有価証券報告書-第80期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/15 14:19
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当社グループの主な事業領域は、生産財と消費財であり、「設備投資」と「個人消費」の動向が業績に影響を及ぼします。
当社グループを取り巻く事業環境として、国内の自動車製造業においては、当社のエンドユーザーである中小製造業の新規設備投資は総じて鈍い動きとなりました。一方で、人手不足対策である自動化・省人化へのニーズは高く、またエネルギー価格の高止まりを背景とした省エネ関連の設備投資も堅調に推移しました。
海外においては、北米市場では上半期は関税負担と高金利による影響のため、設備投資を控える動きがあったものの、下半期は防衛・航空宇宙・発電の各産業において回復が見られ、自動車産業も回復基調にあります。中国では、政府の景気刺激策や製造業再投資促進策が設備投資を後押ししました。ASEAN地域では、国内製造業のほか、他地域からの生産移管に伴う設備投資需要が活発化しました。台湾では、下半期からAI・半導体関連の需要が高まりを見せています。
国内の個人消費については、所得環境の改善がみられる一方、物価上昇に賃上げが追い付かず、耐久消費財に対する節約志向や商品の選別傾向が継続しました。住宅産業においては、新設住宅着工戸数は持家を中心に減少傾向にあるものの、省エネ需要の高まりにより住宅設備機器の更新需要は堅調に推移しました。
このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は541,885百万円(前期比5.0%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は12,041百万円(同、26.3%増)、経常利益は13,010百万円(同、29.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,330百万円(同、18.9%増)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。
[生産財関連事業]
当連結会計年度における国内生産財事業では、自動車産業においては中小製造業の投資活動が伸び悩み、自動車部品加工メーカー向け工作機械の売上は前年をやや下回りました。切削工具等の消耗品に関しては、中小製造業の設備投資動向の影響を受けましたが、生産現場で使用される様々な作業用品、小型機器の販売が堅調でした。また、自動化・省人化ニーズに対応し、作業負荷軽減に資する機器や、労働環境改善を目的とした環境改善機器等の売上も順調に推移しました。
営業活動としては工作機械の販売では、好調な造船・航空・防衛等の産業へのアプローチに加え、中堅・中小企業を対象にした大規模成長投資補助金等を活用した提案営業を積極的に行いました。また、第4四半期には回復が鮮明な半導体装置の部品メーカー等での需要を取り込み、受注は好調に推移しております。切削・補要工具等の販売においては、電子取引を拡大することで取引先の利便性と業務効率の向上を推進しております。また、「地域経済活性化のためのリアルプラットフォーム」として当社が企画する大型展示商談会を各地で開催することで、受注を獲得するとともに顧客との関係性をより深めました。新たな業界への展開・強化に向けては、業務効率化・省力化を主なテーマに各地の展示会への出展を強化するとともに、製造・物流現場の自動化ソリューションの提案を強化する等、製造現場の課題解決と需要喚起に努めました。さらに、需要の高まりを見せるヒューマノイドロボットの社会実装を加速するべく、コンソーシアム「J-HRTI(ジェイハーティ)」に参画しております。
海外生産財事業は、第3四半期までは支社ごとに好不調の波がありましたが、通期では全支社で前年実績を上回りました。北米支社では、一般産業の低迷を航空・宇宙産業・発電・データセンター関連等の需要で補い、台湾支社はAI・半導体関連の需要回復を機敏に捉え、第3四半期までの遅れを挽回しました。中国支社においては外資系企業の撤退が続く中、内需企業の需要を取り込み、アセアン支社では国内需要に加え、他国からの生産移管需要を取り込み、それぞれ当連結会計年度を通じて堅調に推移しました。(注)
また、「グローバル展開の加速」に向け、拠点を拡充するとともに、本年2月にマレーシアの工作機械商社である「CK Mac Global Sdn.Bhd.」の親会社である「株式会社AtoG1」の全株式を、同年3月にはインドネシアの機械工具商社である「PT. Somagede Indonesia」の全株式を取得することにより、両社を子会社化いたしました。
以上の結果、生産財関連事業の売上高は349,218百万円(前期比4.8%増)となりました。
(注)営業地域及び顧客属性ごとに事業を区分したビジネスユニットを支社と称しております。
[消費財関連事業]
[住建事業]
住建事業においては、猛暑や省エネ改修需要等の影響により空調設備の売上が好調に推移しました。さらに光熱費の高止まりが継続する中、消費者の節約志向に対応した高付加価値商材の提案に注力した結果、給湯機器等の販売も伸長しました。また、非住宅分野の開拓にも積極的に取り組み、中小企業のカーボンニュートラル対応及び光熱費削減へのニーズに向け、環境商材と施工をセットにした設備改修提案を強化したこと等により、販売が好調に推移しました。
