有価証券報告書-第150期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化するなか、ワクチン接種の進捗や行動制限の緩和等により、経済活動の先行きに明るさの兆しが見られたものの、新たな変異株の出現や、ロシアのウクライナ侵攻等、世界規模で経済活動に影響を及ぼす不安要素に解決の糸口が見つからず、景気見通しは引き続き予断を許さない状況が続きました。
オフィスビル業界におきましては、テレワークの浸透や働き方の見直し、景気影響等を背景に、賃借面積を見直す企業が増加し、空室率上昇が続きました。一方、不動産売買マーケットにおきましては、低金利・グローバルな資金余剰を受け、コロナ禍にありながらも投資家の投資意欲は引き続き旺盛で、売買価格は高値圏で推移しました。
こうした状況の下、当社グループは、お客様の安心・安全を第一に、ビル管理品質向上活動を継続しながら、環境問題にも積極的に取組み、全保有ビルにCO2フリー電力の導入を進める等、競合ビルとの差別化を図ってまいりました。顧客目線に立ったテナントサービスを提供し続けることで、高水準の稼働率を保ちつつ、賃料水準の適正化を図り、営業収益の維持拡大に努めました。
中期経営計画の進捗については、重点施策のうち、「海外事業の推進」において、ベトナム・ハノイの開発プロジェクトへの参画を決定しました。「既存アセットの競争力維持・強化」では、建替えを計画する「御堂筋ダイビル」の解体工事が完了し、新築工事に着手いたしました。同様に「八重洲ダイビル」も、2021年末に全館閉館を完了し、順調に計画が進捗しております。「投資対象の拡充」では、「梅田イーマ」(建物全体:地上14階、地下3階、延床面積25,234㎡)を対象物件とした合同会社にエクイティ出資を実施した他、淀屋橋ダイビルに隣接するホテル「エステート淀屋橋(三交イン大阪淀屋橋)」(地上14階、延床面積2,430㎡)を取得いたしました。
なお、昨年2021年12月1日から2022年1月18日にかけて、支配株主である株式会社商船三井により、当社株式に対する公開買付けが実施されました。その結果、同社の所有する議決権の合計が総株主の議決権の数の3分の2を上回り、公開買付が成立いたしました。その後、3月29日に開催された当社臨時株主総会において、株式併合に関する議案が承認可決されたことにより、当社は同社の完全子会社となることとなりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、営業収益は41,859百万円と前連結会計年度に比べ1,050百万円(2.4%)の減収、営業利益は11,044百万円と前連結会計年度に比べ1,057百万円(8.7%)の減益となりました。
営業外損益では受取配当金の増加及び支払利息の減少がありましたが、営業利益の減益を受け、経常利益は10,740百万円と前連結会計年度に比べ931百万円(8.0%)の減益となりました。
特別損益につきましては、当連結会計年度は特別利益として投資有価証券売却益782百万円、特別損失として建替関連損失1,460百万円、固定資産除却損34百万円を計上いたしました。一方、前連結会計年度は特別利益として投資有価証券売却益707百万円、特別損失として建替関連損失114百万円、固定資産除却損25百万円を計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6,851百万円と前連結会計年度に比べ1,586百万円(18.8%)の減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a 土地建物賃貸事業
連結営業収益の78.9%を占める当セグメントでは、建替ビルの減収等により、営業収益は33,038百万円と前連結会計年度に比べ506百万円(1.5%)の減収となりました。修繕費の増加等により営業費用は増加し、営業利益は12,354百万円と前連結会計年度に比べ914百万円(6.9%)の減益となりました。
b ビル管理事業
連結営業収益の19.5%を占める当セグメントでは、一部受託契約の解約等の影響により、営業収益は8,162百万円と前連結会計年度に比べ498百万円(5.8%)の減収となりました。また、営業利益は544百万円と前連結会計年度に比べ21百万円(4.1%)の増益となりました。
c その他
連結営業収益の1.6%を占める当セグメントでは、工事請負高の減少等により、営業収益は658百万円と前連結会計年度に比べ45百万円(6.5%)の減収となりました。また、営業利益は216百万円と前連結会計年度に比べ67百万円(44.7%)の増益となりました。
(注)1 セグメントごとの業績の営業収益については、セグメント間の内部取引を含んでおりません。
