有価証券報告書-第56期(2025/03/01-2026/02/28)

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2026/05/25 10:00
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135項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に新内閣の発足後は積極財政への期待から株高傾向もあり回復基調で推移しました。一方で、米国の関税政策による影響、日中関係の悪化が経済に与える影響、中東地域をはじめとした地政学リスクの長期化等による世界経済の減速懸念に加え、物価上昇に伴う消費マインドの下振れリスクが高まるなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続きました。
当業界においても、原材料価格の高騰や労働コストの増加、消費者の節約志向の高まり等を背景に引き続き厳しい経営環境となりました。
このような中、当社は当事業年度において企業経営の根幹となる「パーパス・ビジョン」及び行動指針を策定し、改めて当社が進むべき道を明確にするとともに、新たな取り組みに積極的に挑戦し、事業規模拡大及び企業価値向上を図ってまいりました。
a.資産、負債及び純資産の状況
総資産(百万円)純資産(百万円)自己資本比率1株当たり純資産(円)
2026年2月期38,35529,88577.9%3,156.89
2025年2月期37,40829,08377.7%3,005.61

当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ9億46百万円増加し、383億55百万円となりました。
この主な要因は、売掛金が16億13百万円、有形固定資産が土地の取得等により12億85百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が21億50百万円減少したことなどによります。
負債は、前年同期間末に比べ1億45百万円増加し、84億70百万円となりました。
この主な要因は、未払費用が1億64百万円増加したことなどによります。
純資産は、前年同期間末に比べ8億1百万円増加し、298億85百万円となりました。
この主な要因は、利益剰余金が14億43百万円増加した一方で、自己株式の取得により7億6百万円減少したことなどによります。
これらにより、当事業年度末の自己資本比率は、前年同期間末の77.7%から77.9%となりました。
b.経営成績の状況
(テナント事業)
テナント事業においては、自社工場製造の内製商品の導入強化により生産性向上を図ることで機会損失を低減するとともに、店内調理の強みである「出来立て・作りたて」への注力や、シズル感を連想させる販促物の強化をはかることで顧客満足度を高め、既存店の収益向上に努めてまいりました。
また、洋風惣菜店舗「eashion(イーション)」においては、出店先ごとの商品の見直し及び価格戦略の結果、客単価が上昇したことに加え、主に百貨店やエキナカ店舗においてインバウンド需要等により客数が増加したことで売上が伸長いたしました。
加えて、PPIHが展開する新業態「ロビン・フッド」への出店を見据え、新たなMD展開や従来にない店舗づくりを進めて参りました。
これらの結果、テナント事業全体の売上高は前年同期間に比べ3.3%増収の474億20百万円となりました。利益面においては、引き続き外販事業との連携強化により機会損失を低減したことでセグメント利益は前年同期間に比べ34.6%増益の28億71百万円となりました。
(外販事業)
外販事業においては、PPIHの長期経営計画により惣菜戦略が示され、両社での協議や連携を深めたことによりPPIHグループ店舗への納品が増加しました。
また、インバウンド需要に牽引され鉄道系コンビニエンスストアの納品は順調に推移しました。一方で、主要コンビニエンスストア向けの納品については、前事業年度末に実施した生産体制整備のための拠点政策により売上高は減収となりました。
また、テナント事業における内製商品の導入強化を目的とし、冷凍設備の導入や原体野菜から加工する設備の導入など生産体制の強化を行いました。その中で冷凍製品については、製造ノウハウを積み上げ、新規取引先へ納品を開始するための基礎の構築をいたしました。
これらの結果、外販事業の売上高は前年同期に比べ12.0%減収の392億33百万円となりました。利益面では売上の減少に加えて、生産体制整備に注力をしたものの一時的なコスト増加の影響が大きく、1億13百万円のセグメント損失(前年同期は9億45百万円のセグメント利益)となりました。
以上の要因により、当事業年度の売上高は前年同期間に比べ4.2%減収の866億53百万円となりました。利益面については、経常利益は前年同期間と比べ7.3%減益の28億78百万円、当期純利益は前年同期間に比べ7.2%減益の18億7百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
現金及び現金同等物
期末残高
(百万円)
2026年2月期1,646△3,721△1,07515,775
2025年2月期2,921△2,066△37218,925

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ31億50百万円減少し157億75百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は、前年同期間と比べ12億74百万円減少し、16億46百万円となりました。
この主な要因は、売上債権の増減額が20億42百万円減少した一方で、その他流動資産の増減額が3億72百万円、その他の流動負債の増減額が2億87百万円増加したことなどによります。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動により支出した資金は、前年同期間と比べ16億54百万円増加し、37億21百万円となりました。
この主な要因は、定期預金の預入による支出が10億円、有形固定資産の取得による支出が8億3百万円それぞれ増加したことなどによります。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動により支出した資金は、前年同期間と比べ7億3百万円増加し、10億75百万円となりました。
この主な要因は、自己株式の取得による支出が7億6百万円増加したことなどによります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
2025年2月期2026年2月期
自己資本比率(%)77.777.9
時価ベースの自己資本比率(%)83.684.9

