有価証券報告書-第56期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」いう。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速や、中東情勢への懸念といった国外の経済動向や地政学リスク等の影響を受け、また国内においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、持ち直していた個人消費が弱い動きとなるなど、力強さを欠くものとなりました。
当社グループの関連する建設業界におきましては、公共事業を中心として、建設投資額は増加傾向であるものの、長時間労働の是正など「働き方改革」への対応や、建設技術者、技能労働者の慢性的な不足による労務単価の上昇、建設資機材の値上がりなどの不安要素も多く、業界を取り巻く外部環境は未だ楽観が許されない状況下にあります。
このような状況のなか、当社グループは、顧客ニーズを的確に捉えた技術提案型営業を鋭意推進し、高い顧客満足度を追求しながら商品の拡販と建設工事の受注に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、284億59百万円(前年同期比15.3%増)で、その内訳は、商品売上高が113億95百万円(前年同期比4.0%増)、完成工事高は170億63百万円(前年同期比24.4%増)となりました。
セグメント別の売上高は以下のとおりであります。
[ファスナー事業]
民間建築耐震工事及び鉄道関連工事の売上が増加するとともに、付加価値の高い「あと施工アンカー」をはじめとする建設資材販売も順調に推移いたしました。また、「せん断補強RMA工法」の売上も堅調に推移した結果、売上高は96億13百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
[土木資材事業]
一部の地域において、新設トンネル向けの資材に納品の遅れが発生いたしましたが、主要商品であるロックボルトの受注高は堅調に推移いたしました。また、西日本地区においてトンネル補助工法にかかる資材の販売も順調に推移し、売上高は76億75百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
[建設事業]
当社の得意とする環境対策工事において大型元請物件を受注したほか、トンネル耐火工事やトンネル補修工事において大型物件を受注いたしました。資材販売においては、新東名高速道路の設備工事に付随した「フェイルセーフシステム(取付物落下防止対策商品)」の売上が堅調に推移し、売上高は111億70百万円(前年同期比32.1%増)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の総資産は247億6百万円と前連結会計年度末に比べ、9億29百万円増加しました。これは主として完成工事未収入金が7億76百万円増加したためであります。負債は88億52百万円と前連結会計年度末に比べ7億9百万円減少しました。これは主として、支払手形の減少によるものであります。なお、純資産は158億53百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.4ポイント増加しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億82百万円増加し、48億75百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動における資金は、税金等調整前当期純利益30億54百万円(前年同期比31.8%増)を計上したものの、売上債権が8億47百万円増加し、仕入債務も2億95百万円減少したことなどにより、9億51百万円の収入(前年同期比76.3%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動における資金は、投資有価証券の償還による収入などにより、1億3百万円の収入(前年同期は7億26百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動における資金は長期借入金の返済による支出などにより、6億70百万円の支出(前年同期は8億79百万円の支出)となりました。
③受注工事高、完成工事高、繰越工事高、施工高、手持工事高、商品仕入及び販売の状況
イ.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更新により請負金額に変更があるものにつきましては、期中受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、期中完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.期末繰越工事高うち施工高は未成工事支出金により手持工事高の工事進捗部分を推定したものであります。
3.期中施工高は、(期中完成工事高+当期末繰越工事高うち施工高-前期末繰越工事高うち施工高)に一致します。
4.上記の金額は消費税等を含んでおりません。
ロ.受注工事高及び完成工事高について
当社グループは、建設市場の状況を反映して工事の受注工事高及び完成工事高が平均化しておらず、最近3年間についてみても上半期は次のように季節的に変動しております。
ハ.完成工事高
(注)1.当社グループが総合建設会社等民間企業を通じて受注した官公庁発注工事につきましては、官公庁欄に計上しております。
2.上記の金額は消費税等を含んでおりません。
3.完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
前連結会計年度の完成工事のうち請負工事1億円以上の主な工事
当連結会計年度の完成工事のうち請負工事1億円以上の主な工事
ニ.手持工事高
(注)1.当社グループが総合建設会社等民間企業を通じて受注した官公庁発注工事につきましては、官公庁欄に計上しております。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
3.手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
