四半期報告書-第71期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結累計期間の末日現在において判断したものです。
当社グループは、昨年受けた事業改善命令への反省をもとに、飲酒問題の再発防止に向けて組織的な対策を講じるとともに安全管理体制の再構築に努めてまいりました。しかしながら、当社はその後も飲酒不適切事案を防ぐことができず、2019年10月8日に二度目の事業改善命令を受けるに至りました。
輸送の安全確保が大前提である航空運送事業者として、お客さま・社会の皆さまの信頼を著しく損なってしまったことは極めて深刻かつ危機的な事態であると厳粛に受け止め、深く反省しております。
当社グループは、全社が一丸となって不退転の決意で、飲酒問題の原因分析と再発防止策を徹底的に見直し、抜本的な意識改革と飲酒管理の徹底を推し進め、「安全・安心の再構築」と「信頼回復と企業価値の向上」に努めてまいります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
資産、負債および純資産の状況
当第2四半期末の総資産は、前期末比1,014億円減少の1兆9,288億円となり、負債は、前期末比1,094億円減少の7,207億円となりました。
純資産は、配当金の支払いによる減少の一方、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上すること等により、前期末比80億円増加の1兆2,081億円となりました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 (1)四半期連結貸借対照表」をご覧ください。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年9月30日)(以下、「当第2四半期」)における営業収益は7,598億円(前年同期比1.3%増加)、営業費用は6,785億円(前年同期比3.9%増加)となり、営業利益は813億円(前年同期比16.0%減少)、経常利益は825億円(前年同期比12.5%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は512億円(前年同期比30.2%減少)となりました。
当第2四半期における経営環境を概括すると、米中貿易摩擦の影響等により世界経済に先行き不透明感が広がる中で、日本経済は全体的には緩やかな拡大基調で推移しました。こうした経済情勢の中、航空旅客総需要については、国際旅客では、やや力強さを欠きましたが、国内旅客では、改元に伴うゴールデンウィークの10連休化等の影響もあり堅調に推移しました。また、国際貨物需要は低調に推移しました。一方、燃油費、国際旅客収入ならびに国際貨物収入に影響を与える原油価格については、国際情勢の変動などの影響を受けつつも、概ね一定の範囲で推移しました。当社グループでは、燃油サーチャージの収受や適切なヘッジの実施により、業績変動の抑制に努めるとともに、引き続き、景気動向に与える影響や当社グループの業績への影響について注視してまいります。
当社グループの更なる成長に向け、「ネットワークを磨き上げる」とともに「商品サービスを磨き上げる」べく、新路線の開設、需要に合った航空機の仕様変更、新しい航空機の導入等に加え、他航空会社との提携を積極的に展開し、利便性の向上に向け、着実に施策を進めております。
9月2日には2020年の羽田空港の国際線発着枠増加に伴う配分が、国土交通省により公表されました。増枠となる国のうち、当社が要望していたすべての国について発着枠の配分を受けることができました。多くの関係者のご理解によって得られたこの発着枠を最大限に活用し、羽田空港と成田空港それぞれの役割を活かした最適なネットワークの維持・充実を図ってまいります。
また、最新鋭のエアバスA350-900型機が、9月1日から運航を開始し、羽田=福岡線を皮切りに国内主要幹線に順次就航いたしました。10月27日からはボーイング787-8型機が国内線に新たに就航しております。新仕様のシートや、全席に個人用画面および電源を配備した機材の導入により、利便性・快適性の向上に努めてまいります。
当第2四半期において、SKYTRAX社の「ワールド・エアライン・アワード」において日本で初めてとなる「ワールド・ベスト・エコノミークラス」賞および3年連続4回目となる「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート」賞を受賞いたしました。TripAdvisor®「トラベラーズチョイス™ 世界の人気エアライン2019」においては、「日本のベストエアライン」に3年連続で選ばれたほか「アジアのベストファーストクラス」など計4部門を受賞いたしました。これからも「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を目指し、すべてのお客さまに快適な空の旅をご提供できるよう、チャレンジしてまいります。
