有価証券報告書-第76期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 15:17
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2026年3月期の中間連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2025年3月期に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善や継続的な賃金上昇を背景に所得環境の持ち直しがみられ、緩やかな回復基調で推移しました。一方、地政学リスクの高まりや世界経済の不確実性などを背景に、先行き不透明な状況が継続しております。食品流通業界においては、原材料やエネルギー価格の高騰による商品の値上げや相場高に加え、物流費や光熱費等のコスト上昇が継続しており、引き続き厳しい経営環境が続いております。
こうした環境のもと、当社グループは2030年度をゴールとする中長期的な経営ビジョンに「地域のスペシャルパートナー」を掲げ、当社グループの独自機能の提供とステークホルダーとの協業を通じて、日本全国の地域における食品流通の問題・課題を共に解決し、共に成長することを目指しております。
当期は「中期経営計画2025」の最終年度として、「信州」「顧客」「産地」の3領域別方針のもと、「エンゲージメント経営」「業務構造改革」「サステナブル経営」を重点施策に据え、各種取り組みを進めてまいりました。
(経営戦略の進捗状況)
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<領域別方針>①「信州」
2025年度を目途とする子会社㈱丸水長野県水との経営統合によるグループ再編を進めてまいりました。その一環として、畜産事業において、2025年4月1日付で㈱丸水長野県水の畜産事業部を吸収分割し、当社が同事業部の販売事業を、畜産品製造・加工会社の大信畜産工業㈱が同事業部の製造・加工事業およびそれに付随する販売事業を承継いたしました。
また、業務用マーケットに対する営業体制や物流機能など、機能とリソースを集約することで信州域内における総合力の強化を進めてまいりました。
②「顧客」
当社グループの強みであります品揃え機能、商品開発機能、物流機能を活かせる信州外近隣エリアにおいて、アライアンスによる販売面や物流面での協業体制を構築しながら、首都圏エリアの深耕化など、戦略的に販売マーケット拡大を進めてまいりました。
③「産地」
国内養殖魚の事業領域を従来のトレードモデル(集荷・販売)から、利益獲得が見込める生産・加工分野へ拡大することで構造的な収益力強化を目指しております。この養殖魚事業の利益構造の変化への抜本的な対応策として、㈱ダイニチの株式を取得し、2025年11月1日に子会社化いたしました。同社との事業シナジーの創出により「協業型」の国内養殖ビジネスモデルを強化し、国産養殖魚の流通に革新をもたらすことを目指してまいりました。
<重点施策>①「エンゲージメント経営」
社員一人ひとりの力を最大限発揮するための環境整備と組織風土改革を推進してまいりました。具体的には、全従業員に向けた動画による社長メッセージの配信や、役員と社員との座談会実施、各階層別の研修メニューの充実と実施、働きやすい職場づくりに向けた人事諸制度の見直しなどを進めてまいりました。
②「業務構造改革」
業務プロセスの標準化や効率化による生産性向上を目指し、2024年7月に導入した新基幹システム「M-BASE」のさらなる運用改善と、導入目的であります業務の標準化と効率化に向け、全社を挙げて取り組んでまいりました。また、RPA(Robotic Process Automation)や生成AIを活用しながら仕事のやり方を抜本的に見直し、業務の生産性向上に取り組んでまいりました。
③「サステナブル経営」
節電対策や太陽光パネル設置など事業価値向上に向けた普遍的な取り組みと、小学校での食育活動や諏訪湖再生プロジェクトへの参画などの社会・環境価値向上に向けた当社グループ独自の取り組みを両輪で推進してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における総資産は811億1百万円となり、前連結会計年度末と比較して25億67百万円の増加となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が19億99百万円、投資有価証券が11億79百万円増加したことによります。
(負債合計)
負債は544億23百万円となり、前連結会計年度末と比較して49百万円の減少となりました。主な要因は、長期借入金が16億57百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が9億52百万円、未払金が3億17百万円、未払法人税等が2億8百万円増加したことによります。
(純資産合計)
純資産合計は266億77百万円となり、前連結会計年度末と比較して26億16百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金が12億91百万円、その他有価証券評価差額金が10億72百万円増加したことによります。
以上の結果、自己資本比率は31.8%となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は、2024年11月に子会社化したダイニチグループを連結範囲に加えた効果と、販売戦略の着実な実施により2,970億86百万円(前期比10.4%増)となりました。2025年5月13日に開示しております連結業績予想における売上高目標2,900億円に対しては2.4%上回りました。
(利益面)
「中期経営計画2025」で掲げた重点施策の実行による定量効果と、前連結会計年度に新基幹システム稼働後の一過性で発生した経費増が解消されたこともあり、営業利益は25億93百万円(前期比149.4%増)、経常利益は受取配当金の増加等により29億56百万円(同69.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の減損損失等を計上したことから17億28百万円(前期比142.1%増)となりました。
