有価証券報告書-第51期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大への懸念から企業活動や消費行動の制限を余儀なくされ景気は著しく悪化しました。2020年4月に発出された緊急事態宣言の解除後は、政府による支援策の効果もあり個人消費に持ち直しの兆しが見られたものの、11月以降は全国的に感染者数が急増し緊急事態宣言が再発出されるなど、新型コロナウイルス感染症の終息の見通しは立っておらず、経済活動に与える影響は当面続くと思われる中、先行きの不透明感を払拭できておりません。
当業界においては、緊急事態宣言時の店舗一時休業や外出自粛等が直接的に影響している反面、新生活様式のもと、密を避けるための方法として追い風にもなりました。一方、家庭内調理の増加や、外食メニューのテイクアウト及びデリバリーなどの利用が定着し、業界の垣根を越えた販売競争が激化するなど、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続きました。
このような中、当社は、食を担う企業として社会的責任を果たすため、衛生管理や新型コロナウイルス感染防止対策を再徹底し美味しい商品を提供するとともに、変化する消費者の新しい生活様式に柔軟に対応すべく、商品政策や運営効率及び適正なコストなどすべての事業活動の見直しに加え、新たな取り組みにも注力してまいりました。
a.資産、負債及び純資産の状況
当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ11億13百万円減少し、301億45百万円となりました。
この主な要因は、売掛金が5億93百万円、有形固定資産が償却等により3億42百万円それぞれ減少したことなどによります。
負債は、前事業年度末に比べ10億36百万円減少し、69億25百万円となりました。
この主な要因は、買掛金が3億77百万円、未払金が2億53百万円、未払消費税等が1億47百万円それぞれ減少したことなどによります。
純資産は、前事業年度末に比べ76百万円減少し、232億20百万円となりました。
この主な要因は、利益剰余金が1億34百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金の差益が57百万円増加したことなどによります。
これらにより、当事業年度末の自己資本比率は、前事業年度末の74.5%から77.0%となりました。
b.経営成績の状況
(テナント事業)
テナント事業においては、コロナ禍で変化する顧客ニーズに対応するため、販売ピークの前倒しにあわせた運営計画の見直しや「外食控え」「家呑み」をキーワードとした商品展開などに注力したことにより、スーパーマーケット内の店舗においては徐々に持ち直してまいりましたが、都心部の駅立地店舗や外食店舗の回復ペースは鈍く、テナント事業全体の業績は伸び悩みました。
店舗展開においては、洋風惣菜店舗2店舗の新規出店に加え、「アピタ」「ピアゴ」からドン・キホーテとユニーのダブルネーム店舗「MEGA ドン・キホーテUNY」等への業態転換店舗に19店舗の出店を行いました。業態転換店舗では、新たなブランド「Re'z deli(リーズデリ)」4店舗を展開し、「納得のいく値頃感ある商品の提供」「季節感の提供」「美味しさの提供」をコンセプトに、美味しさへのこだわりはもとより「値頃感」を打ち出した価値ある商品の提供及び顧客層に合わせた店舗戦略を推し進めてまいりました。一方で業態転換に伴う一時閉店11店舗を含め計12店舗の閉店をし、当事業年度末における店舗数は前期末と比べ9店舗増加の280店舗となりました。
これらの結果、テナント事業の売上高は前年同期間に比べ4.3%減収の403億75百万円となり、セグメント利益については前年同期間に比べ2.9%減益の16億3百万円となりました。
(外販事業)
外販事業においては、コロナ禍における生活協同組合への宅配関連の需要拡大や主要納品先であるファミリーマート店舗での「手巻おむすび」のリニューアルや、素材と具材ボリュームにこだわった贅沢おむすびシリーズ「ごちむすび」の展開などにより納品量増加に一定の効果は見られたものの、外出自粛等の影響によりオフィス立地や駅立地のコンビニエンスストアにおける客数減少は大きく、全体の納品量は低調に推移しました。
これらの結果、外販事業の売上高は前年同期間に比べ17.2%減収の351億53百万円となり、利益面は11億37百万円のセグメント損失(前期は76百万円のセグメント利益)となりました。
以上の要因により、当事業年度の売上高は前年同期間に比べ10.8%減収の755億29百万円となりました。また経常利益については、前年同期間に比べ70.7%減益の5億24百万円、当期純利益は、前年同期間に比べ84.0%減益の2億4百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ1億36百万円減少し126億53百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によって得られた資金は前年同期間と比べ11億84百万円減少し9億66百万円となりました。
