有価証券報告書-第96期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/19 11:26
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当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要、これらに関する経営者の視点による認識及び分析・検討結果は、次のとおりです。
(1)経済環境
当連結会計年度における世界経済を概観すると、貿易摩擦の激化を主因とする減速傾向から、12月の米中交渉第一段階合意を受けて一時は回復への期待が高まりましたが、新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大するにつれ、企業活動や人の移動の制限により経済活動が制約される等、期末にかけて急速かつ大幅に悪化しました。そうした中で、原油価格(WTIベース/1バレルあたり)は、期初の60ドル台前半から中東情勢の緊張を受けて一時的に上昇した後、世界経済を覆う不透明感により低下傾向で推移し、年末にかけては米中合意や主要産油国の減産拡大等により一時60ドル台を回復したものの、その後は減産協議の決裂や、世界経済の悪化懸念が下押しし期末には20ドル近くまで下落しました。
日本経済は、10月の消費増税直前には駆込み需要もあって個人消費は持直したものの輸出回復の遅れ等から停滞、増税後は台風被害の影響もあって悪化、年明け後には新型コロナウイルスの影響も加わり一段と落込みました。ドル・円相場は、期初の111円から、米中貿易摩擦への懸念を主因に8月には105円付近まで円高が進んだ後、米中合意を受けて2月には112円近くまで円安に振れましたが、その後は新型コロナウイルスの影響で乱高下し、期末は108円台で終えました。日経平均株価は、期初の21,500円から、円高や米国株価の低下を背景に一時20,000円付近まで下落した後、1月には24,000円台を回復しましたが、以降は乱高下し、一時は16,500円台まで下げたものの、期末は19,000円近くで終えました。10年物国債利回りは、欧米中銀の利下げ観測を背景に、期初のマイナス0.07%から8月末にマイナス0.3%付近まで低下、米中合意を受けて一時プラス圏へ上昇した後、期末にかけてゼロ%を挟んだ動きが続きました。
(2)定性的成果
当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2020」において、「連結純利益5,000億円の足場固め」、「累進配当」、「自己株式取得の積極推進」等の定量面、及び「ビジネス次世代化」他の定性面、双方での諸施策を推進してきました。
2019年度における具体的成果は、次のとおりです。
① 繊維カンパニー
ブランドビジネスの更なる多角化
世界初の3Dスキャンによるフルカスタムランニングシューズ等、数多くの革新的な機能を生み出してきた米国ランニングシューズブランド「ブルックス」の独占輸入販売権を取得しました。また、中国における知育・育児関連のコンテンツ配信やライセンス事業等を(株)主婦の友社及び香港のPPW Sports & Entertainment (HK) Limitedと推進しています。ライフスタイルや消費行動がますます多様化する中、今後も「マーケットインの発想」で、ブランドビジネスの更なる多角化に取組んでいきます。
「レニュー(RENU)」プロジェクト始動
繊維業界が抱える廃棄問題の解決を目指すプロジェクト「レニュー(RENU)」を始動させました。第一弾として、残布や使用済みの衣類を原料とする再生ポリエステルの展開を開始、米国高級バッグブランド「ハンティング・ワールド」のボルネオチャリティ コレクション2020にも採用されています。今後も、繊維カンパニーの有する原料から製品までのバリューチェーンを活用しながら、他社には追随できないビジネスモデルの確立に向けて取組んでいきます。
② 機械カンパニー
環境・再生可能エネルギー事業の推進
当社は、同分野を注力分野と位置付け、都市環境整備、温暖化ガスの削減に寄与するプロジェクトをグローバルに推進しています。環境面ではセルビア共和国ベオグラード市との連携により、同国が環境汚染対策として推進する廃棄物処理発電施設の建設工事を開始しました。また、米国の再生可能エネルギー事業への取組も強化しており、米国ミネソタ州・ネブラスカ州で新たに2ヶ所の風力発電プロジェクトに参画する等、取組を更に推進していきます。
建機・建設分野における東京センチュリー(株)との協業推進
当社は、伊藤忠建機(株)の株主に東京センチュリー(株)を迎えて共同経営体制を構築しました。伊藤忠建機(株)は、社名を「伊藤忠TC建機(株)」に変更するとともに、今後、当社と東京センチュリー(株)が持つ多彩なサービス機能並びに国内外の広範なネットワークを活用し、建機・資材の販売・レンタルのみならず、ソフトウェアやサービス、ファイナンス等のあらゆるニーズにワンストップで対応する次世代型総合ソリューション企業を目指していきます。
③ 金属カンパニー
米国North Central Resources, LLC(NCR社)Longview原料炭炭鉱への出資
当社は、米国ウエストバージニア州で開発中のLongview原料炭炭鉱を保有するNorth Central Resources, LLCの持分25%を取得し、本炭鉱から産出される原料炭の独占販売権を有する新設販売会社への参画を決定しました。同炭鉱の生産量は原料炭単一炭鉱としては米国最大級の年間4百万トンを見込み、本件参画及び販売会社の設立を通じて、特に日本・アジアの需要家への安定供給を図っていきます。
④ エネルギー・化学品カンパニー
自社ブランド蓄電池の販売容量が国内シェア第1位に
当社の強みのひとつである蓄電池関連ビジネスにおいては、自社ブランド蓄電池「Smart Star L」の累計販売台数が3万台を突破し、国内市場シェア(※容量ベース)第1位となりました。同分野では、蓄電池製造合弁会社の設立の他、中国での車載用電池の再生事業への参入、欧米・豪州市場への展開推進と2019年度においても着実に面展開を進めています。電力関連ビジネスの組織集約により、更に網羅的な取組態勢が整った2020年度においても、「マーケットインの発想」に根差した取組を一層拡大することで、電力供給の安定化と分散型エネルギー社会の実現に貢献していきます。
エネルギー分野における中長期安定収益基盤の強化
当社は、エネルギー分野において油価等をはじめとする経営環境の変化に耐えうる戦略的な資産ポートフォリオの形成を目指しています。具体的には、サハリン-1、東シベリア、ラスガスLNGプロジェクト等既存上流資産の磨きを進めるとともに2018年に実行したイラク西クルナ1油田権益の取得及び英領北海資産を保有する子会社の売却のような石油・ガス上流資産の入替えも視野に入れ取組んでいます。引続き当社戦略に資する中長期安定収益基盤を強化していきます。