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注)株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに算出しております。
なお、取締役に対する株式報酬制度として「株式給付信託(BBT)」を導入しており、株式時価総額の算定上使用する発行済株式数から控除する自己株式には、「株式給付信託(BBT)」に残存する自社の株式を含めております。
b.資本の財源及び資金の流動性について
資本の財源について、当社の運転資金及び設備投資資金は、主として自己資金により充当し、必要に応じて借入金による資金調達を実施することを基本方針としております。なお、前事業年度及び当事業年度において、金融機関からの資金調達は実施しておりません。
当社を取り巻く事業環境は、長期化する国際情勢の不安定化や世界的な資源価格の高騰、金融資本市場の変動等の影響により、先行きは不透明な状況にはありますが、事業活動上で必要となる資金は、現金及び預金の水準等、十分な流動性を確保しており、当面の資金繰りに影響は無いものと考えております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
前年同期比(%)
テナント事業(千円)47,420,310103.3
外販事業(千円)39,302,93287.9
報告セグメント計(千円)86,723,24295.7
合計(千円)86,723,24295.7

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社は、外販事業において、受注生産を行っておりますが、翌日に製造し出荷しておりますので、受注実績についての記載は省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
前年同期比(%)
製品
テナント事業(千円)47,420,310103.3
外販事業(千円)39,233,22387.9
報告セグメント計(千円)86,653,53395.7
合計(千円)86,653,53395.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前年同期間
(自 2024年3月1日
至 2025年2月28日)
当事業年度
(自 2025年3月1日
至 2026年2月28日)
金額(千円)総販売実績に対する割合(%)金額(千円)総販売実績に対する割合(%)
ユニー株式会社28,857,74531.829,500,45034.0
株式会社ファミリーマート33,632,25537.126,256,64530.3