この主な要因は、税引前当期純利益が12億69百万円減少したことなどによります。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により支出した資金は、7億61百万円(前年同期間は68百万円の収入)となりました。
この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が87百万円増加したことと、有形固定資産の売却による収入が6億72百万円減少したことなどによります。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により支出した資金は、前年同期間と比べ7億53百万円減少し3億41百万円となりました。
この主な要因は、自己株式の取得による支出が5億8百万円減少したことなどによります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。
なお、取締役に対する株式報酬制度として「株式給付信託(BBT)」を導入しており、株式時価総額の算定上使用する発行済株式数から控除する自己株式には、「株式給付信託(BBT)」に残存する自社の株式を含めております。
b.資本の財源及び資金の流動性について
資本の財源について、当社の運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入金による資金調達を実施することを基本方針としております。なお、前事業年度及び当事業年度において、金融機関からの資金調達は実施しておりません。
資金の流動性については、新型コロナウイルス感染症拡大により、当社を取り巻く事業環境は不透明感を増しているものの、事業活動上で必要となる資金は、現金及び預金の水準等、十分な流動性を確保しており、当面の資金繰りに影響は無いものと考えております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価額によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社は、外販事業において、受注生産を行っておりますが、翌日に製造し出荷しておりますので、受注実績についての記載は省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.本表の金額については、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この財務諸表の作成にあたって、経営者は、繰延税金資産の回収可能性、退職給付債務を測定するための数理計算上の基礎率及び減損損失の認識の要否等、財務諸表に重要な影響を与える事項の見積り等についての確認を行っております。
なお、当社の財務諸表作成に際しての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」をご参照ください。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社が属する中食市場は、「少子高齢化」「核家族化」「女性の社会進出」などによるライフスタイルの変化を背景に市場規模を拡大しております。
昨今では時短ニーズや消費税増税なども追い風となり、さらに今後も成長していく市場であると捉えられております。
人口減少が進む中で、業界間の垣根を越えて市場の取り合いが激しくなっており、新型コロナウイルス感染症の影響により外食から流失している売上を中食市場に属する我々がどのように獲得していくかが重要になってくると考えております。
未だ終息が見えない新型コロナウイルス感染症ではありますが、当該感染症が完全に終息した時には、「食」に対する選択肢が今以上に広がり、更に企業間競争が高まって行くものと予想されます。
このような環境の中、当社においても新型コロナウイルス感染症の影響により大変厳しい状況となりました。
2020年4月の緊急事態宣言の発出に伴い、店舗の一時休業や営業時間短縮、不要不急の外出自粛や在宅勤務等の推奨、各地域の季節催事の中止などにより世の中は激変いたしました。
この結果、特に都心部において、オフィス立地、駅立地の店舗及びコンビニエンスストアの客足が遠のき、売上減少にいたりました。
第1四半期において、売上は前年同期比19.2%の減収、利益面では3億78百万円の経常損失という形での先を見通すことが困難な状況でのスタートとなりました。
第2・第3四半期と徐々にスーパーマーケット内店舗や郊外立地店舗を中心に持ち直しの動きが見られましたが、新型コロナウイルス感染症第3波が押し寄せたことにより、年末年始という当社にとっての最大商戦と重なることで、帰省に伴う「ごちそう」や「会食需要」が激減し、苦戦を強いられることとなりました。また、年明けに緊急事態宣言が再発出されたことによる経済活動の再停滞もあり、当事業年度は、売上高は前年同期比10.8%減収の755億29百万円となりました。また経常利益については、前年同期比70.7%減益の5億24百万円、当期純利益は、前年同期比84.0%減益の2億4百万円となりました。