手持工事(2020年3月31日現在)のうち請負金額1億円以上の主な工事
ホ.商品仕入実績
(注) 金額は、仕入価格で表示しており、消費税等を含んでおりません。
ヘ.売上実績
(注)1.販売数量につきましては、販売品目が多岐にわたり表示が困難なため、記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当連結会計年度の経営成績について
① 売上高、受注工事高の状況
当連結会計年度の売上高は、ファスナー事業における「せん断補強RMA工法」の売上が堅調に推移したことに加え、土木資材事業及び建設事業において前期末受注残物件が順調な進捗をしたことなどにより、284億59百万円(前年同期比15.3%増)で、その内訳は、商品売上高が113億95百万円(前年同期比4.0%増)、完成工事高は170億63百万円(前年同期比24.4%増)、受注工事高は144億33百万円(前年同期比25.6%減)となりました。
② 営業利益、経常利益の状況
収益面につきましては、売上高の増加に加え、原価低減の取り組みも行ったことなどにより、営業利益29億83百万円(前年同期比33.3%増)、経常利益30億49百万円(前年同期比31.6%増)となりました。
③ 親会社株主に帰属する当期純利益の状況
法人税、住民税及び事業税を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は21億3百万円(前年同期比34.6%増)となり、過去最高益を更新しました。
ロ.当連結会計年度の財政状態について
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて9億29百万円増加した結果、247億6百万円となりました。
① 資産の部
流動資産は、169億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億39百万円(前連結会計年度比8.6%増)の増加となりました。これは主に、年度末にかけて完工物件が増加したことによる完成工事未収入金の増加によるものであります。固定資産は、77億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億10百万円(前連結会計年度比5.0%減)の減少となりました。これは主に、投資有価証券の減少によるものであります。
② 負債の部
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて7億9百万円減少した結果、88億52百万円となりました。
流動負債は、84億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億34百万円(前連結会計年度比5.9%減)の減少となりました。これは主に、手形債務(支払手形及び電子記録債務の合計)や「財務体質の強化」による1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。固定負債は、3億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億74百万円(前連結会計年度比33.0%減)の減少となりました。これは主に、「財務体質の強化」による長期借入金の減少によるものであります。
③ 純資産の部
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ16億38百万円(前連結会計年度比11.5%増)増加し、158億53百万円となりました。これは主に、過去最高益となったことによる利益剰余金の増加によるものであります。
ハ.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[ファスナー事業]
ファスナー事業の売上高は96億13百万円(前年同期比8.2%増)となりました。その内訳は、安全対策商品の需要が依然として増加しており、付加価値の高い高機能の「あと施工アンカー」等の販売が増加したことなどにより、商品売上高は27億33百万円(前期比3.2%増)となりました。民間建築耐震工事及び前期に引き続き鉄道関係のホーム柵設置をはじめとした鉄道関連工事の売上の増加に加え、「せん断補強RMA工法」の売上の堅調な推移もあったことなどにより完成工事高は68億79百万円(前年同期比10.3%増)となりました。利益面につきましては適正な原価管理と売上高の増加などの影響により経常利益は15億19百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
[土木資材事業]
土木資材事業の売上高は、76億75百万円(前年同期比4.7%増)となりました。その内訳は、一部の地域において、新設トンネル向けの資材に納品の遅れが発生いたしましたが、主要商品であるロックボルトの受注高は堅調に推移いたしました。また、西日本地区においてトンネル補助工法にかかる資材の販売も順調に推移し、商品売上高は73億36百万円(前年同期比0.8%増)となりました。ロックボルトの販売で得たノウハウを活かし、ロックボルトを使用したトンネル補修工事の受注も増加した結果、完成工事高は3億38百万円(前年同期比533.0%増)となりました。利益面につきましては、依然として鋼材等の原材料価格の上昇に加え、物流における人件費の高騰による運搬発送費等の増加などの影響もありますが、完成工事高の増加により、経常利益は2億74百万円(前年同期比516.5%増)となりました。
[建設事業]
建設事業の売上高は111億70百万円(前年同期比32.1%増)となりました。その内訳は、安全対策への需要の高まりの中、新東名高速道路の設備工事に付随した「フェイルセーフシステム(取付物落下防止対策商品)」の販売が順調に推移したことにより、商品売上高は13億25百万円(前年同期比29.7%増)となりました。当社の得意とする環境対策工事において大型元請物件を受注したほか、トンネル耐火工事やトンネル補修工事において大型物件を受注したことに加え、大型元請物件を含む前期末受注残物件を中心に工事が順調に進捗したことにより、完成工事高は98億45百万円(前年同期比32.5%増)となりました。利益面につきましては、人件費や原材料等のコストの高止まりがあるものの、工事が順調に進捗したことによる売上高の増加などにより、経常利益は12億56百万円(前年同期比65.3%増)となりました。