2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事請負、工事管理、不動産仲介等を含んでおります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は前連結会計年度末に比べ5,282百万円減少し、388,645百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ4,306百万円減少し、222,275百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ976百万円減少し、166,369百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は10,504百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,385百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は12,114百万円となりました。未払又は未収消費税等の増減額の減少等により、得られた資金は前連結会計年度に比べ1,544百万円減少いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は9,390百万円となりました。これは主に、「梅田イーマ」を対象物件とした合同会社にエクイティ出資を実施したことに伴う投資有価証券の取得による支出及び「エステート淀屋橋」の取得に伴う有形固定資産の取得による支出等により、使用した資金は前連結会計年度に比べ5,544百万円増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は10,245百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出等によるものであります。なお、前連結会計年度は長期借入れによる収入、社債の償還による支出等により、使用した資金は8,387百万円でした。
③営業収益の状況
a セグメントごとの営業収益
当連結会計年度における営業収益をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
b 土地建物賃貸事業による営業収益
営業用の建物及び土地の利用状況は、次のとおりであります。
(a)建物
(注) 貸室収益(総額)は、当連結会計年度中に発生した室料のほか、貸室附帯収益として借室者の負担に属する電気料、冷暖房料、清掃料等を含んでおります。
(b)土地
(c)貸駐車場収益
c ビル管理事業による営業収益
d その他による営業収益
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等
(a)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5,282百万円減少し、388,645百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,667百万円減少し、14,176百万円になりました。これは主として、現金及び預金が減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,384百万円増加し、374,468百万円になりました。これは主として、「エステート淀屋橋」の取得に伴う有形固定資産の増加、「梅田イーマ」を対象物件とした合同会社へのエクイティ出資及び株価の上昇に伴う投資有価証券の増加等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ4,306百万円減少し、222,275百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ8,147百万円増加し、35,772百万円になりました。これは主として、1年内償還予定の社債及びコマーシャル・ペーパーの増加等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて12,453百万円減少し、186,502百万円になりました。これは主として、再評価に係る繰延税金負債が増加しましたが、社債及び長期借入金の減少等により、差引で減少したこと等によるものであります。なお、有利子負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ7,718百万円減少し158,690百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ976百万円減少し166,369百万円となりました。これは主として、利益剰余金及び為替換算調整勘定が増加しましたが、土地再評価差額金が減少したことにより、差引で減少したこと等によるものであります。
(b)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は41,859百万円と前連結会計年度に比べ1,050百万円(2.4%)の減収となりました。
営業収益の78.9%を占める土地建物賃貸事業セグメントは、33,038百万円と506百万円(1.5%)の減収となりました。2022年3月末の当社東阪平均空室率は、大阪0.6%、東京0.5%、大阪・東京合計0.6%であります。営業収益の19.5%を占めるビル管理事業セグメントは、一部受託契約の解約等の影響により、8,162百万円と前連結会計年度に比べ498百万円(5.8%)の減収となりました。営業収益の1.6%を占めるその他セグメントは、工事請負高の減少等により、658百万円と前連結会計年度に比べ45百万円(6.5%)の減収となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の営業原価は、土地建物賃貸事業セグメントにおいて修繕費等は増加しましたが、ビル管理事業セグメントにおける営業収益の減少に伴う営業原価の減少により26,221百万円と前連結会計年度に比べ421百万円(1.6%)減少しました。また、営業収益に対する営業原価の比率は62.6%と前連結会計年度に比べ0.6%増加しました。