そのような中、当社は「食」を担う企業として社会的責任を果たすため事業所・従業員の衛生管理・体調管理など感染予防を徹底して遂行すると同時に新生活様式への移行に伴う、消費者ニーズの変化に気づき、行動し、対応することに注力してまいりました。
テナント事業の業態別売上推移については、スーパーマーケット内店舗は緊急事態宣言解除後の5月以降、持ち直しの動きを見せ、その後横ばいで推移し、前年同期比100.0%、駅立地店舗(主にeashion店舗)においては、旅客・通勤客の減少、在宅勤務等の定着により前年同期比76.4%、外食店舗においては、外出自粛、内食志向及び在宅消費の高まりから前年同期比64.6%となり、店舗展開の内、多数を占めるスーパーマーケット内店舗がテナント事業全体を牽引していく形での推移となりました。
運営面においては、新生活様式への対応として来店ピーク時間の変化に合わせた適正な人員計画を組み、販売機会ロスの撲滅や売上確保等に努めてまいりました。また、消費者の「我慢」を強いられた生活に対し、「食」を通して何か貢献はできないだろうかという思いから「家呑み」をキーワードとした商品展開などに注力してまいりました。この施策については、一定の評価をいただけたのではないかと考えております。継続的な取り組みではありますが、定番商品のブラッシュアップを徹底して行い、強い単品の育成に注力してまいりました。
その中でも、モデル店舗で販売する「でら旨!鶏唐」が前年同期比141.9%と伸長し、第12回からあげグランプリ(R)スーパー惣菜部門において「金賞」を受賞することができました。継続的な売込み強化の賜物であったと捉えております。
テナント事業における今後の店舗展開の要となる業態転換店舗については、ディベロッパー様の転換に伴い、ターゲットが変わり、顧客層が変化する中で従来の「Kanemi」ではニーズを十分に捉えきることができず、様々な試行錯誤を重ねてまいりましたが、今回大きく転換し、商品面・運営面すべてにおいて、より大胆に変化対応すべく新たなブランド戦略として「Re'z deli(リーズデリ)」を立ち上げました。
従来のユニー店舗との顧客層の違いを分析し、ターゲットに合わせたカテゴリーの強化と価格帯の設定、販売アイテムの集約による効率化を図り、ユニー店舗とは切り離したビジネスモデルを確立させてまいります。
外販事業は、都心部及びオフィス立地、駅立地のコンビニエンスストアの客足が戻らず、前年同期比82.6%となり、鉄道系コンビニエンスストアにおいては、店舗休業・営業時間短縮の継続、旅客・通勤客の減少、在宅勤務等の定着により前年同期比56.8%、宅配関連が外食控えや在宅消費の高まりが追い風となり、前年同期比108.9%となりました。
また、外販事業が損失となった大きな要因としては、主要納品先でありますコンビニエンスストアへの納品量が減少したためであり、特に都市部店舗への納品が主となる関西2工場及び関東3工場に対する影響が大きいことに加え、全体の売上の減少から損益分岐点を下回る工場が増えたことなどであります。
売上が減少する中、外販事業としては、工場の稼働率及び生産性の向上を図るため、株式会社ファミリーマート専用工場の一つである袋井工場を2021年3月にテナント事業専用のセントラルキッチンとして「袋井ファクトリー」へと転換いたしました。
さらに外販事業全体として、テナント向け商品の拡充、新規取引先との交渉により、テスト納品を開始することができました。このテスト納品については次年度へ繋がる礎を築けたのではないかと考えております。
また、主要取引先であります株式会社ファミリーマートについては、納品体制や発注体制の見直しについてご提案をさせていただいており、他デイリーメーカーとも協力し、前に進んで行きたいと考えております。加えて、従前より推し進めておりましたJFS-B規格に基づくHACCP認証取得が完了したことで製造管理体制の更なる強化に努めてまいります。
当社は、おにぎり・惣菜・弁当を製造販売することを生業としており、「品質」「清潔」「接客」「納期」を経営の基本方針として、日々の運営に取り組んでおります。
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「事業等のリスク」にも記載しておりますが、テナント事業においては店舗の出店を行っている主要な総合スーパーであるユニー株式会社及びUDリテール株式会社(当社のその他の関係会社であります株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの子会社)が属する流通業界の動向及び同社の出店政策、外販事業においては製品の納品を行っている主要なコンビニエンスストア加盟店舗のフランチャイザーである株式会社ファミリーマートが属するコンビニエンス業界の動向及び同社の出店政策等があります。
そのため、今後も主要取引先以外での出店や納品については出店モニタリング等も行い、臨機応変に対応していく考えであります。
