有価証券報告書-第178期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
資産合計は、前期末比50億1千8百万円(0.6%)減の9,006億9千8百万円となりました。これは、持分法適用会社株式の減少により「投資有価証券」が減少したことによるものです。
負債合計は、前期末比276億円(5.8%)増の5,046億5千3百万円となりました。これは、有利子負債が増加したことによるものです。
純資産合計は、前期末比326億1千9百万円(7.6%)減の3,960億4千4百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により「利益剰余金」が減少したことによるものです。
(連結貸借対照表)
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」)の影響により、急速に減少した個人消費に持ち直しの動きが見られたものの、雇用情勢に弱さが見られるなど、極めて厳しい状況にあります。
このような状況の中で、当社グループは、運輸業をはじめとした総合生活産業として必要な人員を確保しつつ、お客様及び従業員への感染防止の措置を講じた上で需要動向を踏まえ事業を運営しております。また、中期経営計画「E4プラン」の基本方針である「グループ経営強化による収益拡大の確実な実現」、「安全かつ安心なサービスの提供」、「社会的要請に対応した経営推進体制の確立」に基づき諸施策を推進してまいりました。
しかしながら、入国制限による訪日外国人の激減に加え、外出の自粛等による消費の急激な縮小等の影響を受け、営業収益は2,077億6千1百万円(前期比24.4%減)となり、営業損失は180億5千6百万円(前期は営業利益283億2千万円)となりました。経常損失は、持分法による投資損失の計上により321億6千5百万円(前期は経常利益417億5百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は302億8千9百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益301億1千万円)となりました。
(連結損益計算書)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(運輸業)
感染症対策として、政府公表の基本的対処方針等を踏まえ、従業員のマスク着用、消毒、換気に加え、お客様が手を触れる箇所を中心に鉄道・バス車両等への抗菌・抗ウイルス加工等を実施いたしました。
鉄道事業では、安全輸送確保の取り組みとして、成田空港駅にホームドアを設置したほか、高架橋及び東中山駅の耐震補強工事等を実施いたしました。
大規模工事については、葛飾区内の押上線連続立体化工事において、京成立石駅の仮駅舎新設工事を推進いたしました。
営業面では、感染症の影響に伴う社会情勢を踏まえ、5月よりスカイライナーの一部運休を実施いたしました。また、押上・都営浅草線・京急線方面における成田空港アクセスの更なる利便性向上のため、4月より当面の間、スカイライナーの一部列車の青砥駅停車を開始いたしました。さらに、関係当局の指導のもと、成田空港を利用し帰国・入国された方を対象に、スカイライナーの専用車両やハイヤー等により移動いただく新たな輸送サービス「KEISEI SMART ACCESS」を12月より開始いたしました。このほか、成田スカイアクセス開業10周年を記念して、記念ヘッドマークを掲出した車両を運行したほか、記念乗車券の発売等を実施いたしました。
バス事業では、感染症の影響に伴う成田空港発着航空便の運休・減便及び東京ディズニーリゾートの臨時休業・運営時間の変更等を踏まえ、高速バス路線において運休・減便を実施いたしました。また、一般乗合バス路線においては、葛飾区内等で新規路線の運行を開始したほか、既存路線の増便や系統新設等を実施いたしました。さらに、貸切バスにおいては、事業所や学校等への契約輸送を新規に受注するなど収益の確保に努めました。このほか、2022年度以降の本格運行に先立ち、10月より東京都心と臨海地域を結ぶ東京BRT(バス高速輸送システム)のプレ運行を開始いたしました。
タクシー事業では、帝都自動車交通株式会社において、AIとドライブレコーダーの機能を活用して交通事故削減を支援するシステムを導入し、更なる安全輸送の提供に努めたほか、乗務員を介さずに決済可能なセルフレジ型端末を導入し、お客様サービスの向上に努めました。
しかしながら、感染症の影響を受けた外出の自粛や訪日外国人の激減等により、営業収益は1,046億4千2百万円(前期比35.0%減)となり、営業損失は256億7千7百万円(前期は営業利益179億2千1百万円)となりました。
(事業別内訳)
(当社鉄道事業運輸成績表)
(流通業)
百貨店業では、株式会社水戸京成百貨店において婦人服の製造卸・販売を行う会社を設立し、新規取引の拡充や販売の強化に努めました。
ストア業では、株式会社京成ストアにおいて、フランチャイズ契約に基づき「業務スーパー町屋店」及び「業務スーパー東初富店」を新たにオープンいたしました。また、株式会社コミュニティー京成において、収益拡大を図るため「ファミリーマート柴又駅前店」等の4店舗を新たにオープンいたしました。