当社グループの販売費及び一般管理費は、大部分が一般管理費に属する費用でありますが、当連結会計年度は4,593百万円と前連結会計年度に比べ428百万円(10.3%)増加しました。また、営業収益に対する販売費及び一般管理費の比率は11.0%と前連結会計年度に比べ1.3%増加しました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は11,044百万円と前連結会計年度に比べ1,057百万円(8.7%)の減益となりました。また、営業収益に対する営業利益の比率は26.4%と前連結会計年度に比べ1.8%減少しました。
なお、土地建物賃貸事業セグメントの営業利益は、12,354百万円と914百万円(6.9%)の減益となりました。ビル管理事業セグメントの営業利益は544百万円と前連結会計年度に比べ21百万円(4.1%)の増益、その他セグメントの営業利益は216百万円と前連結会計年度に比べ67百万円(44.7%)の増益となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、前連結会計年度の429百万円の費用(純額)から、当連結会計年度は303百万円の費用(純額)となり、費用(純額)が125百万円減少しました。このうち、金融収支は、前連結会計年度の399百万円の費用(純額)に対し、337百万円の費用(純額)と61百万円減少しました。また、金融収支以外の営業外損益は、前連結会計年度の29百万円の費用(純額)に対し、34百万円の収入(純額)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は10,740百万円と前連結会計年度に比べ931百万円(8.0%)の減益となりました。また、営業収益に対する経常利益の比率は25.7%と前連結会計年度に比べ1.5%減少しました。
(税金等調整前当期純利益)
前連結会計年度は、特別利益として投資有価証券売却益707百万円、特別損失として建替関連損失114百万円、固定資産除却損25百万円を計上しましたが、当連結会計年度においては、特別利益として投資有価証券売却益782 百万円、特別損失として建替関連損失1,460百万円、固定資産除却損34百万円を計上しました。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、10,027百万円と2,212百万円(18.1%)の減益となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等調整額を含めた税効果計算後の法人税等合計は、3,073百万円と前連結会計年度に比べ624百万円(16.9%)減少しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は6,851百万円と前連結会計年度に比べ1,586百万円(18.8%)の減益となりました。
(c)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期経営計画「“Design 100” プロジェクト Phase-Ⅱ」(2018年度~2022年度)の4年目である当連結会計年度は、オフィスビル業界におきましては、テレワークの浸透や働き方の見直し、景気影響等を背景に、賃借面積を見直す企業が増加し、空室率上昇が続きました。一方、不動産売買マーケットにおきましては、低金利・グローバルな資金余剰を受け、コロナ禍にありながらも投資家の投資意欲は引き続き旺盛で、売買価格は高値圏で推移しました。
こうした状況の下、当社グループは、お客様の安心・安全を第一に、ビル管理品質向上活動を継続しながら、環境問題にも積極的に取組み、全保有ビルにCO2フリー電力の導入を進める等、競合ビルとの差別化を図ってまいりました。顧客目線に立ったテナントサービスを提供し続けることで、高水準の稼働率を保ちつつ、賃料水準の適正化を図り、営業収益の維持拡大に努めました。新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ主力のオフィスビルへの影響は限定的でしたが、建替ビルの減収等により、営業収益約418億円、営業利益約110億円、親会社株主に帰属する当期純利益約68億円、総資産営業利益率は2.8%、自己資本利益率は4.2%、D/Eレシオは1.0倍となりました。
当社グループは、中期経営計画においては、重点施策として「都心大型オフィスビルの取得」「投資対象の拡充」「海外事業の推進」「既存アセットの競争力維持・強化」「ビル管理事業の強化・拡大(ノンアセット型事業)」の5つを掲げております。当連結会計年度においては、「海外事業の推進」において、ベトナム・ハノイの開発プロジェクトへの参画を決定しました。「既存アセットの競争力維持・強化」では、建替えを計画する「御堂筋ダイビル」の解体工事が完了し、新築工事に着手いたしました。同様に「八重洲ダイビル」も、2021年末に全館閉館を完了し、順調に計画が進捗しております。「投資対象の拡充」では、「梅田イーマ」を対象物件とした合同会社にエクイティ出資を実施した他、淀屋橋ダイビルに隣接するホテル「エステート淀屋橋」を取得いたしました。