また、未だ終息が見えない新型コロナウイルス感染症については、感染の主流が従来型から、より感染力が強いとされる変異型へと推移しております。一部エリアでは3度目の緊急事態宣言が発出されており、政府及び各自治体からの要請がより強制力の強いものとなった場合には、店舗の営業又は工場の稼働が困難となる可能性があります。また、会計上の見積りの不確実性に関する追加情報にも記載のとおり、当該見積りに係る仮定は不確実性が高く、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の運転資金需要の主なものは、テナント事業及び外販事業における材料費、労務費、店舗及び工場における設備等の維持管理費等であります。
また、当社の事業活動における運転資金は主として自己資金により充当し、必要に応じて借入金による資金調達を実施することを基本方針としております。
運転資金使途の内、設備投資資金需要としてテナント事業においては、店舗の新設及び改装並びに経常的な設備の更新等が、外販事業においては、生産体制の均一化や省人化を図るための設備の取得や更新等がそれぞれあります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大への懸念から企業活動や消費行動の制限を余儀なくされ景気は著しく悪化しました。2020年4月に発出された緊急事態宣言の解除後は、政府による支援策の効果もあり個人消費に持ち直しの兆しが見られたものの、11月以降は全国的に感染者数が急増し緊急事態宣言が再発出されるなど、新型コロナウイルス感染症の終息の見通しは立っておらず、経済活動に与える影響は当面続くと思われる中、先行きの不透明感を払拭できておりません。
当業界においては、緊急事態宣言時の店舗一時休業や外出自粛等が直接的に影響している反面、新生活様式のもと、密を避けるための方法として追い風にもなりました。一方、家庭内調理の増加や、外食メニューのテイクアウト及びデリバリーなどの利用が定着し、業界の垣根を越えた販売競争が激化するなど、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続きました。
このような中、当社は、食を担う企業として社会的責任を果たすため、衛生管理や新型コロナウイルス感染防止対策を再徹底し美味しい商品を提供するとともに、変化する消費者の新しい生活様式に柔軟に対応すべく、商品政策や運営効率及び適正なコストなどすべての事業活動の見直しに加え、新たな取り組みにも注力してまいりました。
a.資産、負債及び純資産の状況
| 総資産(百万円) | 純資産(百万円) | 自己資本比率 | 1株当たり純資産(円) | |
| 2021年2月期 | 30,145 | 23,220 | 77.0% | 2,400.85 |
| 2020年2月期 | 31,258 | 23,297 | 74.5% | 2,408.77 |
当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ11億13百万円減少し、301億45百万円となりました。
この主な要因は、売掛金が5億93百万円、有形固定資産が償却等により3億42百万円それぞれ減少したことなどによります。
負債は、前事業年度末に比べ10億36百万円減少し、69億25百万円となりました。
この主な要因は、買掛金が3億77百万円、未払金が2億53百万円、未払消費税等が1億47百万円それぞれ減少したことなどによります。
純資産は、前事業年度末に比べ76百万円減少し、232億20百万円となりました。
この主な要因は、利益剰余金が1億34百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金の差益が57百万円増加したことなどによります。
これらにより、当事業年度末の自己資本比率は、前事業年度末の74.5%から77.0%となりました。
b.経営成績の状況
(テナント事業)
テナント事業においては、コロナ禍で変化する顧客ニーズに対応するため、販売ピークの前倒しにあわせた運営計画の見直しや「外食控え」「家呑み」をキーワードとした商品展開などに注力したことにより、スーパーマーケット内の店舗においては徐々に持ち直してまいりましたが、都心部の駅立地店舗や外食店舗の回復ペースは鈍く、テナント事業全体の業績は伸び悩みました。
店舗展開においては、洋風惣菜店舗2店舗の新規出店に加え、「アピタ」「ピアゴ」からドン・キホーテとユニーのダブルネーム店舗「MEGA ドン・キホーテUNY」等への業態転換店舗に19店舗の出店を行いました。業態転換店舗では、新たなブランド「Re'z deli(リーズデリ)」4店舗を展開し、「納得のいく値頃感ある商品の提供」「季節感の提供」「美味しさの提供」をコンセプトに、美味しさへのこだわりはもとより「値頃感」を打ち出した価値ある商品の提供及び顧客層に合わせた店舗戦略を推し進めてまいりました。一方で業態転換に伴う一時閉店11店舗を含め計12店舗の閉店をし、当事業年度末における店舗数は前期末と比べ9店舗増加の280店舗となりました。