ニ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ホ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高経常利益率は10.7%(前年同期比1.3ポイント増加)となり、目標を達成いたしましたが、自己資本利益率(ROE)は14.0%(前年同期比2.6ポイント増加)となり、前年同期と比較して改善はしましたが、目標未達成となりました。当該目標を達成できるよう企業努力を行ってまいります。
ヘ.今後の方針について
当社グループは、ファスニング業界のリーディングカンパニーとして常に顧客ニーズに対応した付加価値の高い商品及び施工技術を提供できる企業を目指してまいりました。当社グループをとりまく経済環境は厳しい状況が続いておりますが、当社グループは、2015年3月4日の会社設立50周年を一つの節目として、今後50年、100年と持続的な成長が可能な永続性のある企業を目指し、今一度原点に立ち返って中期的な課題である「本業の再強化」の徹底を図り、当社グループが永年培ってまいりました技術力・営業力を結集し「顧客重視の姿勢を徹底」する観点から社会のニーズに対応した新商品、新工法の開発に力を入れるとともに、既存事業の活性化や固定費の圧縮を行い、更なる企業競争力、企業体質の強化を実現することによってケー・エフ・シーグループ全体として企業価値向上を目指してまいる所存であります。
ケー・エフ・シーグループは今後も社会インフラの整備・維持を担う企業として、震災復興はもとより日本全体の復興・再生に向けた取り組みを継続し、さらにはお客様に信頼される企業として“ファスニング分野におけるエンジニアリングの専門家集団”を標榜し新しい価値を提供することによって、社会の発展に貢献してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは9億51百万円の収入(前年同期比76.3%減)であり、投資によるキャッシュ・フローは1億3百万円の収入(前年同期は7億26百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは6億70百万円の支出(前年同期は8億79百万円の支出)であります。フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、10億55百万円(前年同期比67.9%減)であります。また、当社グループは、複数年にわたる工事も受注していることから、単年でのキャッシュ・フローに加え、3年間累計のキャッシュ・フローも指標として考えております。3年間累計のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは49億22百万円の収入であり、投資によるキャッシュ・フローは14億91百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは22億77百万円の支出であります。また、3年間累計のフリー・キャッシュ・フローは34億30百万円であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的成長に向けた投資の継続と株主還元のためのフリー・キャッシュ・フローを創出することを基本としております。その創出されたフリー・キャッシュ・フローを財源として、成長投資や株主還元を行ってまいります。成長投資として、既存事業での投資と新規事業創出のための研究開発投資を行い、将来の成長を見据えた人材の確保・育成・活用のための投資を行ってまいります。また、株主還元として、財務体質強化のための自己資本比率の向上を行いつつも、安定的かつ継続的に配当を行ってまいります。
当社グループの運転資金需要のうち主のものは、未成工事支出金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、有形固定資産の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債である借入金の残高は6億59百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は48億75百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っております。なお、現時点で新型コロナウィルス感染症の収束時期などを想定することは困難であるものの、当社の事業計画の進捗状況等の情報に基づき検討し、当社収益への影響は限定的であると仮定して当連結会計年度(2020年3月期)の見積りを行っております。
工事進行基準の適用に当たっては、進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、契約ごとの実行予算を使用して見積りを行っておりますが、工事契約等の実行予算の策定にあたっては、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」いう。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の影響による中国経済の減速や、中東情勢への懸念といった国外の経済動向や地政学リスク等の影響を受け、また国内においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、持ち直していた個人消費が弱い動きとなるなど、力強さを欠くものとなりました。
当社グループの関連する建設業界におきましては、公共事業を中心として、建設投資額は増加傾向であるものの、長時間労働の是正など「働き方改革」への対応や、建設技術者、技能労働者の慢性的な不足による労務単価の上昇、建設資機材の値上がりなどの不安要素も多く、業界を取り巻く外部環境は未だ楽観が許されない状況下にあります。
