有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要、これらに関する経営者の視点による認識及び分析・検討結果は、次のとおりです。
(1)経済環境
当連結会計年度における世界経済を概観すると、米国は雇用・所得環境の改善を背景に堅調な景気拡大を維持しつつも足元では減速の動きが見られ、ユーロ圏も自動車の環境規制強化の影響を主因に成長率が鈍化、新興国においても中国で個人消費や輸出が伸悩む等、期末にかけて減速の動きが広がりました。加えて、米中貿易摩擦の影響や英国のEU離脱交渉の難航等により、今後の世界経済に対する不透明感が強まっています。そうした中で、原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、期初の60ドル台前半から、米国の核合意離脱に伴うイランの供給懸念等により上昇した後、世界経済の先行き懸念を背景に年末近くには下落しましたが、主要産油国による減産を受けて期末には60ドル台まで値を戻しました。
日本経済は、昨年初の足踏みから拡大基調を取戻した後、台風や地震等の自然災害による影響から、夏場には個人消費や輸出を中心に再び停滞、その後は持直しつつありますが足取りは緩慢なものに止まっています。円・ドル相場は、期初の106円台から、米国の長期金利上昇等を背景に10月上旬に114円台まで円安が進みましたが、その後は米国の長期金利の動きに合わせて推移し、110円台で期末を迎えました。日経平均株価は、期初の21,000円台前半から、米国株価の上昇や円安傾向を受けて24,000円台を回復しましたが、米国株価の下落に伴い年末に19,000円台へ下げた後、期末は21,000円台に持直しました。10年物国債利回りは、期初の0.04%から10月上旬には0.15%まで上昇しましたが、その後の円高傾向や景気の先行き懸念により期末にはマイナス0.08%台まで低下しました。
(2)定性的成果
当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)において、「商いの次世代化」、「スマート経営」、「健康経営No.1企業」を基本方針として掲げております。
「Brand-new Deal 2020」初年度である当連結会計年度の具体的成果は次のとおりです。
① 繊維カンパニー
(ブランドビジネスの更なる拡大・強化)
多様化する消費者ニーズに対応するため、オリジナリティのあるブランドを新たに導入しました。カナダの防寒ウェアからスタートしたアウターウェアブランド「ムースナックルズ」の独占輸入販売権を取得し、2018秋冬シーズンより販売を開始、好調な滑り出しとなっています。また、米国で70年以上の歴史があり、モカシンシューズが有名な「ミネトンカ」の日本市場における独占輸入販売権及びマスターライセンス権も取得しました。今後も顧客視点の徹底により、ブランドビジネスの更なる拡大・強化を目指していきます。
(新たな流通チャネルへの参入)
ブランドビジネスにおける「商いの次世代化」では、ますます多様化する消費行動を受け、EC等の新たな流通チャネルへの参入を目指し、様々な取組を進めています。2018年度には、世界最大級のファッションB2Bマーケットプレイスを運営するJOOR社等、国内外のベンチャー企業への投資を実行しました。今後も、激しく変化する世の中の動きをいち早く捉えながら、ブランドビジネスの次世代化を加速させていきます。
② 機械カンパニー
(オマーン海水淡水化事業の商業運転開始)
当社が筆頭株主として参画するバルカ海水淡水化プラントが2018年6月に商業運転を開始しました。本件は、オマーン最大の海水淡水化事業であり、プラントで製造される水は、オマーン電力・水公社経由、マスカット首都圏の生活用水として今後20年間供給されます。オマーンを含む中東湾岸地域では、人口増加や都市化で水需要が増加する一方、生活用水不足が課題となっています。今後も世界各地で水資源を有効活用し、本業を通じたESGの取組を推進していきます。
(中国における次世代モビリティビジネスへの参入)
当社は、中国におけるEV商用車のレンタル・メンテナンスサービスの地上鉄に2018年8月出資参画しました。地上鉄によるEV商用車の管理台数は2万台超と中国最大であり、EV商用車を使った物流オペレーションのノウハウをEV先進国の中国で蓄積していきます。また、中国物流事業とのシナジー、EVバッテリーの二次利用やリサイクル、分散型エネルギーへのEV活用といった次世代電力とのシナジー追求も検討していきます。
③ 金属カンパニー
(サウス・フランク鉄鉱山の開発決定)
世界最大級の資源会社BHP Group社と共同で運営する西豪州鉄鉱石事業において、サウス・フランク鉄鉱山の開発を決定しました。同鉱山は、今後終掘に向かうヤンディ鉄鉱山の後継として、25年以上の生産が可能な鉱量を有しており、2021年の初出荷を予定しています。当社は、本事業を通じて、地域社会への貢献、労働環境の整備、環境保全等に配慮した持続可能な資源開発を継続していきます。
④ エネルギー・化学品カンパニー
(天然ガス/LNGへの取組と中長期安定収益基盤の構築)
当社は、クリーンエネルギーとして世界的に需要拡大が見込まれる天然ガス/LNGについて、新規プロジェクト参画に向けた取組を進めています。また、石油・ガス上流資産の入替を進め、中長期安定収益基盤の構築に努めています。アゼルバイジャンACG事業等、既存事業からの安定収益に加え、2018年3月にはイラク西クルナ1油田権益を取得、同年9月には英領北海事業を保有する子会社を売却し、2018年度は、エネルギー部門として過去最高益を記録しました。今後も、中長期視点での安定収益基盤構築に資する資産ポートフォリオ形成を進めていきます。
(次世代蓄電システムの販売開始)
自社ブランド蓄電池「Smart Star L」と英国Moixa社製AIソフトウェア「GridShare Client」を連携させた次世代蓄電システムの販売を2018年11月より開始しました。AIを搭載した蓄電システムが最適な充放電を行うことにより、電力の効率的運用が可能になる他、家庭における災害時電力対策としての効果も期待されます。蓄電システムの販売で国内トップクラスのシェアを誇る当社の強みを活かし、再生可能エネルギーの普及を促進していきます。今後も、電力供給の安定化並びに分散型エネルギー社会実現に貢献し、「未来よし」を目指していきます。
⑤ 食料カンパニー
(ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化)
当社の関連会社であったユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の株式を公開買付により取得し、子会社としました。伊藤忠グループで最大の顧客接点を有する同社との連携を一層強固なものとして、マーケティングの高度化、サプライチェーンの次世代化、店舗運営の効率化等を実現し、その経験・知見を他のビジネスにも広く応用することにより、当社グループ全体での更なる価値向上を目指していきます。
(HyLife事業の更なる拡大)
カナダ最大級の養豚・豚肉生産者HYLIFE GROUP HOLDINGSは、工場を拡張し、生産能力を従来の1.2倍に増強しました。更に強化された供給力により、日本向けの輸出をますます拡大していきます。また、2016年のオープンより好調な営業を続けている東京・代官山の直営レストラン「HyLife Pork TABLE」では、こだわりのハーブ三元豚の素材を存分に活かした料理を提供し、ブランド価値の向上に努めています。今後も当社は、HyLife事業の拡大を目指していきます。
⑥ 住生活カンパニー
(「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」J-REIT市場に上場)
当社は、2000年初頭より本格的に物流施設開発に取組んでおり、これまでに多くの開発実績を有しています。今回の本REIT上場により、物流不動産事業における開発・リーシング・保有・運営管理までのバリューチェーンが確立されました。また、本REITを通じてグループの保有する物流施設等の売却・有効活用ニーズにも対応し、グループ全体の経営効率化にも貢献していきます。当社は、今後も物流関連事業の拡大を進め、スポンサーとして本REITの成長に向けた支援を進めていきます。
(天然ゴムのトレーサビリティ実証実験開始)
天然ゴムは、日々の生活に欠かせない天然資源です。持続可能な社会への意識の高まりに伴い、調達活動における高い透明性が求められるようになりました。植林地域の広さや流通経路の複雑さにより、これまでは生産者の実態を把握することは著しく困難でした。当社は、子会社のABP社(本社:インドネシア)のサプライチェーンを活用し、天然ゴム業界では世界初の試みとしてブロックチェーン技術を活用した実証実験を開始、トレーサビリティの実現を推進していきます。更に、世界有数の天然ゴム会社であるHalcyon Agri Corporation Limited(本社:シンガポール)が設立した持続可能な天然ゴム取引のマーケット・プラットフォームを運営するHevea Connect社との資本提携により、持続可能な天然ゴムの普及を目指していきます。
⑦ 情報・金融カンパニー
((株)フリークアウト・ホールディングスとの資本業務提携)
当社は、データを活用したマーケティング分野において、広告配信サービスを展開する(株)フリークアウト・ホールディングスと資本業務提携を締結しました。(株)フリークアウト・ホールディングスが有するデジタル広告技術、データ収集・活用技術と、当社が保有するデータや生活消費関連事業での顧客接点を組合わせることにより、デジタルマーケティング領域での新たな収益源の構築を目指していきます。
((株)Paidyへの戦略的事業投資)
当社は、子会社のポケットカード(株)とともに、オンライン後払い決済サービスを運営する(株)Paidyへ持分法適用会社化を前提とした戦略的事業投資を実施しました。当社グループ内外における加盟店ネットワーク拡大を推進するとともに、(株)Paidy及びポケットカード(株)の強みを活かし、消費者の収入と支出、送金等に係る先進的で使い勝手の良い次世代金融サービスの開発を進め、両社の企業価値向上に向けた支援をしていきます。
⑧ その他
(健康経営の取組推進)
当社は、「予防」「治療」「共生」の3つの観点から、がんと仕事の両立支援に継続的に取組んでいます。がんの早期発見につなげるため、2018年度より40歳以降の対象年齢の社員にがん検診を行っており、対象者のほぼすべてとなる300名以上の社員が受診しました。また、朝型勤務推進の一策として朝7時半からの早朝時間を活用した「朝活セミナー」において、がんと仕事の両立に関するセミナーを開催する等、社員のがんに対する意識醸成、知識向上に努めています。
(3)業績の状況
① 収益
当連結会計年度の「収益」は、食料においては新会計基準(IFRS第15号)適用の影響に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増収、エネルギー・化学品においては新会計基準適用の影響に加え、エネルギー関連事業における販売価格上昇等により増収、機械においては新会計基準適用の影響に加え、前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化等により増収となり、全体としては前連結会計年度比6兆904億円(110.5%)増収の11兆6,005億円となりました。新会計基準適用の影響による増収5兆907億円が含まれております。なお、「商品販売等に係る収益」は10兆5,709億円、「役務提供及びロイヤルティ取引に係る収益」は1兆296億円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の「売上総利益」は、食料においてはDoleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増益、情報・金融においてはポケットカード(株)の子会社化等により増益、機械においては前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化に加え、自動車関連取引が堅調に推移したこと等により増益となり、全体としては前連結会計年度比3,533億円(29.2%)増益の1兆5,638億円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「販売費及び一般管理費」は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化や前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化の影響等により、前連結会計年度比3,030億円(34.0%)増加の1兆1,933億円となりました。