⑤ 食料カンパニー
シエラレオネにおけるパイナップル加工食品の生産
当社は、シエラレオネ共和国においてパイナップルの栽培及びパイナップル加工食品の商業生産を開始すべく、子会社のDoleを通じてSierra Tropical Limitedを設立しました。現地オペレーションはDoleが行う一方、投資に係る資金調達等を当社がサポートしています。生産拠点の多角化によりDoleの誇る世界規模の加工食品事業を更に強力なものとする他、地場産業の育成を通じて雇用増大・生活環境整備を実現し、地域コミュニティに貢献していきます。
豊かな食生活を支える(株)日本アクセス
当社子会社の(株)日本アクセスは、500を超える物流拠点と約10,000台の契約車両を抱える国内トップクラスの食品卸であり、全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストア等に安定的・効率的に商品を送り届けています。また、簡単に美味しく栄養バランスのとれた食事が楽しめる「からだスマイルプロジェクト」シリーズ等、消費者のニーズをとらえたオリジナル商品の開発にも力を入れており、皆様の食卓をますます彩り豊かなものとしていきます。
⑥ 住生活カンパニー
北米建材事業-企業買収による事業会社群の収益力・企業価値向上戦略
当社は、米国フェンス製造卸Jamieson Manufacturing Co.及び米国木製フェンス製造業Reichert Shake & Fencing, Inc.を買収するとともに、単板・木質構造材製造業CIPA LUMBER CO. LTD.(以下、「CIPA社」という。)、Pacific Woodtech Corporation(以下、「PWT社」という。)の一部持分を大建工業(株)に売却し、共同経営を開始しました。
当社は従前から、CIPA社、PWT社、及びフェンス製造・卸業のMASTER-HALCO, Inc.の3社を起点として、主要先進国の中で安定した人口増加が見込まれ、底堅い成長が期待できる北米建材業界の再編を進めてきました。木製フェンス製造業のAlta Forest Products LLCの買収に続き、この度の両社の買収及び大建工業(株)を加えた7社にて業界での当社グループのシェアを拡大させています。
また、当社は買収・再編後の事業会社の経営改善、企業価値向上にも力を入れており、経験豊富な20名超の駐在員を各社に派遣しています。今後は長年にわたり蓄積した当社の知見に加え、日本一の建材メーカーである大建工業(株)の製造業のノウハウも導入しながら、伊藤忠グループ一丸となって北米建材市場における一層の収益力強化・企業価値の向上を目指していきます。
⑦ 情報・金融カンパニー
ウイングアーク1st(株)(ウイングアーク)への戦略的事業投資
当社は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)(以下、「CTC」という。)と共同で、ウイングアーク1st
(株)(以下、「ウイングアーク」という。)の発行済株式の24.5%を取得しました。当社は2018年9月にウイングアークと資本業務提携し、当社の事業ノウハウと、ウイングアークが有する業界屈指のデータ活用技術を組み合わせることにより、企業のデジタル化を支援するデジタルトランスフォーメーション(DX)事業に注力してきました。今回の追加出資により、ウイングアーク及び豊富な顧客基盤を持つCTCと連携し、DX事業の更なる加速と事業領域拡大を目指していきます。
ほけんの窓口グループ(株)(ほけんの窓口)の子会社化
来店型保険ショップ業界最大手であるほけんの窓口グループ(株)(以下、「ほけんの窓口」という。)は、「お客さまにとって最優の会社」を経営理念に掲げ、業界随一の規模(2020年3月末時点で全国762の店舗網)と独自の社員教育システムに支えられたサービス品質を兼ね備えた保険ショップのリーディングカンパニーです。ほけんの窓口の子会社化を通じて、同社の経営理念に沿った顧客向けサービスの一層の品質向上と事業成長を支援するとともに、豊富な消費者接点を持つほけんの窓口との連携を深め、「マーケットインの発想」による当社グループの事業拡大を目指していきます。
⑧ 第8カンパニー
(株)ファミリーマートとのデジタル戦略共同推進
当社子会社の(株)ファミリーマートは、2019年7月、毎日のファミリーマートでのお買い物を便利で楽しくする機能を備えたオールインワンアプリ「ファミペイ」をリリースし、ダウンロード数は既に515万に達しています。当社は、(株)ファミリーマートと共同で、ファミペイをベースにポイントや決済を通じて“便利さ”を追求する“デジタル戦略”を推進し、購買情報やお客様との接点を活用した広告・マーケティング、金融サービス等の新規事業展開・拡大を進めていきます。
(3)業績の状況
① 収益
当連結会計年度の「収益」は、エネルギー・化学品はエネルギー関連事業及び化学品関連取引の販売価格下落及び取引減少等により減収、住生活は国内物流施設開発案件の取引減少及び海外子会社の持分法投資への変更等により減収、繊維は暖冬及び新型コロナウイルスの影響等によるアパレル関連事業の販売不振に加え、繊維原料等を含む全般的な低迷により減収となり、一方、食料は食糧関連取引の減少はあったものの、プリマハム(株)の子会社化等により増収となりましたが、全体としては前連結会計年度比6,175億円(5.3%)減収の10兆9,830億円となりました。なお、「商品販売等に係る収益」は9兆7,390億円、「役務提供及びロイヤルティ取引に係る収益」は1兆2,440億円となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の「売上総利益」は、第8は前第2四半期連結会計期間の(株)ファミリーマートの子会社化により増益、情報・金融は伊藤忠テクノソリューションズ(株)の堅調な推移に加え、前第2四半期連結会計期間のポケットカード(株)の子会社化等により増益、食料はDoleの青果物販売価格の下落はあったものの、(株)日本アクセスの堅調な推移及びプリマハム(株)の子会社化等により増益、金属は石炭価格の下落はあったものの、鉄鉱石価格の上昇等により増益となり、全体としては前連結会計年度比2,340億円(15.0%)増益の1兆7,978億円となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の「販売費及び一般管理費」は、前第2四半期連結会計期間の(株)ファミリーマート及びポケットカード(株)の子会社化の影響に加え、プリマハム(株)の子会社化の影響等により、前連結会計年度比1,876億円(15.7%)増加の1兆3,809億円となりました。
④ 貸倒損失
当連結会計年度の「貸倒損失」は、海外債権に対する引当金及び前第2四半期連結会計期間のポケットカード(株)の子会社化に伴う増加等により、前連結会計年度比84億円増加の174億円(損失)となりました。