今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの追加接種や政府機関による景気対策の実行等により、2年間に及ぶ感染症による負の影響にも漸く収束の兆しが見え始め、経済活動が正常化に向かうことが期待されます。オフィスビル業界におきましては、コロナ禍がもたらす人々の価値観や行動様式の変容、デジタル化の加速といった事業環境の変化に対応するとともに、気候変動対応や災害対策、脱炭素など、様々な社会課題への取り組みが求められています。当社グループといたしましては、経営環境の変化を見極めつつ、中期経営計画の重点施策を推し進め、業容の拡大に努めてまいります。特に「投資対象の拡充」では、札幌市の「ダイビルPIVOT」等について、引き続き再開発を検討してまいります。「海外事業の推進」では、2020年12月に竣工した豪州シドニーの「275 George Street」の安定稼働の早期実現とともに、ベトナムにおいても、出資を決定した開発案件の詳細検討並びに関係各所との折衝を進めてまいります。また「既存アセットの競争力維持・強化」では、「御堂筋ダイビル」の新築工事と並行して、全館閉館した「八重洲ダイビル」につきましても、新築工事に向け準備を着実に進めてまいります。また、この他にも当社グループは、ESGへの取り組みでは、従来より都市部における緑地帯の整備や既存ビルの照明設備を順次LED化するなど環境配慮の取り組みを進めてまいりましたが、ますます社会的要請が高まるESG分野の取り組みを一層強化すると共に、働き方改革、ICT戦略による生産性向上と成果創出、資金力を堅持する財務戦略などにも引き続き取り組んでまいります。
なお、昨年2021年12月1日から2022年1月18日にかけて、支配株主である株式会社商船三井により、当社株式に対する公開買付けが実施されました。その結果、同社の所有する議決権の合計が総株主の議決権の数の3分の2を上回り、公開買付が成立いたしました。その後、3月29日に開催された当社臨時株主総会において、株式併合に関する議案が承認可決されたことにより、当社は同社の完全子会社となることとなりました。今後は商船三井グループとの連携及び経営資源等の効率的な活用を迅速かつ円滑に行いながら、当社グループの企業価値の向上及び当社グループを含む商船三井グループ全体の成長との中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(補足)
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b 財務政策
当社グループの資金需要の主なものは、新規ビルの取得、開発費及び既存ビルの改修工事代等の設備資金であります。これらの資金は、自己資金または借入により調達することとしております。このうち、借入による資金については、2022年3月31日現在長期の借入金等(1年以内返済含む)の残高は150,690百万円で、金融機関からの借入金55,690百万円、社債95,000百万円で構成されており、この大半は固定金利であります。また、当社の事業は資金回収に長期間を要するため、返済・償還期限を比較的長めに設定しております。
上記以外の運転資金は、コマーシャル・ペーパー及び金融機関からの短期借入金で調達しておりますが、コマーシャル・ペーパーについては、20,000百万円の発行枠を設定し、その範囲内で運用しております。
当社グループは、健全な財政状態を維持しながらキャッシュ・フローの拡大を目指すため、有利子負債営業キャッシュ・フロー倍率及びデット・エクイティ・レシオの中長期的見通しを重視して資金調達を考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化するなか、ワクチン接種の進捗や行動制限の緩和等により、経済活動の先行きに明るさの兆しが見られたものの、新たな変異株の出現や、ロシアのウクライナ侵攻等、世界規模で経済活動に影響を及ぼす不安要素に解決の糸口が見つからず、景気見通しは引き続き予断を許さない状況が続きました。
オフィスビル業界におきましては、テレワークの浸透や働き方の見直し、景気影響等を背景に、賃借面積を見直す企業が増加し、空室率上昇が続きました。一方、不動産売買マーケットにおきましては、低金利・グローバルな資金余剰を受け、コロナ禍にありながらも投資家の投資意欲は引き続き旺盛で、売買価格は高値圏で推移しました。
こうした状況の下、当社グループは、お客様の安心・安全を第一に、ビル管理品質向上活動を継続しながら、環境問題にも積極的に取組み、全保有ビルにCO2フリー電力の導入を進める等、競合ビルとの差別化を図ってまいりました。顧客目線に立ったテナントサービスを提供し続けることで、高水準の稼働率を保ちつつ、賃料水準の適正化を図り、営業収益の維持拡大に努めました。
中期経営計画の進捗については、重点施策のうち、「海外事業の推進」において、ベトナム・ハノイの開発プロジェクトへの参画を決定しました。「既存アセットの競争力維持・強化」では、建替えを計画する「御堂筋ダイビル」の解体工事が完了し、新築工事に着手いたしました。同様に「八重洲ダイビル」も、2021年末に全館閉館を完了し、順調に計画が進捗しております。「投資対象の拡充」では、「梅田イーマ」(建物全体:地上14階、地下3階、延床面積25,234㎡)を対象物件とした合同会社にエクイティ出資を実施した他、淀屋橋ダイビルに隣接するホテル「エステート淀屋橋(三交イン大阪淀屋橋)」(地上14階、延床面積2,430㎡)を取得いたしました。