このような状況のなか、当社グループは、顧客ニーズを的確に捉えた技術提案型営業を鋭意推進し、高い顧客満足度を追求しながら商品の拡販と建設工事の受注に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、284億59百万円(前年同期比15.3%増)で、その内訳は、商品売上高が113億95百万円(前年同期比4.0%増)、完成工事高は170億63百万円(前年同期比24.4%増)となりました。
セグメント別の売上高は以下のとおりであります。
[ファスナー事業]
民間建築耐震工事及び鉄道関連工事の売上が増加するとともに、付加価値の高い「あと施工アンカー」をはじめとする建設資材販売も順調に推移いたしました。また、「せん断補強RMA工法」の売上も堅調に推移した結果、売上高は96億13百万円(前年同期比8.2%増)となりました。
[土木資材事業]
一部の地域において、新設トンネル向けの資材に納品の遅れが発生いたしましたが、主要商品であるロックボルトの受注高は堅調に推移いたしました。また、西日本地区においてトンネル補助工法にかかる資材の販売も順調に推移し、売上高は76億75百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
[建設事業]
当社の得意とする環境対策工事において大型元請物件を受注したほか、トンネル耐火工事やトンネル補修工事において大型物件を受注いたしました。資材販売においては、新東名高速道路の設備工事に付随した「フェイルセーフシステム(取付物落下防止対策商品)」の売上が堅調に推移し、売上高は111億70百万円(前年同期比32.1%増)となりました。
財政状態につきましては、当連結会計年度末の総資産は247億6百万円と前連結会計年度末に比べ、9億29百万円増加しました。これは主として完成工事未収入金が7億76百万円増加したためであります。負債は88億52百万円と前連結会計年度末に比べ7億9百万円減少しました。これは主として、支払手形の減少によるものであります。なお、純資産は158億53百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ4.4ポイント増加しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億82百万円増加し、48億75百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動における資金は、税金等調整前当期純利益30億54百万円(前年同期比31.8%増)を計上したものの、売上債権が8億47百万円増加し、仕入債務も2億95百万円減少したことなどにより、9億51百万円の収入(前年同期比76.3%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動における資金は、投資有価証券の償還による収入などにより、1億3百万円の収入(前年同期は7億26百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動における資金は長期借入金の返済による支出などにより、6億70百万円の支出(前年同期は8億79百万円の支出)となりました。
③受注工事高、完成工事高、繰越工事高、施工高、手持工事高、商品仕入及び販売の状況
イ.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
| 項目 | 工事別 | 期首繰越 工事高 (千円) | 期中受注 工事高 (千円) | 計 (千円) | 期中完成 工事高 (千円) | 期末繰越 工事高 手持工事高 (千円) | 期末繰越 工事高 うち施工高 (千円) | 期末繰越 工事高 うち施工 比率(%) | 期中施工高 (千円) |
| 前連結会計年度 (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | 環境工事 | 955,308 | 4,064,057 | 5,019,365 | 2,541,321 | 2,478,044 | - | - | 2,541,321 |
| リニューアル工事 | 1,307,566 | 4,585,756 | 5,893,323 | 2,082,829 | 3,810,493 | 18,753 | 0.5 | 2,079,550 | |
| トンネル及びその他の設備関連工事 | 739,126 | 2,280,389 | 3,019,515 | 2,395,238 | 624,277 | 17,572 | 2.8 | 2,389,636 | |
| 耐震関連工事 | 2,283,145 | 7,305,892 | 9,589,037 | 6,003,209 | 3,585,827 | 37,924 | 1.1 | 5,938,047 | |
| その他の工事 | 29,730 | 1,176,901 | 1,206,632 | 699,296 | 507,335 | 143 | 0.0 | 698,732 | |
| 計 | 5,314,876 | 19,412,997 | 24,727,873 | 13,721,894 | 11,005,978 | 74,393 | 0.7 | 13,647,288 | |
| 当連結会計年度 (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | 環境工事 | 2,478,044 | 1,045,423 | 3,523,468 | 3,410,841 | 112,627 | 13,484 | 12.0 | 3,424,325 |
| リニューアル工事 | 3,810,493 | 3,707,536 | 7,518,030 | 3,767,240 | 3,750,790 | 17,991 | 0.5 | 3,766,477 | |
| トンネル及びその他の設備関連工事 | 624,277 | 3,121,185 | 3,745,463 | 2,292,611 | 1,452,851 | 5,578 | 0.4 | 2,280,617 | |
| 耐震関連工事 | 3,585,827 | 6,078,276 | 9,664,103 | 6,761,829 | 2,902,274 | 26,694 | 0.9 | 6,750,598 | |