④ 貸倒損失
当連結会計年度の「貸倒損失」は、ポケットカード(株)の子会社化に伴う増加等により、前連結会計年度比57億円増加の90億円(損失)となりました。
⑤ 有価証券損益
当連結会計年度の「有価証券損益」は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益及び北海油田開発事業の売却益等により、前連結会計年度における中国生鮮食品関連事業の一部売却に伴う利益の反動はあったものの、前連結会計年度比1,960億円増加の2,030億円(利益)となりました。
⑥ 固定資産に係る損益
当連結会計年度の「固定資産に係る損益」は、アパレル関連事業の減損損失等はあるものの、前連結会計年度におけるアパレル関連事業及びDoleの減損損失等の反動により、前連結会計年度比176億円改善の120億円(損失)となりました。
⑦ その他の損益
当連結会計年度の「その他の損益」は、前連結会計年度における海外特定債権に対する引当金計上の反動等により、前連結会計年度比110億円好転の107億円(利益)となりました。
⑧ 金融収支(「受取利息」・「支払利息」・「受取配当金」の合計額)
当連結会計年度の金融収支は、前連結会計年度比66億円増加の341億円(利益)となりました。
このうち「受取利息」及び「支払利息」の合計である金利収支は、米ドル金利上昇による支払利息の増加等により、前連結会計年度比75億円悪化の143億円(費用)となり、「受取配当金」は、石油及びLNGプロジェクト、鉄鉱石関連投資からの配当の増加等により、前連結会計年度比141億円(41.1%)増加の484億円となりました。
⑨ 持分法による投資損益
当連結会計年度の「持分法による投資損益」は、その他及び修正消去(注)においてはCITIC Limitedに対する投資の減損損失等により減少となり、一方、住生活においてはパルプ市況上昇によるITOCHU FIBRE LIMITED(欧州パルプ事業)及び日伯紙パルプ資源開発(株)の取込損益増加等により増加、エネルギー・化学品においては東シベリア石油開発事業における油価上昇及び原油生産量増加並びに同事業を保有する日本南サハ石油(株)の取込比率上昇に加え、石油化学関連事業の取込損益の増加等により増加となりましたが、全体としては前連結会計年度比1,182億円(54.7%)減少の981億円(利益)となりました。
なお、主な持分法適用会社の業績については、後述「(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績」をご参照ください。
(注)「その他及び修正消去」は、各事業セグメントに帰属しない損益及びセグメント間の内部取引消去が含ま
れております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」を
ご参照ください。
⑩ 当社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、「税引前利益」は、前連結会計年度比1,575億円(29.3%)増益の6,954億円となりました。「法人所得税費用」は、堅調な利益拡大に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益に係る税金費用の増加及び米国税制改正の反動等により、金融関連事業に係る税金費用の減少はあったものの、前連結会計年度比436億円(41.0%)増加の1,497億円となり、「税引前利益」6,954億円から「法人所得税費用」1,497億円を控除した「当期純利益」は、前連結会計年度比1,140億円(26.4%)増益の5,457億円となりました。このうち、「非支配持分に帰属する当期純利益」452億円(利益)を控除した「当社株主に帰属する当期純利益」は、前連結会計年度比1,002億円(25.0%)増益の5,005億円となりました。
⑪ 日本の会計慣行に基づく「営業利益」
当連結会計年度の「営業利益」(「売上総利益」・「販売費及び一般管理費」・「貸倒損失」の合計)は、食料においてはDoleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増益、エネルギー・化学品においては原油生産量増加及び油価上昇による開発原油取引の採算改善等により増益、情報・金融においてはポケットカード(株)の子会社化等により増益となり、一方、金属においては石炭価格の上昇はあったものの、ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdにおける一部の鉄鉱石権益保有形態変更による減少等により減益となりましたが、全体としては前連結会計年度比446億円(14.1%)増益の3,615億円となりました。
(4)セグメント別業績
当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は次のとおりです。当社は7つのディビジョンカンパニーにより以下の区分にて、事業セグメント別業績を記載しております。
① 繊維カンパニー
収益(セグメント間内部収益を除く。以下同様。)は、新会計基準適用の影響により、前連結会計年度におけるアパレル関連の一部事業の売却はあったものの、前連結会計年度比711億円(13.6%)増収の5,936億円となりました。売上総利益は、(株)三景等のアパレル関連事業が堅調に推移したものの、前連結会計年度における一部事業の売却等により、前連結会計年度比31億円(2.5%)減益の1,189億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、(株)三景等のアパレル関連事業が堅調に推移したことに加え、海外アパレル関連事業の売却益及び前連結会計年度における減損損失の反動等により、前連結会計年度比173億円(138.1%)増益の298億円となりました。セグメント別資産は、(株)デサントへの追加投資等により、前連結会計年度末比523億円(11.0%)増加の5,272億円となりました。
② 機械カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化等により、前連結会計年度比5,000億円(69.2%)増収の1兆2,228億円となりました。売上総利益は、前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化に加え、自動車関連取引が堅調に推移したこと等により、前連結会計年度比219億円(12.7%)増益の1,938億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、自動車関連取引の堅調な推移に加え、前連結会計年度における海外特定債権に対する引当金計上の反動はあったものの、(株)ヤナセにおける中古車の一時的な採算低下に加え、北米IPP事業に係る関連損失及び前連結会計年度における税金費用減少の反動等により、前連結会計年度比94億円(16.5%)減益の476億円となりました。セグメント別資産は、中南米自動車関連事業の新規連結による増加はあったものの、航空機関連事業における債権回収等により、前連結会計年度末比383億円(3.1%)減少の1兆1,803億円となりました。
③ 金属カンパニー
収益は、主として新会計基準適用の影響により、前連結会計年度比4,364億円(190.0%)増収の6,661億円となりました。売上総利益は、石炭価格の上昇はあったものの、ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdにおける一部の鉄鉱石権益保有形態変更による減少等により、前連結会計年度比106億円(11.4%)減益の828億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、石炭価格の上昇に加え、伊藤忠丸紅鉄鋼(株)の好調な推移等はあったものの、ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdにおける一部の鉄鉱石権益保有形態変更に伴う一時的な取込損益の減少等により、前連結会計年度比32億円(3.9%)減益の792億円となりました。セグメント別資産は、ほぼ横ばいの8,444億円となりました。
④ エネルギー・化学品カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、エネルギー関連事業における販売価格上昇等により、前連結会計年度比1兆5,477億円(98.2%)増収の3兆1,244億円となりました。売上総利益は、原油生産量増加及び油価上昇による開発原油取引の採算改善等により、前連結会計年度比98億円(4.7%)増益の2,166億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、原油生産量増加及び油価上昇による開発原油取引の採算改善並びに石油及びLNGプロジェクトからの受取配当金増加に加え、北海油田開発事業の売却益等により、前連結会計年度比438億円(118.7%)増益の806億円となりました。セグメント別資産は、エネルギートレーディング取引における営業債権の減少等により、前連結会計年度末比670億円(4.9%)減少の1兆2,887億円となりました。
⑤ 食料カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により、前連結会計年度比3兆1,416億円(273.4%)増収の4兆2,908億円となりました。売上総利益は、Doleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により、前連結会計年度比3,054億円(109.7%)増益の5,836億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の堅調な推移及び子会社化に伴う再評価益等(1,412億円)により、Doleにおける加工品販売価格の下落に加え、前連結会計年度における一過性利益の反動はあったものの、前連結会計年度比1,274億円(158.4%)増益の2,079億円となりました。セグメント別資産は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化(+約1兆2,000億円)等により、前連結会計年度末比1兆2,760億円(65.0%)増加の3兆2,381億円となりました。
⑥ 住生活カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、国内物流施設開発案件の取引増加等により、前連結会計年度比2,956億円(49.7%)増収の8,901億円となりました。売上総利益は、国内物流施設開発案件の取引増加等により、前連結会計年度比117億円(7.6%)増益の1,641億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、国内物流施設開発案件の取引増加に加え、パルプ市況上昇によるITOCHU FIBRE LIMITED(欧州パルプ事業)及び日伯紙パルプ資源開発(株)の取込損益の増加等により、前連結会計年度における一過性利益の反動はあったものの、前連結会計年度比72億円(13.0%)増益の629億円となりました。セグメント別資産は、ほぼ横ばいの9,806億円となりました。
⑦ 情報・金融カンパニー
収益は、ポケットカード(株)の子会社化等により、前連結会計年度比309億円(4.4%)増収の7,280億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比291億円(16.3%)増益の2,078億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、ポケットカード(株)等の金融関連事業が堅調に推移したこと及びファンド運用益の増加に加え、一過性の税金費用の減少等により、前連結会計年度比173億円(33.9%)増益の684億円となりました。セグメント別資産は、ポケットカード(株)の子会社化(+約2,500億円)等により、前連結会計年度末比3,271億円(42.7%)増加の1兆933億円となりました。