国際旅客においては、日本発観光需要が堅調な動きとなった一方、世界経済の減速に伴い、日本発のビジネス需要がやや弱い動きとなりました。加えて、欧州線等では、競合他社の供給増により需給バランス悪化が顕在化し、香港線・韓国線では、政情不安や日韓関係の悪化による需要減も見られました。一方供給面では、昨年度に開設した成田=シアトル線や羽田=マニラ線の新規路線の継続、需給適合のための客室改修などにより、有効座席キロは前年同期比2.5%増となりました。旅客数は前年同期比0.5%減、有償旅客キロは前年同期比0.9%増、有償座席利用率は81.1%となりました。
路線運営面では、成田=ウラジオストク線を2020年2月28日より運航することを公表したほか、他航空会社との提携関係の強化・拡大に努めました。ガルーダ・インドネシア航空(2019年5月8日より)、キャセイドラゴン航空(2019年5月29日より)、厦門航空(2019年6月3日より)とのコードシェアサービスを拡大しております。また、マレーシア航空との共同事業の推進に向け、独占禁止法の適用除外の申請について5月27日に公表しました。
商品・サービス面では、成田空港において、JALファーストクラスラウンジを4月1日に、サクララウンジを8月9日にリニューアルオープンいたしました。また、滴滴出行(DiDi)と提携し、「JAL×DiDi 空港送迎・タクシー配車 提携キャンペーン」を9月1日より開始しました。ハワイ線では、5月22日からJAL新特別塗装機「ARASHI HAWAII JET」を国際線で初めて就航させるなど、競争力の強化に向けて取り組みを強化しました。
国際貨物においては、米中貿易摩擦等の影響により、特に日本発需要が急減した結果、貨物収入は前年同期比8.9%減となりました。
国内旅客においては、観光とビジネス双方の需要が堅調に推移しており、沖縄方面を中心に概ね好調に推移しました。台風による影響を受けたものの、高い競争力を持つ商品サービスに加え、ゴールデンウィークや夏季休暇期間などの高需要が見込まれる期間において、羽田=那覇線や羽田=新千歳線の増便などを行い、堅調な需要に対応しました。これらにより、有効座席キロは前年同期比1.7%増となり、旅客数は前年同期比3.4%増、有償旅客キロは前年同期比4.4%増、有償座席利用率は74.0%となりました。
路線運営面では、天草エアラインやフジドリームエアラインズとのコードシェアを新たに設定するなど、提携関係の強化・拡大に努めました。
商品・サービス面では、5月14日にWebサイトにおける国内線予約購入ページのデザインを、7月22日にはスマートフォン向けアプリをリニューアルすることで、ストレスなく国内線の航空券を購入いただけるようにいたしました。さらに、9月10日予約分より、搭乗日の330日前から国内線航空券の予約・購入を可能といたしました。また、最新鋭の客室仕様を備えたエアバスA350-900型機が、9月1日から羽田=福岡線を中心に、ボーイング787-8型機が、10月27日から羽田=伊丹線を中心にそれぞれ就航しております。
事業領域の拡大においては、当社グループの強みである人財と先進的なテクノロジーの融合によりイノベーションを実現し、新しい商品・サービスやビジネスの創造に努めております。国際線中長距離ローコストキャリアビジネスとして設立した株式会社ZIPAIR Tokyoは、7月5日に航空運送事業許可を取得し、2020年の運航開始に向けて着実に準備を進めております。また、成長著しい日本発中国向け越境イーコマースビジネスを手掛けるJAL宏遠株式会社を7月1日に設立しました。9月24日には、JALビジネスアビエーション株式会社が旅行業登録を完了し、チャーターフライトの手配、ビジネスジェットの運航支援や整備の手配などのサービスを開始いたしました。
テクノロジーの活用においては、「JAL Innovation Lab」における取り組みとして、より高品質なサービスの提供と社員の働きやすい環境づくりを目的としたアバターロボットの活用のトライアルを羽田空港で実施し、また、KDDI株式会社の「KDDI DIGITAL GATE」とのコラボレーションによる、次世代移動通信システム「5G」やIoTを活用した次世代サービスの研究開発および実用化などを進めております。
当社グループは、公共交通機関としての社会的使命を果たすべく、地域活性化、訪日外国人観光客の増加に向けて取り組みを進めております。当第2四半期において、山形県沖地震や台風15号などの自然災害が各地で発生しましたが、当社グループは、救援物資の緊急輸送や復興応援キャンペーンなど、被災地域の支援と復興を応援しております。7月3日には、当社が参加するコンソーシアム「北海道エアポートグループ」が、国土交通省・旭川市・帯広市・北海道により、北海道内7空港特定運営事業等の優先交渉権者に選定されました。
7月23日には、2020年4月より変更予定の新制服デザインを発表いたしました。安全・安心なサービスの提供に必要な品質・機能を兼ね備え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会にて示された「持続可能性に配慮した調達コード」への対応に取り組むものとなっております。