その結果、住建事業の売上高は87,403百万円(前期比11.2%増)となりました。
[家庭機器事業]
家庭機器事業のプライベートブランド商品は、消費者の声を分析したマーケティング活動等を踏まえた迅速な企画・開発によりラインアップを拡充するとともに、SNS等を活用した情報発信を通じてYAMAZENブランドの浸透を図っております。当期においては、昨夏の猛暑の影響により、ファン付ウェアや移動式エアコンの販売が好調に推移したことに加え、販路別ではECの伸長が寄与し、増収となりました。販売チャネルの拡大を狙った法人・個人事業主向け自社ECサイト「山善ビズコム」においても、売上高・会員数が順調に伸長しました。
その結果、家庭機器事業の売上高は101,560百万円(前期比0.7%増)となりました。
②生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産財、住設建材及び家庭機器製品の販売を主たる事業としておりますので、生産実績については、記載を省略しております。
また、受注実績については、特定分野の受注実績の把握にとどまるため、記載を省略しております。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
生産財関連事業349,218104.8
住建事業87,403111.2
家庭機器事業101,560100.7
消費財関連事業188,964105.3
報告セグメント計538,182105.0
その他 (注)23,702108.4
報告セグメント以外計3,702108.4
合計541,885105.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.事業セグメントに識別されないサービス事業であります。
(2)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における経営成績は、生産財関連事業・消費財関連事業ともに前連結会計年度を上回る結果となりました。
売上高は、海外における設備投資需要の増加や空調・給湯機器をはじめとする住宅設備の販売が堅調に推移し、前連結会計年度より25,759百万円増加し、541,885百万円(前期比5.0%増)となりました。なお、セグメント別の概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
売上総利益は、売上高の増加に伴い前連結会計年度から6,058百万円増加し、83,028百万円(前期比7.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費や支払手数料の増加により、前連結会計年度より3,552百万円増加し、70,986百万円(前期比5.3%増)となりました。
上記の結果、営業利益は、前連結会計年度から2,505百万円増加し、12,041百万円(前期比26.3%増)となりました。また、売上高営業利益率は、前期に比べ0.4ポイント向上し2.2%となりました。
営業外損益(純額)は、受取利息・配当金等の計上により、968百万円となりました。
経常利益は、前連結会計年度より2,991百万円増加し、13,010百万円(前期比29.9%増)となりました。また、売上高経常利益率は、前期に比べ0.5ポイント向上し2.4%となりました。
特別損益(純額)は、投資有価証券売却益等を計上した結果、1,182百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から1,936百万円増加し、14,192百万円(前期比15.8%増)となり、法人税等合計額4,561百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益300百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から1,485百万円増加し、9,330百万円(前期比18.9%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ59,724百万円増加し、351,990百万円となりました。これは、現金及び預金の増加(23,838百万円)、売上債権(受取手形、売掛金、電子記録債権)の増加(6,873百万円)、商品及び製品の増加(1,836百万円)、短期の満期保有目的債券や非連結子会社株式の取得による有価証券・投資有価証券の増加(19,361百万円)、退職給付に係る資産の増加(3,044百万円)、関係会社貸付金等の増加によるその他流動資産の増加(4,577百万円)が主な要因であります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ47,504百万円増加し、211,837百万円となりました。