有価証券報告書-第78期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/26 14:20
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158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当社グループの主な事業領域は、生産財と消費財であり、「設備投資」と「個人消費」の動向が業績に影響を及ぼします。
当社グループを取り巻く事業環境として、国内の自動車産業においては、半導体や部品の需給バランスの改善等の影響で生産台数が回復したものの、中小企業の生産現場への影響は依然として限定的な状態で、全体として厳しい状況となりました。また、半導体産業ではAI・パワー半導体への投資が期待されますが、設備投資は踊り場の状況が続いており、当連結会計年度においては活発な設備投資には至りませんでした。一方で、人手不足対策として自動化・省人化へのニーズが様々な産業で高まりを見せました。海外においては、北米では製造業全般における景況感が弱含みで推移しており、金融引き締めに伴う資金調達環境悪化の影響等から全体として設備投資は低迷しました。中国では世界の貿易構造の変化により輸出型産業向けの受注が減少し、不動産市場の低迷等を背景に国内需要が停滞するなど、依然先行きが不透明な状況です。ASEANでは一部の地域では半導体の需要回復の遅れの影響が見られる一方、企業の設備投資が好調な地域もあり、各地で様々な環境の変化がありました。
国内の個人消費については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う行動制限の緩和や政府の観光支援策の影響から経済活動に回復が見られましたが、原材料や電気・ガス価格の高騰及び円安基調の継続等によって様々な分野の商品やサービスの値上げが行われたことにより、耐久消費財に対する節約志向や商品の選別傾向は依然として強く、消費の回復は力強さを欠く状況です。
また、住宅産業においては、新設住宅着工戸数が持家を中心に依然としてダウントレンドでありますが、住宅設備機器の更新需要は前年並みに推移しました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は506,866百万円(前期比3.9%減)となりました。利益面につきましては、営業利益は9,887百万円(同、40.3%減)、経常利益は10,435百万円(同、39.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,488百万円(同、48.2%減)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
[生産財関連事業]
国内生産財事業では、自動車産業においては新たな投資への活発な動きが見られず、半導体産業でも需要回復が遅れていること等により、工作機械の売上は厳しい結果となりました。切削工具等の消耗品全般に関しても前期の実績を下回りましたが、生産現場の労働負荷軽減や安全衛生につながる電動工具や脚立足場等の作業用品は好調に推移しました。また、都市部の再開発、公共インフラの更新需要が高まりを見せる中、鋼材加工業では人手不足問題や幅広い加工対応と生産性改善に寄与する高単価のフルオートマシン導入が増え、インフラ関連機器の販売は好調に推移しました。営業活動としては、中小製造業の生産性向上を目的として、工作機械の販売においては、自動化・省人化設備の提案等に取り組み、切削工具等の販売においては、技術営業担当者による加工改善や治具等の提案を強化しました。このほか、環境改善機器の受注獲得に向けて「脱炭素」をテーマにした商談会を各地で実施する等、顧客の需要喚起に努めました。また、機械・金属関連製造業のみならず、三品(食品・医薬品・化粧品)産業や物流・倉庫業等のユーザーの自動化・省人化ニーズに対し、展示会等を通じて協働ロボットを活用した自動化ライン等のソリューション提案を精力的に行う等、顧客接点を増やす様々な取組みを行いました。また、「地域経済活性化のためのリアルプラットフォーム」として当社が企画する大型展示商談会を各地で開催することで、受注を獲得するとともに顧客との関係性をより深めました。
海外生産財事業は、北米支社では、設備投資意欲の低迷の影響を受けたものの、医療・航空産業向け部品加工ユーザーへの工作機械の売上が堅調に推移し、さらにメキシコでは昨今増加している他地域からの生産拠点移設への対応を行うことで前期の実績を大きく上回りました。台湾支社では、主要産業である電子・半導体産業等の需要減の影響により、工作機械の販売が引き続き低迷しました。中国支社では、輸出型産業向けの売上が低調であったことに加え、前年好調に推移していたEV業界向け設備投資が一巡したこと、堅調に推移していた太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー業界向けの売上の伸びが鈍化したこと等により、前期を下回る結果となりました。アセアン支社では、半導体の需要回復の遅れの影響等を受けた地域がある一方、インドネシア・インドにおいては、自動車をはじめとした様々な分野への売上が好調に推移しました。(注)
その結果、生産財関連事業の売上高は328,662百万円(前期比6.9%減)となりました。
(注)営業地域及び顧客属性ごとに事業を区分したビジネスユニットを支社と称しております。
[消費財関連事業]
[住建事業]
住建事業は、需要が停滞する状況の中、光熱費高騰による消費者の節約志向に対応した高付加価値商材の提案に注力した結果、太陽光発電、蓄電池等の販売が堅調に推移しました。また、非住宅分野の開拓にも積極的に取り組み、中小企業のカーボンニュートラル対応に向け環境商材と施工をセットにした設備改修提案を強化したこと等により、販売が堅調に推移しました。中でも、自家消費型の太陽光発電と蓄電池のセット提案を展開し、脱炭素化とともに企業の光熱費削減へのニーズに対応した営業活動に注力しました。