⑤ 有価証券損益
当連結会計年度の「有価証券損益」は、前連結会計年度の(株)ファミリーマートの子会社化に伴う再評価益及び北海油田開発事業の売却益の反動により、住生活の海外事業の一部売却に伴う利益及びプリマハム(株)の子会社化に伴う再評価益等はあったものの、前連結会計年度比1,452億円(71.5%)減少の578億円(利益)となりました。
⑥ 固定資産に係る損益
当連結会計年度の「固定資産に係る損益」は、(株)ファミリーマートやDoleでの減損損失はあったものの、土地、物流倉庫の売却益等により、前連結会計年度比76億円改善の44億円(損失)となりました。
⑦ その他の損益
当連結会計年度の「その他の損益」は、為替損益の悪化及び取引先に対する返還金による損失等により、前連結会計年度比121億円悪化の14億円(損失)となりました。
⑧ 金融収支(「受取利息」・「支払利息」・「受取配当金」の合計額)
当連結会計年度の金融収支は、前連結会計年度比100億円増加の441億円(利益)となりました。
このうち「受取利息」及び「支払利息」の合計である金利収支は、新会計基準(IFRS第16号「リース」)適用の影響及び前第2四半期連結会計期間の(株)ファミリーマートの子会社化等により前連結会計年度比81億円悪化の223億円(費用)となり、「受取配当金」は、鉄鉱石関連投資からの配当の増加等により、前連結会計年度比181億円(37.4%)増加の665億円となりました。
⑨ 持分法による投資損益
当連結会計年度の「持分法による投資損益」は、その他及び修正消去(注)は前連結会計年度のCITIC Limitedに対する投資に係る減損損失の反動等により増加となり、一方、住生活はパルプ市況下落によるITOCHU FIBRE LIMITED(欧州パルプ事業)の取込損益減少に加え、日伯紙パルプ資源開発(株)での減損損失等により減少、第8は前第2四半期連結会計期間の(株)ファミリーマートの子会社化により減少となりましたが、全体としては前連結会計年度比1,078億円(109.9%)増加の2,059億円(利益)となりました。
なお、主な持分法適用会社の業績については、後述「(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績」をご参照ください。
(注)「その他及び修正消去」は、各事業セグメントに帰属しない損益及びセグメント間の内部取引消去が含ま
れております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」を
ご参照ください。
⑩ 当社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、「税引前利益」は、前連結会計年度比60億円(0.9%)増益の7,014億円となりました。「法人所得税費用」は、堅調な利益拡大及び前連結会計年度の金融関連事業に係る税金費用減少の反動はあったものの、資源案件に係る税金費用の減少に加え、前連結会計年度の(株)ファミリーマートの子会社化に伴う再評価益に係る税金費用増加の反動等により、前連結会計年度比75億円(5.0%)減少の1,422億円となり、「税引前利益」7,014億円から「法人所得税費用」1,422億円を控除した「当期純利益」は、前連結会計年度比135億円(2.5%)増益の5,592億円となりました。このうち、「非支配持分に帰属する当期純利益」579億円(利益)を控除した「当社株主に帰属する当期純利益」は、前連結会計年度比8億円(0.2%)増益の5,013億円となりました。
⑪ 日本の会計慣行に基づく「営業利益」
当連結会計年度の「営業利益」(「売上総利益」・「販売費及び一般管理費」・「貸倒損失」の合計)は、第8は前第2四半期連結会計期間の(株)ファミリーマートの子会社化により増益、金属は石炭価格の下落はあったものの、鉄鉱石価格の上昇等により増益となり、一方、繊維は暖冬及び新型コロナウイルスの影響等によるアパレル関連事業の販売不振に加え、繊維原料等を含む全般的な低迷及び海外債権に対する引当金等により減益となりましたが、全体としては前連結会計年度比379億円(10.5%)増益の3,994億円となりました。
(4)セグメント別業績
当連結会計年度の、事業セグメント別の業績は次のとおりです。当社は8つのディビジョンカンパニーにより以下の区分にて、事業セグメント別業績を記載しております。
なお、2019年7月1日付で、「第8カンパニー」を新設し、従来の7つのディビジョンカンパニーを8つのディビジョンカンパニーに改編しております。これに伴い、前連結会計年度及び前連結会計年度末の数値について組替えて記載しております。
① 繊維カンパニー
収益(セグメント間内部収益を除く。以下同様。)は、暖冬及び新型コロナウイルスの影響等によるアパレル関連事業の販売不振に加え、繊維原料等を含む全般的な低迷により、前連結会計年度比561億円(9.5%)減収の5,374億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比114億円(9.6%)減益の1,075億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、暖冬及び新型コロナウイルスの影響等によるアパレル関連事業の販売不振に加え、繊維原料等を含め全般的に低迷。海外債権に対する引当金及び前連結会計年度の海外アパレル関連事業の売却益の反動もあり、前連結会計年度比207億円(69.5%)減益の91億円となりました。セグメント別資産は、販売不振に伴う営業債権の減少等により、前連結会計年度末比761億円(14.4%)減少の4,511億円となりました。
② 機械カンパニー
収益は、船舶関連取引の堅調な推移はあったものの、前連結会計年度の航空機関連の大口取引の反動等により、前連結会計年度比103億円(0.8%)減収の1兆2,125億円となりました。売上総利益は、伊藤忠TC建機(株)の持分法投資への変更はあったものの、(株)ヤナセの採算改善や船舶関連取引の堅調な推移等により、前連結会計年度比11億円(0.6%)増益の1,949億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、海外事業の減損損失はあったものの、(株)ヤナセの採算改善や船舶関連取引の堅調な推移に加え、前連結会計年度の北米IPP事業に係る関連損失の反動等により、前連結会計年度比96億円(20.5%)増益の567億円となりました。セグメント別資産は、伊藤忠TC建機(株)の持分法投資への変更による減少はあったものの、棚卸資産の増加及び新会計基準適用の影響等により、前連結会計年度末比274億円(2.3%)増加の1兆2,077億円となりました。
③ 金属カンパニー