これは、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の減少(1,989百万円)、短期借入金の増加(20,054百万円)や転換社債型新株予約権付社債の増加(25,756百万円)が主な要因であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ12,219百万円増加し、140,153百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加(4,876百万円)、保有株式の株価の上昇によるその他有価証券評価差額金の増加(1,500百万円)や為替換算調整勘定の増加(3,653百万円)、退職給付に係る調整額の増加(1,570百万円)が主な要因であります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の43.3%から39.3%へ4.0ポイント低下いたしました。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー8,3615,123△3,238
投資活動によるキャッシュ・フロー△11,106△10,868238
財務活動によるキャッシュ・フロー△10,72738,58749,315
現金及び現金同等物に係る換算差額△1632,2972,461
現金及び現金同等物の増減額△13,63535,14048,776
現金及び現金同等物期首残高88,47774,841△13,635
現金及び現金同等物期末残高74,841109,98135,140

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ35,140百万円増加し、109,981百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、償却前営業利益の計上、運転資本の増加や法人税等の支払いにより、5,123百万円の収入(前年同期は8,361百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の取得支出や基幹システム関連の無形固定資産の取得支出等により、10,868百万円の支出(前年同期は11,106百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入や短期借入金の増加等により、38,587百万円の収入(前年同期は10,727百万円の支出)となりました。
④目標とする経営指標の達成状況
当社グループは、当期を初年度とする3ヵ年中期経営計画「PROACTIVE YAMAZEN 2027」において、持続的な企業価値向上を実現するため、自己資本利益率(ROE)、基礎的営業キャッシュ・フロー※、自己資本比率を重要な経営指標と捉えております。
※基礎的営業キャッシュ・フロー:会計上の営業キャッシュ・フローから運転資本増減の影響を控除したキャッシュ・フロー
経営指標80期(目標)
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
82期(最終年度目標)
(自 2027年4月1日
至 2028年3月31日)
80期(実績)
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
自己資本利益率(ROE)5.5%8.0%7.0%
基礎的営業キャッシュ・フロー11,000百万円14,000百万円13,470百万円
自己資本比率40%~45%39.3%

⑤資本の財源及び資金の流動性
ⅰ)資金需要について
当社グループにおける主な資金需要は、運転資金、事業の維持・拡大のための設備投資資金及び配当金の支払等であります。これらの資金需要に対しては、主に自己資金(手元資金及び営業活動により獲得した資金)を充当しております。また、既存事業とのシナジー効果が期待できるM&Aを含め、今後においても当社グループの持続的成長につながる投資を積極的に行ってまいります。所要資金については、主に自己資金を充当する予定でありますが、投資規模、投資件数、資金調達に関する諸条件等を総合的に検討し、金融機関からの借入及び社債発行等、最適な手段によることとしております。
ⅱ)資金の流動性について
当社グループは、取引先からの信頼を維持・獲得するために財務の健全性をより強化し、また、事業遂行に伴う支払債務を履行するのに十分な流動性を確保することの重要性を認識しております。連結ベースの流動比率は、運転資本の最適化により、前連結会計年度末は159.6%、当連結会計年度末は162.2%と相応の水準を維持しており、十分な流動性と健全性を確保しているものと判断しております。
当社は、短期資金に関しては、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しており、金融・資本市場における不測の事態や急な資金需要が発生した場合に備えるため、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性補完を確保しております。さらに、格付投資情報センター(R&I)及び日本格付研究所(JCR)の2社から発行体格付けを継続的に取得し、本報告書提出時点における、両者により付与された発行体格付は、R&I:A-、JCR:Aとなっており、中長期資金に関しても、多様な調達手段の選択が可能な環境を確保できているものと判断しております。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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