財務戦略においては、資本効率の向上および安定的な株主還元の実現に向け、9月20日までに5,818,100株、200億円分の自己株式取得を実施しました。なお10月23日の取締役会において、取得した自己株式はすべて消却することを決議しております。さらに、10月31日の取締役会において、当社普通株式800万株または200億円分を上限とする自己株式の取得およびそのすべての消却について決議しております。また、9月13日には、企業年金の積立不足の早期解消による将来の財務リスク払拭のため、JAL企業年金基金へ特例掛金827億円を拠出し、当社の退職給付に係る負債を削減いたしました。なお、5月17日、格付投資情報センター(R&I)が公表する当社グループの格付について、従来のAマイナス(安定的)から、Aマイナス(ポジティブ)へと方向性が変更されました。引き続き強固な財務体質と資本効率の向上の両立に努め、事業基盤の強化を進めてまいります。
当社グループは、今後も「2017~2020年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2019」を踏まえ、2020年度に予定される首都圏空港の機能強化に向けて確実な準備を行い、訪日外国人旅客数4,000万人目標の達成、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に貢献し、新たな価値の創造、人財育成、社会の課題解決などに向けた取り組みを、一層進めてまいります。
連結業績は次のとおりです。
(注) 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
セグメントの経営成績は、次のとおりです。
<航空運送事業セグメント>当第2四半期における航空運送事業セグメントの経営成績については、営業収益は6,898億円(前年同期比1.0%増加)、営業利益は728億円(前年同期比17.7%減少)となりました。(営業収益及び営業利益はセグメント間連結消去前数値です。)
国際旅客収入は2,660億円(前年同期比1.2%減少)、国内旅客収入は2,768億円(前年同期比3.3%増加)、貨物郵便収入は451億円(前年同期比9.3%減少)となりました。
詳細は次のとおりです。
(国際線)
(国内線)
航空運送事業セグメントの部門別売上高は次のとおりです。
(注) 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
連結輸送実績は次のとおりです。
(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、
各区間有効座席数(席)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた算出基準の
大圏距離方式で算出しております。
3.国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、日本エアコミューター(株)、
(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム
4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
<その他>株式会社ジャルパックと株式会社ジャルカードの概況は、次のとおりです。
株式会社ジャルパック
株式会社ジャルカード
③キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益788億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行
った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は287億円(前年同期比1,215億円の減少)となり
ました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△1,064億
円(前年同期比115億円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いや有利子負債の返済、ならびに自己株式の取得により、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△484億円(前年同期比179億円の増加)となりました。
以上の結果、当第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,260億円減少の3,959億円となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より、四半期連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲を変更し、遡及処理後の数値を記載しております。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
「研究開発費等に係る会計基準」に合致する研究開発費を発生させる活動はありません。
(4)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動があったものは、次のとおりです。
航空機
当第2四半期連結累計期間においての異動は、次のとおりです。
当社グループは、昨年受けた事業改善命令への反省をもとに、飲酒問題の再発防止に向けて組織的な対策を講じるとともに安全管理体制の再構築に努めてまいりました。しかしながら、当社はその後も飲酒不適切事案を防ぐことができず、2019年10月8日に二度目の事業改善命令を受けるに至りました。