連結業績予想に対しては、営業利益目標22億円に対して17.9%上回り、経常利益目標25億円に対して18.2%上回り、親会社株主に帰属する当期純利益目標15億円に対して15.2%上回りました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
※ 各セグメントの売上高については、セグメント間の内部売上高を除いて記載しております。
※ 「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、報告セグメントの区分を変更しておりますので、下記の前期比には、前期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値の比較となっております。
(水産事業)
水産部門では、国内天然魚の水揚量減少や水産物全般の相場高が継続する環境の中、冷凍原料を用いた商品の開発や、養殖魚事業をはじめとする川上領域への戦略投資により商品調達体制の整備を推進してまいりました。デイリー部門では、エリア卸とのアライアンス推進や調達・配荷物流機能の強化、得意先との協働による商品開発などの戦略推進により販売を拡大してまいりました。フードサービス部門では、当社グループの機能を活かした惣菜商品の開発やアウトパック惣菜、キット商材の販売拡大に取り組んでまいりました。
売上高につきましては、ダイニチグループを連結範囲に加えたことや、信州域外を主軸とした新規商圏の創出などにより、1,955億87百万円(前期比17.4%増)となりました。利益面につきましては、ダイニチグループのPMIが進捗し、生産から加工、販売に至る養殖事業が利益貢献したことに加えて、新基幹システムの稼働による業務効率化が実現し、営業利益は20億85百万円(同237.6%増)となりました。
財政状態につきましては、セグメント資産は523億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億54百万円の増加となりました。セグメント負債は336億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億67百万円の増加となりました。
(一般食品事業)
物価高の影響により、消費者の最寄品に対する節約志向が強まり、店頭での低価格競争が激化する中、信州域内(長野・山梨エリア)における卸売機能の強化による収益力向上に取り組んでまいりました。併せて、信州の特色を生かした商品をメーカーと共同開発するなど、自社開発商品の開発力強化と販売拡大を進めてまいりました。
売上高につきましては、価格改定に伴う販売単価の上昇もあり、285億31百万円(前期比1.4%増)となりました。利益面につきましては、収益管理の強化や配送合理化による収益力向上に努めたことから、営業損失は2億14百万円(前期は3億64百万円の営業損失)と回復基調になりました。
財政状態につきましては、セグメント資産は96億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億95百万円の増加となりました。セグメント負債は53億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ85百万円の増加となりました。
(畜産事業)
飼料価格の高騰などに伴う国産畜肉品の高値傾向が続くとともに、円安の影響により輸入畜肉品の相場が高止まりする状況の中、製造・流通加工機能の強化に向けた食肉加工分野への重点投資を進めてまいりました。
売上高につきましては、国内鶏肉相場および豚枝肉相場が高値推移した影響で販売が低調となったものの、首都圏エリアでの販売拡大等により457億98百万円(前期比0.9%増)となりました。利益面につきましては、畜肉品全般の仕入価格高騰に対し、販売価格への転嫁の遅れによる売上総利益の低下傾向が見られたものの、販管費の低減に努め、営業損失は81百万円(前期は1億1百万円の営業損失)となりました。
財政状態につきましては、セグメント資産は72億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億95百万円の減少となりました。セグメント負債は47億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億円の増加となりました。
(丸水長野県水グループ)
グループ内の経営資源の集約による信州事業の再強化とグループ最適化の実現を目指し、当社と㈱丸水長野県水の統合作業を進め、当初計画通り2026年4月1日に合併いたしました。
業績につきましては、経営統合に向けて当社と重複する取引の集約を進めた結果、売上高は260億28百万円(前期比7.1%減)、営業利益は6億67百万円(同5.2%減)となりました。
財政状態につきましては、セグメント資産は56億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億19百万円の減少となりました。セグメント負債は29億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億94百万円の減少となりました。
(その他(物流・冷蔵倉庫事業、OA機器・通信機器販売及び保険代理店事業))
子会社マルイチ・ロジスティクス・サービス㈱は、当社グループの物流業務・冷蔵倉庫事業の品質向上とローコスト体制の構築をグループ内の各事業と連携しながら推進してまいりました。
業績につきましては、売上高は11億40百万円(前期比8.5%増)、営業利益は1億37百万円(同25.4%減)となりました。
財政状態につきましては、セグメント資産は21億8百万円となり、前連結会計年度末比4億91百万円の増加となりました。セグメント負債は8億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億93百万円の増加となりました。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。また、売上高、営業利益及び経常利益については「b.経営成績」に記載しております。