これらの結果、テナント事業の売上高は前年同期間に比べ4.3%減収の403億75百万円となり、セグメント利益については前年同期間に比べ2.9%減益の16億3百万円となりました。
(外販事業)
外販事業においては、コロナ禍における生活協同組合への宅配関連の需要拡大や主要納品先であるファミリーマート店舗での「手巻おむすび」のリニューアルや、素材と具材ボリュームにこだわった贅沢おむすびシリーズ「ごちむすび」の展開などにより納品量増加に一定の効果は見られたものの、外出自粛等の影響によりオフィス立地や駅立地のコンビニエンスストアにおける客数減少は大きく、全体の納品量は低調に推移しました。
これらの結果、外販事業の売上高は前年同期間に比べ17.2%減収の351億53百万円となり、利益面は11億37百万円のセグメント損失(前期は76百万円のセグメント利益)となりました。
以上の要因により、当事業年度の売上高は前年同期間に比べ10.8%減収の755億29百万円となりました。また経常利益については、前年同期間に比べ70.7%減益の5億24百万円、当期純利益は、前年同期間に比べ84.0%減益の2億4百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
| 営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) | 投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) | 財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) | 現金及び現金同等物 期末残高 (百万円) | |
| 2021年2月期 | 966 | △761 | △341 | 12,653 |
| 2020年2月期 | 2,151 | 68 | △1,095 | 12,789 |
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ1億36百万円減少し126億53百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によって得られた資金は前年同期間と比べ11億84百万円減少し9億66百万円となりました。
この主な要因は、税引前当期純利益が12億69百万円減少したことなどによります。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により支出した資金は、7億61百万円(前年同期間は68百万円の収入)となりました。
この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が87百万円増加したことと、有形固定資産の売却による収入が6億72百万円減少したことなどによります。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により支出した資金は、前年同期間と比べ7億53百万円減少し3億41百万円となりました。
この主な要因は、自己株式の取得による支出が5億8百万円減少したことなどによります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
| 2020年2月期 | 2021年2月期 | |
| 自己資本比率(%) | 74.5 | 77.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 88.8 | 94.2 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。
なお、取締役に対する株式報酬制度として「株式給付信託(BBT)」を導入しており、株式時価総額の算定上使用する発行済株式数から控除する自己株式には、「株式給付信託(BBT)」に残存する自社の株式を含めております。
b.資本の財源及び資金の流動性について
資本の財源について、当社の運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入金による資金調達を実施することを基本方針としております。なお、前事業年度及び当事業年度において、金融機関からの資金調達は実施しておりません。
資金の流動性については、新型コロナウイルス感染症拡大により、当社を取り巻く事業環境は不透明感を増しているものの、事業活動上で必要となる資金は、現金及び預金の水準等、十分な流動性を確保しており、当面の資金繰りに影響は無いものと考えております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | 前年同期比(%) |
| テナント事業(千円) | 40,375,970 | 95.6 |
| 外販事業(千円) | 35,273,460 | 82.6 |
| 報告セグメント計(千円) | 75,649,430 | 89.1 |
| 合計(千円) | 75,649,430 | 89.1 |