しかしながら、感染症の影響を受けた外出の自粛や、休業要請等を背景とした一部施設の営業一時休止等により、営業収益は611億8千5百万円(前期比10.4%減)となり、営業損失は1億8千8百万円(前期は営業利益3億8千9百万円)となりました。
(事業別内訳)
(不動産業)
不動産賃貸業では、八千代市八千代台西の賃貸住宅等が稼働したほか、水戸市三の丸及び船橋市前原西の賃貸施設を取得いたしました。また、2021年度のオープンを目指し、墨田区江東橋と墨田区押上において、「京成リッチモンドホテル」2号店、3号店の工事を推進しております。
不動産販売業では、中高層住宅「サングランデ本八幡」を好評のうちに早期に全戸引き渡ししたほか、中高層住宅「サングランデ八王子」の引き渡しを開始いたしました。また、2021年度以降に引き渡し予定の中高層住宅「パークホームズ千葉」を販売いたしました。
以上の結果、マンション販売の変動等により、営業収益は244億2千9百万円(前期比0.9%減)となりましたが、新規賃貸物件の寄与により、営業利益は84億9千2百万円(前期比0.5%増)となりました。
(事業別内訳)
(レジャー・サービス業)
レジャー・サービス業では、京成ホテルミラマーレ、水戸京成ホテル及び京成リッチモンドホテル東京門前仲町において、テレワーク需要に対応するためのデイユースプランを販売いたしました。また、京成トラベルサービス株式会社において、感染症の状況を考慮した上で、京成線内を特別行路で運行する各種のイベント列車ツアーを実施したほか、沿線や京成グループの魅力を紹介する多様な旅行商品の企画・催行により、収益の確保に努めました。このほか、株式会社イウォレ京成において、フランチャイズ契約を締結し「100時間カレーEXPRESS ららぽーと東京ベイ店」等の2店舗の営業を開始いたしました。
しかしながら、感染症の影響を受けた外出の自粛や、休業要請等を背景とした一部施設の営業一時休止等により、営業収益は67億1千6百万円(前期比36.2%減)となり、営業損失は20億6千3百万円(前期は営業損失1億4千万円)となりました。
(建設業)
建設業では、鉄道施設改良工事や当社グループ外から受注している各種工事を実施いたしました。
しかしながら、建築工事の減少により、営業収益は233億5千3百万円(前期比14.3%減)となり、営業利益は11億6千6百万円(前期比27.8%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業では、営業収益は83億6千4百万円(前期比16.2%減)となり、営業利益は2億4千5百万円(前期比22.5%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失に減価償却費等を調整した結果、92億8千2百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ422億4百万円の収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等により286億7千8百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ193億9千8百万円の支出減となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入等により214億9千8百万円の収入となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ22億2千5百万円増加し、289億円となりました。
(連結キャッシュ・フロー計算書)
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)の事業内容は、役務の提供を主たる事業としており、生産、受注及び販売の状況について、金額あるいは数量で示すことはしておりません。
そのため、生産、受注及び販売の状況については、「② 経営成績の状況」におけるセグメントごとに業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループでは、長期経営計画「Eプラン」(2010~2021年度)を推進しており、その最終段階となる中期経営計画「E4プラン」(2019~2021年度)では、最終年度(2021年度)における数値目標の達成に向けて、基本方針・基本戦略に基づき、各事業を推進しております。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度は、「E4プラン」の基本方針・基本戦略に基づき、鉄道施設改良工事やBRT事業の推進、収益賃貸物件の取得等を実施しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた入国制限による訪日外国人の激減に加え、外出の自粛等による消費の急激な縮小等の影響により、前期比で減収減益となり損失計上となりました。