⑧ その他及び修正消去
当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度におけるC.P. Pokphand Co. Ltd.に係る減損損失の反動はあったものの、CITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失(△1,433億円)により、前連結会計年度比1,002億円悪化の760億円の損失となりました。
(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績
① 黒字・赤字会社別損益及び黒字会社比率
黒字会社比率(注)
(注)会社数には、親会社の一部と考えられる投資会社(165社)及び当社もしくは当社の海外現地法人が直接投資している会社を除くその他の会社(483社)を含めておりません。
当連結会計年度の事業会社損益は、前連結会計年度比456億円増加の4,379億円の利益となりました。
黒字会社損益は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益等の計上や、前連結会計年度における持分法投資に対する減損損失の反動があったC.P. Pokphand Co. Ltd.の好転等により、前連結会計年度比924億円増加の5,453億円の利益となりました。一方、赤字会社損益は、CITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失等により、前連結会計年度比468億円悪化の1,074億円の損失となりました。
黒字会社比率(連結対象会社数に占める黒字会社数の比率)については、前連結会計年度の91.0%から1.0ポイント悪化の90.0%となりました。
② 主な関係会社損益
(単位:億円)
(単位:億円)
(注)1 取込損益には、IFRS修正後の数値を記載しておりますので、各社が公表している数値とは異なる場合がありま
す。
2 当第2四半期連結会計期間より、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)は当社の子会社となりまし
た。「取込損益」欄の数値には、連結区分の変更に伴う再評価益等(税効果控除後1,412億円)は含まれてお
りません。また、同社の取込損益には、ポケットカード(株)の取込損益を含んでおります。
3 伊藤忠・フジ・パートナーズ(株)の前連結会計年度の取込損益にはスカパーJSATホールディングスに対する持
分法投資に係る減損損失等を含んでおります。
4 当社は、ポケットカード(株)を当社子会社の(株)GIT(2019年4月19日付で(株)マネーコミュニケーション
ズに社名変更)及びユニー・ファミリーマートホールディングス(株)を通じて保有しております。ポケットカ
ード(株)の当連結会計年度の取込損益には、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)経由の取込損益
を含んでおります。
5 Orchid Alliance Holdings Limitedの取込損益には、付随する税効果等を含めて表示しております。また、当
連結会計年度の取込損益には、CITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失等を含んでおります。
6 C.P. Pokphand Co. Ltd.の前連結会計年度の取込損益には、当社が保有する同社への持分法投資に対する減損
損失等を含んでおります。
7 Chia Tai Enterprises International Limitedの当連結会計年度の取込損益には、当社が保有する同社への持
分法投資に対する減損損失等を含んでおります。
8 各セグメントに含まれている海外現地法人の損益を参考情報として個社別に表示しております。
(6)仕入、成約及び販売の状況
① 仕入の状況
仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。
② 成約の状況
成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。
③ 販売の状況
「(4)セグメント別業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
(7)流動性と資金の源泉
① 資金調達の方針
当社の資金調達は、金融情勢の変化に対応した機動性の確保と資金コストの低減を目指すとともに、調達の安定性を高めるために長期性の資金調達に努める等、調達構成のバランスを取りながら、調達先の分散や調達方法・手段の多様化を図っております。また、国内子会社の資金調達については原則として親会社及び国内グループ金融統括会社からのグループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についてもシンガポール、英国及び米国の海外グループ金融統括会社を拠点にグループファイナンスを行っております。資金調達を集中することにより、連結ベースでの資金の効率化や資金調達構造の改善に努めております。この結果、当連結会計年度末時点では、連結有利子負債のうち約58%が親会社、国内及び海外グループ金融統括会社による調達となっております。
資金調達手段としては、銀行借入等の間接金融と社債等の直接金融を機動的に活用しております。間接金融については、様々な金融機関と幅広く良好な関係を維持し、必要な資金を安定的に確保しております。直接金融については、国内では、社債発行登録制度に基づき2017年8月から2019年8月までの2年間で3,000億円の新規社債発行枠の登録を行っております。また、資金効率の向上並びに資金コストの低減を目的に、コマーシャル・ペーパーによる資金調達も実施しております。海外では、当社とグループ金融統括会社で合わせて
5,000百万米ドルのユーロ・ミディアムタームノート(Euro MTN)プログラムを保有しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。今後も一層の格付け向上を目指し収益力の強化、財務体質の改善、及びリスクマネジメントの徹底に努めます。
(注)1 2018年8月27日、日本格付研究所(JCR)の長期発行体格付がAA-からAAに格上げされておりま
す。
2 2018年8月20日、格付投資情報センター(R&I)の長期発行体格付がA+からAA-に、短期におい
てはa-1からa-1+に格上げされております。
3 2018年7月13日、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の長期発行体格付がA-からAに、短期
においてはA-2からA-1に格上げされております。
② 有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比2,044億円増加の2兆9,838億円となりました。
現預金控除後のネット有利子負債は、前連結会計年度末比863億円増加の2兆4,068億円となりました。
NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前連結会計年度末の0.87倍から0.82倍へ改善しました。
また、有利子負債合計に占める長期有利子負債比率は、前連結会計年度末の81%から78%へと
3ポイントの減少となりました。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の有利子負債の内訳は、次のとおりです。
③ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)及びポケットカード(株)の子会社化等により、前連結会計年度末比1兆4,348億円(16.6%)増加の10兆987億円となりました。
「株主資本」は、配当金の支払及び自己株式の取得があった一方で、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ等により、前連結会計年度末比2,674億円(10.0%)増加の2兆9,369億円となりました。また、株主資本比率は前連結会計年度末比1.7ポイント低下の29.1%となりました。
「株主資本」に「非支配持分」を加えた「資本」は、前連結会計年度末比7,058億円(23.6%)増加の3兆6,901億円となりました。
④ 流動性準備
当社グループは、調達環境の悪化等、不測の事態にも対応しうる流動性準備の確保に努めております。
当連結会計年度末では、短期有利子負債と偶発負債の合計額8,114億円に対し、現金及び現金同等物、定期
預金(合計5,771億円)、コミットメントライン契約の未使用枠(円貨2,000億円、外貨2,000百万米ドル)を
合計した流動性準備の合計額は9,991億円となっており、十分な流動性準備を確保していると考えております。
また、これに加えて、売却可能有価証券等短期間での現金化が可能な資産等を6,177億円保有しております。
(注)1年以内に期限の到来する社債及び借入金のうち、コミットメントラインに係るものを、連結財政状態
計算書上で「社債及び借入金(長期)」として表示しております。
⑤ 資金の源泉
当社グループにおける資金の源泉に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の売
却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。
なお、当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)期間において、成長投資の着実な実行と高効率経営の継続の方針に基づき、株主還元後実質フリー・
キャッシュ・フロー(注)の黒字継続を目指す方針としております。
(注)「実質営業キャッシュ・フロー」-「ネット投資」-「配当・自己株式取得」
・「実質営業キャッシュ・フロー」=「営業キャッシュ・フロー」-「運転資金等の増減」
・「ネット投資」=「投資キャッシュ・フロー」+「非支配持分との資本取引」-「貸付金の増減」等
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、食料、金属、エネルギー及び情報・通信における営業取引収入の堅調な推移等により、4,766億円のネット入金となりました。
なお、前連結会計年度においては、3,882億円のネット入金でした。
当連結会計年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、主として食料、金属及びエネルギーにおける固定資産の取得等はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化による現金の受入及びユニー・ファミリーマートホールディングス(株)におけるユニーの売却等により、2,011億円のネット入金となりました。
なお、前連結会計年度においては、2,564億円のネット支払でした。
当連結会計年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、借入金の返済に加え、配当金の支払及び自己株式の取得等により、5,383億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度においては、2,961億円のネット支払でした。
「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末比1,399億円(32.4%)増加の5,720億円となりました。
前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの要約は次のとおりです。
(8)重要な会計方針
