有価証券報告書-第55期(2023/03/01-2024/02/29)

【提出】
2024/05/24 12:57
【資料】
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【項目】
141項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行したことにより、外出機会の増加に伴う消費を中心に個人消費は持ち直し、インバウンド需要の増加などから、経済活動の正常化が進み景気は緩やかな回復の動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢や中東情勢の悪化といった地政学上リスクの長期化に伴う緊張感の高まりや、原材料価格、エネルギー価格高騰に加えて世界的な金融引き締め等による海外景気の下振れの影響が懸念されるなど先行き不透明な状況が続いております。
小売業界におきましても、相次ぐ値上げが収益増加に繋がりましたものの、外出機会が増えたことによる内食需要の減少や、長引く残暑と暖冬による季節商品の不振に加え、消費者の節約志向が強まりを見せるなど依然として厳しい環境が続いております。
こうしたなか、当社グループは、このような厳しい環境において、営業力の強化と収益力の向上に取り組むとともに、危機管理やコンプライアンスの徹底によるコーポレート・ガバナンスの強化にも努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の営業収益(売上高及び営業収入)は、585億67百万円(前連結会計年度比1.4%増)、営業利益は22億77百万円(前連結会計年度比10.3%増)、経常利益は23億86百万円(前連結会計年度比13.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、11億93百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。
セグメントの概況は次のとおりであります。
(小売事業)
小売事業につきましては、原材料価格高騰による相次ぐ値上げに対する対応として、「スーパーハピープライス」などによる低価格戦略の強化や「セブンプレミアム」の拡充及び拡販、時間帯別の品揃えの充実による営業力の強化に取り組みました。
また、2023年6月にアルネ津山店(岡山県津山市)へ新規ブランドとして紀ノ国屋、たぬき庵の導入、9月にポートプラザ店(広島県福山市)へ生活雑貨などの新規テナント導入のほか、2024年2月に泉田店(岡山市南区)を改装するなど既存店舗の活性化と新規顧客の獲得に取り組んでまいりました。さらに、株式会社三好野本店が地元高校と共同開発した弁当を販売するほか、有限会社ハピーバラエティが「移動スーパーとくし丸」の50台目を開業し、早島町との「高齢者等見守り活動に関する協定」を締結するなど事業を通じて地域社会への貢献に努めてまいりました。また、節電機器の導入や太陽光パネル設置店舗の拡大、食品廃棄物の提供による食品リサイクル活動、地元大学の食品ロス削減に向けたキャンペーンに参加するなど環境に配慮した取組みを実施し、持続可能社会の実現にも努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の小売事業の営業収益は511億44百万円(前連結会計年度比0.4%減)、営業利益は20億29百万円(前連結会計年度比6.2%増)となりました。
(小売周辺事業)
小売周辺事業につきましては、惣菜等調理食品の製造販売が主なものであり、急激な原材料価格高騰の影響を受け、厳しい経営環境が続くなか引き続き徹底した品質管理と衛生管理に努めるとともに、商品開発の強化に取り組んでまいりました。3月には原尾島店内のレストランを「三好野レストラン」に改装オープンし、グループシナジーの創出にも取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の小売周辺事業の営業収益は、74億22百万円(前連結会計年度比16.5%増)、営業利益は2億47百万円(前連結会計年度比61.3%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ1億13百万円減少し、7億8百万円(前連結会計年度比13.8%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が1億81百万円増加したものの、仕入債務の増減などにより、前連結会計年度に比べ73百万円増加し、37億17百万円(前連結会計年度比2.0%増)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が1億2百万円、預り敷金及び保証金の返還による支出が1億62百万円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ2億47百万円減少し、11億32百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減などにより、前連結会計年度に比べ2億7百万円減少し、26億97百万円の支出となりました。
③ 販売及び仕入の実績
a.売上実績
当連結会計年度における売上実績(営業収益のうちの売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年3月1日
至 2024年2月29日)
前連結会計年度比
(%)
売上高(千円)構成比(%)
小売事業48,065,54186.999.4
小売周辺事業7,255,32413.1116.9
合計55,320,866100.0101.4

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 小売事業の部門別売上高及び地域別売上高は、次のとおりであります。
イ. 部門別売上高
部門別売上高(千円)前連結会計年度比(%)
食料品44,306,221102.5
生活用品999,25194.3
衣料品2,671,82096.8
その他88,2486.6
合計48,065,54199.4


ロ. 地域別売上高
地域別売上高(千円)前連結会計年度比(%)
岡山県44,015,001101.2
広島県3,010,33976.6
鳥取県1,040,200107.0
合計48,065,54199.4

b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年3月1日
至 2024年2月29日)
前連結会計年度比
(%)
仕入高(千円)構成比(%)
小売事業35,678,60991.299.5
小売周辺事業3,449,9118.8117.8
合計39,128,521100.0100.9

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 小売事業の部門別仕入高は、次のとおりであります。
部門別仕入高
部門別仕入高(千円)前連結会計年度比(%)
食料品33,237,948102.2
生活用品722,14495.2
衣料品1,644,801105.0
その他73,7147.5
合計35,678,60999.5

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、衣料品・生活用品が長引く残暑と暖冬による季節商品の不振などにより減少したものの、食料品は原材料価格高騰に伴う販売価額の上昇により増加し、553億20百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、販売費及び一般管理費が2億87百万円増加したものの、営業総利益が5億円増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ2億13百万円増加し、22億77百万円(前連結会計年度比10.3%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、営業利益が増加したことに加え、補助金収入が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ2億87百万円増加し、23億86百万円(前連結会計年度比13.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失が増加したものの、経常利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ1億25百万円増加し、11億93百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。
b.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億20百万円減少し、427億52百万円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。これは主に、建物及び構築物の減少などにより有形固定資産が8億10百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ21億58百万円減少し、179億2百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました。これは主に、有利子負債の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億38百万円増加し、248億49百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。これは主に、当期純利益により利益剰余金が増加したことによるものであります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、営業力の強化と収益力の向上を重要課題として取り組み、営業収益経常利益率の改善に努めており、当連結会計年度の営業収益経常利益率は、3.9%(前連結会計年度は3.6%)となりました。また、資産の効率的な運用重視の観点から、総資産経常利益率を更に向上させるべく、経営に取り組んでおり、当連結会計年度の総資産経常利益率は、5.5%(前連結会計年度は4.8%)となりました。
e.キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金需要の主なものは、商品仕入や営業費用などの営業取引の他、既存店舗の改装や維持更新などの設備投資に係るものであり、資金調達は、営業活動によって得られた自己資金及び銀行借入金により行うこととしております。
② 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に際し、当社グループの採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の「注記事項」(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
当社グループの将来に関する見積り等の事項は、過去の実績や状況に応じて合理的な判断を行っておりますが、不確実性を含んでいるため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
a.固定資産の減損損失
当社グループは、営業活動から生ずる損益が継続してマイナスである資産グループや土地の時価の下落が著しい資産グループについて帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。今後、当社グループの資産の価値が著しく下落した場合や、経営環境の変化等により収益性の低下した店舗が発生した場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。