なお、昨年2021年12月1日から2022年1月18日にかけて、支配株主である株式会社商船三井により、当社株式に対する公開買付けが実施されました。その結果、同社の所有する議決権の合計が総株主の議決権の数の3分の2を上回り、公開買付が成立いたしました。その後、3月29日に開催された当社臨時株主総会において、株式併合に関する議案が承認可決されたことにより、当社は同社の完全子会社となることとなりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、営業収益は41,859百万円と前連結会計年度に比べ1,050百万円(2.4%)の減収、営業利益は11,044百万円と前連結会計年度に比べ1,057百万円(8.7%)の減益となりました。
営業外損益では受取配当金の増加及び支払利息の減少がありましたが、営業利益の減益を受け、経常利益は10,740百万円と前連結会計年度に比べ931百万円(8.0%)の減益となりました。
特別損益につきましては、当連結会計年度は特別利益として投資有価証券売却益782百万円、特別損失として建替関連損失1,460百万円、固定資産除却損34百万円を計上いたしました。一方、前連結会計年度は特別利益として投資有価証券売却益707百万円、特別損失として建替関連損失114百万円、固定資産除却損25百万円を計上いたしました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6,851百万円と前連結会計年度に比べ1,586百万円(18.8%)の減益となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
a 土地建物賃貸事業
連結営業収益の78.9%を占める当セグメントでは、建替ビルの減収等により、営業収益は33,038百万円と前連結会計年度に比べ506百万円(1.5%)の減収となりました。修繕費の増加等により営業費用は増加し、営業利益は12,354百万円と前連結会計年度に比べ914百万円(6.9%)の減益となりました。
b ビル管理事業
連結営業収益の19.5%を占める当セグメントでは、一部受託契約の解約等の影響により、営業収益は8,162百万円と前連結会計年度に比べ498百万円(5.8%)の減収となりました。また、営業利益は544百万円と前連結会計年度に比べ21百万円(4.1%)の増益となりました。
c その他
連結営業収益の1.6%を占める当セグメントでは、工事請負高の減少等により、営業収益は658百万円と前連結会計年度に比べ45百万円(6.5%)の減収となりました。また、営業利益は216百万円と前連結会計年度に比べ67百万円(44.7%)の増益となりました。
(注)1 セグメントごとの業績の営業収益については、セグメント間の内部取引を含んでおりません。
2 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、工事請負、工事管理、不動産仲介等を含んでおります。
当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は前連結会計年度末に比べ5,282百万円減少し、388,645百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ4,306百万円減少し、222,275百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ976百万円減少し、166,369百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は10,504百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,385百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は12,114百万円となりました。未払又は未収消費税等の増減額の減少等により、得られた資金は前連結会計年度に比べ1,544百万円減少いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は9,390百万円となりました。これは主に、「梅田イーマ」を対象物件とした合同会社にエクイティ出資を実施したことに伴う投資有価証券の取得による支出及び「エステート淀屋橋」の取得に伴う有形固定資産の取得による支出等により、使用した資金は前連結会計年度に比べ5,544百万円増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は10,245百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出等によるものであります。なお、前連結会計年度は長期借入れによる収入、社債の償還による支出等により、使用した資金は8,387百万円でした。
③営業収益の状況
a セグメントごとの営業収益
当連結会計年度における営業収益をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 土地建物賃貸事業 | 33,145 | △1.5 |
| ビル管理事業 | 10,557 | △4.3 |
| その他 | 658 | △6.5 |
| 小計 | 44,361 | △2.3 |
| 消去又は全社 | (2,501) | - |
| 合計 | 41,859 | △2.4 |
b 土地建物賃貸事業による営業収益