当連結会計年度における、新型コロナウイルス感染症の影響による減収額は、約850億円(鉄道事業380億円、バス事業240億円、その他230億円)となり、特に運輸業(鉄道・バス事業)においては、営業費に占める固定費の割合が高いため、減収が減益に直結いたしました。
(経営指標)
(注) EBITDA倍率=有利子負債残高÷(営業利益+減価償却費)
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金及び設備投資資金について、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入及び社債の発行等により調達することとし、事業運営上必要な流動性の確保と安定的な調達を基本方針としております。なお、鉄道車両等については、総支払コストの有利性や費用の平準化に鑑み、主にリースにより調達しております。また、複数の金融機関との間で震災対応型コミットメントライン契約等を締結し、安定的な資金調達に備えております。
有利子負債残高については、中期経営計画「E4プラン」において目標を設定しており、収益力強化や事業選別の徹底等により、有利子負債の増加を抑制する所存であります。
設備投資については、当社グループの持続的成長に資する中長期的な収益拡大に向けた投資を継続的に実行してまいります。特にコア事業である運輸業、不動産賃貸業に経営資源を集中的に投下し、安全の確保と競争力の強化により収益拡大を目指してまいります。
中期経営計画「E4プラン」においては、2019~2021年度の3か年で、通常の設備投資1,000億円のほか、500億円程度の戦略投資枠を設定しております。
当連結会計年度においては、通常投資では、鉄道・バス・タクシー等の車両の更新等、戦略投資では、収益賃貸物件の取得等の、将来の収益拡大に向けた投資に充当いたしました。その結果、現時点で「E4プラン」戦略投資枠の約7割の使途が確定しております。
株主還元については、更なる株主還元の充実に向けて、2021年度に連結配当性向10%を目指し、安定的かつ継続的に利益還元してまいります。
当面は、新型コロナウイルス感染症の影響によるキャッシュ・フローの減少を補うため、事業環境の変化を見極めたうえで、経費・設備投資を極力、抑制または選別してまいります。また、資金調達については、機動的に行い、流動性を確保するとともに、有利子負債の大幅な増加は回避し、財務健全性の維持・向上に努めてまいります。具体的には、シンジケートローンを含む銀行借入、社債及び短期社債(コマーシャル・ペーパー)等から最も有利な資金調達を実施いたします。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
資産合計は、前期末比50億1千8百万円(0.6%)減の9,006億9千8百万円となりました。これは、持分法適用会社株式の減少により「投資有価証券」が減少したことによるものです。
負債合計は、前期末比276億円(5.8%)増の5,046億5千3百万円となりました。これは、有利子負債が増加したことによるものです。
純資産合計は、前期末比326億1千9百万円(7.6%)減の3,960億4千4百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により「利益剰余金」が減少したことによるものです。
(連結貸借対照表)
| 単位:百万円、% | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 |
| 資産合計 | 905,716 | 900,698 | △5,018 |
| 負債合計 | 477,052 | 504,653 | 27,600 |
| 有利子負債残高 | 342,342 | 373,132 | 30,789 |
| 純資産合計 | 428,664 | 396,044 | △32,619 |
| 自己資本 | 411,030 | 378,638 | △32,391 |
| 自己資本比率 | 45.4 | 42.0 | △3.4pt |
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」)の影響により、急速に減少した個人消費に持ち直しの動きが見られたものの、雇用情勢に弱さが見られるなど、極めて厳しい状況にあります。
このような状況の中で、当社グループは、運輸業をはじめとした総合生活産業として必要な人員を確保しつつ、お客様及び従業員への感染防止の措置を講じた上で需要動向を踏まえ事業を運営しております。また、中期経営計画「E4プラン」の基本方針である「グループ経営強化による収益拡大の確実な実現」、「安全かつ安心なサービスの提供」、「社会的要請に対応した経営推進体制の確立」に基づき諸施策を推進してまいりました。
しかしながら、入国制限による訪日外国人の激減に加え、外出の自粛等による消費の急激な縮小等の影響を受け、営業収益は2,077億6千1百万円(前期比24.4%減)となり、営業損失は180億5千6百万円(前期は営業利益283億2千万円)となりました。経常損失は、持分法による投資損失の計上により321億6千5百万円(前期は経常利益417億5百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は302億8千9百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益301億1千万円)となりました。