収益は、鉄鉱石価格の上昇はあったものの、石炭価格及び鉄スクラップ価格の下落等により、前連結会計年度比222億円(3.3%)減収の6,439億円となりました。売上総利益は、石炭価格の下落はあったものの、鉄鉱石価格の上昇等により、前連結会計年度比224億円(27.0%)増益の1,052億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、石炭価格の下落はあったものの、鉄鉱石価格の上昇に加え、ブラジル鉄鉱石事業の受取配当金の増加及び資源案件に係る税金費用の減少等により、前連結会計年度比326億円(41.4%)増益の1,114億円となりました。セグメント別資産は、円高による海外資源関連資産の減少等により、前連結会計年度末比444億円(5.3%)減少の8,000億円となりました。
④ エネルギー・化学品カンパニー
収益は、エネルギー関連事業及び化学品関連取引の販売価格下落及び取引減少等により、前連結会計年度比5,212億円(16.7%)減収の2兆6,032億円となりました。売上総利益は、前第3四半期連結会計期間の北海油田開発事業の売却はあったものの、ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.の船積数量の増加に加え、伊藤忠エネクス(株)の採算改善等により、前連結会計年度比13億円(0.6%)増益の2,179億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.の船積数量の増加に加え、タキロンシーアイ(株)の固定資産売却に伴う利益はあったものの、前連結会計年度の北海油田開発事業の売却益の反動や石油化学関連事業及び日本南サハ石油(株)の取込損益減少等により、前連結会計年度比166億円(21.2%)減益の617億円となりました。セグメント別資産は、新会計基準適用の影響による増加はあったものの、化学品関連取引での販売価格下落や取引数量減少に加え、エネルギートレーディング取引での油価下落による営業債権の減少等により、前連結会計年度末比515億円(4.0%)減少の1兆2,372億円となりました。
⑤ 食料カンパニー
収益は、食糧関連取引の減少はあったものの、プリマハム(株)の子会社化等により、前連結会計年度比581億円(1.5%)増収の3兆8,283億円となりました。売上総利益は、Doleの青果物販売価格の下落はあったものの、(株)日本アクセスの堅調な推移及びプリマハム(株)の子会社化等により、前連結会計年度比254億円(9.1%)増益の3,040億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、Doleの青果物販売価格の下落や加工食品事業のコスト増加及び減損損失に加え、北米穀物関連事業の天候影響等による取込損益の減少はあったものの、(株)日本アクセスの堅調な推移及びプリマハム(株)の子会社化に伴う再評価益等により、前連結会計年度比36億円(7.8%)増益の499億円となりました。セグメント別資産は、前連結会計年度末休日要因の反動による営業債権の減少はあったものの、プリマハム(株)の子会社化及び新会計基準適用の影響等により、前連結会計年度末比1,249億円(7.6%)増加の1兆7,653億円となりました。
⑥ 住生活カンパニー
収益は、国内物流施設開発案件の取引減少及び海外子会社の持分法投資への変更等により、前連結会計年度比820億円(9.2%)減収の8,081億円となりました。売上総利益は、北米設備資材関連事業の採算改善はあったものの、国内物流施設開発案件の取引減少及び海外子会社の持分法投資への変更等により、前連結会計年度比71億円(4.3%)減益の1,570億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、北米設備資材関連事業の採算改善やEuropean Tyre Enterprise Limited(欧州タイヤ関連事業)の堅調な推移に加え、海外事業の一部売却及び伊藤忠ロジスティクス(株)の一過性利益はあったものの、パルプ市況の下落及び国内物流施設開発案件の取引減少に加え、日伯紙パルプ資源開発(株)での減損損失等により、前連結会計年度比76億円(12.2%)減益の550億円となりました。セグメント別資産は、前連結会計年度末休日要因の反動及び円高の影響による営業債権の減少はあったものの、新会計基準適用の影響等により、前連結会計年度末比268億円(2.7%)増加の1兆75億円となりました。
⑦ 情報・金融カンパニー
収益は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の取引増加に加え、前第2四半期連結会計期間のポケットカード(株)の子会社化等により、前連結会計年度比230億円(3.2%)増収の7,511億円となりました。売上総利益は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の堅調な推移に加え、前第2四半期連結会計期間のポケットカード(株)の子会社化等により、前連結会計年度比419億円(20.2%)増益の2,497億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、伊藤忠テクノソリューションズ(株)の堅調な推移に加え、国内事業の一部売却に伴う利益及び国内保険関連事業の子会社化に伴う再評価益はあったものの、ファンド運用益の減少及び前連結会計年度の一過性利益の反動等により、前連結会計年度比43億円(6.4%)減益の625億円となりました。セグメント別資産は、国内保険関連事業の子会社化及び新会計基準適用の影響等により、前連結会計年度末比1,151億円(10.5%)増加の1兆2,083億円となりました。
⑧ 第8カンパニー
収益は、前第2四半期連結会計期間の(株)ファミリーマートの子会社化により、前連結会計年度比204億円(4.1%)増収の5,169億円となりました。売上総利益は、上記と同様の理由により、前連結会計年度比1,548億円(50.7%)増益の4,599億円となりました。当社株主に帰属する当期純利益は、(株)ファミリーマートの堅調な推移及び税金費用の減少はあったものの、前連結会計年度の一過性利益の反動及び前第4四半期連結会計期間のユニー(株)売却の影響に加え、割増退職金の計上等により、前連結会計年度比1,408億円(84.4%)減益の261億円となりました。セグメント別資産は、主として新会計基準適用の影響により、前連結会計年度末比6,020億円(35.6%)増加の2兆2,936億円となりました。
⑨ その他及び修正消去
当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度のCITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失の反動等により、前連結会計年度比1,450億円好転の690億円となりました。
(5)主な子会社及び持分法適用会社の業績
① 黒字・赤字会社別損益及び黒字会社比率
黒字・赤字会社別損益(単位:億円)

