有価証券報告書-第105期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 13:11
【資料】
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【項目】
158項目
(1)業績等の概要
①経営環境
当連結会計年度の世界経済を概観いたしますと、米国の関税措置に端を発する通商政策の不透明感が年間を通じて影を落としましたが、景気は概ね堅調を維持いたしました。一方で、中東やウクライナでの紛争による緊張が不確実性と結び付き、原油や天然ガス等、エネルギーの供給懸念が高まる等、世界経済の見通しへ重石となりました。
米国経済は、良好な所得環境と株高による資産効果を背景に、年度前半では堅調な個人消費に支えられ高い成長を記録したものの、年度後半には関税引き上げに伴う物価上昇や雇用情勢の悪化等が個人消費を下押しし、景気拡大ペースは鈍化いたしました。欧州経済は、米国の関税措置が輸出の重石となったものの、好調な観光業や底堅い民間消費が下支えし、持ち直しの動きが見られました。中国経済は、2025年通年での経済成長率は政府目標を達成したものの、不動産市場や耐久消費財の買い替え等の内需を中心に停滞感が強く、実勢では景気は弱含みました。新興国経済は、内需が堅調なインドやAIブーム等を背景に対米輸出が拡大したベトナムを中心に堅調に推移するも、米国の関税措置により先行き不透明感が残りました。
こうした中、わが国経済は、米国の通商政策等による影響が残るものの、1月の実質賃金ではプラスに転じる等、緩やかに回復いたしました。一方、中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰、円安加速による物価高の継続、日中関係の緊張等、今後に懸念も残りました。
②セグメント別の事業活動
(Ⅰ)メタル+(Plus)
2025年4月に、CO₂排出量が従来よりも極めて少ない方法で製造される「グリーンスチール」の原料となる電解鉄を製造する、米国のElectra Steel Inc.に出資いたしました。鉄鋼業界において製造工程での脱炭素化が重要な課題となる中、本出資を通じて鉄鋼業界及び自動車業界におけるグリーンスチールの普及を支援しております。2025年8月に開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)においてもナミビア政府と覚書を締結する等、持続可能で一貫したサプライチェーンの構築を加速してまいります。
(Ⅱ)サーキュラーエコノミー
2025年7月に、米国Radius Recycling, Inc.(以下「Radius社」という。)の全株式の取得を完了し、完全子会社化いたしました。Radius社は米国、カナダ等に100か所を超える再生資源回収拠点に加え、米国オレゴン州に電炉を保有しております。これらのRadius社の強みと当社が長年培ってきた「再資源化機能」「再資源化技術」「品質管理・クローズドループの構築」を融合し、「金属スクラップ」「ELV(使用済み自動車)」「車載用電池」の3領域を中心にシナジーを創出することで、循環型静脈事業の更なる拡大を図るとともに、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速してまいります。
(Ⅲ)サプライチェーン
2026年2月に、㈱アイシン、Minth Group Limited、当社の3社は、米国市場における車載用アルミボデー骨格部品の供給体制強化を目的として、カナダ・オンタリオ州にアルミボデー骨格部品の生産を行う合弁会社ATM Automotive Parts Inc.を設立いたしました。アルミ押出成形技術によって製造される、バッテリーEVやプラグインハイブリッド車に搭載される電池を安全かつ効率的に保持・固定するための構造部品の需要は着実に増加しております。両社の技術・ノウハウを融合し、更に合弁会社の運営に当社が加わることで、米国において高品質かつ高効率なものづくりを実現し、競争力のある生産体制の確立を図ってまいります。
(Ⅳ)モビリティ
当社は、2026年2月に、オーストラリアにおいて中古車の買取・販売事業を展開するMCT Automotive Group Pty Ltdを、現地法人であるToyota Tsusho (Australasia) Pty. Ltd.を通じて買収いたしました。同国の中古車市場は、継続的な人口増加を背景に、今後も堅調な需要拡大が見込まれております。今回の完全子会社化を通じて、当社がこれまで培ってきたモビリティ・バリューチェーンの知見・ノウハウとMCT Automotive Group Pty Ltdのオンラインを活用した買取・販売の強みを最大限活用し、お客様の安心・安全なカーライフの実現に貢献してまいります。
(Ⅴ)グリーンインフラ
当社グループで再生可能エネルギー事業を手掛ける㈱ユーラスエナジーホールディングスは、2025年4月にテラスエナジー㈱と経営統合し、国内でNo.1の風力・太陽光の発電容量を有する発電事業者となりました。また、「再エネや蓄電池を統合制御するサービスプラットフォーム」や「お客様に安定的に再エネを届ける仕組み」を構築し、再エネを「つくる」だけでなく、「集める・整える」「届ける」までバリューチェーンを拡大し、カーボンニュートラルの実現に貢献してまいります。
(Ⅵ)デジタルソリューション
