有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/21 14:40
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当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要、これらに関する経営者の視点に
よる認識及び分析・検討結果は、次のとおりです。
(1)経済環境
当連結会計年度における世界経済は、一部で堅調な動きもありましたが、総じて低調に推移しました。米国
では、政策金利が引上げられたものの、良好な雇用環境のもとで個人消費を中心に景気が緩やかに改善しま
した。欧州では、金融引締めの中でも物価の高い伸びが維持され、景気の停滞が続きました。中国でも、不動産市場の低迷や輸出の低調等から回復感を欠く状況が続きました。原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、主要産油国の供給抑制に伴い期初の80ドル台から9月には一時93ドル台まで上昇した後、世界経済の低調から
12月にかけて一時67ドル台まで下落したものの、その後は中東情勢の悪化もあり再び上昇傾向に転じ、期末は
83ドル台で終えました。
日本経済は、物価の上昇で個人消費が抑制される中、夏から秋にかけて景気が停滞する局面もありましたが、新型コロナウイルス感染症との共生を前提とした経済活動の正常化が進むもとで、賃金上昇やインバウンド需要の拡大等を背景とした回復傾向をたどりました。ドル・円相場は、米国長期金利の上昇・低下に連れて、期初の133円台から11月中旬にかけて151円台まで円安が進んだ後、12月末にかけて一時141円台まで円高に転じるも、再び円安が進み、日銀が3月にマイナス金利政策を解除した中でも期末は151円台で終えました。日経平均
株価は、国内景気の回復傾向や円安に伴う企業業績の好調な推移、米国株価の上昇等を背景に期初の28,000円台から上昇し、3月下旬には一時41,000円台に乗せ、期末も40,000円台で終えました。10年物国債利回りは、日銀による7月の長期金利目標の上限引上げに伴い期初の0.4%台から11月初めに0.96%まで上昇するも、1月半ばにかけては米国の長期金利低下に連れて0.6%前後まで反落、その後は日銀が3月に長期金利操作を終了
したものの、低金利政策が今後も続くとの見方が広がったことで緩やかな金利上昇にとどまり、期末は0.75%で終えました。
(2)定性的成果
当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」(2021年度から2023年度までの3ヵ年計画)
において、「『マーケットイン』による事業変革」と「『SDGs』への貢献・取組強化」を基本方針としました。
「Brand-new Deal 2023」最終年度である2023年度の具体的成果は、次のとおりです。
① 繊維カンパニー
高級バッグブランド「ゲラルディーニ(GHERARDINI)」の独占的な販売に関する権利取得(日本及び欧米)
当社は、2023年12月にイタリア・フィレンツェ生まれの高級バッグブランド「ゲラルディーニ」について、日本及び欧米における独占的な販売に関する権利を取得しました。ゲラルディーニのバッグは、その技術力の
高さ、デザインの上品さ、優雅さによって世界中で愛されています。当社は、日本市場は(株)クイーポ、
イタリア含む欧米市場はPelletteria Fiorentina Montecristo S.R.L.を通じて販売し、創業から130年を超える伝統あるブランドの魅力を発信します。
今後も長年にわたりブランドビジネスにおいて培ってきた経験と業界を牽引する圧倒的なノウハウを最大限に活用し、更なるブランドビジネスの拡大に取組んでいきます。
「FILA」のシューズ・アパレルに関する新会社設立
当社は、イタリアのスポーツブランド「FILA」のシューズ・アパレルの企画・製造・販売を行うIFJ(株)を
設立しました。FILAは、1911年にイタリアのビエラで生まれ、ファッション感度の高いスポーツブランドとしてZ世代を中心に支持を集めています。また近年では、日本を代表するアスリートへのウェア提供も実施して
います。当社は、2006年にFILAの日本市場におけるマスターライセンス権を取得し、様々なカテゴリーの商品をサブライセンシー各社とともに展開しています。
今後は、IFJ(株)がシューズとアパレルが一体となったコレクションを企画・製造し、伝統あるブランドの
アイデンティティを明確に発信する直営店を展開する等、FILAブランドの更なる価値向上へ取組を加速して
いきます。
② 機械カンパニー
(株)ヤナセにて電気自動車・フェラーリ等の取扱商品を拡充
当社子会社である(株)ヤナセは、全国240拠点を超える販売・サービス網を有する国内最大の輸入車販売
会社であり、20万人を超える全国のお客様に対して最上質の商品・サービスを提供し、「クルマのある人生」を創っています。
2023年10月、(株)ヤナセは電気自動車の更なる拡販に向けて、当社東京本社の隣に、メルセデス・ベンツでは都内初となる電気自動車専門ショールーム「メルセデスEQ青山」をオープンしました。また、2024年3月にFerrari Japan(株)とディーラー契約を締結、東京都新宿区にフェラーリ販売店を開設し、取扱ブランドの
拡充を進めています。今後も多様化するお客様のニーズを捉え、充実したサービスを提供していきます。
北米における再生可能エネルギーファンドを設立
当社米国子会社Tyr Energy, Inc.は、2022年に設立した再生可能エネルギー開発会社Tyr Energy Development Renewables, LLCに続き、北米の再生可能エネルギー開発資産を投資対象とするファンドOverland Capital Partners, L.P.を設立しました。本ファンドを通じて20億米ドル程度の再生可能エネルギー事業を行う予定
です。また、世界最大の独立系発電所運転・保守サービス会社である当社米国子会社NAES Corporationは、再生可能エネルギー分野においても約1,400か所、200万KWの太陽光発電所及び110万KWの風力発電所向けに資産管理・運転保守サービスを提供しています。
各社の有する機能とノウハウを活用し、日本国内を中心とした機関投資家向けに、成長著しい北米の再生可能エネルギー市場での優良投資機会を提供します。
③ 金属カンパニー
北欧での世界最大級のグリーン水素バリューチェーンに参画
当社は、デンマークにおいてグリーン水素(※)地産地消プロジェクトを進める水素生産の世界最大手であるEverfuel A/Sに、大阪ガス(株)と共同で出資しました。グリーン水素製造プロジェクトとしては世界最大級の
規模となる同社第一号案件の商業運転が2024年中に予定されています。既に実績のある自社水素ステーションも活用し、産業・モビリティ分野への水素販売を行うことで地産地消のバリューチェーンを構築し、将来的には
一大水素消費地になると見込まれるドイツへのパイプラインによる輸送も計画しています。
当社は、本事業の早期収益化及び日本を含むアジアや欧米への横展開に加え、水素を原料とするアンモニアやe-fuel(合成燃料)等、今後の需要拡大が見込まれる水素派生商品の製造事業への参画により脱炭素社会の