前連結会計年度当連結会計年度増減
黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計
事業会社損益
(海外現地法人含む)
5,453△1,0744,3794,711△2594,452△74281573

黒字会社比率
前連結会計年度当連結会計年度増減
黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計黒字会社赤字会社合計
連結子会社会社数
比率(%)
192
94.6
11
5.4
203
100.0
181
89.2
22
10.8
203
100.0
△11
△5.4
11
5.4
0
持分法適用会社会社数
比率(%)
70
79.5
18
20.5
88
100.0
75
87.2
11
12.8
86
100.0
5
7.7
△7
△7.7
△2
合計会社数
比率(%)
262
90.0
29
10.0
291
100.0
256
88.6
33
11.4
289
100.0
△6
△1.5
4
1.5
△2

(注)会社数には、親会社の一部と考えられる投資会社(157社)及び当社もしくは当社の海外現地法人が直接投資している会社を除くその他の会社(520社)を含めておりません。
当連結会計年度の事業会社損益は、前連結会計年度比73億円増加の4,452億円の利益となりました。
黒字会社損益は、鉄鉱石価格の上昇等があったITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltdの増益等はあったものの、前連結会計年度の(株)ファミリーマートの子会社化に伴う再評価益の計上の反動等により、前連結会計年度比742億円減少の4,711億円の利益となりました。一方、赤字会社損益は、前連結会計年度のCITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失の反動等により、前連結会計年度比815億円改善の259億円の損失となりました。
黒字会社比率(連結対象会社数に占める黒字会社数の比率)については、前連結会計年度の90.0%から1.5ポイント悪化の88.6%となりました。
② 主な関係会社損益
(単位:億円)
取込
比率(%)
取込損益(注)1
前連結
会計年度
当連結
会計年度
繊維㈱ジョイックスコーポレーション100.0128
㈱デサント40.012△14
㈱エドウイン98.5△8△13
㈱三景100.01915
ITOCHU Textile Prominent (ASIA) Ltd.100.0114
伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司100.01111
機械東京センチュリー㈱25.8126142
I-Power Investment Inc.100.0△5818
I-ENVIRONMENT INVESTMENTS LIMITED100.01012
伊藤忠プランテック㈱ (注)2100.01421
㈱アイメックス100.0168
㈱ジャムコ33.461
日本エアロスペース㈱100.01216
㈱ヤナセ66.01130
Auto Investment Inc.100.035
伊藤忠TC建機㈱ (注)350.063
伊藤忠マシンテクノス㈱100.01414
センチュリーメディカル㈱100.076
MULTIQUIP INC.100.02828
金属ITOCHU Minerals & Energy of Australia Pty Ltd100.0601834
JAPÃO BRASIL MINÉRIO DE FERRO PARTICIPAÇÕES LTDA. (注)477.31794
ITOCHU Coal Americas Inc.100.02011
伊藤忠丸紅鉄鋼㈱50.0121112
伊藤忠メタルズ㈱ (注)2100.01618
エネルギー・化学品ITOCHU Oil Exploration (Azerbaijan) Inc.100.03349
ITOCHU PETROLEUM CO., (SINGAPORE) PTE. LTD.100.057
伊藤忠エネクス㈱54.06569
日本南サハ石油㈱25.09177
伊藤忠ケミカルフロンティア㈱100.05244
伊藤忠プラスチックス㈱ (注)2100.03841
タキロンシーアイ㈱51.42964
食料Dole International Holdings㈱100.078△2
㈱日本アクセス (注)2100.0116138
不二製油グループ本社㈱34.53051
プリマハム㈱42.53239
伊藤忠食品㈱52.21720
HYLIFE GROUP HOLDINGS LTD.49.92730