(連結損益計算書)
| 単位:百万円、% | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 運輸業 | 営 業 収 益 | 161,089 | 104,642 | △ 56,446 | △ 35.0 |
| 営 業 利 益 | 17,921 | △ 25,677 | △ 43,598 | ― | |
| 流通業 | 営 業 収 益 | 68,321 | 61,185 | △ 7,135 | △ 10.4 |
| 営 業 利 益 | 389 | △ 188 | △ 578 | ― | |
| 不動産業 | 営 業 収 益 | 24,648 | 24,429 | △ 218 | △ 0.9 |
| 営 業 利 益 | 8,446 | 8,492 | 45 | 0.5 | |
| レジャー・サービス業 | 営 業 収 益 | 10,524 | 6,716 | △ 3,807 | △ 36.2 |
| 営 業 利 益 | △ 140 | △ 2,063 | △ 1,923 | ― | |
| 建設業 | 営 業 収 益 | 27,245 | 23,353 | △ 3,892 | △ 14.3 |
| 営 業 利 益 | 1,617 | 1,166 | △ 450 | △ 27.8 | |
| その他の事業 | 営 業 収 益 | 9,977 | 8,364 | △ 1,613 | △ 16.2 |
| 営 業 利 益 | 316 | 245 | △ 71 | △ 22.5 | |
| 小 計 | 営 業 収 益 | 301,806 | 228,692 | △ 73,114 | △ 24.2 |
| 営 業 利 益 | 28,550 | △ 18,025 | △ 46,576 | ― | |
| 連結修正 | 営 業 収 益 | △ 27,010 | △ 20,930 | 6,079 | ― |
| 営 業 利 益 | △ 230 | △ 31 | 199 | ― | |
| 連 結 | 営 業 収 益 | 274,796 | 207,761 | △ 67,034 | △ 24.4 |
| 営 業 利 益 | 28,320 | △ 18,056 | △ 46,377 | ― | |
| 経 常 利 益 | 41,705 | △ 32,165 | △ 73,870 | ― | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 30,110 | △ 30,289 | △ 60,400 | ― | |
| (注) 持分法による投資損益 | 13,950 | △16,993 | △30,943 | ― | |
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(運輸業)
感染症対策として、政府公表の基本的対処方針等を踏まえ、従業員のマスク着用、消毒、換気に加え、お客様が手を触れる箇所を中心に鉄道・バス車両等への抗菌・抗ウイルス加工等を実施いたしました。
鉄道事業では、安全輸送確保の取り組みとして、成田空港駅にホームドアを設置したほか、高架橋及び東中山駅の耐震補強工事等を実施いたしました。
大規模工事については、葛飾区内の押上線連続立体化工事において、京成立石駅の仮駅舎新設工事を推進いたしました。
営業面では、感染症の影響に伴う社会情勢を踏まえ、5月よりスカイライナーの一部運休を実施いたしました。また、押上・都営浅草線・京急線方面における成田空港アクセスの更なる利便性向上のため、4月より当面の間、スカイライナーの一部列車の青砥駅停車を開始いたしました。さらに、関係当局の指導のもと、成田空港を利用し帰国・入国された方を対象に、スカイライナーの専用車両やハイヤー等により移動いただく新たな輸送サービス「KEISEI SMART ACCESS」を12月より開始いたしました。このほか、成田スカイアクセス開業10周年を記念して、記念ヘッドマークを掲出した車両を運行したほか、記念乗車券の発売等を実施いたしました。
バス事業では、感染症の影響に伴う成田空港発着航空便の運休・減便及び東京ディズニーリゾートの臨時休業・運営時間の変更等を踏まえ、高速バス路線において運休・減便を実施いたしました。また、一般乗合バス路線においては、葛飾区内等で新規路線の運行を開始したほか、既存路線の増便や系統新設等を実施いたしました。さらに、貸切バスにおいては、事業所や学校等への契約輸送を新規に受注するなど収益の確保に努めました。このほか、2022年度以降の本格運行に先立ち、10月より東京都心と臨海地域を結ぶ東京BRT(バス高速輸送システム)のプレ運行を開始いたしました。
タクシー事業では、帝都自動車交通株式会社において、AIとドライブレコーダーの機能を活用して交通事故削減を支援するシステムを導入し、更なる安全輸送の提供に努めたほか、乗務員を介さずに決済可能なセルフレジ型端末を導入し、お客様サービスの向上に努めました。