営業用の建物及び土地の利用状況は、次のとおりであります。
(a)建物
| 区分 | 面積又は金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 所有総面積 | 710,018 | ㎡ | △3.3 |
| 内訳 | |||
| 共用面積 | 175,543 | ㎡ | △3.5 |
| 自用面積 | 14,179 | ㎡ | △15.6 |
| 貸付可能面積 | 520,296 | ㎡ | △2.8 |
| 内貸付面積 | |||
| 貸室面積 | 464,106 | ㎡ | △1.2 |
| 駐車場面積 | 47,925 | ㎡ | △5.7 |
| 小計 | 512,031 | ㎡ | △1.7 |
| 転貸面積 | 9,786 | ㎡ | - |
| 貸付面積合計 | 521,817 | ㎡ | △1.6 |
| 貸室収益(総額) | 32,624 | △1.5 | |
| 消去又は全社 | (107) | - | |
| 計 | 32,517 | △1.5 | |
(注) 貸室収益(総額)は、当連結会計年度中に発生した室料のほか、貸室附帯収益として借室者の負担に属する電気料、冷暖房料、清掃料等を含んでおります。
(b)土地
| 区分 | 面積又は金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 所有総面積 | 99,937 | ㎡ | 0.5 |
| 内訳 | |||
| 貸付面積 | 129 | ㎡ | 45.5 |
| 営業用建物敷地 | 99,808 | ㎡ | 0.4 |
| 土地使用権 | 6,872 | ㎡ | - |
| 面積合計 | 106,809 | ㎡ | 0.4 |
| 貸地収益(総額) | 10 | - | |
| 消去又は全社 | - | - | |
| 計 | 10 | - | |
(c)貸駐車場収益
| 区分 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 駐車場賃貸収益 | 510 | △3.3 |
| 消去又は全社 | - | - |
| 計 | 510 | △3.3 |
c ビル管理事業による営業収益
| 区分 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| ビル管理 | 8,271 | △2.8 |
| マンション管理 | 2,117 | △9.3 |
| その他 | 168 | △10.9 |
| 小計 | 10,557 | △4.3 |
| 消去又は全社 | (2,394) | - |
| 計 | 8,162 | △5.8 |
d その他による営業収益
| 区分 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 工事請負高 | 453 | △21.0 |
| 工事管理料 | 58 | 36.5 |
| 不動産仲介収入 | - | △100.0 |
| その他 | 146 | 69.2 |
| 小計 | 658 | △6.5 |
| 消去又は全社 | - | - |
| 計 | 658 | △6.5 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績等
(a)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5,282百万円減少し、388,645百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,667百万円減少し、14,176百万円になりました。これは主として、現金及び預金が減少したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,384百万円増加し、374,468百万円になりました。これは主として、「エステート淀屋橋」の取得に伴う有形固定資産の増加、「梅田イーマ」を対象物件とした合同会社へのエクイティ出資及び株価の上昇に伴う投資有価証券の増加等によるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ4,306百万円減少し、222,275百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ8,147百万円増加し、35,772百万円になりました。これは主として、1年内償還予定の社債及びコマーシャル・ペーパーの増加等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて12,453百万円減少し、186,502百万円になりました。これは主として、再評価に係る繰延税金負債が増加しましたが、社債及び長期借入金の減少等により、差引で減少したこと等によるものであります。なお、有利子負債の合計額は、前連結会計年度末に比べ7,718百万円減少し158,690百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ976百万円減少し166,369百万円となりました。これは主として、利益剰余金及び為替換算調整勘定が増加しましたが、土地再評価差額金が減少したことにより、差引で減少したこと等によるものであります。
(b)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は41,859百万円と前連結会計年度に比べ1,050百万円(2.4%)の減収となりました。