実現に貢献していきます。
※ 再生可能エネルギーを利用し、水の電気分解によって生産される、製造時に二酸化炭素を排出しない水素
④ エネルギー・化学品カンパニー
大型蓄電池事業への本格参入
当社は、家庭用蓄電池事業等で培った知見を活かし、大型蓄電池事業に本格参入しました。太陽光や風力等の自然を相手にする再生可能エネルギーは発電タイミングや発電量が安定しないことが課題とされており、そのソリューションとして期待されるのが需給調整機能を持った大型蓄電池です。2023年6月のカネカソーラー販売(株)との取組を皮切りに、大阪ガス(株)、東京センチュリー(株)及び東急不動産(株)と計3件の蓄電所
事業を立上げ、東京都とも日本初となる系統用蓄電池事業の官民連携ファンドを創設する等、市場をリード
しています。また、電力網から切離された地域で、太陽光発電等の再生可能エネルギーと大型蓄電池を
セットにした脱炭素電源ビジネスを進めるべく、炭鉱エリアで同ビジネスに取組む豪州UON PTY LTDに出資
しました。
今後も大型蓄電池事業の更なる拡大に注力することで、より効率的な再生可能エネルギーの普及を促進して
いきます。
⑤ 食料カンパニー
新ブランドメッセージ「フルーツでスマイルを。」のもとで付加価値戦略を推進
当社100%子会社である(株)ドール(以下、「ドール」という。)は、フルーツで人々の様々な暮らしを笑顔にしていきたいという思いを込めて、日本オリジナルとなる新ブランドメッセージ「フルーツでスマイルを。」を策定しました。新ブランドメッセージのもと、「おいしさ」、「健康・美容効果」、「エシカル消費」を
軸に、様々な取組を推進しています。おいしさを追求する取組として、パイナップルの選定に光センサーを
導入し、糖度・酸度・熟度の3つで独自の厳しい基準をクリアした「極撰パイナップル」の販売を2023年より
開始しました。また、健康・美容効果に関しては、腸の健康をテーマにバナナ喫食による腸活体験を普及・
啓発する「バナ活®」を、エシカル消費に関しては、フルーツロス削減を目的に規格外バナナを使った商品開発やバナナの量り売り販売を推進しています。
今後もドールならではの付加価値創造を通じて、笑顔あふれる暮らしとサステナブルな社会の実現を
目指します。
⑥ 住生活カンパニー
道路インフラの維持補修事業の推進
当社は、2023年5月に国内有数の橋梁メーカーであるオリエンタル白石(株)と資本業務提携契約を締結し、同社の第三者割当増資を引受け、筆頭株主となりました。日本の道路インフラの老朽化が深刻な社会問題と
なる中、近年工事量が増えている高速道路リニューアル工事において、同社は国内トップクラスの橋梁補修受注件数を誇ります。
当社は、同社との資本業務提携を足掛かりに、社会課題である道路インフラの維持補修需要を当社グループ
としてワンストップで受けられる体制の構築を図るとともに、今後は特に橋梁の維持メンテナンス需要の増加が見込まれる地方自治体との官民連携事業等の推進により、安心・安全な社会基盤の実現を目指します。
大建工業(株)の非公開化による収益力強化
当社は、2023年8月より関連会社であった大建工業(株)に対する公開買付を実施し、同年12月に非公開化を
完了しました。同社は、国内外に主要11工場を有する木質内装建材メーカーで、木質ボード・床材事業では国内シェアNo.1を誇ります。
国内新築住宅市場が縮小傾向にある中、当社グループのリソースを最大限活用のうえ、大建工業(株)と
一体での経営効率化等により、主力の国内戸建向け事業での業界No.1の地位を更に磐石のものとします。
また、今後の注力市場である国内非戸建事業(商業、公共施設等)での事業領域の拡大や、当社の北米建材関連事業と共同での木質ボードの海外展開等により、同社の更なる収益力強化と持続的な企業価値向上を図ります。
⑦ 情報・金融カンパニー
リテール保険事業の取組拡大
当社子会社で、来店型保険ショップ事業を展開するほけんの窓口グループ(株)(以下、「ほけんの窓口」
という。)は、全国約700の店舗網と、独自の社員教育システムに支えられたコンサルティングサービスを
強みとする業界最大手です。同社は、保険会社による直接販売が主流であった生命保険流通市場の中で、
『お客さまにとって「最優の会社」』を経営理念に掲げ、多数の保険の中から特定の保険会社・保険商品に偏ることなく、お客様と一緒に最適な商品を選ぶことに最も注力しており、高評価をいただいています。加えて、
老後資金に対する不安や資産形成に関するご相談へ対応すべく、2024年1月より、NISAやiDeCoの取扱を
はじめ、オンラインで専門的な相談ができるサービスを開始しました。
今後もほけんの窓口の経営理念に沿ったサービスを拡大し、更なる事業成長を目指します。
伊藤忠テクノソリューションズ(株)の非公開化による成長加速
当社は、2023年8月より伊藤忠テクノソリューションズ(株)に対する公開買付を実施し、同年12月に
非公開化を完了しました。IT市場は拡大する企業のデジタル化ニーズに応えるべく環境・構造変化が急速に
進んでおり、非公開化により伊藤忠テクノソリューションズ(株)と一体となることで、当社のネットワークや
投資ノウハウ等の経営資源を最大限活用した資本業務提携やM&Aを通じた成長戦略を機動的に実行できる体制としました。現在、顧客企業のIT・デジタル活用支援に必要となるコンサルティングや、データ分析・活用の
機能を強みとする企業群との資本業務提携を進めています。資本業務提携先のコンサルティング事業者の持つ
顧客課題整理力を活用することで、課題の解きほぐしが重要となるシステム開発の上流工程を含む案件の獲得数が拡大する等、既に伊藤忠テクノソリューションズ(株)の利益成長の加速を示す結果が表れてきています。
今後は、以上に加えシステム開発リソースの拡充等の施策を更に強化することで、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の企業価値最大化を目指します。
⑧ 第8カンパニー
広告配信事業におけるドン・キホーテとの提携
当社は、2023年4月にドン・キホーテ等を展開する(株)パン・パシフィック・インターナショナル
ホールディングス(以下、「PPIH社」という。)とリテールメディア事業での協業を開始しました。
(株)ファミリーマート及びデジタル広告配信事業を展開する(株)データ・ワンが有する約2,900万人の会員
データとPPIH社の会員データを連携し、国内最大級となる3,000万人超まで広告配信ユーザー数を拡充しま
した。加えて、PPIH社が持つ10万アイテムもの幅広い商品カテゴリーで購買行動を分析、お客様の興味・
関心に対する理解度を高めることで、より一層個人のニーズに沿った広告・クーポンの配信を行うとともに、広告主にとっても更に効果的な広告配信を実現するものです。
今後もPPIH社との提携を核として小売事業者等と更なる提携を推進し、広告配信ユーザー数という「量」と、顧客理解を深めるための購買データの「幅」を拡充し、リテールメディア業界のトップランナーとして展開を
拡大していきます。
ファミリーマート店舗へのデジタルサイネージの設置拡大