| その他の工事 | 507,335 | 481,329 | 988,665 | 831,316 | 157,348 | 3,470 | 2.2 | 834,643 | |
| 計 | 11,005,978 | 14,433,752 | 25,439,731 | 17,063,838 | 8,375,892 | 67,219 | 0.8 | 17,056,663 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更新により請負金額に変更があるものにつきましては、期中受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、期中完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.期末繰越工事高うち施工高は未成工事支出金により手持工事高の工事進捗部分を推定したものであります。
3.期中施工高は、(期中完成工事高+当期末繰越工事高うち施工高-前期末繰越工事高うち施工高)に一致します。
4.上記の金額は消費税等を含んでおりません。
ロ.受注工事高及び完成工事高について
当社グループは、建設市場の状況を反映して工事の受注工事高及び完成工事高が平均化しておらず、最近3年間についてみても上半期は次のように季節的に変動しております。
| 期別 | 受注工事高 | 完成工事高 | ||||
| 1年通期(A) (千円) | 上半期(B) (千円) | (B)/(A) (%) | 1年通期(C) (千円) | 上半期(D) (千円) | (D)/(C) (%) | |
| 第54期 | 14,898,264 | 7,172,229 | 48.1 | 14,970,755 | 5,946,479 | 39.7 |
| 第55期 | 19,412,997 | 7,387,119 | 38.1 | 13,721,894 | 5,242,285 | 38.2 |
| 第56期 | 14,433,752 | 8,565,486 | 59.3 | 17,063,838 | 6,927,002 | 40.6 |
ハ.完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁 | 民間 | 合計 |
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 環境工事(千円) | 2,532,238 | 9,083 | 2,541,321 |
| リニューアル工事(千円) | 1,938,231 | 144,597 | 2,082,829 | |
| トンネル及びその他の設備関連工事(千円) | 2,158,053 | 237,184 | 2,395,238 | |
| 耐震関連工事(千円) | 4,388,604 | 1,614,605 | 6,003,209 | |
| その他の工事(千円) | 94,052 | 605,243 | 699,296 | |
| 合計(千円) | 11,111,180 | 2,610,714 | 13,721,894 | |
| 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 環境工事(千円) | 3,395,176 | 15,665 | 3,410,841 |
| リニューアル工事(千円) | 3,514,347 | 252,892 | 3,767,240 | |
| トンネル及びその他の設備関連工事(千円) | 2,212,249 | 80,361 | 2,292,611 | |
| 耐震関連工事(千円) | 4,597,110 | 2,164,718 | 6,761,829 | |
| その他の工事(千円) | 311,086 | 520,230 | 831,316 | |
| 合計(千円) | 14,029,970 | 3,033,867 | 17,063,838 |
(注)1.当社グループが総合建設会社等民間企業を通じて受注した官公庁発注工事につきましては、官公庁欄に計上しております。
2.上記の金額は消費税等を含んでおりません。
3.完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
前連結会計年度の完成工事のうち請負工事1億円以上の主な工事
| 工事名 | 発注社名 |
| 新東名高速道路厚木南IC~伊勢原北IC間遮音壁工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 都市計画道路大和川線常磐東ランプトンネル付帯工事 | 大阪府 |
| 平成29年度山陽自動車道岡山高速道路事務所管内橋梁はく落対策工事 | 西日本高速道路株式会社 |
| 中部横断自動車道新清水JCT~富沢IC間照明設備工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 千代田線ホームドア導入に伴う綾瀬駅ほか19駅ホームドア設置工事 | 東京地下鉄株式会社 |
| 衣浦トンネルの機能強化に係る業務の内、1期線の耐震補強工事 | 愛知県道路コンセッション株式会社 |
| 高速度鉄道耐震補強工事(29-2)及び火災対策関連整備工事 | 名古屋市交通局 |
| 隅田川(小台橋上流)右岸防潮堤耐震補強工事 | 東京都江東治水事務所 |
| 平成29年度中央自動車道他施設保全工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 首都圏中央連絡自動車道青梅トンネル内装板補修工事 | 東日本高速道路株式会社 |
| 平成29年度佐久間道路佐久間第1トンネル整備工事 中央自動車道(特定更新等)辰野TN~伊北IC間改良工事 | 浜松河川国道事務所 中日本高速道路株式会社 |
| 清澄排水機場耐震補強工事(その2) | 東京都江東治水事務所 |
| 東海北陸自動車道高山舗装工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 平成29年度佐久間道路佐久間第2トンネル整備工事 | 浜松河川国道事務所 |
| 西高速西名阪道田尻トンネルほか3トンネル背面空洞注入工事 | 西日本高速道路株式会社 |