(単位:億円)
取込
比率(%)
取込損益(注)1
前連結
会計年度
当連結
会計年度
住生活European Tyre Enterprise Limited100.04262
ITOCHU FIBRE LIMITED100.016119
日伯紙パルプ資源開発㈱33.373△71
伊藤忠紙パルプ㈱ (注)2100.0911
伊藤忠セラテック㈱100.075
伊藤忠ロジスティクス㈱ (注)2100.03151
伊藤忠建材㈱100.02929
大建工業㈱35.01319
伊藤忠都市開発㈱100.02924
情報・金融伊藤忠テクノソリューションズ㈱58.2142166
㈱ベルシステム24ホールディングス40.81218
コネクシオ㈱60.34040
伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱ (注)563.014
ほけんの窓口グループ㈱59.02028
ポケットカード㈱ (注)2,663.13942
㈱オリエントコーポレーション16.54237
First Response Finance Ltd.100.01114
ITOCHU FINANCE (ASIA) LTD.100.02735
第8㈱ファミリーマート (注)750.2173175
その他及び
修正消去
Orchid Alliance Holdings Limited (注)8100.0△850664
C.P. Pokphand Co. Ltd.23.85571
Chia Tai Enterprises International Limited (注)923.8△294

(参考)
海外現地法人
(注)10
伊藤忠インターナショナル会社100.0129108
伊藤忠欧州会社100.06935
伊藤忠(中国)集団有限公司100.04627
伊藤忠香港会社100.06156
伊藤忠シンガポール会社100.0291

(注)1 取込損益には、IFRS修正後の数値を記載しておりますので、各社が公表している数値とは異なる場合があります。
2 取込損益には、第8カンパニーの取込損益を含んでおります。
3 当社は、伊藤忠TC建機㈱の発行済株式の50%を、2019年7月1日に東京センチュリー㈱に譲渡いたしました。また、同日付で伊藤忠TC建機㈱は伊藤忠建機㈱から社名を変更しております。
4 当社は、日伯鉄鉱石㈱を通じてJAPÃO BRASIL MINÉRIO DE FERRO PARTICIPAÇÕES LTDA.(以下、「JBMF」という。)を保有しておりましたが、当第3四半期連結会計期間より当社が直接JBMFを保有しております。前連結会計年度の取込損益には日伯鉄鉱石㈱の取込損益を、当連結会計年度の取込損益には当第2四半期連結累計期間の日伯鉄鉱石㈱の取込損益と当第3四半期連結会計期間以降のJBMFの取込損益を合算して表示しております。
5 当連結会計年度の取込損益は、傘下の㈱スカパーJSATホールディングスの決算公表が未了であるため開示を控えております。
6 当社は、ポケットカード㈱を当社子会社の㈱マネーコミュニケーションズ(2020年4月1日付で㈱PCHに社名変更)及び㈱ファミリーマートを通じて保有しております。同社の取込損益には、㈱ファミリーマート経由の取込損益を含んでおります。
7 前連結会計年度の取込損益には、㈱ファミリーマートの子会社化に伴う再評価益等(税効果控除後1,412億円)を含んでおりません。また、同社の取込損益には、ポケットカード㈱の取込損益を含んでおります。
8 Orchid Alliance Holdings Limitedの取込損益には、付随する税効果等を含めて表示しております。また、前連結会計年度の取込損益には、CITIC Limitedに対する持分法投資に係る減損損失等を含んでおります。
9 Chia Tai Enterprises International Limitedの当連結会計年度の取込損益には、当社が保有する同社への持分法投資に対する減損損失等を含んでおります。
10 各セグメントに含まれている海外現地法人の損益を参考情報として表示しております。
(6)仕入、成約及び販売の状況 ① 仕入の状況
仕入と販売との差異は僅少なため、仕入高の記載は省略しております。
② 成約の状況
成約と販売との差異は僅少なため、成約高の記載は省略しております。
③ 販売の状況
「(4)セグメント別業績」及び「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 4 セグメント情報」をご参照くださ
い。
(7)流動性と資金の源泉
① 資金調達の方針
当社の資金調達は、金融情勢の変化に対応した機動性の確保と資金コストの低減を目指すとともに、調達の安定性を高めるために長期性の資金調達に努める等、調達構成のバランスを取りながら、調達先の分散や調達方法・手段の多様化を図っております。また、国内子会社の資金調達については原則として親会社及び国内グループ金融統括会社からのグループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についてもシンガポール、英国及び米国の海外グループ金融統括会社を拠点にグループファイナンスを行っております。資金調達を集中することにより、連結ベースでの資金の効率化や資金調達構造の改善に努めております。この結果、当連結会計年度末時点では、連結有利子負債のうち約59%が親会社、国内及び海外グループ金融統括会社による調達と
なっております。
新型コロナウイルス影響の世界規模での拡散を受け、金融市場では不透明感が増しておりますが、当社グループは、コミットメントラインを含め十分な流動性を確保していると考えております。
資金調達手段としては、銀行借入等の間接金融と社債等の直接金融を機動的に活用しております。間接金融については、様々な金融機関と幅広く良好な関係を維持し、必要な資金を安定的に確保しております。直接金融については、国内では、社債発行登録制度に基づき2019年8月から2021年8月までの2年間で3,000億円の新規社債発行枠の登録を行っております。また、資金効率の向上並びに資金コストの低減を目的に、コマーシャル・ペーパーによる資金調達も実施しております。海外では、当社とグループ金融統括会社で合わせて
5,000百万米ドルのユーロ・ミディアムタームノート(Euro MTN)プログラムを保有しております。 当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりです。今後も一層の格付け向上を目指し収益力の強化、財務体質の改善、及びリスクマネジメントの徹底に努めます。
長期短期
日本格付研究所(JCR)AA/安定的J-1+
格付投資情報センター(R&I)AA-/安定的a-1+
ムーディーズ・インベスターズ・サービス
(Moody's)
A3/安定的P-2
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)A/安定的A-1