しかしながら、感染症の影響を受けた外出の自粛や訪日外国人の激減等により、営業収益は1,046億4千2百万円(前期比35.0%減)となり、営業損失は256億7千7百万円(前期は営業利益179億2千1百万円)となりました。
(事業別内訳)
| 単位:百万円、% | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 鉄道事業 | 営 業 収 益 | 82,424 | 49,627 | △ 32,796 | △39.8 |
| 営 業 利 益 | 14,744 | △ 11,985 | △ 26,729 | ― | |
| バス事業 | 営 業 収 益 | 50,242 | 33,546 | △ 16,695 | △33.2 |
| 営 業 利 益 | 2,939 | △ 10,003 | △ 12,943 | ― | |
| タクシー事業 | 営 業 収 益 | 28,422 | 21,467 | △ 6,954 | △24.5 |
| 営 業 利 益 | 237 | △ 3,688 | △ 3,925 | ― | |
| 運輸業 | 営 業 収 益 | 161,089 | 104,642 | △ 56,446 | △35.0 |
| 営 業 利 益 | 17,921 | △ 25,677 | △ 43,598 | ― | |
(当社鉄道事業運輸成績表)
| 単位 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | 増減率(%) | ||
| 営業日数 | 日 | 366 | 365 | △1 | △0.3 | |
| 営業キロ | キロ | 152.3 | 152.3 | ― | ― | |
| 客車走行キロ | 千キロ | 100,430 | 97,110 | △3,320 | △3.3 | |
| 旅客人員 | 定期 | 千人 | 173,808 | 132,427 | △ 41,381 | △23.8 |
| 定期外 | 〃 | 119,014 | 76,287 | △ 42,727 | △35.9 | |
| 計 | 〃 | 292,822 | 208,714 | △ 84,108 | △28.7 | |
| うち成田空港発着 | 〃 | 21,717 | 6,816 | △14,901 | △68.6 | |
| うち有料特急 | 〃 | 6,079 | 984 | △5,095 | △83.8 | |
| 旅客運輸収入 | 定期 | 百万円 | 21,702 | 16,602 | △ 5,100 | △23.5 |
| 定期外 | 〃 | 43,510 | 19,189 | △ 24,321 | △55.9 | |
| 計 | 〃 | 65,213 | 35,791 | △ 29,421 | △45.1 | |
| うち成田空港発着 | 〃 | 21,177 | 3,849 | △17,328 | △81.8 | |
| うち有料特急 | 〃 | 5,843 | 698 | △5,145 | △88.1 | |
| 運輸雑収 | 〃 | 3,216 | 2,263 | △952 | △29.6 | |
| 収入合計 | 〃 | 68,429 | 38,055 | △30,374 | △44.4 | |
| 一日平均収入 | 〃 | 186 | 104 | △82 | △44.2 | |
| 乗車効率 | % | 34.1 | 21.6 | △12.5pt | ― | |
| (注) 乗車効率は | 延人キロ | により、算出しております。 |
| 客車走行キロ×平均定員 |
(流通業)
百貨店業では、株式会社水戸京成百貨店において婦人服の製造卸・販売を行う会社を設立し、新規取引の拡充や販売の強化に努めました。
ストア業では、株式会社京成ストアにおいて、フランチャイズ契約に基づき「業務スーパー町屋店」及び「業務スーパー東初富店」を新たにオープンいたしました。また、株式会社コミュニティー京成において、収益拡大を図るため「ファミリーマート柴又駅前店」等の4店舗を新たにオープンいたしました。
しかしながら、感染症の影響を受けた外出の自粛や、休業要請等を背景とした一部施設の営業一時休止等により、営業収益は611億8千5百万円(前期比10.4%減)となり、営業損失は1億8千8百万円(前期は営業利益3億8千9百万円)となりました。
(事業別内訳)
| 単位:百万円、% | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| ストア業 | 営 業 収 益 | 37,425 | 35,325 | △ 2,099 | △5.6 |
| 営 業 利 益 | 245 | 289 | 43 | 17.9 | |
| 百貨店業 | 営 業 収 益 | 25,351 | 21,276 | △ 4,075 | △16.1 |
| 営 業 利 益 | 10 | △ 381 | △ 391 | ― | |
| その他流通業 | 営 業 収 益 | 5,544 | 4,584 | △ 960 | △17.3 |
| 営 業 利 益 | 133 | △ 97 | △ 230 | ― | |
