み需要の影響が含まれているため、売上高は前年同月を大きく下回りましたが、前々年9月の売上高に対してはインバウンド需要を除いて概ね同水準まで回復いたしました。ブランド別にはセイコーダイバーズウオッチ55周年となる「セイコー プロスペックス」が、テレビコマーシャルなどの効果もあり売上高が前年同月を上回る月もありました。流通別には首都圏を中心に展開しているデパートや量販店で新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けました。
海外の完成品ウオッチでも、5月頃まで世界各地で継続したロックダウンなどにより売上高が伸び悩みましたが、7月以降は多くの国や地域で売上高は回復に向かいました。米国では、7月以降オンラインを使用した販促活動に加え、実店舗での活動を再開しましたが、限定品などが好調に売上を伸ばした「グランドセイコー」に加え、「セイコー プロスペックス」でもセイコーダイバーズウオッチ55周年記念モデルなどが順調に推移したことなどにより、米国全体の7月から9月の3か月間の売上高は前年同期を上回りました。欧州では、普及価格帯ウオッチの回復が遅れているものの、「セイコー プロスペックス」や「グランドセイコー」を中心とするグローバルブランドの当第2四半期連結累計期間の売上高は、ほとんどの国で前年同期を上回る結果となりました。中国では、引き続きEコマースが順調に推移したことに加え、グランドセイコーブティックを含めた実店舗でも「グランドセイコー」の売上高が拡大したことなどにより、7月以降すべての月で売上高は前年同月を上回って進捗いたしました。また、デパートのウオッチフェアーで「グランドセイコー」の売上が伸長したタイや、9月に台北にグランドセイコーブティックをオープンした台湾、さらにデジタル施策を強化したオーストラリアなどで当第2四半期連結会計期間3か月間の売上高が前年同期を上回りました。「グランドセイコー」を中心に各国で順調に推移した結果、当第2四半期連結累計期間の海外全体のグローバルブランドの売上高は前年同期を上回りました。
ウオッチムーブメントの外販ビジネスにつきましては、長引くファッションウオッチ市場の冷え込みに加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でアナログクオーツムーブメントの需要は低迷が続きました。また、メカニカルムーブメントでも政府の要請により製造活動の一部が制限を受けたことなどにより、売上高は伸び悩みました。
外部環境に合わせた投資の見直しや経済活動の制限に伴う削減などにより費用は前年同期を下回りましたが、営業利益は前年同期から71億円減少し営業利益10億円(前年同期比87.3%減)となりました。
電子デバイス事業
電子デバイス事業は売上高224億円(前年同期比13.8%減)、営業損失1億円(前年同期は営業利益4億円)となりました。プリンタ関連事業では新型コロナウイルス感染症拡大の影響からビジネスは徐々に回復しつつあるものの、小売市場やサイン市場の需要回復のスピードが遅く、売上高が伸び悩みました。一方、データセンター向けの精密部品や酸化銀電池、半導体製造装置向けの高機能金属などは順調に推移いたしました。
システムソリューション事業
システムソリューション事業の売上高は前年同期比11億円増加の167億円(前年同期比7.3%増)、営業利益は前年同期比2億円増加の16億円(同14.8%増)となりました。モバイル通信機器や外食産業向けソリューションなど新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた事業があったものの、4月に株式会社コスモが子会社となったことに加え、キャッシュレス関連ビジネスやアプリケーション性能管理ソフトなどが伸長いたしました。
その他
その他の売上高は105億円(前年同期比30.0%減)、営業損失は5億円(前年同期は営業利益2億円)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大による国内での緊急事態宣言を受け約2か月間店舗を閉鎖した和光事業や、デパートや量販店など販売流通の多くが閉鎖されたクロック事業では第1四半期の売上高が大きく落ち込みました。6月以降ビジネスは回復していますが、感染症拡大の長期化による影響もあり、前年同期の売上高を下回りました。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は3,110億円となり、前年度末に比べて110億円の増加となりました。流動資産では、たな卸資産が66億円、現金及び預金が29億円増加した一方、受取手形及び売掛金が31億円減少したことなどにより、流動資産合計は前年度末より64億円増加し1,445億円となりました。固定資産では、有形固定資産が92億円、無形固定資産が1億円増加し、投資その他の資産が47億円減少したことから、固定資産合計は前年度末と比べ46億円増加の1,664億円となりました。
(負債)
負債につきましては、短期借入金が219億円、1年内返済予定の長期借入金が80百万円増加し、長期借入金が29億円減少した結果、借入金合計は1,286億円となりました。米国で第1四半期連結会計期間よりASU第2016-02「リース」を適用したことに伴い流動負債が2億円、固定負債が6億円増加したほか、支払手形及び買掛金が30億円、未払金が44億円減少したことなどにより、負債合計は前年度末と比べ107億円増加の2,065億円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、利益剰余金が6億円増加した一方、為替換算調整勘定が5億円減少したことから、合計で前年度末と比べ2億円増加の1,045億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は288億円となり、前年度末と比べて26億円の増加となりました。
これは、主として以下の要因によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が34億円となり、減価償却費51億円、売上債権の減少35億円を加え、たな卸資産の増加△68億円、仕入債務の減少△36億円および未払金の減少△37億円、さらに投資有価証券売却益△76億円などの調整を行った結果、前年同期から96億円減少の94億円のマイナスとなりました(前年同期は2億円のプラス)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得△126億円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出△13億円などに投資有価証券の売却による収入101億円などを加えた結果、35億円のマイナスとなりました(前年同期は47億円のマイナス)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済および借入れ、配当金の支払などにより158億円のプラスとなりました(前年同期は27億円のマイナス)。
(3) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社連結全体の研究開発活動の金額は18億円であります。
なお、2020年4月1日付けで、グループ全体の技術開発力のさらなる強化を目指し、研究開発・生産技術開発機能を、連結子会社であるセイコーインスツル株式会社から当社へ移管いたしました。
(4) 従業員の状況
当第2四半期連結累計期間において当社の従業員数は前連結会計年度末から203名増加し、346名となりました。これは、主としてグループ内の組織再編に伴う本社機能の当社への移管によるものであります。
(5) 生産、受注及び販売の実績
販売実績
当第2四半期連結累計期間における販売実績は、新型コロナウイルス感染症の拡大等により前年同期比28.4%減となりました。なお、販売実績については、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(6) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、以下の主要な設備を取得しております。
提出会社
事業所名等 (所在地) | セグメントの名称 | 設備の内容 | 帳簿価額(百万円) | ||||
建物及び構築物 | 機械装置及び運搬具 | 工具、器具及び備品その他 | 土地 (面積 千㎡) | 合計 | |||
子会社への賃貸設備 (東京都中央区) | 全社 | 土地・建物 | 10 | - | - | 5,999 (0) | 6,009 |
(注)従前より賃借し子会社へ賃貸している設備を取得したものであります。