輸送の安全確保が大前提である航空運送事業者として、お客さま・社会の皆さまの信頼を著しく損なってしまったことは極めて深刻かつ危機的な事態であると厳粛に受け止め、深く反省しております。
当社グループは、全社が一丸となって不退転の決意で、飲酒問題の原因分析と再発防止策を徹底的に見直し、抜本的な意識改革と飲酒管理の徹底を推し進め、「安全・安心の再構築」と「信頼回復と企業価値の向上」に努めてまいります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
資産、負債および純資産の状況
当第2四半期末の総資産は、前期末比1,014億円減少の1兆9,288億円となり、負債は、前期末比1,094億円減少の7,207億円となりました。
純資産は、配当金の支払いによる減少の一方、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上すること等により、前期末比80億円増加の1兆2,081億円となりました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 (1)四半期連結貸借対照表」をご覧ください。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年9月30日)(以下、「当第2四半期」)における営業収益は7,598億円(前年同期比1.3%増加)、営業費用は6,785億円(前年同期比3.9%増加)となり、営業利益は813億円(前年同期比16.0%減少)、経常利益は825億円(前年同期比12.5%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は512億円(前年同期比30.2%減少)となりました。
当第2四半期における経営環境を概括すると、米中貿易摩擦の影響等により世界経済に先行き不透明感が広がる中で、日本経済は全体的には緩やかな拡大基調で推移しました。こうした経済情勢の中、航空旅客総需要については、国際旅客では、やや力強さを欠きましたが、国内旅客では、改元に伴うゴールデンウィークの10連休化等の影響もあり堅調に推移しました。また、国際貨物需要は低調に推移しました。一方、燃油費、国際旅客収入ならびに国際貨物収入に影響を与える原油価格については、国際情勢の変動などの影響を受けつつも、概ね一定の範囲で推移しました。当社グループでは、燃油サーチャージの収受や適切なヘッジの実施により、業績変動の抑制に努めるとともに、引き続き、景気動向に与える影響や当社グループの業績への影響について注視してまいります。
当社グループの更なる成長に向け、「ネットワークを磨き上げる」とともに「商品サービスを磨き上げる」べく、新路線の開設、需要に合った航空機の仕様変更、新しい航空機の導入等に加え、他航空会社との提携を積極的に展開し、利便性の向上に向け、着実に施策を進めております。
9月2日には2020年の羽田空港の国際線発着枠増加に伴う配分が、国土交通省により公表されました。増枠となる国のうち、当社が要望していたすべての国について発着枠の配分を受けることができました。多くの関係者のご理解によって得られたこの発着枠を最大限に活用し、羽田空港と成田空港それぞれの役割を活かした最適なネットワークの維持・充実を図ってまいります。
また、最新鋭のエアバスA350-900型機が、9月1日から運航を開始し、羽田=福岡線を皮切りに国内主要幹線に順次就航いたしました。10月27日からはボーイング787-8型機が国内線に新たに就航しております。新仕様のシートや、全席に個人用画面および電源を配備した機材の導入により、利便性・快適性の向上に努めてまいります。
当第2四半期において、SKYTRAX社の「ワールド・エアライン・アワード」において日本で初めてとなる「ワールド・ベスト・エコノミークラス」賞および3年連続4回目となる「ベスト・エコノミークラス・エアラインシート」賞を受賞いたしました。TripAdvisor®「トラベラーズチョイス™ 世界の人気エアライン2019」においては、「日本のベストエアライン」に3年連続で選ばれたほか「アジアのベストファーストクラス」など計4部門を受賞いたしました。これからも「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を目指し、すべてのお客さまに快適な空の旅をご提供できるよう、チャレンジしてまいります。
国際旅客においては、日本発観光需要が堅調な動きとなった一方、世界経済の減速に伴い、日本発のビジネス需要がやや弱い動きとなりました。加えて、欧州線等では、競合他社の供給増により需給バランス悪化が顕在化し、香港線・韓国線では、政情不安や日韓関係の悪化による需要減も見られました。一方供給面では、昨年度に開設した成田=シアトル線や羽田=マニラ線の新規路線の継続、需給適合のための客室改修などにより、有効座席キロは前年同期比2.5%増となりました。旅客数は前年同期比0.5%減、有償旅客キロは前年同期比0.9%増、有償座席利用率は81.1%となりました。
路線運営面では、成田=ウラジオストク線を2020年2月28日より運航することを公表したほか、他航空会社との提携関係の強化・拡大に努めました。ガルーダ・インドネシア航空(2019年5月8日より)、キャセイドラゴン航空(2019年5月29日より)、厦門航空(2019年6月3日より)とのコードシェアサービスを拡大しております。また、マレーシア航空との共同事業の推進に向け、独占禁止法の適用除外の申請について5月27日に公表しました。