その結果、住建事業の売上高は71,842百万円(前期比5.6%増)となりました。
[家庭機器事業]
家庭機器事業は、外出自粛及びテレワーク拡大による「巣ごもり」需要が一巡し、原材料や電気・ガス価格の高騰、円安基調の継続等に伴う商品やサービスの価格上昇等が、生活用品への購買意欲にマイナスの影響を与えました。そのような状況の中、消費者ニーズを捉えたスピーディーな商品開発とラインアップの強化に取り組み、様々なメディアを活用した情報発信を積極的に展開しYAMAZENブランドの浸透を図った結果、プライベートブランド商品の販売は堅調に推移しました。中でも扇風機・サーキュレーター・調理家電・AV家電等、独自性のある付加価値を持った家電は前期を上回る実績となりました。また、新たな市場開拓を目指し2022年5月からスタートした法人・個人事業主向け自社ECサイト「山善ビズコム」においても、売上高・会員数が順調に伸長しました。
その結果、家庭機器事業の売上高は101,119百万円(前期比0.4%増)となりました。
②生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産財、住設建材及び家庭機器製品の販売を主たる事業としておりますので、生産実績については、記載を省略しております。
また、受注実績については、特定分野の受注実績の把握にとどまるため、記載を省略しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
生産財関連事業328,66293.1
住建事業71,842105.6
家庭機器事業101,119100.4
消費財関連事業172,962102.5
報告セグメント計501,62496.1
その他 (注)25,24198.6
報告セグメント以外計5,24198.6
合計506,86696.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.事業セグメントに識別されないサービス事業であります。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における経営成績は、生産財関連事業は国内の自動車産業や半導体産業において設備投資が振るわず、また、中国の景気減速もあり、厳しい状況となりました。消費財関連事業においては、原材料・エネルギー価格の高騰や円安の影響による商品やサービスの値上げにより、生活用品への個人消費の回復は力強さを欠く状況でしたが、住宅設備機器については、消費者の節約志向に対応した太陽光発電、蓄電池等の販売が好調でした。
売上高は、生産財関連事業における厳しい経営環境を受け、506,866百万円(前期比3.9%減)となりました。なお、セグメント別の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
売上総利益は、売上高の減少に伴い前連結会計年度から3,882百万円減少し、74,397百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に新基幹システム等の稼働に伴う減価償却費や支払手数料の増加により、前連結会計年度より2,793百万円増加し、64,509百万円(前期比4.5%増)となりました。
上記の結果、営業利益は、前連結会計年度から6,676百万円減少し、9,887百万円(前期比40.3%減)となりました。また、売上高営業利益率は、2.0%となりました。
営業外損益(純額)は、受取配当金や投資事業組合運用益の計上により、548百万円となりました。
経常利益は、前連結会計年度より6,845百万円減少し、10,435百万円(前期比39.6%減)となりました。また、売上高経常利益率は、2.1%となりました。
特別損益(純額)は、投資有価証券売却益や評価損、構造改革費用を計上した結果、△57百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から6,955百万円減少し、10,378百万円(前期比40.1%減)となり、法人税等合計額3,732百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益156百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から6,038百万円減少し、6,488百万円(前期比48.2%減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,085百万円増加し、294,973百万円となりました。これは、現金及び預金の増加(9,350百万円)、売上債権(受取手形、売掛金、電子記録債権)の増加(2,080百万円)、商品及び製品の減少(5,596百万円)、有価証券の減少(2,401百万円)、年金資産運用益の発生等による退職給付に係る資産の増加(3,215百万円)が主な要因であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,774百万円減少し、162,356百万円となりました。これは、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の減少(3,164百万円)や繰延税金負債の増加(1,790百万円)が主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ8,859百万円増加し、132,617百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加(2,928百万円)、為替換算調整勘定の増加(2,878百万円)や退職給付に係る調整額の増加(1,602百万円)が主な要因であります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の42.6%から44.6%と2.0ポイント向上いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー7,76511,1563,390