| 流通業 | 営 業 収 益 | 68,321 | 61,185 | △ 7,135 | △10.4 |
| 営 業 利 益 | 389 | △ 188 | △ 578 | ― | |
(不動産業)
不動産賃貸業では、八千代市八千代台西の賃貸住宅等が稼働したほか、水戸市三の丸及び船橋市前原西の賃貸施設を取得いたしました。また、2021年度のオープンを目指し、墨田区江東橋と墨田区押上において、「京成リッチモンドホテル」2号店、3号店の工事を推進しております。
不動産販売業では、中高層住宅「サングランデ本八幡」を好評のうちに早期に全戸引き渡ししたほか、中高層住宅「サングランデ八王子」の引き渡しを開始いたしました。また、2021年度以降に引き渡し予定の中高層住宅「パークホームズ千葉」を販売いたしました。
以上の結果、マンション販売の変動等により、営業収益は244億2千9百万円(前期比0.9%減)となりましたが、新規賃貸物件の寄与により、営業利益は84億9千2百万円(前期比0.5%増)となりました。
(事業別内訳)
| 単位:百万円、% | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 増減率 | |
| 不動産賃貸業 | 営 業 収 益 | 13,786 | 14,682 | 896 | 6.5 |
| 営 業 利 益 | 7,235 | 7,937 | 702 | 9.7 | |
| 不動産販売業 | 営 業 収 益 | 6,585 | 6,140 | △ 444 | △6.7 |
| 営 業 利 益 | 932 | 353 | △ 578 | △62.0 | |
| 不動産管理業 | 営 業 収 益 | 4,276 | 3,606 | △ 670 | △15.7 |
| 営 業 利 益 | 279 | 200 | △ 78 | △28.1 | |
| 不動産業 | 営 業 収 益 | 24,648 | 24,429 | △ 218 | △0.9 |
| 営 業 利 益 | 8,446 | 8,492 | 45 | 0.5 | |
(レジャー・サービス業)
レジャー・サービス業では、京成ホテルミラマーレ、水戸京成ホテル及び京成リッチモンドホテル東京門前仲町において、テレワーク需要に対応するためのデイユースプランを販売いたしました。また、京成トラベルサービス株式会社において、感染症の状況を考慮した上で、京成線内を特別行路で運行する各種のイベント列車ツアーを実施したほか、沿線や京成グループの魅力を紹介する多様な旅行商品の企画・催行により、収益の確保に努めました。このほか、株式会社イウォレ京成において、フランチャイズ契約を締結し「100時間カレーEXPRESS ららぽーと東京ベイ店」等の2店舗の営業を開始いたしました。
しかしながら、感染症の影響を受けた外出の自粛や、休業要請等を背景とした一部施設の営業一時休止等により、営業収益は67億1千6百万円(前期比36.2%減)となり、営業損失は20億6千3百万円(前期は営業損失1億4千万円)となりました。
(建設業)
建設業では、鉄道施設改良工事や当社グループ外から受注している各種工事を実施いたしました。
しかしながら、建築工事の減少により、営業収益は233億5千3百万円(前期比14.3%減)となり、営業利益は11億6千6百万円(前期比27.8%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業では、営業収益は83億6千4百万円(前期比16.2%減)となり、営業利益は2億4千5百万円(前期比22.5%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失に減価償却費等を調整した結果、92億8千2百万円の収入となり、前連結会計年度と比べ422億4百万円の収入減となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出等により286億7千8百万円の支出となり、前連結会計年度と比べ193億9千8百万円の支出減となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入等により214億9千8百万円の収入となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ22億2千5百万円増加し、289億円となりました。
(連結キャッシュ・フロー計算書)
| 単位:百万円 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 51,487 | 9,282 | △42,204 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △48,076 | △28,678 | 19,398 |
| フリーキャッシュ・フロー | 3,410 | △19,395 | △22,805 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △4,411 | 21,498 | 25,909 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 26,675 | 28,900 | 2,225 |