| 倉敷翠松高校(本館)耐震補強工事 | 学校法人片山学園 |
| 平成29年度高速2号東山線トンネル照明その他電気設備改修工事 | 名古屋高速道路公社 |
当連結会計年度の完成工事のうち請負工事1億円以上の主な工事
| 工事名 | 発注社名 |
| 東京港臨港道路南北線沈埋函(4・5・6号函)製作・築造工事 | 国土交通省 |
| 新東名高速道路厚木南IC~伊勢原北IC間遮音壁工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 大和川線遮音壁設置工事 | 阪神高速道路株式会社 |
| 本牧)第2六層耐震補強工事(1期工事) | 日産自動車株式会社 |
| 中国道北房IC~大佐スマートIC間土木更新工事 | 西日本高速道路株式会社 |
| 平成29年度山陽自動車道岡山高速道路事務所管内橋梁はく落対策工事 | 西日本高速道路株式会社 |
| 東北自動車道十和田管内高速道路リニューアル工事 | 東日本高速道路株式会社 |
| 北陸道木之本IC~敦賀IC間トンネル背面空洞注入工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 中国自動車道(特定更新等)金近トンネル(上り線)覆工補修工事 | 西日本高速道路株式会社 |
| 千代田線ホームドア導入に伴う綾瀬駅ほか19駅ホームドア設置工事 | 東京地下鉄株式会社 |
| 平成30年度山陽道岡山高速道路事務所管内橋梁はく落対策工事 | 西日本高速道路株式会社 |
| 北陸道敦賀IC~今庄IC間トンネル背面空洞注入工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 磐越自動車道龍ケ嶽トンネル照明設備更新工事 | 東日本高速道路株式会社 |
| 大麦代トンネル補強工事 | 東京都 |
| 平成30年度高架橋RC柱補強工事 | 横浜市 |
| 東京湾アクアラインTN天井板補強及び電気集塵機送風機撤去工事 | 東日本高速道路株式会社 |
| 安房峠道路安房トンネル補修工事(平成29年度) | 中日本高速道路株式会社 |
| 新東名島田金谷IC~浜松いなさJCT間トンネル照明設備工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 井笠地域事務所第1庁舎耐震改修工事 | 岡山県 |
| 新東名新静岡IC~島田金谷IC間トンネル照明改修工事 | 中日本高速道路株式会社 |
| 平成30年度高架橋RC柱補強工事その2 | 横浜市 |
| 名城線・名港線名古屋港駅始め34駅可動式ホーム柵設置工事 | 名古屋市 |
| 東海大学付属相模高等学校松前記念体育館耐震補強工事 | 学校法人東海大学 |
ニ.手持工事高
| (2020年3月31日現在) |
| 区分 | 官公庁 | 民間 | 合計 |
| 環境工事(千円) | 73,427 | 39,200 | 112,627 |
| リニューアル工事(千円) | 3,638,710 | 112,079 | 3,750,790 |
| トンネル及びその他の設備関連工事(千円) | 1,444,139 | 8,712 | 1,452,851 |
| 耐震関連工事(千円) | 1,750,126 | 1,152,148 | 2,902,274 |
| その他の工事(千円) | 149,090 | 8,258 | 157,348 |
| 合計(千円) | 7,055,494 | 1,320,398 | 8,375,892 |
(注)1.当社グループが総合建設会社等民間企業を通じて受注した官公庁発注工事につきましては、官公庁欄に計上しております。
2.上記の金額は、消費税等を含んでおりません。
3.手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
手持工事(2020年3月31日現在)のうち請負金額1億円以上の主な工事
| 工事名 | 発注社名 | 完成予定年月 |
| 東北自動車道十和田管内高速道路リニューアル工事 | 東日本高速道路株式会社 | 2022年3月 |
| 平成30年度山陽道岡山高速道路事務所管内橋梁はく落対策工事 | 西日本高速道路株式会社 | 2021年3月 |
| 北陸道敦賀IC~今庄IC間トンネル背面空洞注入工事 | 中日本高速道路株式会社 | 2021年1月 |
| 本牧)第2六層耐震補強工事(2期工事) | 日産自動車株式会社 | 2020年12月 |
| 際内トンネル共通金物取付工事 | 国土交通省 | 2020年6月 |
| 安房峠道路安房トンネル補修工事(平成29年度) | 中日本高速道路株式会社 | 2020年6月 |
| 本牧)第2六層耐震補強工事(1期工事) | 日産自動車株式会社 | 2020年10月 |
| 新東名島田金谷IC~浜松いなさJCT間トンネル照明設備工事 | 中日本高速道路株式会社 | 2021年2月 |
| 仙台堀川護岸耐震補強工事(その6) | 東京都江東治水事務所 | 2021年1月 |
| 中国道北房IC~大佐スマートIC間土木更新工事 | 西日本高速道路株式会社 | 2020年7月 |
| 高速電気軌道第4号線長田停留場耐震補強(イ)工事 | 大阪市高速電気軌道株式会社 | 2021年3月 |
| 新東名新静岡IC~島田金谷IC間トンネル照明改修工事 | 中日本高速道路株式会社 | 2021年3月 |
| 東北自動車道吉原橋(ロッキング橋脚)耐震補強工事 | 東日本高速道路株式会社 | 2021年3月 |
ホ.商品仕入実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
| ファスナー(千円) | 1,691,245 | 1,783,871 |
| 土木資材(千円) | 4,483,732 | 4,028,105 |
| 建設(千円) | 2,023,153 | 2,471,832 |
| 合計(千円) | 8,198,131 | 8,283,809 |
(注) 金額は、仕入価格で表示しており、消費税等を含んでおりません。
ヘ.売上実績
| セグメントの名称 | 区分 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||||
