四半期報告書-第47期第1四半期(2024/03/01-2024/05/31)

【提出】
2024/07/12 10:54
【資料】
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【項目】
30項目
(1)業績の状況
当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、企業収益が総じてみれば改善していること、雇用・所得環境に改善の動きがみられること、個人消費が持ち直しているものの力強さに欠いていること等により、足踏みもみられますが緩やかに回復してきました。一方で、為替相場の円安、原材料価格の高騰、物価上昇に伴う節約志向、消費マインドの冷え込み懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いています。
外食産業におきましては、人流の活発化、円安傾向による旺盛なインバウンド需要が売上高を押し上げています。一方で、経営環境は厳しく、食材価格の高騰、人手不足とそれに伴う人件費関連コストの上昇基調は続いています。
このような環境の中ではありますが、当社は「美味しい料理を真心込めて提供します」を経営理念とし、「お客様に美味しい料理を低価格で提供し、ハッピーな一日(ハイデイ)を過ごしていただく」、このことを基本姿勢とし、より多くのお客様に美味しい料理を提供させていただくことに注力いたしました。引き続き、首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店、サービス水準のさらなる向上、新商品の投入、積極的な販売施策などを推進し、業容拡大を図ってまいります。
当社は「社会インフラとして地域活性化に貢献」を基本方針・パーパスとして、2024年2月期からの3年間を対象とした中期経営計画「Hiday500」を策定していましたが、経営環境の変化や最近の業績動向を踏まえて、2026年2月期を中間目標とする5か年計画の「Hiday500 ローリングプラン2024」に変更いたしました。同ローリングプランでは、7つの重点施策として、①店舗戦略、②海外マーケット進出、アライアンス・M&A、③採用の強化・人財育成、④DX推進戦略、⑤事業拡大・新商品開発・販路戦略、⑥ブランディングの強化、⑦サステナビリティの取組推進を実施しております。
〈中期経営計画「Hiday500 ローリングプラン2024」の重点施策〉
①店舗戦略
行田工場を中心に首都圏に加えて、北関東や国内未開拓マーケットである隣接県に出店を拡大、収益額の増強を図ります。
新規出店は1店舗(東京都1店舗)、退店は2店舗となりましたので、5月末の直営店舗数は448店舗となりました。既存店の改装・リニューアルは業態転換1店舗を含めた3店舗で実施しています。業態別店舗数は、「日高屋」(「来来軒」、「らーめん日高」含む)が418店舗、「焼鳥日高」(「大衆酒場日高」含む)25店舗、その他業態が5店舗となりました。
②海外マーケット進出、アライアンス・M&A
今後の成長が見込まれるアジア地域への進出、オーガニックな成長に加えてアライアンスやM&Aによる企業価値の向上を検討します。
進出地域については外国人フレンド社員の大宗がベトナム出身のため、先ずは同国にターゲットを絞り、情報収集、調査・検討を開始しております。
③採用の強化・人財育成
従業員の成長と活躍を支え、活き活きと働ける環境を充実させて、生活をより豊かにする処遇も実現します。
人財の採用では、会社の魅力を発信する採用公式インスタグラムの公開、店舗フレンド社員の正社員登用や特定技能に関する情報を掲載する採用社内報「HIDAY PRESS」を発信するなど、新卒、中途、特定技能外国人のリクルート活動を社内外で積極化しております。
2024年春の新卒採用は106名と過去最高を記録しました。中途採用については5月末時点で52名となり、過去最高となった2024年2月期を上回るペースで推移しています。処遇面では、4月に4%強のベースアップ実施(定期昇給による給与の引き上げを含めた昇給率は全社で5.5%)、新卒初任給15千円引き上げを実施しました。
④DX推進戦略
お客様の利便性向上、店舗オペレーションの効率化・生産性向上に向けてDX推進戦略に取り組んできました。店舗の業務効率化、キャッシュレス決済の処理能力向上を企図して、4月には新POSシステムへの切り替えを全店舗で完了しました。「焼鳥日高」では、初のポイントサービスとして「dポイント」を導入・順次取り扱いを開始しています。タッチパネル式オーダーシステムの導入・切り替えは5月末で247店舗に拡充しました。同システム導入はお客様の利便性向上に加えて、店舗の生産性向上・効率化にも繋がることから今後も継続的に導入を進めてまいります。配膳ロボットはロードサイド店を中心に30店舗31台が稼働中です。