(株)ファミリーマート及びメディア事業を展開する(株)ゲート・ワンは、2024年3月までに全国47都道府県のファミリーマート約1万店舗に、広告だけでなく、ニュースやクイズ、ミュージックビデオ、お笑い等の様々なコンテンツを配信するデジタルサイネージ(FamilyMartVision)の設置を完了しました。1週間で約6,400万人が閲覧する国内最大規模のリテールメディアであり、独自コンテンツを目的とした来店につながる等、
ファミリーマート店舗が情報発信の拠点となっています。
現在配信している「都道府県別」のコンテンツに加え、今後は、オフィス街や学校周辺等の店舗に絞った
「立地別」、特定の属性のお客様が来店される比率の高い店舗に絞った「ターゲット別」のコンテンツ・広告
配信等、広告主の様々なニーズにも対応していきます。また、設置可能なファミリーマート全店へのサイネージ設置を目指しており、来店されるお客様へ今までにない店舗体験を提供していきます。
(3)業績の状況
① 収益
当連結会計年度の「収益」は、食料は食品流通関連事業での人流回復及び販売価格上昇による取引拡大に
加え、食糧関連取引での取扱数量増加等により増収、住生活は国内不動産取引やEuropean Tyre Enterprise
Limited(欧州タイヤ関連事業)の堅調な推移に加え、大建工業(株)の子会社化等により増収、機械は自動車
関連事業での販売好調に加え、北米電力関連事業での運転・保守サービス取引増加及び再生可能エネルギー開発
資産売却等により増収となり、一方、エネルギー・化学品はエネルギートレーディング取引、エネルギー関連
事業及び化学品関連取引での市況価格下落の影響により減収となりましたが、全体としては前連結会計年度比843億円(0.6%)増収の14兆299億円となりました。なお、「商品販売等に係る収益」は12兆6,580億円、
「役務提供及びロイヤルティ取引に係る収益」は1兆3,719億円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の「売上総利益」は、住生活は国内不動産取引やEuropean Tyre Enterprise Limitedの堅調な推移に加え、大建工業(株)の子会社化等により増益、食料はDoleでの物流コスト改善や食品流通関連事業での
人流回復及び販売価格上昇による取引拡大に加え、食糧関連取引での取扱数量増加等により増益、第8は
(株)ファミリーマートでの商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加等により増益となり、一方、エネルギー・化学品は前連結会計年度好調であったエネルギートレーディング取引の反動等により減益と
なりましたが、全体としては前連結会計年度比1,025億円(4.8%)増益の2兆2,324億円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「販売費及び一般管理費」は、前第4四半期連結会計期間にコネクシオ(株)を連結除外
したことによる減少はあったものの、大建工業(株)及び(株)ドームの子会社化、人件費の増加及び円安による
経費増加等により、前連結会計年度比1,026億円(7.2%)増加の1兆5,217億円となりました。
④ 貸倒損失
当連結会計年度の「貸倒損失」は、一般債権に対する貸倒引当金の減少等により、前連結会計年度比11億円
減少の77億円(損失)となりました。
⑤ 有価証券損益
当連結会計年度の「有価証券損益」は、リチウムイオン電池事業の再評価に係る利益はあったものの、前連結
会計年度の北米飲料機器メンテナンス事業及びコネクシオ(株)の売却に伴う利益の反動等により、前連結会計
年度比323億円(48.2%)減少の348億円(利益)となりました。
⑥ 固定資産に係る損益
当連結会計年度の「固定資産に係る損益」は、伊藤忠エネクス(株)での固定資産売却に伴う利益及び前連結
会計年度のDoleでの減損損失の反動等により、前連結会計年度比441億円改善の61億円(損失)となりました。
⑦ その他の損益
当連結会計年度の「その他の損益」は、前連結会計年度比19億円減少の132億円(利益)となりました。
⑧ 金融収支(「受取利息」、「支払利息」、「受取配当金」の合計額)
当連結会計年度の金融収支は、前連結会計年度比176億円減少の345億円(利益)となりました。
このうち「受取利息」及び「支払利息」の合計である金利収支は、米ドル金利上昇に伴う支払利息の
増加等により前連結会計年度比190億円悪化の465億円(費用)となり、「受取配当金」は、LNGプロジェクト
からの配当金の減少はあったものの、石油ガス上流権益からの配当金の増加等により、前連結会計年度比14億円(1.8%)増加の811億円となりました。
⑨ 持分法による投資損益
当連結会計年度の「持分法による投資損益」は、住生活はパルプ市況下落及び販売低調等によるITOCHU FIBRE
LIMITED(欧州パルプ事業)の取込損益悪化に加え、前連結会計年度好調であった海外不動産事業の反動等に
より減少、その他及び修正消去(注)はCITIC Limitedでは総合金融分野は堅調に推移したものの、米ドル金利
上昇に伴う支払利息の増加及び前連結会計年度の証券事業の再評価に係る利益の反動等による取込損益減少に
より減少となり、一方、機械は北米電力関連事業の取込損益増加に加え、前第3四半期連結会計期間における
日立建機(株)の持分法適用開始及び前連結会計年度のリース関連事業でのロシア向け航空機に係る損失の反動等
により増加となりましたが、全体としては前連結会計年度比43億円(1.4%)減少の3,163億円(利益)と
なりました。
なお、主な持分法適用会社の業績については、後述「(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績」をご参照
ください。
(注)「その他及び修正消去」は、各事業セグメントに帰属しない損益及びセグメント間の内部取引消去が含ま
れております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」を
ご参照ください。
⑩ 当社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、「税引前利益」は、前連結会計年度比112億円(1.0%)減益の1兆957億円となりました。
「法人所得税費用」は、税引前利益の減少等により、前連結会計年度比184億円(7.0%)減少の2,438億円と
なり、「税引前利益」1兆957億円から「法人所得税費用」2,438億円を控除した「当期純利益」は、前連結
会計年度比72億円(0.9%)増益の8,519億円となりました。このうち、「非支配持分に帰属する当期純利益」
502億円(利益)を控除した「当社株主に帰属する当期純利益」は、前連結会計年度比13億円(0.2%)増益の8,018億円となりました。
⑪ 日本の会計慣行に基づく「営業利益」