(注)1.金額は販売価額によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社は、外販事業において、受注生産を行っておりますが、翌日に製造し出荷しておりますので、受注実績についての記載は省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | 前年同期比(%) |
| 製品 | ||
| テナント事業(千円) | 40,375,970 | 95.6 |
| 外販事業(千円) | 35,153,682 | 82.7 |
| 報告セグメント計(千円) | 75,529,652 | 89.1 |
| 合計(千円) | 75,529,652 | 89.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) | 当事業年度 (自 2020年3月1日 至 2021年2月28日) | ||
| 金額(千円) | 総販売実績に対する割合(%) | 金額(千円) | 総販売実績に対する割合(%) | |
| ユニー株式会社 | 32,120,444 | 37.9 | 28,722,285 | 38.0 |
| 株式会社ファミリーマート | 38,571,342 | 45.5 | 31,890,967 | 42.2 |
3.本表の金額については、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この財務諸表の作成にあたって、経営者は、繰延税金資産の回収可能性、退職給付債務を測定するための数理計算上の基礎率及び減損損失の認識の要否等、財務諸表に重要な影響を与える事項の見積り等についての確認を行っております。
なお、当社の財務諸表作成に際しての重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」をご参照ください。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社が属する中食市場は、「少子高齢化」「核家族化」「女性の社会進出」などによるライフスタイルの変化を背景に市場規模を拡大しております。
昨今では時短ニーズや消費税増税なども追い風となり、さらに今後も成長していく市場であると捉えられております。
人口減少が進む中で、業界間の垣根を越えて市場の取り合いが激しくなっており、新型コロナウイルス感染症の影響により外食から流失している売上を中食市場に属する我々がどのように獲得していくかが重要になってくると考えております。
未だ終息が見えない新型コロナウイルス感染症ではありますが、当該感染症が完全に終息した時には、「食」に対する選択肢が今以上に広がり、更に企業間競争が高まって行くものと予想されます。
このような環境の中、当社においても新型コロナウイルス感染症の影響により大変厳しい状況となりました。
2020年4月の緊急事態宣言の発出に伴い、店舗の一時休業や営業時間短縮、不要不急の外出自粛や在宅勤務等の推奨、各地域の季節催事の中止などにより世の中は激変いたしました。
この結果、特に都心部において、オフィス立地、駅立地の店舗及びコンビニエンスストアの客足が遠のき、売上減少にいたりました。
第1四半期において、売上は前年同期比19.2%の減収、利益面では3億78百万円の経常損失という形での先を見通すことが困難な状況でのスタートとなりました。
第2・第3四半期と徐々にスーパーマーケット内店舗や郊外立地店舗を中心に持ち直しの動きが見られましたが、新型コロナウイルス感染症第3波が押し寄せたことにより、年末年始という当社にとっての最大商戦と重なることで、帰省に伴う「ごちそう」や「会食需要」が激減し、苦戦を強いられることとなりました。また、年明けに緊急事態宣言が再発出されたことによる経済活動の再停滞もあり、当事業年度は、売上高は前年同期比10.8%減収の755億29百万円となりました。また経常利益については、前年同期比70.7%減益の5億24百万円、当期純利益は、前年同期比84.0%減益の2億4百万円となりました。
そのような中、当社は「食」を担う企業として社会的責任を果たすため事業所・従業員の衛生管理・体調管理など感染予防を徹底して遂行すると同時に新生活様式への移行に伴う、消費者ニーズの変化に気づき、行動し、対応することに注力してまいりました。
テナント事業の業態別売上推移については、スーパーマーケット内店舗は緊急事態宣言解除後の5月以降、持ち直しの動きを見せ、その後横ばいで推移し、前年同期比100.0%、駅立地店舗(主にeashion店舗)においては、旅客・通勤客の減少、在宅勤務等の定着により前年同期比76.4%、外食店舗においては、外出自粛、内食志向及び在宅消費の高まりから前年同期比64.6%となり、店舗展開の内、多数を占めるスーパーマーケット内店舗がテナント事業全体を牽引していく形での推移となりました。