当社の連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、各連結会計年度末日における資産、負債、偶発資産、偶発負債の報告金額及び報告期間における収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。但し、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社の連結財務諸表及び当社におけるすべての事業セグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の経営陣が、将来にわたり、重要な修正を生じさせるリスクを有すると考えている見積り及び仮定は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末における残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」における各項目の注記内容をご参照ください。
・非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値測定
公正価値で測定される資本性金融資産のうち、非上場の銘柄については、投資先と同じ業界に属する上場銘柄の公表情報を参照したマルチプル法、あるいは投資先からの受取配当に係る将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引くことにより公正価値を算定する配当キャッシュ・フロー還元法等により公正価値を測定しております。マルチプル法を適用する場合のマルチプル倍率、あるいは配当キャッシュ・フロー還元法を適用する場合の将来受取キャッシュ・フローの見積り及び割引率は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失の見積り
償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失は、当該資産に係る契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フロー見込額の差額をもとに見積っております。当該資産に係る回収可能なキャッシュ・フロー見込額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、当該資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減
損テストにおいて測定される回収可能価額
有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・確定給付型退職後給付制度における確定給付制度債務及び制度資産の公正価値測定
確定給付型退職後給付制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債または資産として認識しております。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務及び制度資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・引当金の測定
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・法人所得税の見積り
法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人所得税と、実際に納付する法人所得税の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人所得税の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
当社の経営陣が、会計方針適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与えると考えている項目は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末における残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」における各項目の注記内容をご参照ください。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲
・デリバティブを除く金融資産における、償却原価で測定される金融資産、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産
への分類
・リースを含む契約の会計処理
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る信用リスクが著しく増大しているかの判断
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テ
スト実施にあたっての資金生成単位の判別
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損の
兆候の有無の評価
・有形固定資産、投資不動産、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損戻入れの兆
候の有無の評価
・引当金の認識
・収益の認識時点及び収益を総額(グロス)で表示するか、純額(ネット)で表示するかの判断
(9)当社における公正取引委員会より排除措置命令を受けた事案への対応策について
当社は、2016年度までに行われた全日本空輸(株)向け制服の販売業務に関して独占禁止法に違反する行為があったとして、2018年7月に、公正取引委員会より独占禁止法第7条第2項に基づく排除措置命令を受けました。また、同年度までに行われた(株)NTTドコモ向け制服の供給業務に関しても独占禁止法に違反する行為があったとして、2018年10月に、公正取引委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令(納付すべき課徴金の額:429万円)を受けました。これらの案件はいずれも、2018年1月及び同年2月に公正取引委員会より排除措置命令を受けた西日本旅客鉄道(株)及び東日本電信電話(株)向け制服の販売業務と同様、2016年度以前に当社が行っていた制服販売業務に関する一連の事案であり、当社の再発防止策の策定及び実行の過程で、それぞれ公正取引委員会の調査開始前に自ら違反行為を取止めたものです。当社は、独占禁止法等遵守に係る社内ルールの整備、違反行為の自主申告の促進及び独占禁止法遵守教育の強化・充実を含む再発防止策を既に策定・実行しており、斯かる取組を通じ、十分かつ効果的な独占禁止法遵守の体制を整備したものと考えております。なお、当社のみならず、当社グループ会社における独占禁止法遵守を含めたコンプライアンスの徹底も図ってまいります。
(1)経済環境
当連結会計年度における世界経済を概観すると、米国は雇用・所得環境の改善を背景に堅調な景気拡大を維持しつつも足元では減速の動きが見られ、ユーロ圏も自動車の環境規制強化の影響を主因に成長率が鈍化、新興国においても中国で個人消費や輸出が伸悩む等、期末にかけて減速の動きが広がりました。加えて、米中貿易摩擦の影響や英国のEU離脱交渉の難航等により、今後の世界経済に対する不透明感が強まっています。そうした中で、原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、期初の60ドル台前半から、米国の核合意離脱に伴うイランの供給懸念等により上昇した後、世界経済の先行き懸念を背景に年末近くには下落しましたが、主要産油国による減産を受けて期末には60ドル台まで値を戻しました。
日本経済は、昨年初の足踏みから拡大基調を取戻した後、台風や地震等の自然災害による影響から、夏場には個人消費や輸出を中心に再び停滞、その後は持直しつつありますが足取りは緩慢なものに止まっています。円・ドル相場は、期初の106円台から、米国の長期金利上昇等を背景に10月上旬に114円台まで円安が進みましたが、その後は米国の長期金利の動きに合わせて推移し、110円台で期末を迎えました。日経平均株価は、期初の21,000円台前半から、米国株価の上昇や円安傾向を受けて24,000円台を回復しましたが、米国株価の下落に伴い年末に19,000円台へ下げた後、期末は21,000円台に持直しました。10年物国債利回りは、期初の0.04%から10月上旬には0.15%まで上昇しましたが、その後の円高傾向や景気の先行き懸念により期末にはマイナス0.08%台まで低下しました。
(2)定性的成果
当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)において、「商いの次世代化」、「スマート経営」、「健康経営No.1企業」を基本方針として掲げております。
「Brand-new Deal 2020」初年度である当連結会計年度の具体的成果は次のとおりです。
① 繊維カンパニー
(ブランドビジネスの更なる拡大・強化)
多様化する消費者ニーズに対応するため、オリジナリティのあるブランドを新たに導入しました。カナダの防寒ウェアからスタートしたアウターウェアブランド「ムースナックルズ」の独占輸入販売権を取得し、2018秋冬シーズンより販売を開始、好調な滑り出しとなっています。また、米国で70年以上の歴史があり、モカシンシューズが有名な「ミネトンカ」の日本市場における独占輸入販売権及びマスターライセンス権も取得しました。今後も顧客視点の徹底により、ブランドビジネスの更なる拡大・強化を目指していきます。
(新たな流通チャネルへの参入)
ブランドビジネスにおける「商いの次世代化」では、ますます多様化する消費行動を受け、EC等の新たな流通チャネルへの参入を目指し、様々な取組を進めています。2018年度には、世界最大級のファッションB2Bマーケットプレイスを運営するJOOR社等、国内外のベンチャー企業への投資を実行しました。今後も、激しく変化する世の中の動きをいち早く捉えながら、ブランドビジネスの次世代化を加速させていきます。
② 機械カンパニー
(オマーン海水淡水化事業の商業運転開始)
当社が筆頭株主として参画するバルカ海水淡水化プラントが2018年6月に商業運転を開始しました。本件は、オマーン最大の海水淡水化事業であり、プラントで製造される水は、オマーン電力・水公社経由、マスカット首都圏の生活用水として今後20年間供給されます。オマーンを含む中東湾岸地域では、人口増加や都市化で水需要が増加する一方、生活用水不足が課題となっています。今後も世界各地で水資源を有効活用し、本業を通じたESGの取組を推進していきます。
(中国における次世代モビリティビジネスへの参入)
当社は、中国におけるEV商用車のレンタル・メンテナンスサービスの地上鉄に2018年8月出資参画しました。地上鉄によるEV商用車の管理台数は2万台超と中国最大であり、EV商用車を使った物流オペレーションのノウハウをEV先進国の中国で蓄積していきます。また、中国物流事業とのシナジー、EVバッテリーの二次利用やリサイクル、分散型エネルギーへのEV活用といった次世代電力とのシナジー追求も検討していきます。
③ 金属カンパニー
(サウス・フランク鉄鉱山の開発決定)
世界最大級の資源会社BHP Group社と共同で運営する西豪州鉄鉱石事業において、サウス・フランク鉄鉱山の開発を決定しました。同鉱山は、今後終掘に向かうヤンディ鉄鉱山の後継として、25年以上の生産が可能な鉱量を有しており、2021年の初出荷を予定しています。当社は、本事業を通じて、地域社会への貢献、労働環境の整備、環境保全等に配慮した持続可能な資源開発を継続していきます。
④ エネルギー・化学品カンパニー
(天然ガス/LNGへの取組と中長期安定収益基盤の構築)
当社は、クリーンエネルギーとして世界的に需要拡大が見込まれる天然ガス/LNGについて、新規プロジェクト参画に向けた取組を進めています。また、石油・ガス上流資産の入替を進め、中長期安定収益基盤の構築に努めています。アゼルバイジャンACG事業等、既存事業からの安定収益に加え、2018年3月にはイラク西クルナ1油田権益を取得、同年9月には英領北海事業を保有する子会社を売却し、2018年度は、エネルギー部門として過去最高益を記録しました。今後も、中長期視点での安定収益基盤構築に資する資産ポートフォリオ形成を進めていきます。
(次世代蓄電システムの販売開始)