当連結会計年度の「営業利益」(「売上総利益」、「販売費及び一般管理費」、「貸倒損失」の合計)は、食料はDoleでの物流コスト改善や食品流通関連事業での人流回復及び販売価格上昇による取引拡大に加え、食糧関連取引での取扱数量増加等により増益、第8は(株)ファミリーマートでは外部環境変化や今後の事業基盤強化に向けたデジタル施策実行に伴う各種コストの増加はあったものの、商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加等により増益となり、一方、エネルギー・化学品は前連結会計年度好調であったエネルギートレーディング取引の反動等により減益となりましたが、全体としては前連結会計年度比10億円(0.1%)増益
の7,029億円となりました。
(4)セグメント別業績
当連結会計年度の、事業セグメント別の業績は次のとおりです。当社は8つのディビジョンカンパニーにより以下の区分にて、事業セグメント別業績を記載しております。
① 繊維カンパニー
収益(セグメント間内部収益を除く。以下同様。)は、前第2四半期連結会計期間における(株)ドームの
子会社化により、前連結会計年度比50億円(1.0%)増収の5,352億円となりました。売上総利益は、前第2四半期連結会計期間における(株)ドームの子会社化に加え、新型コロナウイルスの影響軽減等に伴う小売市況回復
によるアパレル関連事業の堅調な推移により、前連結会計年度比115億円(9.9%)増益の1,280億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、新型コロナウイルスの影響軽減等に伴う小売市況回復によるアパレル
関連事業の堅調な推移により、前連結会計年度の一過性利益の反動はあったものの、前連結会計年度比15億円(6.0%)増益の270億円となりました。セグメント別資産は、新型コロナウイルスの影響軽減に伴う小売市況
回復による営業債権の増加、利益の積上げ及び追加投資による持分法投資の増加に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比284億円(6.2%)増加の4,860億円となりました。
② 機械カンパニー
収益は、自動車関連事業での販売好調に加え、北米電力関連事業での運転・保守サービス取引増加及び
再生可能エネルギー開発資産売却等により、前連結会計年度比854億円(6.1%)増収の1兆4,789億円となりました。売上総利益は、自動車関連取引・事業での販売好調及び北米電力関連事業での再生可能エネルギー開発
資産売却等により、前連結会計年度比155億円(6.6%)増益の2,504億円となりました。当社株主に帰属する
当期純利益は、自動車関連取引・事業での販売好調に加え、北米電力関連事業の取込損益増加及び前第3四半期連結会計期間における日立建機(株)の持分法適用開始等により、前連結会計年度比242億円(22.5%)増益の1,316億円となりました。セグメント別資産は、自動車関連事業や航空関連事業の棚卸資産及び建機関連取引等の売上債権の増加並びに利益の積上げによる持分法投資の増加があったことに加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比3,189億円(19.2%)増加の1兆9,835億円となりました。
③ 金属カンパニー
収益は、石炭価格の下落等により、前連結会計年度比554億円(4.4%)減収の1兆2,126億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比261億円(11.8%)減益の1,959億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、鉄鉱石事業の取込損益増加はあったものの、石炭価格の下落に加え、前連結会計年度好調であった北米鋼管事業の反動による伊藤忠丸紅鉄鋼(株)の取込損益減少等により、前連結会計年度比213億円(8.6%)減益の2,261億円となりました。セグメント別資産は、鉄鉱石関連投資の公正価値上昇及び利益の積上げによる持分法投資の増加や原料炭関連事業への投資に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比1,287億円(10.1%)増加の1兆4,035億円となりました。
④ エネルギー・化学品カンパニー
収益は、エネルギートレーディング取引、エネルギー関連事業及び化学品関連取引での市況価格下落の影響
により、前連結会計年度比3,444億円(10.2%)減収の3兆445億円となりました。売上総利益は、前連結会計
年度好調であったエネルギートレーディング取引の反動等により、前連結会計年度比456億円(14.5%)減益の2,697億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度好調であったエネルギー
トレーディング取引の反動により、リチウムイオン電池事業の再評価に係る利益等はあったものの、前連結会計年度比241億円(20.8%)減益の917億円となりました。セグメント別資産は、化学品関連事業の営業債権及び
蓄電池関連取引の棚卸資産の増加並びにリチウムイオン電池事業の再評価に伴う公正価値上昇に加え、円安の
影響等により、前連結会計年度末比737億円(4.7%)増加の1兆6,263億円となりました。
⑤ 食料カンパニー
収益は、食品流通関連事業での人流回復及び販売価格上昇による取引拡大に加え、食糧関連取引での取扱数量増加等により、前連結会計年度比2,367億円(5.1%)増収の4兆8,630億円となりました。売上総利益は、Doleでの物流コスト改善や食品流通関連事業での人流回復及び販売価格上昇による取引拡大に加え、食糧関連取引
での取扱数量増加等により、前連結会計年度比500億円(15.1%)増益の3,809億円となりました。当社株主に
帰属する当期純利益は、Doleでの物流コスト改善や食品流通関連事業での人流回復及び販売価格上昇による取引拡大、食糧関連取引での取扱数量増加並びに北米畜産関連事業の取込損益改善に加え、前連結会計年度の一過性損益の反動等により、前連結会計年度比461億円(228.2%)増益の663億円となりました。セグメント別資産は、食品流通関連事業における期末休日要因による営業債権の増加に加え、円安の影響等により、前連結会計
年度末比2,741億円(12.8%)増加の2兆4,209億円となりました。
⑥ 住生活カンパニー
収益は、国内不動産取引やEuropean Tyre Enterprise Limitedの堅調な推移に加え、大建工業(株)の子会社化等により、前連結会計年度比1,173億円(9.3%)増収の1兆3,808億円となりました。売上総利益は、上記と
同様の理由により、前連結会計年度比559億円(24.8%)増益の2,809億円となりました。当社株主に帰属する
当期純利益は、国内不動産取引の堅調な推移や大建工業(株)の取込比率上昇はあったものの、パルプ市況下落
及び販売低調等によるITOCHU FIBRE LIMITEDの取込損益悪化に加え、前連結会計年度好調であった海外不動産
事業の反動等により、前連結会計年度比289億円(30.4%)減益の662億円となりました。セグメント別資産は、大建工業(株)の子会社化に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比2,000億円(16.3%)増加の
1兆4,233億円となりました。
⑦ 情報・金融カンパニー