| 金額(千円) | 比率 (%) | 金額(千円) | 比率 (%) | ||||
| ファスナー | 商品売上高 | 2,649,725 | 2,733,509 | ||||
| 完成工事高 | 6,236,355 | 8,886,080 | 36.0 | 6,879,679 | 9,613,189 | 33.8 | |
| 土木資材 | 商品売上高 | 7,280,276 | 7,336,525 | ||||
| 完成工事高 | 53,540 | 7,333,816 | 29.7 | 338,905 | 7,675,431 | 27.0 | |
| 建設 | 商品売上高 | 1,022,108 | 1,325,291 | ||||
| 完成工事高 | 7,431,999 | 8,454,108 | 34.3 | 9,845,252 | 11,170,544 | 39.2 | |
| 合計 | 商品売上高 | 10,952,110 | 11,395,326 | ||||
| 完成工事高 | 13,721,894 | 24,674,005 | 100.0 | 17,063,838 | 28,459,165 | 100.0 | |
(注)1.販売数量につきましては、販売品目が多岐にわたり表示が困難なため、記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.当連結会計年度の経営成績について
① 売上高、受注工事高の状況
当連結会計年度の売上高は、ファスナー事業における「せん断補強RMA工法」の売上が堅調に推移したことに加え、土木資材事業及び建設事業において前期末受注残物件が順調な進捗をしたことなどにより、284億59百万円(前年同期比15.3%増)で、その内訳は、商品売上高が113億95百万円(前年同期比4.0%増)、完成工事高は170億63百万円(前年同期比24.4%増)、受注工事高は144億33百万円(前年同期比25.6%減)となりました。
② 営業利益、経常利益の状況
収益面につきましては、売上高の増加に加え、原価低減の取り組みも行ったことなどにより、営業利益29億83百万円(前年同期比33.3%増)、経常利益30億49百万円(前年同期比31.6%増)となりました。
③ 親会社株主に帰属する当期純利益の状況
法人税、住民税及び事業税を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は21億3百万円(前年同期比34.6%増)となり、過去最高益を更新しました。
ロ.当連結会計年度の財政状態について
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて9億29百万円増加した結果、247億6百万円となりました。
① 資産の部
流動資産は、169億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億39百万円(前連結会計年度比8.6%増)の増加となりました。これは主に、年度末にかけて完工物件が増加したことによる完成工事未収入金の増加によるものであります。固定資産は、77億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億10百万円(前連結会計年度比5.0%減)の減少となりました。これは主に、投資有価証券の減少によるものであります。
② 負債の部
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて7億9百万円減少した結果、88億52百万円となりました。
流動負債は、84億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億34百万円(前連結会計年度比5.9%減)の減少となりました。これは主に、手形債務(支払手形及び電子記録債務の合計)や「財務体質の強化」による1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。固定負債は、3億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億74百万円(前連結会計年度比33.0%減)の減少となりました。これは主に、「財務体質の強化」による長期借入金の減少によるものであります。
③ 純資産の部
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ16億38百万円(前連結会計年度比11.5%増)増加し、158億53百万円となりました。これは主に、過去最高益となったことによる利益剰余金の増加によるものであります。
ハ.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[ファスナー事業]
ファスナー事業の売上高は96億13百万円(前年同期比8.2%増)となりました。その内訳は、安全対策商品の需要が依然として増加しており、付加価値の高い高機能の「あと施工アンカー」等の販売が増加したことなどにより、商品売上高は27億33百万円(前期比3.2%増)となりました。民間建築耐震工事及び前期に引き続き鉄道関係のホーム柵設置をはじめとした鉄道関連工事の売上の増加に加え、「せん断補強RMA工法」の売上の堅調な推移もあったことなどにより完成工事高は68億79百万円(前年同期比10.3%増)となりました。利益面につきましては適正な原価管理と売上高の増加などの影響により経常利益は15億19百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
[土木資材事業]
土木資材事業の売上高は、76億75百万円(前年同期比4.7%増)となりました。その内訳は、一部の地域において、新設トンネル向けの資材に納品の遅れが発生いたしましたが、主要商品であるロックボルトの受注高は堅調に推移いたしました。また、西日本地区においてトンネル補助工法にかかる資材の販売も順調に推移し、商品売上高は73億36百万円(前年同期比0.8%増)となりました。ロックボルトの販売で得たノウハウを活かし、ロックボルトを使用したトンネル補修工事の受注も増加した結果、完成工事高は3億38百万円(前年同期比533.0%増)となりました。利益面につきましては、依然として鋼材等の原材料価格の上昇に加え、物流における人件費の高騰による運搬発送費等の増加などの影響もありますが、完成工事高の増加により、経常利益は2億74百万円(前年同期比516.5%増)となりました。
