四半期報告書-第100期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 10:33
【資料】
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【項目】
18項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営環境
当第3四半期連結累計期間の世界経済を概観しますと、世界的な新型コロナウイルス感染症の再拡大により、各国の感染拡大状況及び政府施策は異なるものの、回復基調であった経済は再び停滞感が強まりました。
米国経済は、各州政府の活動規制の強化に伴い、個人消費、雇用回復ペースが鈍化し、回復傾向であった製造業も停滞基調となりました。また、大統領選の混迷により米国社会の分断リスクが高まりました。欧州経済は、新型コロナウイルスの感染再拡大による英国のロックダウンをはじめ、各国が行った厳格な活動制限により個人消費が低迷し、景気回復は抑制されました。また、EUと英国間で難航していた新協定の交渉は離脱移行期間内での合意となり、懸念されていた混乱は回避されました。中国経済は、米国の対中政策による貿易摩擦や輸出先の消費回復の鈍さはあるものの、生産活動や輸出入が堅調で感染拡大前の水準近くまで回復しました。新興国経済は、依然感染拡大収束の目途が立たず、引き続き景気後退となりました。
こうした中、わが国経済は、回復基調であった米中向けを中心とした輸出が減少しました。非製造業も回復が見込まれていたものの感染再拡大に伴うGo To トラベルキャンペーン停止等により停滞しました。個人消費の回復も鈍く、インバウンド需要の低迷も継続し、景気の持ち直しは限定的となりました。
②セグメント別の事業活動
(Ⅰ)金属
循環型静脈事業におけるIT技術活用を目的に、資源循環の最適化に向けたITソリューション・情報管理
サービスを提供する株式会社JEMSへ、2020年8月に出資しました。使用後の製品を回収・処理・再資源化
するためのサプライチェーン最適化や海外展開の支援に向けて、引き続き同社との協業を進めていきます。
(Resources & Environment分野)
(Ⅱ)グローバル部品・ロジスティクス
燃料電池の販売拡大を目的に、500W以下の小型燃料電池における製造・販売世界シェアNo.1メーカーで
あるドイツのSFC Energy AGと、日本での独占販売契約を、2020年9月に締結しました。今後、燃料電池の
販売先及び用途の多角化を進めていきます。(Resources & Environment分野)
(Ⅲ)自動車
アジアでの自動車アフターマーケット事業の拡大を目的に、Toyota Tsusho Asia Pacific Pte. Ltd.が
2019年12月にBinter & Co. Pte. Ltd.と共同で設立したToyotsu Binter Automotive Parts Pte. Ltd.は、
2020年10月、タイヤメーカーより新規に3ヵ国の正式代理店認定を受ける等、取引地域及び取扱部品の拡大
による事業展開を推進しています。(Mobility分野)
(Ⅳ)機械・エネルギー・プラントプロジェクト
エジプトでの電力供給の安定化と効率化を目的に、エジプトの電機大手Elsewedy Electric S.A.E.と共同
で、エジプト電力・再生可能エネルギー省傘下のエジプト電力持株会社及び北カイロ配電公社より、配電シ
ステムを高度化する事業を、2020年11月に受注しました。2023年半ばのシステムの稼働に向けて、配電設備
の更新・増強等に取り組んでいきます。(Resources & Environment分野)
(Ⅴ)化学品・エレクトロニクス
空港利用者の利便性向上と地域振興を目的に、仙台空港において、超小型電気自動車「COMS(コムス)」
を活用した観光型MaaS事業である「エアポートCOMS」の提供を、2020年10月より開始しました。(Mobility
分野)
(Ⅵ)食料・生活産業
医療の安全性向上・品質向上・効率化への貢献を目的に、株式会社アルムとの業務提携契約を、2020年12
月に締結しました。同社の医療関係者間向けクラウドプラットフォームを活用して、豊田通商がインドで運
営するSAKRA WORLD HOSPITALとCFAO SASの子会社がアフリカで運営するクリニックEuracareを繋ぎ、両施設
間での医療連携及び遠隔診療サポートを開始します。(Life & Community分野)
(Ⅶ)アフリカ
自動車の現地生産を目的に、車両生産会社TOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITEDを設立し、ガーナにおいて日本企業で初となる車両組立事業者の認可を、2020年10月に取得しました。2021年半ばの稼
働開始に向けて準備を進めています。(Mobility分野)
③当四半期連結累計期間の経営成績
当社グループの当第3四半期連結累計期間の収益は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による自動車生産関連の取り扱い及び自動車販売の減少等により、前年同四半期連結累計期間を6,132億円(12.1%)下回る4兆4,469億円となりました。
利益につきましては、営業活動に係る利益は売上総利益の減少等により、前年同四半期連結累計期間を207億円(12.6%)下回る1,433億円となりました。四半期利益(親会社の所有者に帰属)は営業活動に係る利益の減少に加え、機械・エネルギー・プラントプロジェクト本部における前期関連会社株式売却益の影響等により、前年同四半期連結累計期間を272億円(23.3%)下回る893億円となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(Ⅰ)金属
四半期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車生産関連の取り扱い減少等により、前年同四半期連結累計期間を22億円(14.7%)下回る125億円となりました。
(Ⅱ)グローバル部品・ロジスティクス
四半期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車部品の取り扱い減少等により、前年同四半期連結累計期間を62億円(32.4%)下回る129億円となりました。
(Ⅲ)自動車
四半期利益(親会社の所有者に帰属)については、海外自動車販売会社の取扱台数減少等により、前年同四半期連結累計期間を58億円(42.1%)下回る80億円となりました。
(Ⅳ)機械・エネルギー・プラントプロジェクト
四半期利益(親会社の所有者に帰属)については、前期電力事業における関連会社株式売却益の影響及び持分法による投資損益の減少等により、前年同四半期連結累計期間を165億円(50.1%)下回る163億円となりました。
(Ⅴ)化学品・エレクトロニクス
四半期利益(親会社の所有者に帰属)については、持分法による投資損益の増加等により、前年同四半期連結累計期間を55億円(37.4%)上回る202億円となりました。
(Ⅵ)食料・生活産業
四半期利益(親会社の所有者に帰属)については、穀物事業の需要増加及び前期食品事業における減損の影響等により、前年同四半期連結累計期間を26億円(72.7%)上回る61億円となりました。
(Ⅶ)アフリカ
四半期利益(親会社の所有者に帰属)については、自動車販売の減少等により、前年同四半期連結累計期間を41億円(36.2%)下回る71億円となりました。
④財政状態に関する説明
資産につきましては、その他の投資で1,441億円増加、及び現金及び現金同等物で1,130億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,122億円増加の4兆8,574億円となりました。また、資本につきましては、その他の資本の構成要素が960億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,505億円増加の1兆5,229億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、営業活動及び財務活動による増加、投資活動による減少等により6,093億円となり、前連結会計年度末より1,130億円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、営業活動による資金の増加は2,080億円(前年同四半期連結累計期間比405億円の収入増加)となりました。これは、税引前四半期利益等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、投資活動による資金の減少は1,032億円(前年同四半期連結累計期間比268億円の支出減少)となりました。これは、有形固定資産の取得等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、財務活動による資金の増加は112億円(前年同四半期連結累計期間比
403億円の収入増加)となりました。これは、借入金が増加したこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、特記すべき事項はありません。