当社と当社グループの㈱ユーラスエナジーホールディングスは、送電網の負荷軽減、再生可能エネルギーの導入拡大と地産地消の促進、更にデータセンターの地方分散に貢献し、地域におけるエネルギーとデジタルインフラの新たな価値創出を実現するため、北海道稚内市において、風力発電由来の再生可能エネルギーを活用したグリーンデータセンター事業「宗谷グリーンデータセンターI」を開始いたします。本事業では、ユーラスエナジーグループが運営する樺岡ウインドファームに隣接するデータセンターを建設し、樺岡ウインドファーム直結で「生グリーン電力」を供給いたします。2026年4月に着工し、2027年中の本格稼働を目指してまいります。
(Ⅶ)ライフスタイル
2026年3月に、当社は第34回地球環境大賞において、「日本経済団体連合会会長賞」を受賞いたしました。廃漁網を100%再生したナイロン素材ブランド「NetPlus®」を活用した資源循環事業において、米国のBureo Inc.及び千葉県のEllange㈱と協働し、日本における廃漁網リサイクルスキームを推進する取り組みが、本表彰制度での受賞につながりました。当社は、2023年にBureo Inc.へ出資し、「NetPlus®」の販路構築や製品開発等、商用パートナーとして協働しております。今後は、日本国内で生産されるリサイクルナイロン素材を幅広い産業へ展開し、商品化を進めることで、海洋汚染改善、資源循環の推進及び温室効果ガス排出量削減への貢献を目指してまいります。
(Ⅷ)アフリカ
2025年12月に、CFAO SAS傘下のTOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITEDは、ガーナにおけるトヨタ自動車㈱及び日野自動車㈱の代理店事業を譲り受けました。これにより、アフリカにおける当社グループによる直営のトヨタ自動車㈱の代理店は36カ国目となります。TOYOTA TSUSHO MANUFACTURING GHANA CO. LIMITEDは、車両組立に加え、販売機能を新たに有することで、製造から販売までを担っております。今後、アフターサービスや保険事業を含むモビリティバリューチェーンの強化を通じ、ガーナ及びアフリカにおける持続的な事業成長を目指してまいります。
③業績
(単位:億円)
前連結会計年度
(2025年3月期)
当連結会計年度
(2026年3月期)
増減
収益103,095115,61912,524
売上総利益11,21112,6441,433
営業活動に係る利益4,9715,452481
当期利益(親会社所有者帰属)3,6253,70580
総資産70,57485,23614,662

(2)仕入、成約及び販売の実績
①仕入の実績
仕入と販売との差額は僅少であるため、記載は省略しております。
②成約の実績
成約と販売との差額は僅少であるため、記載は省略しております。
③販売の実績
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ③業績」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記4.セグメント情報」を参照してください。
(3)経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しております。また、重要な見積り及び判断については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4)重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の収益は、自動車販売の増加及び自動車生産関連の取り扱い増加等により、前連結会計年度を1兆2,524億円(12.1%)上回る11兆5,619億円となりました。
利益につきましては、営業活動に係る利益は、販売費及び一般管理費の増加の一方で、売上総利益の増加等により、前連結会計年度を481億円(9.7%)上回る5,452億円となりました。当期利益(親会社の所有者に帰属)は、営業活動に係る利益の増加等により、前連結会計年度を80億円(2.2%)上回る3,705億円となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
(Ⅰ)メタル+(Plus)
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、北米を中心とした自動車生産関連の取り扱い増加の一方で、鋼材価格の下落等により、前連結会計年度を3億円(0.7%)下回る431億円となりました。
(Ⅱ)サーキュラーエコノミー
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、資源市況の上昇の一方で、一過性要因等により、前連結会計年度を21億円(4.5%)下回る448億円となりました。
(Ⅲ)サプライチェーン
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、豪亜を中心とした自動車部品の取り扱い増加等により、前連結会計年度を36億円(7.2%)上回る528億円となりました。
(Ⅳ)モビリティ
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、豪亜を中心とした海外自動車販売台数増加等により、前連結会計年度を66億円(11.5%)上回る639億円となりました。
(Ⅴ)グリーンインフラ
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、国内発電事業における一過性損失等により、前連結会計年度を186億円(51.0%)下回る179億円となりました。
(Ⅵ)デジタルソリューション