自社ブランド蓄電池「Smart Star L」と英国Moixa社製AIソフトウェア「GridShare Client」を連携させた次世代蓄電システムの販売を2018年11月より開始しました。AIを搭載した蓄電システムが最適な充放電を行うことにより、電力の効率的運用が可能になる他、家庭における災害時電力対策としての効果も期待されます。蓄電システムの販売で国内トップクラスのシェアを誇る当社の強みを活かし、再生可能エネルギーの普及を促進していきます。今後も、電力供給の安定化並びに分散型エネルギー社会実現に貢献し、「未来よし」を目指していきます。
⑤ 食料カンパニー
(ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化)
当社の関連会社であったユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の株式を公開買付により取得し、子会社としました。伊藤忠グループで最大の顧客接点を有する同社との連携を一層強固なものとして、マーケティングの高度化、サプライチェーンの次世代化、店舗運営の効率化等を実現し、その経験・知見を他のビジネスにも広く応用することにより、当社グループ全体での更なる価値向上を目指していきます。
(HyLife事業の更なる拡大)
カナダ最大級の養豚・豚肉生産者HYLIFE GROUP HOLDINGSは、工場を拡張し、生産能力を従来の1.2倍に増強しました。更に強化された供給力により、日本向けの輸出をますます拡大していきます。また、2016年のオープンより好調な営業を続けている東京・代官山の直営レストラン「HyLife Pork TABLE」では、こだわりのハーブ三元豚の素材を存分に活かした料理を提供し、ブランド価値の向上に努めています。今後も当社は、HyLife事業の拡大を目指していきます。
⑥ 住生活カンパニー
(「伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人」J-REIT市場に上場)
当社は、2000年初頭より本格的に物流施設開発に取組んでおり、これまでに多くの開発実績を有しています。今回の本REIT上場により、物流不動産事業における開発・リーシング・保有・運営管理までのバリューチェーンが確立されました。また、本REITを通じてグループの保有する物流施設等の売却・有効活用ニーズにも対応し、グループ全体の経営効率化にも貢献していきます。当社は、今後も物流関連事業の拡大を進め、スポンサーとして本REITの成長に向けた支援を進めていきます。
(天然ゴムのトレーサビリティ実証実験開始)
天然ゴムは、日々の生活に欠かせない天然資源です。持続可能な社会への意識の高まりに伴い、調達活動における高い透明性が求められるようになりました。植林地域の広さや流通経路の複雑さにより、これまでは生産者の実態を把握することは著しく困難でした。当社は、子会社のABP社(本社:インドネシア)のサプライチェーンを活用し、天然ゴム業界では世界初の試みとしてブロックチェーン技術を活用した実証実験を開始、トレーサビリティの実現を推進していきます。更に、世界有数の天然ゴム会社であるHalcyon Agri Corporation Limited(本社:シンガポール)が設立した持続可能な天然ゴム取引のマーケット・プラットフォームを運営するHevea Connect社との資本提携により、持続可能な天然ゴムの普及を目指していきます。
⑦ 情報・金融カンパニー
((株)フリークアウト・ホールディングスとの資本業務提携)
当社は、データを活用したマーケティング分野において、広告配信サービスを展開する(株)フリークアウト・ホールディングスと資本業務提携を締結しました。(株)フリークアウト・ホールディングスが有するデジタル広告技術、データ収集・活用技術と、当社が保有するデータや生活消費関連事業での顧客接点を組合わせることにより、デジタルマーケティング領域での新たな収益源の構築を目指していきます。
((株)Paidyへの戦略的事業投資)
当社は、子会社のポケットカード(株)とともに、オンライン後払い決済サービスを運営する(株)Paidyへ持分法適用会社化を前提とした戦略的事業投資を実施しました。当社グループ内外における加盟店ネットワーク拡大を推進するとともに、(株)Paidy及びポケットカード(株)の強みを活かし、消費者の収入と支出、送金等に係る先進的で使い勝手の良い次世代金融サービスの開発を進め、両社の企業価値向上に向けた支援をしていきます。
⑧ その他
(健康経営の取組推進)
当社は、「予防」「治療」「共生」の3つの観点から、がんと仕事の両立支援に継続的に取組んでいます。がんの早期発見につなげるため、2018年度より40歳以降の対象年齢の社員にがん検診を行っており、対象者のほぼすべてとなる300名以上の社員が受診しました。また、朝型勤務推進の一策として朝7時半からの早朝時間を活用した「朝活セミナー」において、がんと仕事の両立に関するセミナーを開催する等、社員のがんに対する意識醸成、知識向上に努めています。
(3)業績の状況
① 収益
当連結会計年度の「収益」は、食料においては新会計基準(IFRS第15号)適用の影響に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増収、エネルギー・化学品においては新会計基準適用の影響に加え、エネルギー関連事業における販売価格上昇等により増収、機械においては新会計基準適用の影響に加え、前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化等により増収となり、全体としては前連結会計年度比6兆904億円(110.5%)増収の11兆6,005億円となりました。新会計基準適用の影響による増収5兆907億円が含まれております。なお、「商品販売等に係る収益」は10兆5,709億円、「役務提供及びロイヤルティ取引に係る収益」は1兆296億円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の「売上総利益」は、食料においてはDoleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増益、情報・金融においてはポケットカード(株)の子会社化等により増益、機械においては前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化に加え、自動車関連取引が堅調に推移したこと等により増益となり、全体としては前連結会計年度比3,533億円(29.2%)増益の1兆5,638億円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「販売費及び一般管理費」は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化や前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化の影響等により、前連結会計年度比3,030億円(34.0%)増加の1兆1,933億円となりました。
④ 貸倒損失
当連結会計年度の「貸倒損失」は、ポケットカード(株)の子会社化に伴う増加等により、前連結会計年度比57億円増加の90億円(損失)となりました。
⑤ 有価証券損益
当連結会計年度の「有価証券損益」は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益及び北海油田開発事業の売却益等により、前連結会計年度における中国生鮮食品関連事業の一部売却に伴う利益の反動はあったものの、前連結会計年度比1,960億円増加の2,030億円(利益)となりました。
⑥ 固定資産に係る損益
当連結会計年度の「固定資産に係る損益」は、アパレル関連事業の減損損失等はあるものの、前連結会計年度におけるアパレル関連事業及びDoleの減損損失等の反動により、前連結会計年度比176億円改善の120億円(損失)となりました。
⑦ その他の損益
当連結会計年度の「その他の損益」は、前連結会計年度における海外特定債権に対する引当金計上の反動等により、前連結会計年度比110億円好転の107億円(利益)となりました。
⑧ 金融収支(「受取利息」・「支払利息」・「受取配当金」の合計額)
当連結会計年度の金融収支は、前連結会計年度比66億円増加の341億円(利益)となりました。
このうち「受取利息」及び「支払利息」の合計である金利収支は、米ドル金利上昇による支払利息の増加等により、前連結会計年度比75億円悪化の143億円(費用)となり、「受取配当金」は、石油及びLNGプロジェクト、鉄鉱石関連投資からの配当の増加等により、前連結会計年度比141億円(41.1%)増加の484億円となりました。
⑨ 持分法による投資損益
当連結会計年度の「持分法による投資損益」は、その他及び修正消去(注)においてはCITIC Limitedに対する投資の減損損失等により減少となり、一方、住生活においてはパルプ市況上昇によるITOCHU FIBRE LIMITED(欧州パルプ事業)及び日伯紙パルプ資源開発(株)の取込損益増加等により増加、エネルギー・化学品においては東シベリア石油開発事業における油価上昇及び原油生産量増加並びに同事業を保有する日本南サハ石油(株)の取込比率上昇に加え、石油化学関連事業の取込損益の増加等により増加となりましたが、全体としては前連結会計年度比1,182億円(54.7%)減少の981億円(利益)となりました。
なお、主な持分法適用会社の業績については、後述「(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績」をご参照ください。
(注)「その他及び修正消去」は、各事業セグメントに帰属しない損益及びセグメント間の内部取引消去が含ま
れております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」を
ご参照ください。
⑩ 当社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、「税引前利益」は、前連結会計年度比1,575億円(29.3%)増益の6,954億円となりました。「法人所得税費用」は、堅調な利益拡大に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益に係る税金費用の増加及び米国税制改正の反動等により、金融関連事業に係る税金費用の減少はあったものの、前連結会計年度比436億円(41.0%)増加の1,497億円となり、「税引前利益」6,954億円から「法人所得税費用」1,497億円を控除した「当期純利益」は、前連結会計年度比1,140億円(26.4%)増益の5,457億円となりました。このうち、「非支配持分に帰属する当期純利益」452億円(利益)を控除した「当社株主に帰属する当期純利益」は、前連結会計年度比1,002億円(25.0%)増益の5,005億円となりました。
⑪ 日本の会計慣行に基づく「営業利益」
当連結会計年度の「営業利益」(「売上総利益」・「販売費及び一般管理費」・「貸倒損失」の合計)は、食料においてはDoleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により増益、エネルギー・化学品においては原油生産量増加及び油価上昇による開発原油取引の採算改善等により増益、情報・金融においてはポケットカード(株)の子会社化等により増益となり、一方、金属においては石炭価格の上昇はあったものの、ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdにおける一部の鉄鉱石権益保有形態変更による減少等により減益となりましたが、全体としては前連結会計年度比446億円(14.1%)増益の3,615億円となりました。
(4)セグメント別業績
当連結会計年度における、事業セグメント別の業績は次のとおりです。当社は7つのディビジョンカンパニーにより以下の区分にて、事業セグメント別業績を記載しております。
① 繊維カンパニー
収益(セグメント間内部収益を除く。以下同様。)は、新会計基準適用の影響により、前連結会計年度におけるアパレル関連の一部事業の売却はあったものの、前連結会計年度比711億円(13.6%)増収の5,936億円となりました。売上総利益は、(株)三景等のアパレル関連事業が堅調に推移したものの、前連結会計年度における一部事業の売却等により、前連結会計年度比31億円(2.5%)減益の1,189億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、(株)三景等のアパレル関連事業が堅調に推移したことに加え、海外アパレル関連事業の売却益及び前連結会計年度における減損損失の反動等により、前連結会計年度比173億円(138.1%)増益の298億円となりました。セグメント別資産は、(株)デサントへの追加投資等により、前連結会計年度末比523億円(11.0%)増加の5,272億円となりました。