営業収益の78.9%を占める土地建物賃貸事業セグメントは、33,038百万円と506百万円(1.5%)の減収となりました。2022年3月末の当社東阪平均空室率は、大阪0.6%、東京0.5%、大阪・東京合計0.6%であります。営業収益の19.5%を占めるビル管理事業セグメントは、一部受託契約の解約等の影響により、8,162百万円と前連結会計年度に比べ498百万円(5.8%)の減収となりました。営業収益の1.6%を占めるその他セグメントは、工事請負高の減少等により、658百万円と前連結会計年度に比べ45百万円(6.5%)の減収となりました。
(営業原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の営業原価は、土地建物賃貸事業セグメントにおいて修繕費等は増加しましたが、ビル管理事業セグメントにおける営業収益の減少に伴う営業原価の減少により26,221百万円と前連結会計年度に比べ421百万円(1.6%)減少しました。また、営業収益に対する営業原価の比率は62.6%と前連結会計年度に比べ0.6%増加しました。
当社グループの販売費及び一般管理費は、大部分が一般管理費に属する費用でありますが、当連結会計年度は4,593百万円と前連結会計年度に比べ428百万円(10.3%)増加しました。また、営業収益に対する販売費及び一般管理費の比率は11.0%と前連結会計年度に比べ1.3%増加しました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は11,044百万円と前連結会計年度に比べ1,057百万円(8.7%)の減益となりました。また、営業収益に対する営業利益の比率は26.4%と前連結会計年度に比べ1.8%減少しました。
なお、土地建物賃貸事業セグメントの営業利益は、12,354百万円と914百万円(6.9%)の減益となりました。ビル管理事業セグメントの営業利益は544百万円と前連結会計年度に比べ21百万円(4.1%)の増益、その他セグメントの営業利益は216百万円と前連結会計年度に比べ67百万円(44.7%)の増益となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、前連結会計年度の429百万円の費用(純額)から、当連結会計年度は303百万円の費用(純額)となり、費用(純額)が125百万円減少しました。このうち、金融収支は、前連結会計年度の399百万円の費用(純額)に対し、337百万円の費用(純額)と61百万円減少しました。また、金融収支以外の営業外損益は、前連結会計年度の29百万円の費用(純額)に対し、34百万円の収入(純額)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は10,740百万円と前連結会計年度に比べ931百万円(8.0%)の減益となりました。また、営業収益に対する経常利益の比率は25.7%と前連結会計年度に比べ1.5%減少しました。
(税金等調整前当期純利益)
前連結会計年度は、特別利益として投資有価証券売却益707百万円、特別損失として建替関連損失114百万円、固定資産除却損25百万円を計上しましたが、当連結会計年度においては、特別利益として投資有価証券売却益782 百万円、特別損失として建替関連損失1,460百万円、固定資産除却損34百万円を計上しました。この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、10,027百万円と2,212百万円(18.1%)の減益となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等調整額を含めた税効果計算後の法人税等合計は、3,073百万円と前連結会計年度に比べ624百万円(16.9%)減少しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は6,851百万円と前連結会計年度に比べ1,586百万円(18.8%)の減益となりました。
(c)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期経営計画「“Design 100” プロジェクト Phase-Ⅱ」(2018年度~2022年度)の4年目である当連結会計年度は、オフィスビル業界におきましては、テレワークの浸透や働き方の見直し、景気影響等を背景に、賃借面積を見直す企業が増加し、空室率上昇が続きました。一方、不動産売買マーケットにおきましては、低金利・グローバルな資金余剰を受け、コロナ禍にありながらも投資家の投資意欲は引き続き旺盛で、売買価格は高値圏で推移しました。
こうした状況の下、当社グループは、お客様の安心・安全を第一に、ビル管理品質向上活動を継続しながら、環境問題にも積極的に取組み、全保有ビルにCO2フリー電力の導入を進める等、競合ビルとの差別化を図ってまいりました。顧客目線に立ったテナントサービスを提供し続けることで、高水準の稼働率を保ちつつ、賃料水準の適正化を図り、営業収益の維持拡大に努めました。新型コロナウイルス感染症拡大による当社グループ主力のオフィスビルへの影響は限定的でしたが、建替ビルの減収等により、営業収益約418億円、営業利益約110億円、親会社株主に帰属する当期純利益約68億円、総資産営業利益率は2.8%、自己資本利益率は4.2%、D/Eレシオは1.0倍となりました。