運営面においては、新生活様式への対応として来店ピーク時間の変化に合わせた適正な人員計画を組み、販売機会ロスの撲滅や売上確保等に努めてまいりました。また、消費者の「我慢」を強いられた生活に対し、「食」を通して何か貢献はできないだろうかという思いから「家呑み」をキーワードとした商品展開などに注力してまいりました。この施策については、一定の評価をいただけたのではないかと考えております。継続的な取り組みではありますが、定番商品のブラッシュアップを徹底して行い、強い単品の育成に注力してまいりました。
その中でも、モデル店舗で販売する「でら旨!鶏唐」が前年同期比141.9%と伸長し、第12回からあげグランプリ(R)スーパー惣菜部門において「金賞」を受賞することができました。継続的な売込み強化の賜物であったと捉えております。
テナント事業における今後の店舗展開の要となる業態転換店舗については、ディベロッパー様の転換に伴い、ターゲットが変わり、顧客層が変化する中で従来の「Kanemi」ではニーズを十分に捉えきることができず、様々な試行錯誤を重ねてまいりましたが、今回大きく転換し、商品面・運営面すべてにおいて、より大胆に変化対応すべく新たなブランド戦略として「Re'z deli(リーズデリ)」を立ち上げました。
従来のユニー店舗との顧客層の違いを分析し、ターゲットに合わせたカテゴリーの強化と価格帯の設定、販売アイテムの集約による効率化を図り、ユニー店舗とは切り離したビジネスモデルを確立させてまいります。
外販事業は、都心部及びオフィス立地、駅立地のコンビニエンスストアの客足が戻らず、前年同期比82.6%となり、鉄道系コンビニエンスストアにおいては、店舗休業・営業時間短縮の継続、旅客・通勤客の減少、在宅勤務等の定着により前年同期比56.8%、宅配関連が外食控えや在宅消費の高まりが追い風となり、前年同期比108.9%となりました。
また、外販事業が損失となった大きな要因としては、主要納品先でありますコンビニエンスストアへの納品量が減少したためであり、特に都市部店舗への納品が主となる関西2工場及び関東3工場に対する影響が大きいことに加え、全体の売上の減少から損益分岐点を下回る工場が増えたことなどであります。
売上が減少する中、外販事業としては、工場の稼働率及び生産性の向上を図るため、株式会社ファミリーマート専用工場の一つである袋井工場を2021年3月にテナント事業専用のセントラルキッチンとして「袋井ファクトリー」へと転換いたしました。
さらに外販事業全体として、テナント向け商品の拡充、新規取引先との交渉により、テスト納品を開始することができました。このテスト納品については次年度へ繋がる礎を築けたのではないかと考えております。
また、主要取引先であります株式会社ファミリーマートについては、納品体制や発注体制の見直しについてご提案をさせていただいており、他デイリーメーカーとも協力し、前に進んで行きたいと考えております。加えて、従前より推し進めておりましたJFS-B規格に基づくHACCP認証取得が完了したことで製造管理体制の更なる強化に努めてまいります。
当社は、おにぎり・惣菜・弁当を製造販売することを生業としており、「品質」「清潔」「接客」「納期」を経営の基本方針として、日々の運営に取り組んでおります。
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「事業等のリスク」にも記載しておりますが、テナント事業においては店舗の出店を行っている主要な総合スーパーであるユニー株式会社及びUDリテール株式会社(当社のその他の関係会社であります株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの子会社)が属する流通業界の動向及び同社の出店政策、外販事業においては製品の納品を行っている主要なコンビニエンスストア加盟店舗のフランチャイザーである株式会社ファミリーマートが属するコンビニエンス業界の動向及び同社の出店政策等があります。
そのため、今後も主要取引先以外での出店や納品については出店モニタリング等も行い、臨機応変に対応していく考えであります。
また、未だ終息が見えない新型コロナウイルス感染症については、感染の主流が従来型から、より感染力が強いとされる変異型へと推移しております。一部エリアでは3度目の緊急事態宣言が発出されており、政府及び各自治体からの要請がより強制力の強いものとなった場合には、店舗の営業又は工場の稼働が困難となる可能性があります。また、会計上の見積りの不確実性に関する追加情報にも記載のとおり、当該見積りに係る仮定は不確実性が高く、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の運転資金需要の主なものは、テナント事業及び外販事業における材料費、労務費、店舗及び工場における設備等の維持管理費等であります。
また、当社の事業活動における運転資金は主として自己資金により充当し、必要に応じて借入金による資金調達を実施することを基本方針としております。
運転資金使途の内、設備投資資金需要としてテナント事業においては、店舗の新設及び改装並びに経常的な設備の更新等が、外販事業においては、生産体制の均一化や省人化を図るための設備の取得や更新等がそれぞれあります。