② 機械カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化等により、前連結会計年度比5,000億円(69.2%)増収の1兆2,228億円となりました。売上総利益は、前第2四半期連結会計期間における(株)ヤナセの子会社化に加え、自動車関連取引が堅調に推移したこと等により、前連結会計年度比219億円(12.7%)増益の1,938億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、自動車関連取引の堅調な推移に加え、前連結会計年度における海外特定債権に対する引当金計上の反動はあったものの、(株)ヤナセにおける中古車の一時的な採算低下に加え、北米IPP事業に係る関連損失及び前連結会計年度における税金費用減少の反動等により、前連結会計年度比94億円(16.5%)減益の476億円となりました。セグメント別資産は、中南米自動車関連事業の新規連結による増加はあったものの、航空機関連事業における債権回収等により、前連結会計年度末比383億円(3.1%)減少の1兆1,803億円となりました。
③ 金属カンパニー
収益は、主として新会計基準適用の影響により、前連結会計年度比4,364億円(190.0%)増収の6,661億円となりました。売上総利益は、石炭価格の上昇はあったものの、ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdにおける一部の鉄鉱石権益保有形態変更による減少等により、前連結会計年度比106億円(11.4%)減益の828億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、石炭価格の上昇に加え、伊藤忠丸紅鉄鋼(株)の好調な推移等はあったものの、ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdにおける一部の鉄鉱石権益保有形態変更に伴う一時的な取込損益の減少等により、前連結会計年度比32億円(3.9%)減益の792億円となりました。セグメント別資産は、ほぼ横ばいの8,444億円となりました。
④ エネルギー・化学品カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、エネルギー関連事業における販売価格上昇等により、前連結会計年度比1兆5,477億円(98.2%)増収の3兆1,244億円となりました。売上総利益は、原油生産量増加及び油価上昇による開発原油取引の採算改善等により、前連結会計年度比98億円(4.7%)増益の2,166億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、原油生産量増加及び油価上昇による開発原油取引の採算改善並びに石油及びLNGプロジェクトからの受取配当金増加に加え、北海油田開発事業の売却益等により、前連結会計年度比438億円(118.7%)増益の806億円となりました。セグメント別資産は、エネルギートレーディング取引における営業債権の減少等により、前連結会計年度末比670億円(4.9%)減少の1兆2,887億円となりました。
⑤ 食料カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により、前連結会計年度比3兆1,416億円(273.4%)増収の4兆2,908億円となりました。売上総利益は、Doleにおける加工品販売価格の下落はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化等により、前連結会計年度比3,054億円(109.7%)増益の5,836億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の堅調な推移及び子会社化に伴う再評価益等(1,412億円)により、Doleにおける加工品販売価格の下落に加え、前連結会計年度における一過性利益の反動はあったものの、前連結会計年度比1,274億円(158.4%)増益の2,079億円となりました。セグメント別資産は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化(+約1兆2,000億円)等により、前連結会計年度末比1兆2,760億円(65.0%)増加の3兆2,381億円となりました。
⑥ 住生活カンパニー
収益は、新会計基準適用の影響に加え、国内物流施設開発案件の取引増加等により、前連結会計年度比2,956億円(49.7%)増収の8,901億円となりました。売上総利益は、国内物流施設開発案件の取引増加等により、前連結会計年度比117億円(7.6%)増益の1,641億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、国内物流施設開発案件の取引増加に加え、パルプ市況上昇によるITOCHU FIBRE LIMITED(欧州パルプ事業)及び日伯紙パルプ資源開発(株)の取込損益の増加等により、前連結会計年度における一過性利益の反動はあったものの、前連結会計年度比72億円(13.0%)増益の629億円となりました。セグメント別資産は、ほぼ横ばいの9,806億円となりました。
⑦ 情報・金融カンパニー
収益は、ポケットカード(株)の子会社化等により、前連結会計年度比309億円(4.4%)増収の7,280億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比291億円(16.3%)増益の2,078億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、ポケットカード(株)等の金融関連事業が堅調に推移したこと及びファンド運用益の増加に加え、一過性の税金費用の減少等により、前連結会計年度比173億円(33.9%)増益の684億円となりました。セグメント別資産は、ポケットカード(株)の子会社化(+約2,500億円)等により、前連結会計年度末比3,271億円(42.7%)増加の1兆933億円となりました。
⑧ その他及び修正消去
当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度におけるC.P. Pokphand Co. Ltd.に係る減損損失の反動はあったものの、CITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失(△1,433億円)により、前連結会計年度比1,002億円悪化の760億円の損失となりました。
(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績
① 黒字・赤字会社別損益及び黒字会社比率
| 黒字・赤字会社別損益 | (単位:億円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||||||||||||||||
| 黒字会社 | 赤字会社 | 合計 | 黒字会社 | 赤字会社 | 合計 | 黒字会社 | 赤字会社 | 合計 | ||||||||||
| 事業会社損益 (海外現地法人含む) | 4,529 | △606 | 3,923 | 5,453 | △1,074 | 4,379 | 924 | △468 | 456 | |||||||||
黒字会社比率(注)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |||||||||||||||||
| 黒字会社 | 赤字会社 | 合計 | 黒字会社 | 赤字会社 | 合計 | 黒字会社 | 赤字会社 | 合計 | |||||||||||
| 連結子会社 | 会社数 比率(%) | 189 91.7 | 17 8.3 | 206 100.0 | 192 94.6 | 11 5.4 | 203 100.0 | 3 2.8 | △6 △2.8 | △3 | |||||||||
| 持分法適用会社 | 会社数 比率(%) | 84 89.4 | 10 10.6 | 94 100.0 | 70 79.5 | 18 20.5 | 88 100.0 | △14 △9.8 | 8 9.8 | △6 | |||||||||
| 合計 | 会社数 比率(%) | 273 91.0 | 27 9.0 | 300 100.0 | 262 90.0 | 29 10.0 | 291 100.0 | △11 △1.0 | 2 1.0 | △9 | |||||||||
(注)会社数には、親会社の一部と考えられる投資会社(165社)及び当社もしくは当社の海外現地法人が直接投資している会社を除くその他の会社(483社)を含めておりません。
当連結会計年度の事業会社損益は、前連結会計年度比456億円増加の4,379億円の利益となりました。
黒字会社損益は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化に伴う再評価益等の計上や、前連結会計年度における持分法投資に対する減損損失の反動があったC.P. Pokphand Co. Ltd.の好転等により、前連結会計年度比924億円増加の5,453億円の利益となりました。一方、赤字会社損益は、CITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失等により、前連結会計年度比468億円悪化の1,074億円の損失となりました。
黒字会社比率(連結対象会社数に占める黒字会社数の比率)については、前連結会計年度の91.0%から1.0ポイント悪化の90.0%となりました。
② 主な関係会社損益
(単位:億円)
| 取込比率(%) | 取込損益(注)1 | |||
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | |||
| 繊維 | (株)ジョイックスコーポレーション | 100.0 | 15 | 12 |
| (株)デサント | 40.0 | 14 | 12 | |
| (株)三景 | 100.0 | 1 | 19 | |
| ITOCHU Textile Prominent (ASIA) Ltd. | 100.0 | 2 | 11 | |
| 伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司 | 100.0 | 10 | 11 | |
| 機械 | 東京センチュリー(株) | 25.2 | 125 | 126 |
| I-Power Investment Inc. | 100.0 | 53 | △58 | |
| I-ENVIRONMENT INVESTMENTS LIMITED | 100.0 | 19 | 10 | |
| (株)アイメックス | 100.0 | 12 | 16 | |
| (株)ジャムコ | 33.4 | 6 | 6 | |
| 日本エアロスペース(株) | 100.0 | 7 | 12 | |
| (株)ヤナセ | 66.0 | 37 | 11 | |
| Auto Investment Inc. | 100.0 | 8 | 3 | |
| 伊藤忠建機(株) | 100.0 | 6 | 6 | |
| 伊藤忠マシンテクノス(株) | 100.0 | 8 | 14 | |
| 伊藤忠システック(株) | 100.0 | 3 | 3 | |
| センチュリーメディカル(株) | 100.0 | 5 | 7 | |
| MULTIQUIP INC. | 100.0 | 23 | 28 | |
| 金属 | ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltd | 100.0 | 623 | 601 |
| 日伯鉄鉱石(株) | 75.7 | 33 | 17 | |
| ITOCHU Coal Americas Inc. | 100.0 | 29 | 20 | |