⑤事業拡大・新商品開発・販路戦略
食材価格、人件費、物流費等の各種コスト増加に対応し、今後も安定した商品・サービスを提供するため、「日高屋」において5月31日より商品価格を改定しました。「日高屋」1号店オープン時から20年以上守り抜いている「中華そば」390円(税込)の価格は据え置き、その他の商品は概ね3%程度の値上げを行っています。商品面では、3月にはグランドメニューをリニューアルして、おつまみメニューとして好評だった「ドラゴンチキン」を増量して定食メニューとしたほか、チャーシューメンのアイテムやおつまみメニューを拡充しました。ドリンクでは、ハイボールのウイスキーをホワイトホースから陸に変更してグレードアップいたしました。5月31日より主力メニューの一つである「餃子」を約4年半ぶりにリニューアルしました。「餃子」の皮には北海道産小麦粉を使用し、もちっとした食べ応えのある厚皮に変更し、具材の餡も旨味と肉汁感を向上することで、食事やお酒との相性を高めています。このほか、4月に「日高ちゃんぽん」「黒酢しょうゆ冷し麺」、5月に「冷麺」をそれぞれ期間限定メニューとして提供開始しました。
⑥ブランディングの強化
テレビCM、SNS、動画サイト、ホームページなど、多彩なコンテンツを活用して、新製品やお得なキャンペーンなどを継続的に紹介・発信、お客様に楽しい食事を想起していただけるよう活動しております。4月に「日高屋」新橋日比谷口店のオープンに先駆け、メディア関係者向けに「日高屋」の「ちょい飲み」を堪能いただく体験会を開催、おすすめのちょい飲みの組み合わせを紹介しました。
店舗以外で「日高屋」ブランドを訴求する取り組みも継続しており、「日高屋」の期間限定メニューで人気がもっとも高い「チゲ味噌ラーメン」をイメージした当社監修のカップ麺が発売されました。
⑦サステナビリティの取組推進
環境面の取り組みとして、温室効果ガスの排出量(Scope1、2)は2018年を基準年として2030年度に30%削減する目標を掲げています。その一環として、非化石証書付き電力の利用、20店舗分の年間電力使用量に相当するFIT非化石証書を購入しました。Scope3についてもサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を把握するために算定しました。具体的な温室効果ガスの排出量は第46期有価証券報告書をご参照ください。
上記施策の推進に加えて、ご来店客数が持続的に増加していること、コロナ禍で短縮した営業時間の延長に取り組んだことなどによって、3月の売上高は単月ベースで過去最高額を更新、各月の売上高は15ヶ月連続で同月比過去最高額を記録、第1四半期累計期間の売上高も四半期ベースで過去最高額の133億50百万円(前年同四半期比13.8%増)となりました。
生産、原価面につきましては、増収効果もありましたが、豚肉、米等の各種食材購入価格上昇によって、原価率は28.8%(前年同期は27.7%)となりました。
販売費及び一般管理費は正社員のベースアップ、フレンド社員の増員・時給アップに伴う人件費の増加、物流費や消耗品費等の各種コスト増加があるものの、増収効果によって、対売上高比60.2%(前年同期は61.9%)に低減しました。
この結果、利益面では、営業利益は四半期ベースで過去最高額の14億71百万円(前年同四半期比20.6%増)、経常利益14億89百万円(前年同四半期比11.1%増)、四半期純利益9億92百万円(前年同四半期比8.9%増)となりました。
なお、飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(2)財政状態の分析
当第1四半期会計期間末の総資産は330億8百万円となり前期末に比べて2億56百万円減少いたしました。主な要因は、前期末に比べ流動資産の現金及び預金の減少6億23百万円、売掛金の増加2億83百万円等によるものです。負債合計は75億73百万円となり前期末に比べて5億77百万円減少いたしました。主な要因は、未払法人税等の減少4億98百万円等によるものです。
純資産合計は、254億35百万円となり前期末に比べて3億21百万円増加しました。この結果、自己資本比率は77.1%(前期末75.5%)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。