収益は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の取引が堅調に推移したことに加え、ほけんの窓口グループ(株)の代理店手数料増加はあったものの、前第4四半期連結会計期間におけるコネクシオ(株)の連結除外等により、前連結会計年度比109億円(1.2%)減収の8,643億円となりました。売上総利益は、前第4四半期連結会計期間におけるコネクシオ(株)の連結除外はあったものの、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の取引が堅調に推移
したことに加え、ほけんの窓口グループ(株)の代理店手数料増加等により、前連結会計年度比100億円(3.5%)増益の2,961億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の取引の堅調な推移やほけんの窓口グループ(株)の代理店手数料増加に加え、ファンド保有株式の評価損益改善等
により、(株)オリエントコーポレーションに係る減損損失はあったものの、前連結会計年度比32億円(5.0%)増益の678億円となりました。セグメント別資産は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)での営業債権等の増加及び投資有価証券の公正価値上昇に加え、円安の影響等により、前連結会計年度末比1,324億円(10.1%)増加の1兆4,405億円となりました。
⑧ 第8カンパニー
収益は、(株)ファミリーマートでの商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加等により、前連結会計年度比481億円(10.3%)増収の5,152億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比408億円(10.6%)増益の4,246億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、
(株)ファミリーマートでは外部環境変化や今後の事業基盤強化に向けたデジタル施策実行に伴う各種コストの
増加はあったものの、商品力・販促強化による客数及び客単価の伸長に伴う日商増加に加え、関係会社業績及び店舗減損の改善並びに国内事業売却に伴う一過性利益等により、前連結会計年度比192億円(115.8%)増益の358億円となりました。セグメント別資産は、(株)ファミリーマートでの日商増加に伴う営業債権の増加
に加え、固定資産の取得や投資有価証券の公正価値上昇等により、前連結会計年度末比717億円(3.8%)増加の1兆9,783億円となりました。
⑨ その他及び修正消去
当社株主に帰属する当期純利益は、CITIC Limitedでは総合金融分野は堅調に推移したものの、前連結会計
年度の証券事業の再評価に係る利益の反動による取込損益減少及び米ドル金利上昇に伴う支払利息の増加等
により、前連結会計年度比187億円(17.3%)減益の894億円となりました。
(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績
① 黒字・赤字会社別損益及び黒字会社比率
黒字・赤字会社別損益(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減
黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計
事業会社損益
(海外現地法人含む)
7,716△7796,9377,715△3147,401△1464463

黒字会社比率
前連結会計年度当連結会計年度増減
黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計
連結子会社会社数1771118817713190022
比率(%)94.15.9100.093.26.8100.0△1.01.0
持分法適用会社会社数632083658732△12△10
比率(%)75.924.1100.089.011.0100.013.1△13.1
合計会社数24031271242212632△10△8
比率(%)88.611.4100.092.08.0100.03.5△3.5

(注)会社数には、親会社の一部と考えられる投資会社(199社)及び当社もしくは当社の海外現地法人が直接投資している会社を除くその他の会社(504社)を含めておりません。
当連結会計年度の事業会社損益は、前連結会計年度比463億円増加の7,401億円の利益となりました。
黒字会社損益は、前連結会計年度のロシア向け航空機に係る損失の反動等があった東京センチュリー(株)の
増益及び日商増加等による(株)ファミリーマートの増益はあったものの、パルプ市況下落及び販売低調等によるITOCHU FIBRE LIMITEDの悪化に加え、前連結会計年度の証券事業の再評価に係る利益の反動によりCITIC Limitedの取込損益が減少したOrchid Alliance Holdings Limitedの減益等により、前連結会計年度比
ほぼ横ばいの7,715億円の利益となりました。また、赤字会社損益は、物流コストの改善及び前連結会計年度の減損損失の反動があったDole International Holdings(株)の好転、前連結会計年度の米国事業での損失の
反動等によるHYLIFE GROUP HOLDINGS LTD.の改善等により、前連結会計年度比464億円改善の314億円の損失と
なりました。
黒字会社比率(連結対象会社数に占める黒字会社数の比率)については、前連結会計年度の88.6%から
3.5ポイント上昇の92.0%となりました。
② 主な関係会社損益
(単位:億円)
取込
比率(%)
取込損益(注)1
前連結
会計年度
当連結
会計年度
繊維㈱ジョイックスコーポレーション100.0118
㈱レリアン100.079
㈱デサント44.54153
㈱ドーム69.754
㈱エドウイン100.066
㈱三景100.01112
ITOCHU Textile Prominent (ASIA) Ltd.100.0229
伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司100.02121
機械東京センチュリー㈱30.041234
I-ENVIRONMENT INVESTMENTS LIMITED100.03623
伊藤忠プランテック㈱100.01917
㈱アイメックス100.03351
㈱ジャムコ33.476
日本エアロスペース㈱100.01723
㈱ヤナセ82.8127128
Auto Investment Inc.100.03027
シトラスインベストメント合同会社 (注)2100.03698
伊藤忠マシンテクノス㈱100.01417
金属ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltd100.01,7631,669
JAPÃO BRASIL MINÉRIO DE FERRO PARTICIPAÇÕES LTDA.77.38984
伊藤忠丸紅鉄鋼㈱50.0478401
伊藤忠メタルズ㈱100.03026
エネルギー・化学品ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.100.07172