| 伊藤忠丸紅鉄鋼(株) | 50.0 | 92 | 121 | |
| 伊藤忠メタルズ(株) | 100.0 | 16 | 16 | |
| エネルギー・化学品 | ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc. | 100.0 | 23 | 33 |
| ITOCHU PETROLEUM CO., (SINGAPORE) PTE. LTD. | 100.0 | △18 | 5 | |
| 伊藤忠エネクス(株) | 54.0 | 60 | 65 | |
| 日本南サハ石油(株) | 25.2 | 40 | 91 | |
| 伊藤忠ケミカルフロンティア(株) | 100.0 | 37 | 52 | |
| 伊藤忠プラスチックス(株) | 100.0 | 40 | 38 | |
| タキロンシーアイ(株) | 51.2 | 30 | 29 | |
| 食料 | ユニー・ファミリーマートホールディングス(株) (注)2 | 50.2 | 118 | 173 |
| Dole International Holdings (株) | 100.0 | 32 | 78 | |
| (株)日本アクセス | 100.0 | 98 | 116 | |
| 不二製油グループ本社(株) | 34.0 | 42 | 30 | |
| プリマハム(株) | 39.8 | 41 | 32 | |
| 伊藤忠食品(株) | 52.2 | 22 | 17 | |
| ジャパンフーズ(株) | 36.4 | 1 | △1 | |
| HYLIFE GROUP HOLDINGS LTD. | 49.9 | 37 | 27 | |
(単位:億円)
| 取込比率(%) | 取込損益(注)1 | |||
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | |||
| 住生活 | European Tyre Enterprise Limited | 100.0 | 58 | 42 |
| ITOCHU FIBRE LIMITED | 100.0 | 99 | 161 | |
| 日伯紙パルプ資源開発(株) | 33.3 | 42 | 73 | |
| 伊藤忠紙パルプ(株) | 100.0 | 10 | 9 | |
| 伊藤忠建材(株) | 100.0 | 27 | 29 | |
| 大建工業(株) | 35.0 | 16 | 13 | |
| 伊藤忠都市開発(株) | 100.0 | 24 | 29 | |
| 伊藤忠ロジスティクス(株) | 100.0 | 27 | 31 | |
| 情報・金融 | 伊藤忠テクノソリューションズ(株) | 58.2 | 136 | 142 |
| (株)ベルシステム24ホールディングス | 40.8 | 12 | 12 | |
| コネクシオ(株) | 60.3 | 41 | 40 | |
| 伊藤忠・フジ・パートナーズ(株) (注)3 | 63.0 | △2 | 14 | |
| イー・ギャランティ(株) | 24.1 | 3 | 4 | |
| ポケットカード(株) (注)4 | 63.1 | 13 | 39 | |
| (株)オリエントコーポレーション | 16.5 | 42 | 42 | |
| First Response Finance Ltd. | 100.0 | 17 | 11 | |
| ITOCHU FINANCE (ASIA) LTD. | 100.0 | 9 | 27 | |
| その他及び修正消去 | Orchid Alliance Holdings Limited (注)5 | 100.0 | 679 | △850 |
| C.P. Pokphand Co. Ltd. (注)6 | 23.8 | △298 | 55 | |
| Chia Tai Enterprises International Limited (注)7 | 23.8 | 4 | △29 | |
| (参考) 海外現地法人 (注)8 | 伊藤忠インターナショナル会社 | 100.0 | 200 | 129 |
| 伊藤忠欧州会社 | 100.0 | 53 | 69 | |
| 伊藤忠(中国)集団有限公司 | 100.0 | 219 | 46 | |
| 伊藤忠香港会社 | 100.0 | 61 | 61 | |
| 伊藤忠シンガポール会社 | 100.0 | 25 | 29 |
(注)1 取込損益には、IFRS修正後の数値を記載しておりますので、各社が公表している数値とは異なる場合がありま
す。
2 当第2四半期連結会計期間より、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)は当社の子会社となりまし
た。「取込損益」欄の数値には、連結区分の変更に伴う再評価益等(税効果控除後1,412億円)は含まれてお
りません。また、同社の取込損益には、ポケットカード(株)の取込損益を含んでおります。
3 伊藤忠・フジ・パートナーズ(株)の前連結会計年度の取込損益にはスカパーJSATホールディングスに対する持
分法投資に係る減損損失等を含んでおります。
4 当社は、ポケットカード(株)を当社子会社の(株)GIT(2019年4月19日付で(株)マネーコミュニケーション
ズに社名変更)及びユニー・ファミリーマートホールディングス(株)を通じて保有しております。ポケットカ
ード(株)の当連結会計年度の取込損益には、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)経由の取込損益
を含んでおります。
5 Orchid Alliance Holdings Limitedの取込損益には、付随する税効果等を含めて表示しております。また、当
連結会計年度の取込損益には、CITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失等を含んでおります。
6 C.P. Pokphand Co. Ltd.の前連結会計年度の取込損益には、当社が保有する同社への持分法投資に対する減損
損失等を含んでおります。
7 Chia Tai Enterprises International Limitedの当連結会計年度の取込損益には、当社が保有する同社への持
分法投資に対する減損損失等を含んでおります。
8 各セグメントに含まれている海外現地法人の損益を参考情報として個社別に表示しております。
(6)仕入、成約及び販売の状況
① 仕入の状況
仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。
② 成約の状況
成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。
③ 販売の状況
「(4)セグメント別業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照ください。
(7)流動性と資金の源泉
① 資金調達の方針
当社の資金調達は、金融情勢の変化に対応した機動性の確保と資金コストの低減を目指すとともに、調達の安定性を高めるために長期性の資金調達に努める等、調達構成のバランスを取りながら、調達先の分散や調達方法・手段の多様化を図っております。また、国内子会社の資金調達については原則として親会社及び国内グループ金融統括会社からのグループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についてもシンガポール、英国及び米国の海外グループ金融統括会社を拠点にグループファイナンスを行っております。資金調達を集中することにより、連結ベースでの資金の効率化や資金調達構造の改善に努めております。この結果、当連結会計年度末時点では、連結有利子負債のうち約58%が親会社、国内及び海外グループ金融統括会社による調達となっております。
資金調達手段としては、銀行借入等の間接金融と社債等の直接金融を機動的に活用しております。間接金融については、様々な金融機関と幅広く良好な関係を維持し、必要な資金を安定的に確保しております。直接金融については、国内では、社債発行登録制度に基づき2017年8月から2019年8月までの2年間で3,000億円の新規社債発行枠の登録を行っております。また、資金効率の向上並びに資金コストの低減を目的に、コマーシャル・ペーパーによる資金調達も実施しております。海外では、当社とグループ金融統括会社で合わせて
5,000百万米ドルのユーロ・ミディアムタームノート(Euro MTN)プログラムを保有しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。今後も一層の格付け向上を目指し収益力の強化、財務体質の改善、及びリスクマネジメントの徹底に努めます。
| 長期 | 短期 | |
| 日本格付研究所(JCR) | AA/安定的 (注)1 | J-1+ |
| 格付投資情報センター(R&I) | AA-/安定的(注)2 | a-1+ (注)2 |
| ムーディーズ・インベスターズ・サービス (Moody's) | A3/安定的 | P-2 |
| スタンダード・アンド・プアーズ(S&P) | A/安定的 (注)3 | A-1 (注)3 |
(注)1 2018年8月27日、日本格付研究所(JCR)の長期発行体格付がAA-からAAに格上げされておりま
す。
2 2018年8月20日、格付投資情報センター(R&I)の長期発行体格付がA+からAA-に、短期におい
てはa-1からa-1+に格上げされております。
3 2018年7月13日、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の長期発行体格付がA-からAに、短期
においてはA-2からA-1に格上げされております。
② 有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比2,044億円増加の2兆9,838億円となりました。
現預金控除後のネット有利子負債は、前連結会計年度末比863億円増加の2兆4,068億円となりました。
NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前連結会計年度末の0.87倍から0.82倍へ改善しました。
また、有利子負債合計に占める長期有利子負債比率は、前連結会計年度末の81%から78%へと
3ポイントの減少となりました。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の有利子負債の内訳は、次のとおりです。
| (単位:億円) |
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | |
| 社債及び借入金(短期): | |||
| 銀行借入金等 | 4,634 | 5,487 | 853 |
| コマーシャル・ペーパー | 131 | 305 | 175 |
| 社債 | 504 | 717 | 213 |
| 短期計 | 5,269 | 6,509 | 1,240 |
| 社債及び借入金(長期): | |||
| 銀行借入金等 | 19,497 | 20,234 | 737 |
| 社債 | 3,029 | 3,095 | 66 |
| 長期計 | 22,526 | 23,329 | 803 |
| 有利子負債計 | 27,795 | 29,838 | 2,044 |
| 現金及び現金同等物、定期預金 | 4,591 | 5,771 | 1,180 |
| ネット有利子負債 | 23,204 | 24,068 | 863 |
③ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)及びポケットカード(株)の子会社化等により、前連結会計年度末比1兆4,348億円(16.6%)増加の10兆987億円となりました。
「株主資本」は、配当金の支払及び自己株式の取得があった一方で、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ等により、前連結会計年度末比2,674億円(10.0%)増加の2兆9,369億円となりました。また、株主資本比率は前連結会計年度末比1.7ポイント低下の29.1%となりました。
「株主資本」に「非支配持分」を加えた「資本」は、前連結会計年度末比7,058億円(23.6%)増加の3兆6,901億円となりました。