② 有利子負債
当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比1,069億円減少の2兆8,770億円となりました。
現預金控除後のネット有利子負債は、前連結会計年度末比1,499億円減少の2兆2,569億円となりました。
NET DER(ネット有利子負債対株主資本倍率)は、前連結会計年度末の0.82倍から0.75倍へ改善しました。
また、有利子負債合計に占める長期有利子負債比率は、前連結会計年度末の78%から76%へと
2ポイントの減少となりました。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の有利子負債の内訳は、次のとおりです。
(単位:億円)
前連結会計年度末当連結会計年度末増減
社債及び借入金(短期):
銀行借入金等5,4875,741254
コマーシャル・ペーパー30532015
社債71778366
短期計6,5096,844335
社債及び借入金(長期):
銀行借入金等20,23419,536△698
社債3,0952,390△706
長期計23,32921,926△1,404
有利子負債計29,83828,770△1,069
現金及び現金同等物、定期預金5,7716,201430
ネット有利子負債24,06822,569△1,499

③ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、円高に伴う為替影響や前連結会計年度末休日要因の反動等による営業債権の減少はあったものの、新会計基準適用の影響及びプリマハム(株)の子会社化等により、前連結会計年度末比8,209億円(8.1%)増加の10兆9,196億円となりました。
「株主資本」は、配当金の支払及び自己株式の取得に加え、円高に伴う為替影響や保有株式の公正価値下落による減少はあったものの、当社株主に帰属する当期純利益の積上げ等により、前連結会計年度末比590億円(2.0%)増加の2兆9,960億円となりました。また、株主資本比率は前連結会計年度末比1.6ポイント低下の27.4%となりました。
「株主資本」に「非支配持分」を加えた「資本」は、前連結会計年度末比1,505億円(4.1%)増加の3兆8,406億円となりました。
④ 流動性準備
当社グループは、調達環境の悪化等、不測の事態にも対応しうる流動性準備の確保に努めております。
当連結会計年度末では、短期有利子負債と偶発負債の合計額8,463億円に対し、現金及び現金同等物、定期
預金(合計6,201億円)、コミットメントライン契約の未使用枠(円貨2,000億円、外貨1,700百万米ドル)を
合計した流動性準備の合計額は1兆51億円となっており、十分な流動性準備を確保していると考えております。
また、これに加えて、売却可能有価証券等短期間での現金化が可能な資産等を6,046億円保有しております。
(流動性準備額) (単位:億円)

当連結会計年度末
現金及び現金同等物、定期預金6,201
コミットメントライン3,850
合計10,051

(短期有利子負債と偶発負債) (単位:億円)

当連結会計年度末
社債及び借入金(短期)6,844
社債及び借入金(長期)(注)526
偶発負債(関連会社及びジョイント・ベンチャー、一般取引先に対する金融保証実保証額)1,093
合計8,463

(注)1年以内に期限の到来する社債及び借入金のうち、コミットメントラインに係るものを、連結財政状態
計算書上で「社債及び借入金(長期)」として表示しております。
⑤ 資金の源泉
当社グループの主な資金需要には、営業活動上の運転資金に加え、投資及び有形固定資産の取得等があります。当社グループの資金の源泉に対する基本的な考え方は、新規投資の資金を、営業取引収入、資産の売
却・回収、及び財務健全性を維持しながら借入金や社債等により調達することで賄うというものです。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経営環境の急激な変化を踏まえ、2020年度は足元を固める1年として、守りの財務を前提にしたキャッシュアロケーションを行います。
当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、第8、金属、エネルギー・化学品及び食料の営業取引収入の堅調な推移等により、8,781億円のネット入金となりました。
なお、前連結会計年度は、4,766億円のネット入金でした。
当連結会計年度の「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、第8での投資の取得に加え、機械での東京センチュリー(株)の第三者割当増資引受及び住生活での北米設備資材関連事業の取得並びに情報・金融でのソフトウェア関連事業への投資実行等により、2,488億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度は、2,011億円のネット入金でした。
当連結会計年度の「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、借入金及びリース負債の返済に加え、配当金の支払及び自己株式の取得等により、5,755億円のネット支払となりました。
なお、前連結会計年度は、5,383億円のネット支払でした。
「現金及び現金同等物」は、前連結会計年度末比392億円(6.9%)増加の6,112億円となりました。
前連結会計年度及び当連結会計年度のキャッシュ・フローの要約は次のとおりです。
(単位:億円)