商品・サービス面では、成田空港において、JALファーストクラスラウンジを4月1日に、サクララウンジを8月9日にリニューアルオープンいたしました。また、滴滴出行(DiDi)と提携し、「JAL×DiDi 空港送迎・タクシー配車 提携キャンペーン」を9月1日より開始しました。ハワイ線では、5月22日からJAL新特別塗装機「ARASHI HAWAII JET」を国際線で初めて就航させるなど、競争力の強化に向けて取り組みを強化しました。
国際貨物においては、米中貿易摩擦等の影響により、特に日本発需要が急減した結果、貨物収入は前年同期比8.9%減となりました。
国内旅客においては、観光とビジネス双方の需要が堅調に推移しており、沖縄方面を中心に概ね好調に推移しました。台風による影響を受けたものの、高い競争力を持つ商品サービスに加え、ゴールデンウィークや夏季休暇期間などの高需要が見込まれる期間において、羽田=那覇線や羽田=新千歳線の増便などを行い、堅調な需要に対応しました。これらにより、有効座席キロは前年同期比1.7%増となり、旅客数は前年同期比3.4%増、有償旅客キロは前年同期比4.4%増、有償座席利用率は74.0%となりました。
路線運営面では、天草エアラインやフジドリームエアラインズとのコードシェアを新たに設定するなど、提携関係の強化・拡大に努めました。
商品・サービス面では、5月14日にWebサイトにおける国内線予約購入ページのデザインを、7月22日にはスマートフォン向けアプリをリニューアルすることで、ストレスなく国内線の航空券を購入いただけるようにいたしました。さらに、9月10日予約分より、搭乗日の330日前から国内線航空券の予約・購入を可能といたしました。また、最新鋭の客室仕様を備えたエアバスA350-900型機が、9月1日から羽田=福岡線を中心に、ボーイング787-8型機が、10月27日から羽田=伊丹線を中心にそれぞれ就航しております。
事業領域の拡大においては、当社グループの強みである人財と先進的なテクノロジーの融合によりイノベーションを実現し、新しい商品・サービスやビジネスの創造に努めております。国際線中長距離ローコストキャリアビジネスとして設立した株式会社ZIPAIR Tokyoは、7月5日に航空運送事業許可を取得し、2020年の運航開始に向けて着実に準備を進めております。また、成長著しい日本発中国向け越境イーコマースビジネスを手掛けるJAL宏遠株式会社を7月1日に設立しました。9月24日には、JALビジネスアビエーション株式会社が旅行業登録を完了し、チャーターフライトの手配、ビジネスジェットの運航支援や整備の手配などのサービスを開始いたしました。
テクノロジーの活用においては、「JAL Innovation Lab」における取り組みとして、より高品質なサービスの提供と社員の働きやすい環境づくりを目的としたアバターロボットの活用のトライアルを羽田空港で実施し、また、KDDI株式会社の「KDDI DIGITAL GATE」とのコラボレーションによる、次世代移動通信システム「5G」やIoTを活用した次世代サービスの研究開発および実用化などを進めております。
当社グループは、公共交通機関としての社会的使命を果たすべく、地域活性化、訪日外国人観光客の増加に向けて取り組みを進めております。当第2四半期において、山形県沖地震や台風15号などの自然災害が各地で発生しましたが、当社グループは、救援物資の緊急輸送や復興応援キャンペーンなど、被災地域の支援と復興を応援しております。7月3日には、当社が参加するコンソーシアム「北海道エアポートグループ」が、国土交通省・旭川市・帯広市・北海道により、北海道内7空港特定運営事業等の優先交渉権者に選定されました。
7月23日には、2020年4月より変更予定の新制服デザインを発表いたしました。安全・安心なサービスの提供に必要な品質・機能を兼ね備え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会にて示された「持続可能性に配慮した調達コード」への対応に取り組むものとなっております。
財務戦略においては、資本効率の向上および安定的な株主還元の実現に向け、9月20日までに5,818,100株、200億円分の自己株式取得を実施しました。なお10月23日の取締役会において、取得した自己株式はすべて消却することを決議しております。さらに、10月31日の取締役会において、当社普通株式800万株または200億円分を上限とする自己株式の取得およびそのすべての消却について決議しております。また、9月13日には、企業年金の積立不足の早期解消による将来の財務リスク払拭のため、JAL企業年金基金へ特例掛金827億円を拠出し、当社の退職給付に係る負債を削減いたしました。なお、5月17日、格付投資情報センター(R&I)が公表する当社グループの格付について、従来のAマイナス(安定的)から、Aマイナス(ポジティブ)へと方向性が変更されました。引き続き強固な財務体質と資本効率の向上の両立に努め、事業基盤の強化を進めてまいります。