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、デバイス関連の取り扱い増加及びICT事業における案件増加等により、前連結会計年度を32億円(10.5%)上回る339億円となりました。
(Ⅶ)ライフスタイル
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、国内不動産事業における一過性利益等により、前連結会計年度を54億円(34.6%)上回る207億円となりました。
(Ⅷ)アフリカ
当期利益(親会社の所有者に帰属)については、西アフリカ地域を中心とした自動車販売台数増加等により、前連結会計年度を145億円(18.2%)上回る940億円となりました。
次期の業績の見通しにつきましては、当期利益(親会社の所有者に帰属)は4,000億円となる見込みであります。
③財政状態
資産につきましては、現金及び現金同等物で4,519億円、棚卸資産で4,444億円、有形固定資産で2,769億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1兆4,662億円増加の8兆5,236億円となりました。また、資本につきましては、FVTOCIの金融資産が752億円減少した一方で、当期利益(親会社の所有者に帰属)等により利益剰余金が4,460億円、在外営業活動体の換算差額が1,490億円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5,553億円増加の3兆3,011億円となりました。
その結果、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は37.0%、ネットDERは0.3倍となりました。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による増加、投資活動及び財務活動による減少等により1兆4,037億円となり、前連結会計年度末より4,519億円の増加となりました。資金の増減額は前連結会計年度と比べて3,207億円の増加となっており、この主な増加または減少要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動による資金の増加は4,611億円となりました。これは税引前利益等によるものであります。前連結会計年度比では507億円の収入減少となりましたが、これは主に運転資本が1,714億円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動による資金の減少は281億円となりました。これは有形固定資産及び子会社の取得による支出等によるものであります。前連結会計年度比では957億円の支出減少となりましたが、これは主に投資の売却等による収入が2,502億円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは4,330億円の資金の増加となりました。前連結会計年度比では450億円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動による資金の減少は332億円となりました。これは主に配当金の支払いによる支出等によるものであります。前連結会計年度比では2,758億円の支出減少となりました。
(b)財務戦略
当社グループでは、財務健全性を維持した安定的成長を目指して、「資産の効率化」と「資産の内容に見
合った調達」を柱とする財務戦略を推進しております。
「資産の効率化」については、“最小限の資金で最大限の利益確保”を目指し、売掛債権回収の早期化、在庫の削減等による運転資本の効率化や不稼動・非効率固定資産の削減など、資金の効率化を進めております。これらの活動により得られる資金を、より将来性の高い事業への投資や、有利子負債の圧縮に充当することにしており、“企業価値の向上”と“財務の健全性向上”の両立を目指しております。
一方、「資産の内容に見合った調達」については、固定資産は長期借入金と株主資本でカバーし、運転資本は短期借入金でカバーすることを原則としておりますが、同時に運転資本の底溜り部分も長期資金でまかなうことを方針としております。また、連結ベースでの資金管理体制については、親会社からの国内グループファイナンスに一元化するとともに、海外子会社の資金調達についても、アジア及び欧米の海外現地法人などにおいて集中して資金調達を行い、子会社への資金供給をするというキャッシュマネジメントシステムを活用したグループファイナンスを行うことで、連結ベースでの資金の効率化に努め、資金管理体制の更なる充実を図っております。更には、当社グループの資金調達の安全のため、マルチカレンシー・リボルビング・ファシリティー(複数通貨協調融資枠)等を設定するなど、不測の事態にも対応できるように備えております。
今後の資金調達について、当社グループの営業活動が生み出すキャッシュ・フロー、資産の内容、経済情勢、金融環境などを考慮し、資産の一層の効率化と安定的な資金調達に対応していきたいと考えております。
当連結会計年度末の流動比率は連結ベースで160%となっており、流動性の点で当社の財務健全性を維持しております。また、当社及び連結子会社では、主として現預金及び上述コミットメントラインの設定により、十分な流動性を確保しております。
当連結会計年度末時点での当社の長期及び短期の信用格付けは次のとおりであります。
長期短期
格付投資情報センター(R&I)AA-(安定的)a-1+
スタンダード&プアーズ(S&P)A(安定的)A-1
ムーディーズ(Moody's)A3(安定的)-

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