ITOCHU PETROLEUM CO., (SINGAPORE) PTE. LTD.100.0174
伊藤忠エネクス㈱54.07574
日本南サハ石油㈱25.0277
伊藤忠ケミカルフロンティア㈱100.07682
伊藤忠プラスチックス㈱100.05355
タキロンシーアイ㈱55.71425
食料Dole International Holdings㈱100.0△36415
㈱日本アクセス100.0175210
不二製油グループ本社㈱43.9317
ウェルネオシュガー㈱37.8021
伊藤忠飼料㈱100.0916
プリマハム㈱47.91431
伊藤忠食品㈱52.23334
HYLIFE GROUP HOLDINGS LTD.49.9△131△39

(単位:億円)
取込
比率(%)
取込損益(注)1
前連結
会計年度
当連結
会計年度
住生活European Tyre Enterprise Limited100.04455
ITOCHU FIBRE LIMITED100.0217△31
伊藤忠紙パルプ㈱100.02123
伊藤忠セラテック㈱100.098
伊藤忠ロジスティクス㈱100.06361
伊藤忠建材㈱100.05340
大建工業㈱ (注)3100.04352
伊藤忠都市開発㈱100.03846
伊藤忠アーバンコミュニティ㈱100.01516
情報・金融伊藤忠テクノソリューションズ㈱ (注)4100.0209376
㈱ベルシステム24ホールディングス40.72820
伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱63.02226
エイツーヘルスケア㈱100.02020
ほけんの窓口グループ㈱92.02846
ポケットカード㈱ (注)578.24245
㈱オリエントコーポレーション (注)616.530△132
㈱外為どっとコム40.2512
First Response Finance Ltd.100.03127
ITOCHU FINANCE (ASIA) LTD.100.03831
GCT MANAGEMENT (THAILAND) LTD.100.04147
第8㈱ファミリーマート (注)794.7237418
その他及び
修正消去
Orchid Alliance Holdings Limited (注)8100.01,172983
C.P. Pokphand Co. Ltd. (注)923.8△43△29
Chia Tai Enterprises International Limited (注)1023.8△241
(参考)
海外現地法人
(注)11
伊藤忠インターナショナル会社100.0510321
伊藤忠欧州会社100.012342
伊藤忠(中国)集団有限公司100.07164
伊藤忠香港会社100.06955
伊藤忠シンガポール会社100.07061

(注)1 取込損益には、IFRS修正後の数値を記載しておりますので、各社が公表している数値とは異なる場合があり
ます。
2 傘下の日立建機㈱からの取込損益を含んでおりますが、当社の融資に対するパートナーからの受取利息
等は含んでおりません。
3 当第3四半期連結会計期間より、大建工業㈱は当社の子会社となりました。
4 伊藤忠テクノソリューションズ㈱の取込比率は99.95%ですが、小数点第一位未満を四捨五入して表示して
おります。
5 ポケットカード㈱の取込損益には、㈱ファミリーマート経由の取込損益を含んでおります。
6 ㈱オリエントコーポレーションの当連結会計年度の取込損益には、当社が保有する当該会社に対する持分法
投資に係る減損損失等を含んでおります。
7 ㈱ファミリーマートの取込損益には、ポケットカード㈱の取込損益を含んでおります。
8 Orchid Alliance Holdings Limitedの取込損益には、付随する税効果等を含めて表示しております。
9 C.P. Pokphand Co. Ltd.の前連結会計年度の取込損益には、当社が保有する当該会社に対する持分法投資に
係る減損損失等を含んでおります。
10 Chia Tai Enterprises International Limitedの前連結会計年度の取込損益には、当社が保有する当該会社に対する持分法投資に係る減損損失等を含んでおります。
11 各セグメントに含まれている海外現地法人の損益を合算して表示しております。
(6)仕入、成約及び販売の状況
① 仕入の状況
仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。
② 成約の状況
成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。
③ 販売の状況
「(4)セグメント別業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照
ください。
(7)流動性と資金の源泉
① 資金調達の方針
当社の資金調達は、金融情勢の変化に対応した機動性の確保と資金コストの低減を目指すとともに、調達の
安定性を高めるために長期性の資金調達に努める等、調達構成のバランスを取りながら、調達先の分散や調達
方法・手段の多様化を図っております。また、国内子会社の資金調達については原則として親会社及び国内
グループ金融統括会社からのグループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についても
シンガポール、英国及び米国の海外グループ金融統括会社を拠点にグループファイナンスを行っております。
資金調達を集中することにより、連結ベースでの資金の効率化や資金調達構造の改善に努めております。この
結果、当連結会計年度末時点では、連結有利子負債のうち約75%が親会社、国内及び海外グループ金融統括会社
による調達となっております。
資金調達手段としては、銀行借入等の間接金融と社債等の直接金融を機動的に活用しております。間接金融については、様々な金融機関と幅広く良好な関係を維持し、必要な資金を安定的に確保しております。直接金融については、国内では、社債発行登録制度に基づき2023年8月から2025年8月までの2年間で3,000億円の新規
社債発行枠の登録を行っております。また、資金効率の向上並びに資金コストの低減を目的に、コマーシャル・
ペーパーによる資金調達も実施しております。海外では、当社とグループ金融統括会社で合わせて
5,000百万米ドルのユーロ・ミディアムタームノート(Euro MTN)プログラムを保有しております。また、
2021年3月にSDGs債フレームワーク(サステナビリティボンド・フレームワーク)を策定し、これに基づき
SDGs債を発行しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。今後も一層の格付け向上を
目指し収益力の強化、財務体質の改善、及びリスクマネジメントの徹底に努めます。
長期短期
日本格付研究所(JCR)AA+/安定的J-1+
格付投資情報センター(R&I)AA/安定的a-1+
ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody's)A2/安定的P-1