当社グループは、中期経営計画においては、重点施策として「都心大型オフィスビルの取得」「投資対象の拡充」「海外事業の推進」「既存アセットの競争力維持・強化」「ビル管理事業の強化・拡大(ノンアセット型事業)」の5つを掲げております。当連結会計年度においては、「海外事業の推進」において、ベトナム・ハノイの開発プロジェクトへの参画を決定しました。「既存アセットの競争力維持・強化」では、建替えを計画する「御堂筋ダイビル」の解体工事が完了し、新築工事に着手いたしました。同様に「八重洲ダイビル」も、2021年末に全館閉館を完了し、順調に計画が進捗しております。「投資対象の拡充」では、「梅田イーマ」を対象物件とした合同会社にエクイティ出資を実施した他、淀屋橋ダイビルに隣接するホテル「エステート淀屋橋」を取得いたしました。
今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの追加接種や政府機関による景気対策の実行等により、2年間に及ぶ感染症による負の影響にも漸く収束の兆しが見え始め、経済活動が正常化に向かうことが期待されます。オフィスビル業界におきましては、コロナ禍がもたらす人々の価値観や行動様式の変容、デジタル化の加速といった事業環境の変化に対応するとともに、気候変動対応や災害対策、脱炭素など、様々な社会課題への取り組みが求められています。当社グループといたしましては、経営環境の変化を見極めつつ、中期経営計画の重点施策を推し進め、業容の拡大に努めてまいります。特に「投資対象の拡充」では、札幌市の「ダイビルPIVOT」等について、引き続き再開発を検討してまいります。「海外事業の推進」では、2020年12月に竣工した豪州シドニーの「275 George Street」の安定稼働の早期実現とともに、ベトナムにおいても、出資を決定した開発案件の詳細検討並びに関係各所との折衝を進めてまいります。また「既存アセットの競争力維持・強化」では、「御堂筋ダイビル」の新築工事と並行して、全館閉館した「八重洲ダイビル」につきましても、新築工事に向け準備を着実に進めてまいります。また、この他にも当社グループは、ESGへの取り組みでは、従来より都市部における緑地帯の整備や既存ビルの照明設備を順次LED化するなど環境配慮の取り組みを進めてまいりましたが、ますます社会的要請が高まるESG分野の取り組みを一層強化すると共に、働き方改革、ICT戦略による生産性向上と成果創出、資金力を堅持する財務戦略などにも引き続き取り組んでまいります。
なお、昨年2021年12月1日から2022年1月18日にかけて、支配株主である株式会社商船三井により、当社株式に対する公開買付けが実施されました。その結果、同社の所有する議決権の合計が総株主の議決権の数の3分の2を上回り、公開買付が成立いたしました。その後、3月29日に開催された当社臨時株主総会において、株式併合に関する議案が承認可決されたことにより、当社は同社の完全子会社となることとなりました。今後は商船三井グループとの連携及び経営資源等の効率的な活用を迅速かつ円滑に行いながら、当社グループの企業価値の向上及び当社グループを含む商船三井グループ全体の成長との中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 44.4 | 42.2 | 40.7 | 42.0 | 42.3 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 40.9 | 33.6 | 27.1 | 41.5 | 64.8 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 10.1 | 10.9 | 11.6 | 12.2 | 13.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 11.8 | 11.9 | 11.5 | 11.4 | 11.1 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(補足)
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b 財務政策
当社グループの資金需要の主なものは、新規ビルの取得、開発費及び既存ビルの改修工事代等の設備資金であります。これらの資金は、自己資金または借入により調達することとしております。このうち、借入による資金については、2022年3月31日現在長期の借入金等(1年以内返済含む)の残高は150,690百万円で、金融機関からの借入金55,690百万円、社債95,000百万円で構成されており、この大半は固定金利であります。また、当社の事業は資金回収に長期間を要するため、返済・償還期限を比較的長めに設定しております。
上記以外の運転資金は、コマーシャル・ペーパー及び金融機関からの短期借入金で調達しておりますが、コマーシャル・ペーパーについては、20,000百万円の発行枠を設定し、その範囲内で運用しております。
当社グループは、健全な財政状態を維持しながらキャッシュ・フローの拡大を目指すため、有利子負債営業キャッシュ・フロー倍率及びデット・エクイティ・レシオの中長期的見通しを重視して資金調達を考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。