④ 流動性準備
当社グループは、調達環境の悪化等、不測の事態にも対応しうる流動性準備の確保に努めております。
当連結会計年度末では、短期有利子負債と偶発負債の合計額8,114億円に対し、現金及び現金同等物、定期
預金(合計5,771億円)、コミットメントライン契約の未使用枠(円貨2,000億円、外貨2,000百万米ドル)を
合計した流動性準備の合計額は9,991億円となっており、十分な流動性準備を確保していると考えております。
また、これに加えて、売却可能有価証券等短期間での現金化が可能な資産等を6,177億円保有しております。
| (流動性準備額) (単位:億円) |
| 当連結会計年度末 | ||
| 現金及び現金同等物、定期預金 | 5,771 | |
| コミットメントライン | 4,220 | |
| 合計 | 9,991 |
| (短期有利子負債と偶発負債) (単位:億円) |
| 当連結会計年度末 | |
| 社債及び借入金(短期) | 6,509 |
| 社債及び借入金(長期)(注) | 542 |
| 偶発負債(関連会社及びジョイント・ベンチャー、一般取引先に対する金融保証実保証額) | 1,062 |
| 合計 | 8,114 |
(注)1年以内に期限の到来する社債及び借入金のうち、コミットメントラインに係るものを、連結財政状態
計算書上で「社債及び借入金(長期)」として表示しております。
⑤ 資金の源泉
当社グループにおける資金の源泉に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の売
却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。
なお、当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)期間において、成長投資の着実な実行と高効率経営の継続の方針に基づき、株主還元後実質フリー・
キャッシュ・フロー(注)の黒字継続を目指す方針としております。
(注)「実質営業キャッシュ・フロー」-「ネット投資」-「配当・自己株式取得」
・「実質営業キャッシュ・フロー」=「営業キャッシュ・フロー」-「運転資金等の増減」
・「ネット投資」=「投資キャッシュ・フロー」+「非支配持分との資本取引」-「貸付金の増減」等
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、食料、金属、エネルギー及び情報・通信における営業取引収入の堅調な推移等により、4,766億円のネット入金となりました。
なお、前連結会計年度においては、3,882億円のネット入金でした。
当連結会計年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、主として食料、金属及びエネルギーにおける固定資産の取得等はあったものの、ユニー・ファミリーマートホールディングス(株)の子会社化による現金の受入及びユニー・ファミリーマートホールディングス(株)におけるユニーの売却等により、2,011億円のネット入金となりました。
なお、前連結会計年度においては、2,564億円のネット支払でした。
当連結会計年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、借入金の返済に加え、配当金の支払及び自己株式の取得等により、5,383億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度においては、2,961億円のネット支払でした。
「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末比1,399億円(32.4%)増加の5,720億円となりました。
前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの要約は次のとおりです。
| (単位:億円) |
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 3,882 | 4,766 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,564 | 2,011 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,961 | △5,383 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | △1,643 | 1,394 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 6,056 | 4,321 |
| 為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額 | △92 | 5 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 4,321 | 5,720 |
(8)重要な会計方針
当社の連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、各連結会計年度末日における資産、負債、偶発資産、偶発負債の報告金額及び報告期間における収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。但し、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社の連結財務諸表及び当社におけるすべての事業セグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の経営陣が、将来にわたり、重要な修正を生じさせるリスクを有すると考えている見積り及び仮定は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末における残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」における各項目の注記内容をご参照ください。
・非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値測定
公正価値で測定される資本性金融資産のうち、非上場の銘柄については、投資先と同じ業界に属する上場銘柄の公表情報を参照したマルチプル法、あるいは投資先からの受取配当に係る将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引くことにより公正価値を算定する配当キャッシュ・フロー還元法等により公正価値を測定しております。マルチプル法を適用する場合のマルチプル倍率、あるいは配当キャッシュ・フロー還元法を適用する場合の将来受取キャッシュ・フローの見積り及び割引率は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失の見積り
償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失は、当該資産に係る契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フロー見込額の差額をもとに見積っております。当該資産に係る回収可能なキャッシュ・フロー見込額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、当該資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減
損テストにおいて測定される回収可能価額
有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位における売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・確定給付型退職後給付制度における確定給付制度債務及び制度資産の公正価値測定
確定給付型退職後給付制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債または資産として認識しております。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務及び制度資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・引当金の測定
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日における最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・法人所得税の見積り
法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人所得税と、実際に納付する法人所得税の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人所得税の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
当社の経営陣が、会計方針適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与えると考えている項目は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末における残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」における各項目の注記内容をご参照ください。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲
・デリバティブを除く金融資産における、償却原価で測定される金融資産、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産
への分類
・リースを含む契約の会計処理
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る信用リスクが著しく増大しているかの判断
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テ
スト実施にあたっての資金生成単位の判別
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損の
兆候の有無の評価
・有形固定資産、投資不動産、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損戻入れの兆
候の有無の評価
・引当金の認識
・収益の認識時点及び収益を総額(グロス)で表示するか、純額(ネット)で表示するかの判断
(9)当社における公正取引委員会より排除措置命令を受けた事案への対応策について
当社は、2016年度までに行われた全日本空輸(株)向け制服の販売業務に関して独占禁止法に違反する行為があったとして、2018年7月に、公正取引委員会より独占禁止法第7条第2項に基づく排除措置命令を受けました。また、同年度までに行われた(株)NTTドコモ向け制服の供給業務に関しても独占禁止法に違反する行為があったとして、2018年10月に、公正取引委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令(納付すべき課徴金の額:429万円)を受けました。これらの案件はいずれも、2018年1月及び同年2月に公正取引委員会より排除措置命令を受けた西日本旅客鉄道(株)及び東日本電信電話(株)向け制服の販売業務と同様、2016年度以前に当社が行っていた制服販売業務に関する一連の事案であり、当社の再発防止策の策定及び実行の過程で、それぞれ公正取引委員会の調査開始前に自ら違反行為を取止めたものです。当社は、独占禁止法等遵守に係る社内ルールの整備、違反行為の自主申告の促進及び独占禁止法遵守教育の強化・充実を含む再発防止策を既に策定・実行しており、斯かる取組を通じ、十分かつ効果的な独占禁止法遵守の体制を整備したものと考えております。なお、当社のみならず、当社グループ会社における独占禁止法遵守を含めたコンプライアンスの徹底も図ってまいります。