S&Pグローバル・レーティング(S&P)A/安定的A-1

② 有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比3,510億円増加の3兆3,576億円となりました。
現預金控除後のネット有利子負債は、前連結会計年度末比3,504億円増加の2兆7,416億円となりました。
NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前連結会計年度末の0.50倍から若干増加の0.51倍と
なりました。また、有利子負債合計に占める長期有利子負債比率は、前連結会計年度末比横ばいの78%と
なりました。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の有利子負債の内訳は、次のとおりです。
(単位:億円)
前連結会計年度末当連結会計年度末増減
社債及び借入金(短期):
銀行借入金等6,0176,780763
コマーシャル・ペーパー28035070
社債301150△151
短期計6,5977,280683
社債及び借入金(長期):
銀行借入金等22,25722,35598
社債1,2133,9422,729
長期計23,46926,2962,827
有利子負債計30,06633,5763,510
現金及び現金同等物、定期預金6,1556,1605
ネット有利子負債23,91227,4163,504

③ 財政状態
当連結会計年度末の「総資産」は、持分法で会計処理されている投資の増加及び取引増加による営業債権の
増加並びに大建工業(株)の子会社化による増加に加え、円安に伴う為替影響等により、前連結会計年度末比
1兆3,743億円(10.5%)増加の14兆4,897億円となりました。
「株主資本」は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の追加取得による資本剰余金の減少に加え、配当金の
支払及び自己株式の取得はあったものの、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ及び円安に伴う為替影響等
により、前連結会計年度末比6,037億円(12.5%)増加の5兆4,270億円となりました。また、株主資本比率は
前連結会計年度末比0.7ポイント上昇の37.5%となりました。
「株主資本」に「非支配持分」を加えた「資本」は、前連結会計年度末比5,247億円(9.6%)増加の
5兆9,921億円となりました。
④ 流動性準備
当社グループは、調達環境の悪化等、不測の事態にも対応しうる流動性準備の確保に努めております。
当連結会計年度末では、短期有利子負債と偶発負債の合計額1兆1,918億円に対し、現金及び現金同等物、定期預金(合計6,160億円)、コミットメントライン契約の未使用枠(円貨6,700億円、外貨884百万米ドル)を
合計した流動性準備の合計額は1兆4,199億円となっており、十分な流動性準備を確保していると考えて
おります。また、これに加えて、売却可能有価証券等短期間での現金化が可能な資産等を9,796億円保有して
おります。
(流動性準備額)(単位:億円)
当連結会計年度末
現金及び現金同等物、定期預金6,160
コミットメントライン8,038
合計14,199

(短期有利子負債と偶発負債)(単位:億円)
当連結会計年度末
社債及び借入金(短期)7,280
社債及び借入金(長期)(注)3,626
偶発負債(関連会社及びジョイント・ベンチャー、一般取引先に対する金融保証実保証額)1,012
合計11,918

(注)1年以内に期限の到来する社債及び借入金のうち、コミットメントラインに係るものを、連結財政状態
計算書上で「社債及び借入金(長期)」として表示しております。
⑤ 資金の源泉
当社グループの主な資金需要には、営業活動上の運転資金に加え、投資及び有形固定資産の取得等が
あります。当社グループの資金の源泉に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の
売却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。
なお、当社グループは、経営方針「The Brand-new Deal ~利は川下にあり~」において、成長投資・株主
還元・有利子負債コントロールの3つのバランスに基づいた財務基盤の堅持を財務方針としております。
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、第8、住生活及び食料での堅調な営業取引収入の推移に加え、機械及び金属での持分法投資からの配当金の受取等により、9,781億円のネット入金と
なりました。
なお、前連結会計年度は、9,381億円のネット入金でした。
当連結会計年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、住生活での大建工業(株)の子会社化による支払及び金属での持分法投資の取得に加え、第8、食料及びエネルギー・化学品での固定資産の取得等により、2,060億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度は、4,538億円のネット支払でした。
当連結会計年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、社債及び借入金による調達はあったものの、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の追加取得やリース負債の返済に加え、配当金の支払及び自己株式の取得等により、8,012億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度は、5,001億円のネット支払でした。
「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末比56億円(0.9%)減少の6,004億円となりました。
前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの要約は次のとおりです。
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー9,3819,781
投資活動によるキャッシュ・フロー△4,538△2,060
財務活動によるキャッシュ・フロー△5,001△8,012
現金及び現金同等物の増減額△158△291
現金及び現金同等物の期首残高6,1176,060
為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額101235
現金及び現金同等物の期末残高6,0606,004

(8)重要性のある会計方針
当社の連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、各連結会計年度末日の資産、負債、偶発資産、偶発負債の報告金額及び報告期間の収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の