ROEについては、親会社株主に帰属する当期純利益が17億28百万円(前期比142.1%増)となったため7.0%(前期は2.9%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は66億34百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億34百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は36億13百万円となりました(前連結会計年度に減少した資金は31億83百万円)。これは主に、税金等調整前当期純利益が26億35百万円、減価償却費が18億81百万円となり、売上債権・棚卸資産・仕入債務からなる運転資金が10億32百万円減少したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は6億62百万円となりました(前連結会計年度に減少した資金は105億75百万円)。これは主に、有形固定資産の取得による支出が7億83百万円、無形固定資産の取得による支出が1億22百万円、連結範囲変更を伴う子会社株式の取得による収入が70百万円、貸付金の回収による収入が32百万円となったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は27億16百万円となりました(前連結会計年度に増加した資金は114億55百万円)。これは主に、長期借入金の返済による支出が18億20百万円、配当金の支払額が4億36百万円、リース債務の返済による支出が1億65百万円となったことによります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、食品卸売事業の補完機能として製造加工業務を行っており、生産実績は仕入実績に含めて記載しております。なお、受注生産は行っておりません。
(1) 仕入実績 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
水産事業(百万円)176,237113.5
一般食品事業(百万円)25,875100.7
畜産事業(百万円)42,671107.9
丸水長野県水グループ(百万円)21,71983.4
報告セグメント計(百万円)266,502108.1
その他(百万円)5,316106.1
合計(百万円)271,818108.1

(2) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
水産事業(百万円)195,587117.4
一般食品事業(百万円)28,531101.4
畜産事業(百万円)45,798100.9
丸水長野県水グループ(百万円)26,02892.9
報告セグメント計(百万円)295,945110.4
その他(百万円)1,140108.5
合計(百万円)297,086110.4

(注)1.販売実績に対して10%以上に該当する販売先はありません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.各事業の主な内容
水産事業…水産物、水産加工品、日配品及び冷凍食品の販売事業
一般食品事業…一般のドライ食品、一般加工食品及び菓子の販売事業
畜産事業…畜産物及び畜産加工品の販売事業
丸水長野県水グループ…長野県内エリアを中心とする食品卸売事業
その他…物流・冷蔵倉庫事業、OA機器・通信機器販売・保険の代理店事業
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「3 事業等のリスク」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、商品・原材料の購入費、及び販売運賃・人件費等の営業費用によるものであります。なお、設備の新設等の計画に関する内容につきましては、「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
(財務政策)
当社グループでは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金の活用及び金融機関からの借入等により資金調達を行っております。
長期借入金等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施していくこととしております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、その作成過程においては経営者による会計上の見積り及び仮定を含んでおります。これらの見積り及び仮定は、過去の実績及び決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、当社グループの経営成績に重要な影響を与える項目は、以下のとおりです。
(のれん及び顧客関連資産の評価)
のれん及び顧客関連資産は、連結子会社の取得に際し発生したものであります。のれんは、被取得企業の識別可能な資産及び負債の企業結合部時点の時価との差額で計上し、顧客関連資産は、既存顧客との継続的な取引関係により生み出すことが期待される超過収益の現在価値として算定し計上しております。取得原価のうちのれん及び顧客関連資産に配分された金額が相対的に多額であるため、減損の兆候を識別しておりますが、割引前将来キャッシュ・フローがのれんを含む資産グループに係る固定資産の帳簿価額を上回っているため減損損失の認識は不要と判断しております。
将来キャッシュ・フローは取締役会によって承認された事業計画に基づいて見積っております。事業計画においては、水産事業における海外市場を中心とした販売量の増加に起因する売上高の成長率や、製造原価並びに販売費及び一般管理費に対する各種施策等を織り込んでおりますが、子会社を取り巻く市場環境に変化があった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表においてのれん及び顧客関連資産の評価に重要な影響を与える可能性があります。

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