投資活動によるキャッシュ・フロー△3,297△9272,370
財務活動によるキャッシュ・フロー△5,177△4,765411
現金及び現金同等物に係る換算差額6841,8851,200
現金及び現金同等物の増減額△247,3487,373
現金及び現金同等物期首残高81,15381,128△24
現金及び現金同等物期末残高81,12888,4777,348

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,348百万円増加し、88,477百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、償却前営業利益の計上や棚卸資産圧縮による運転資本の減少により、11,156百万円の収入(前年同期は7,765百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、基幹システムや物流システム関連の有形及び無形固定資産の取得支出や有価証券の償還収入により、927百万円の支出(前年同期は3,297百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により、4,765百万円の支出(前年同期は5,177百万円の支出)となりました。
④目標とする経営指標の達成状況
当社グループは、3ヵ年中期経営計画「CROSSING YAMAZEN 2024」において、持続的な企業価値向上を実現するため、自己資本利益率(ROE)、基礎的営業キャッシュ・フロー※、自己資本比率を重要な経営指標と捉えております。
※基礎的営業キャッシュ・フロー:会計上の営業キャッシュ・フローから運転資本増減の影響を控除したキャッシュ・フロー
経営指標78期(目標)
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
78期(実績)
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
自己資本利益率(ROE)9.0%5.1%
基礎的営業キャッシュ・フロー14,000百万円10,626百万円
自己資本比率40.0%~45.0%44.6%

なお、当社は2024年5月14日開催の取締役会において、2022年5月19日に公表いたしました中期経営計画「CROSSING YAMAZEN 2024」の最終年度となる79期(2025年3月期)の数値目標につきまして、直近の業績動向を踏まえて下記の通り修正することを決議いたしました。
経営指標79期(当初計画)
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
79期(修正計画)
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
自己資本利益率(ROE)10.0%5.8%
基礎的営業キャッシュ・フロー18,000百万円12,000百万円
自己資本比率40~45%40~45%

⑤資本の財源及び資金の流動性
ⅰ)資金需要について
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金及び事業の維持・拡大のための設備投資資金、そして配当金の支払等であります。これらの資金需要に対しては、主に自己資金(手元資金及び営業活動により獲得した資金)を充当しております。また、既存事業とのシナジー効果が期待できるM&Aを含め、今後においても当社グループの持続的成長につながる投資を積極的に行ってまいります。所要資金については、主に自己資金を充当する予定でありますが、投資規模、投資件数、資金調達に関する諸条件等を総合的に検討し、金融機関からの借入等により調達した資金を一部充当する可能性もございます。
ⅱ)資金の流動性について
当社グループは、取引先からの信頼を維持・獲得するために財務の健全性をより強化し、また、事業遂行に伴う支払債務を履行するのに十分な流動性を確保することの重要性を認識しております。連結ベースの流動比率は、運転資本の最適化により、前連結会計年度末は165.5%、当連結会計年度末は172.3%と相応の水準を維持しており、十分な流動性と健全性を確保しているものと判断しております。
当社は、短期資金に関しては、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しており、金融・資本市場における不測の事態や急な資金需要が発生した場合に備えるため、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性補完を確保しております。さらに、格付投資情報センター(R&I)及び日本格付研究所(JCR)の2社から発行体格付けを継続的に取得し、本報告書提出時点における、両者により付与された発行体格付は、R&I:A-、JCR:Aとなっており、中長期資金に関しても、多様な調達手段の選択が可能な環境を確保できているものと判断しております。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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