基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の実績や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。但し、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の
結果と異なる場合があります。この差異は、当社の連結財務諸表及び当社のすべての事業セグメントの業績に
影響を及ぼす可能性があります。
なお、ロシア・ウクライナ情勢による影響について、当社及び子会社ではロシアでの資源関連投資等を行っておりますが、当連結会計年度末の総資産に占める割合は1%未満です。引続き、当社の保有するロシア・
ウクライナ関連資産については直近の情勢を踏まえた適切な会計処理を行っていることから、財政状態及び
経営成績への重要な影響は見込まれておりません。
当社の経営陣が、将来にわたり、重要な修正を生じさせるリスクを有すると考えている見積り及び仮定は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末の残高に
ついては、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照ください。
・非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値測定
公正価値で測定される資本性金融資産のうち、非上場の銘柄については、投資先と同じ業界に属する上場
銘柄の公表情報を参照したマルチプル法、あるいは投資先からの受取配当に係る将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引くことにより公正価値を算定する配当キャッシュ・フロー還元法等により公正価値を測定しております。マルチプル法を適用する場合のマルチプル倍率、あるいは配当キャッシュ・フロー還元法を
適用する場合の将来受取キャッシュ・フローの見積り及び割引率は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値の
測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失の見積り
償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失は、当該資産に係る契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フロー見込額の差額をもとに見積っております。当該資産に係る回収可能なキャッシュ・フロー見込額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、当該資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る
減損テストにおいて測定される回収可能価額
有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る
減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。回収可能価額は、原則として、独立鑑定人の支援を受けて算定した使用価値に基づいております。使用価値は、取締役会が承認した事業計画を基礎
とした将来キャッシュ・フローの見積額を割引くことにより計算しております。事業計画は原則として5年を限度としており、過去の実績を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しております。事業計画の対象期間を超える将来キャッシュ・フローの成長率は、資金生成単位が属する市場もしくは国の平均成長率を勘案して決定しております。割引率は、各資金生成単位の加重平均資本コスト等を基礎に算定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有して
おります。
・確定給付型退職後給付制度の確定給付制度債務及び制度資産の公正価値測定
確定給付型退職後給付制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債または資産として認識しております。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場
動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務及び制度資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・引当金の測定
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日での最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動に
よって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・法人所得税の見積り
法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人所得税と、実際に納付する法人所得税の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人所得税の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な
経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を
生じさせるリスクを有しております。
当社の経営陣が、会計方針適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を
与えると考えている項目は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の
当連結会計年度末の残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照
ください。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲
・デリバティブを除く金融資産の、償却原価で測定される金融資産、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産
への分類
・貸手リース契約に係る重要なリスクと経済価値の移転に関する判断
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る信用リスクが著しく増大しているかの判断
・有形固定資産、投資不動産、のれん及び無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る
減損テスト実施にあたっての資金生成単位の判別、減損(あるいは減損戻入)の兆候の有無の評価
・引当金の認識に係る過去の事象から発生した現在の義務の有無及び当該義務を決済するための資源流出の
可能性に関する評価

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