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)の事業内容は、役務の提供を主たる事業としており、生産、受注及び販売の状況について、金額あるいは数量で示すことはしておりません。
そのため、生産、受注及び販売の状況については、「② 経営成績の状況」におけるセグメントごとに業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループでは、長期経営計画「Eプラン」(2010~2021年度)を推進しており、その最終段階となる中期経営計画「E4プラン」(2019~2021年度)では、最終年度(2021年度)における数値目標の達成に向けて、基本方針・基本戦略に基づき、各事業を推進しております。詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当連結会計年度は、「E4プラン」の基本方針・基本戦略に基づき、鉄道施設改良工事やBRT事業の推進、収益賃貸物件の取得等を実施しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた入国制限による訪日外国人の激減に加え、外出の自粛等による消費の急激な縮小等の影響により、前期比で減収減益となり損失計上となりました。
当連結会計年度における、新型コロナウイルス感染症の影響による減収額は、約850億円(鉄道事業380億円、バス事業240億円、その他230億円)となり、特に運輸業(鉄道・バス事業)においては、営業費に占める固定費の割合が高いため、減収が減益に直結いたしました。
(経営指標)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | (参考)Eプラン | (参考)E4プラン | |
| 2021年度目標 | 2021年度目標 | ||||
| 営業収益 | 2,748億円 | 2,078億円 | △670億円 | 2,800億円以上 | 2,900億円以上 |
| 営業利益 | 283億円 | △181億円 | △464億円 | ― | 330億円以上 |
| 営業利益率 | 10.3% | △8.7% | △19.0pt | 10%以上 | 11.3%以上 |
| 有利子負債残高 | 3,423億円 | 3,731億円 | 308億円 | 3,500億円以下 | 上限3,200億円 |
| EBITDA倍率 | 6.0倍 | 31.6倍 | 25.6pt | 7倍以下 | 上限5.1倍 |
(注) EBITDA倍率=有利子負債残高÷(営業利益+減価償却費)
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金及び設備投資資金について、営業活動によるキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入及び社債の発行等により調達することとし、事業運営上必要な流動性の確保と安定的な調達を基本方針としております。なお、鉄道車両等については、総支払コストの有利性や費用の平準化に鑑み、主にリースにより調達しております。また、複数の金融機関との間で震災対応型コミットメントライン契約等を締結し、安定的な資金調達に備えております。
有利子負債残高については、中期経営計画「E4プラン」において目標を設定しており、収益力強化や事業選別の徹底等により、有利子負債の増加を抑制する所存であります。
設備投資については、当社グループの持続的成長に資する中長期的な収益拡大に向けた投資を継続的に実行してまいります。特にコア事業である運輸業、不動産賃貸業に経営資源を集中的に投下し、安全の確保と競争力の強化により収益拡大を目指してまいります。
中期経営計画「E4プラン」においては、2019~2021年度の3か年で、通常の設備投資1,000億円のほか、500億円程度の戦略投資枠を設定しております。
当連結会計年度においては、通常投資では、鉄道・バス・タクシー等の車両の更新等、戦略投資では、収益賃貸物件の取得等の、将来の収益拡大に向けた投資に充当いたしました。その結果、現時点で「E4プラン」戦略投資枠の約7割の使途が確定しております。
株主還元については、更なる株主還元の充実に向けて、2021年度に連結配当性向10%を目指し、安定的かつ継続的に利益還元してまいります。
当面は、新型コロナウイルス感染症の影響によるキャッシュ・フローの減少を補うため、事業環境の変化を見極めたうえで、経費・設備投資を極力、抑制または選別してまいります。また、資金調達については、機動的に行い、流動性を確保するとともに、有利子負債の大幅な増加は回避し、財務健全性の維持・向上に努めてまいります。具体的には、シンジケートローンを含む銀行借入、社債及び短期社債(コマーシャル・ペーパー)等から最も有利な資金調達を実施いたします。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。