[建設事業]
建設事業の売上高は111億70百万円(前年同期比32.1%増)となりました。その内訳は、安全対策への需要の高まりの中、新東名高速道路の設備工事に付随した「フェイルセーフシステム(取付物落下防止対策商品)」の販売が順調に推移したことにより、商品売上高は13億25百万円(前年同期比29.7%増)となりました。当社の得意とする環境対策工事において大型元請物件を受注したほか、トンネル耐火工事やトンネル補修工事において大型物件を受注したことに加え、大型元請物件を含む前期末受注残物件を中心に工事が順調に進捗したことにより、完成工事高は98億45百万円(前年同期比32.5%増)となりました。利益面につきましては、人件費や原材料等のコストの高止まりがあるものの、工事が順調に進捗したことによる売上高の増加などにより、経常利益は12億56百万円(前年同期比65.3%増)となりました。
ニ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
ホ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における売上高経常利益率は10.7%(前年同期比1.3ポイント増加)となり、目標を達成いたしましたが、自己資本利益率(ROE)は14.0%(前年同期比2.6ポイント増加)となり、前年同期と比較して改善はしましたが、目標未達成となりました。当該目標を達成できるよう企業努力を行ってまいります。
ヘ.今後の方針について
当社グループは、ファスニング業界のリーディングカンパニーとして常に顧客ニーズに対応した付加価値の高い商品及び施工技術を提供できる企業を目指してまいりました。当社グループをとりまく経済環境は厳しい状況が続いておりますが、当社グループは、2015年3月4日の会社設立50周年を一つの節目として、今後50年、100年と持続的な成長が可能な永続性のある企業を目指し、今一度原点に立ち返って中期的な課題である「本業の再強化」の徹底を図り、当社グループが永年培ってまいりました技術力・営業力を結集し「顧客重視の姿勢を徹底」する観点から社会のニーズに対応した新商品、新工法の開発に力を入れるとともに、既存事業の活性化や固定費の圧縮を行い、更なる企業競争力、企業体質の強化を実現することによってケー・エフ・シーグループ全体として企業価値向上を目指してまいる所存であります。
ケー・エフ・シーグループは今後も社会インフラの整備・維持を担う企業として、震災復興はもとより日本全体の復興・再生に向けた取り組みを継続し、さらにはお客様に信頼される企業として“ファスニング分野におけるエンジニアリングの専門家集団”を標榜し新しい価値を提供することによって、社会の発展に貢献してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは9億51百万円の収入(前年同期比76.3%減)であり、投資によるキャッシュ・フローは1億3百万円の収入(前年同期は7億26百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは6億70百万円の支出(前年同期は8億79百万円の支出)であります。フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、10億55百万円(前年同期比67.9%減)であります。また、当社グループは、複数年にわたる工事も受注していることから、単年でのキャッシュ・フローに加え、3年間累計のキャッシュ・フローも指標として考えております。3年間累計のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは49億22百万円の収入であり、投資によるキャッシュ・フローは14億91百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは22億77百万円の支出であります。また、3年間累計のフリー・キャッシュ・フローは34億30百万円であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的成長に向けた投資の継続と株主還元のためのフリー・キャッシュ・フローを創出することを基本としております。その創出されたフリー・キャッシュ・フローを財源として、成長投資や株主還元を行ってまいります。成長投資として、既存事業での投資と新規事業創出のための研究開発投資を行い、将来の成長を見据えた人材の確保・育成・活用のための投資を行ってまいります。また、株主還元として、財務体質強化のための自己資本比率の向上を行いつつも、安定的かつ継続的に配当を行ってまいります。
当社グループの運転資金需要のうち主のものは、未成工事支出金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、有形固定資産の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債である借入金の残高は6億59百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は48億75百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っております。なお、現時点で新型コロナウィルス感染症の収束時期などを想定することは困難であるものの、当社の事業計画の進捗状況等の情報に基づき検討し、当社収益への影響は限定的であると仮定して当連結会計年度(2020年3月期)の見積りを行っております。
工事進行基準の適用に当たっては、進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、契約ごとの実行予算を使用して見積りを行っておりますが、工事契約等の実行予算の策定にあたっては、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。