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の売上高は、前年同期間に比べ4.2%減収の866億53百万円となりました。また経常利益は、前年同期間に比べ7.3%減益の28億78百万円、当期純利益は、前年同期間に比べ7.2%減益の18億7百万円となりました。
当事業年度において、当社を取り巻く経営環境は、かつてないほど多角的な変化と課題に直面した期間あったと捉えております。
世界的な資源価格の高騰に伴う原材料費の上昇に加え、物流費やエネルギーコスト、さらには深刻な人手不足を背景とした労働コストの増加が継続しております。
一方で、消費者の生活防衛意識は一段と高まっており、節約志向が定着するなど、食品業界全体として厳しい舵取りを迫られる状況が続きました。
このような中、当社は2025年8月、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス株式会社の連結子会社となりました。
これは当社にとって、単なる資本構成の変化ではなく、第二の創業とも言える大きな転換点と捉えております。
PPIHが発表した長期経営計画におけるグループ戦略の柱として「惣菜カテゴリーの強化」が明確に打ちだされたことで、惣菜専門会社として長年培ってきた当社の知見と技術力は、極めて重要な役割を期待されており、その期待の大きさを感じており、当社の真価が問われるフェーズに入ったと強く認識しております。
また、前事業年度末に、4工場をPPIHグループ向け供給へと大胆に振り向ける生産体制の大きな再編を実施いたしました。この再編にあたっては、生産ラインの調整やオペレーションの再構築といった準備期間に想定以上の時間を要し、結果として一時的ではあるもののコスト増加を招き業績にマイナスの影響を与えたことは今後の事業展開においても考慮すべき点であると考えております。
しかしながら、この調整期間もようやく出口を迎えました。現在、生産体制は着実に正常化し、回復基調にあると評価しております。
今後、スケールメリットを活かした原価低減と、商品の提供を通じて、さらなる収益性の向上に大きく寄与するものと考えております。
テナント事業は前事業年度と比較し売上・利益ともに大きく伸長いたしました。
期初の新規出店計画を変更し、将来に向けての改装・転換・実証実験等のチャレンジに注力してまいりました。そのチャレンジの一つとして、多数の新規MDの実証実験を行ってまいりました。
これらは、当社に不足しているMDを充足する目的として推進してきたものであり、新規MDの追加にあたっては、アウトパックを適切に織り込むことで、店内調理の人時を確保しながらも機会損失を生じさせない安定的な店舗運営を実現できたと評価しております。
アウトパックは、自社工場においての生産による品質・供給の安定に加え、生産性の維持・向上に資する取り組みであると位置づけており、アウトパック比率は前事業年度と比較し6.1%増加、人時は5.7%減少の実績を得ることができました。その効果もあり、売上・利益共に好調に推移したものと評価しております。
また、PPIHが展開する新業態「ロビン・フッド」への出店を見据え、新規MDやアウトパック強化に加え、販促物の刷新・棚割りの見直しなどを行い、新たな店舗づくりにチャレンジしてまいりました。
外販事業については、PPIH向け納品は引き続き順調に推移しており、一方で、将来の成長を見据えた戦略的な生産アイテムの変更を進めた結果、売上・利益は一時的に減少いたしましたが、当該減少は想定の範囲内で収まっております。
PPIHグループとの取り組み強化を進めており、『売る側』と『作る側』が継続的かつ密度の高い協議を行い、製販一体の開発・供給体制を構築することが可能となった結果、PPIH向け納品額は前事業年度と比較し31.7%と大きく伸長しており、今後も増加を見込んでおります。
また、「品質向上」「原価低減」「作業効率向上」を目的とした設備投資を積極的に推進してまいりました。
袋井ファクトリーでは、増床を伴う設備投資を実施し、産地からジャガイモを原体で仕入れ、加工までを担うポテトサラダの生産にすでに着手しております。原体から加工することで、仕入れコストの低減に加え、集約的な生産体制による加工コストの低減を図ると共に、ジャガイモ本来の味わいを活かした、より鮮度感のある商品づくりが可能となったと評価しております。
さらに、唐揚げ用の前処理工程(マリネーション)の内製化にも取り組み、味付けのばらつきを抑制することで、品質の安定化と原価低減の両立が実現可能となったと捉えております。
これらの取り組みを今後さらに拡大することで、店舗作業の負担軽減だけに留まらず、商品のクオリティ向上による競争力の一層の強化にも繋がっていくものと考えております。
加えて、更なる品質向上を目的とし、JFS-Bプラス(注)の全工場取得を目指し取組んでおります。
また、ファミリーマート等の取引先様のニーズに対応すべく、新型機器の導入を進めてまいりました。これにより生産効率の向上も図れていると認識しております。これら一連の取り組みにより、外販事業全体として、品質・コスト・効率の三位一体での改善が着実に進んでいると評価しております。
今後、新工場建設をはじめとする大きな設備投資が必要となる局面においては、直ちに業績に貢献するものではなく、先行投資的な側面を有する場合もあるため、それを支える財務基盤も重要な経営課題であります。
現状において、テナント事業及び外販事業における設備投資を進める上での基盤となる財政状況については、財務指標等から、その健全性が保たれていると考えております。
事業成長を支える上で、また、想定していない状況下においても事業を安定的に進めることができる強固な財務基盤の堅持に努めてまいります。
当事業年度末の自己資本比率は、77.9%であり自己資本利益率は6.1%であります。
当社は資本コストについては、一般的に妥当とされている計算方法から算定しておりますが、資本コストは、算定方法が様々であるほか、算定の基礎となる数値の採用においても一義的に定まるものではないため、現時点においては開示をしていないものの、資本コストを意識した上で、収益性を高め、更なる自己資本利益率の向上と持続的な企業価値の向上に注力してまいります。
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「事業等のリスク」にも記載しておりますが、テナント事業においては店舗の出店を行っている主要な総合スーパーであるユニー株式会社及びUDリテール株式会社(当社の親会社であります株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの子会社)が属する流通業界の動向及び同社の出店政策、外販事業においては製品の納品を行っている主要なコンビニエンスストア加盟店舗のフランチャイザーである株式会社ファミリーマートが属するコンビニエンス業界の動向及び同社の出店政策等があります。そのため、今後も主要取引先以外での出店や納品については出店モニタリング等も行い、臨機応変に対応していく考えであります。
当社の運転資金需要の主なものは、テナント事業及び外販事業における材料費、労務費、店舗及び工場における設備等の維持管理費等であります。また、当社の事業活動における運転資金は主として自己資金により充当し、必要に応じて借入金による資金調達を実施することを基本方針としております。
運転資金使途の内、設備投資資金需要としてテナント事業においては、店舗の新設及び改装並びに経常的な設備の更新等が、外販事業においては、生産体制の均一化や省人化を図るための設備の取得や更新等がそれぞれあります。
(注)JFS規格とは、一般財団法人食品安全マネジメント協会が開発・運営する食品の安全管理の取組みを認証する規格であります。その中でJFS-B規格は日本発の国際レベルの食品安全管理規格となり、プラスはさらに高度な食品安全基準を含んだ規格となります。

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