前連結会計年度当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー4,7668,781
投資活動によるキャッシュ・フロー2,011△2,488
財務活動によるキャッシュ・フロー△5,383△5,755
現金及び現金同等物の増減額1,394539
現金及び現金同等物の期首残高4,3215,720
為替相場の変動による現金及び現金同等物への影響額5△147
現金及び現金同等物の期末残高5,7206,112

(8)重要な会計方針
当社の連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、各連結会計年度末日の資産、負債、偶発資産、偶発負債の報告金額及び報告期間の収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、仮定及び判断を使用することが必要となります。当社の経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、仮定及び判断を、過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。但し、これらの見積り、仮定及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。この差異は、当社の連結財務諸表及び当社のすべての事業セグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、地域や業種によって異なるものの、全体としては2020年度において第1四半期に最も大きな影響を受け、第2四半期にかけて若干緩和しながら、第3四半期以後は一定の収束を迎えるものとの前提のもとで見込んでおります。
当社の経営陣が、将来にわたり、重要な修正を生じさせるリスクを有すると考えている見積り及び仮定は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末の残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照ください。
・非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値測定
公正価値で測定される資本性金融資産のうち、非上場の銘柄については、投資先と同じ業界に属する上場銘柄の公表情報を参照したマルチプル法、あるいは投資先からの受取配当に係る将来キャッシュ・フロー見積額を現在価値に割引くことにより公正価値を算定する配当キャッシュ・フロー還元法等により公正価値を測定しております。マルチプル法を適用する場合のマルチプル倍率、あるいは配当キャッシュ・フロー還元法を適用する場合の将来受取キャッシュ・フローの見積り及び割引率は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、非上場の公正価値で測定される資本性金融資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失の見積り
償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る予想信用損失は、当該資産に係る契約上のキャッシュ・フローと回収可能なキャッシュ・フロー見込額の差額をもとに見積っております。当該資産に係る回収可能なキャッシュ・フロー見込額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、当該資産に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減
損テストにおいて測定される回収可能価額
有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テストにおいて、資金生成単位を判別したうえで、当該資金生成単位の売却費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高いほうを回収可能価額として測定しております。当該売却費用控除後の公正価値算定上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資金生成単位の使用期間中及び使用後の処分により見込まれる将来
キャッシュ・フロー、割引率等の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社投資及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損損失額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・確定給付型退職後給付制度の確定給付制度債務及び制度資産の公正価値測定
確定給付型退職後給付制度については、確定給付制度債務と制度資産の公正価値の純額を負債または資産として認識しております。確定給付制度債務は、年金数理計算により算定しており、年金数理計算の前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率等の見積りが含まれております。これら前提条件は、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定しております。これら年金数理計算の前提条件には将来の不確実な経済環境あるいは社会情勢の変動等によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、確定給付制度債務及び制度資産の公正価値の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・引当金の測定
引当金は、将来において債務の決済に要すると見込まれる支出の期末日での最善の見積りに基づいて測定しております。将来において債務の決済に要すると見込まれる支出額は、将来の起こりうる結果を総合的に勘案して算定しております。これら引当金の測定において使用される仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、引当金の測定額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
・法人所得税の見積り
法人所得税の算定に際しては、税法規定の解釈や過去の税務調査の経緯等、様々な要因について見積り及び判断が必要となります。そのため、各期末において見積った法人所得税と、実際に納付する法人所得税の金額とが異なる可能性があり、その場合、翌年度以降の法人所得税の計上額に重要な影響を与える可能性があります。また、繰延税金資産については、将来減算一時差異等を利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲内で認識しておりますが、当該回収可能性の判断は、当社及び子会社の事業計画に基づいて決定した各将来事業年度の課税所得の見積りを前提としております。当該将来事業年度の課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来にわたり、繰延税金資産の計上額に重要な修正を生じさせるリスクを有しております。
当社の経営陣が、会計方針適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与えると考えている項目は、主として次のとおりです。なお、下記に掲げる各項目に関連する資産及び負債の当連結会計年度末の残高については、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記」の各項目の注記内容をご参照ください。
・子会社、関連会社及びジョイント・ベンチャーの範囲
・デリバティブを除く金融資産の、償却原価で測定される金融資産、FVTOCI金融資産及びFVTPL金融資産
への分類
・リースを含む契約の会計処理
・償却原価で測定される金融資産及び負債性のFVTOCI金融資産に係る信用リスクが著しく増大しているかの判断
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損テ
スト実施にあたっての資金生成単位の判別
・有形固定資産、投資不動産、のれん、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損の
兆候の有無の評価
・有形固定資産、投資不動産、無形資産、関連会社及びジョイント・ベンチャーへの投資に係る減損戻入れの兆
候の有無の評価
・引当金の認識
・収益の認識時点及び収益を総額(グロス)で表示するか、純額(ネット)で表示するかの判断

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