当社グループは、今後も「2017~2020年度 JALグループ中期経営計画ローリングプラン2019」を踏まえ、2020年度に予定される首都圏空港の機能強化に向けて確実な準備を行い、訪日外国人旅客数4,000万人目標の達成、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に貢献し、新たな価値の創造、人財育成、社会の課題解決などに向けた取り組みを、一層進めてまいります。
連結業績は次のとおりです。
項目 | 前第2四半期 (自 2018年4月1日 至 2018年9月30日) | 当第2四半期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 対前年同期比 (利益率は ポイント差) |
営業収益 (億円) | 7,501 | 7,598 | 101.3% |
国際旅客収入 (億円) | 2,692 | 2,660 | 98.8% |
国内旅客収入 (億円) | 2,681 | 2,768 | 103.3% |
貨物郵便収入 (億円) | 497 | 451 | 90.7% |
その他収入 (億円) | 1,630 | 1,717 | 105.4% |
営業費用 (億円) | 6,533 | 6,785 | 103.9% |
燃油費 (億円) | 1,253 | 1,277 | 101.9% |
燃油費以外 (億円) | 5,279 | 5,507 | 104.3% |
営業利益 (億円) | 968 | 813 | 84.0% |
売上高営業利益率 (%) | 12.9 | 10.7 | △2.2 |
経常利益 (億円) | 942 | 825 | 87.5% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 (億円) | 733 | 512 | 69.8% |
(注) 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
セグメントの経営成績は、次のとおりです。
<航空運送事業セグメント>当第2四半期における航空運送事業セグメントの経営成績については、営業収益は6,898億円(前年同期比1.0%増加)、営業利益は728億円(前年同期比17.7%減少)となりました。(営業収益及び営業利益はセグメント間連結消去前数値です。)
国際旅客収入は2,660億円(前年同期比1.2%減少)、国内旅客収入は2,768億円(前年同期比3.3%増加)、貨物郵便収入は451億円(前年同期比9.3%減少)となりました。
詳細は次のとおりです。
(国際線)
項目 | 前第2四半期 (自 2018年4月1日 至 2018年9月30日) | 当第2四半期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
旅客収入 (百万円) | 269,225 | 266,051 | 98.8% |
有償旅客数 (人) | 4,605,384 | 4,582,231 | 99.5% |
有償旅客キロ (千人・キロ) | 22,572,916 | 22,768,481 | 100.9% |
有効座席キロ (千席・キロ) | 27,399,486 | 28,072,233 | 102.5% |
有償座席利用率 (%) | 82.4 | 81.1 | △1.3 |
貨物収入 (百万円) | 32,597 | 29,709 | 91.1% |
有償貨物トン・キロ (千トン・キロ) | 1,233,546 | 1,212,362 | 98.3% |
(国内線)
項目 | 前第2四半期 (自 2018年4月1日 至 2018年9月30日) | 当第2四半期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
旅客収入 (百万円) | 268,128 | 276,844 | 103.3% |
有償旅客数 (人) | 17,408,061 | 18,006,267 | 103.4% |
有償旅客キロ (千人・キロ) | 13,037,001 | 13,609,444 | 104.4% |
有効座席キロ (千席・キロ) | 18,076,780 | 18,387,206 | 101.7% |
有償座席利用率 (%) | 72.1 | 74.0 | 1.9 |
貨物収入 (百万円) | 11,017 | 10,375 | 94.2% |
有償貨物トン・キロ (千トン・キロ) | 173,812 | 165,648 | 95.3% |
航空運送事業セグメントの部門別売上高は次のとおりです。
科目 | 前第2四半期 (自 2018年4月1日 至 2018年9月30日) | 構成比(%) | 当第2四半期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 構成比(%) | 対前年 同期比 (%) |
国際線 | |||||
旅客収入 (百万円) | 269,225 | 39.4 | 266,051 | 38.6 | 98.8 |
貨物収入 (百万円) | 32,597 | 4.8 | 29,709 | 4.3 | 91.1 |
郵便収入 (百万円) | 4,464 | 0.7 | 3,331 | 0.5 | 74.6 |
手荷物収入 (百万円) | 400 | 0.1 | 429 | 0.1 | 107.3 |
小計 (百万円) | 306,687 | 44.9 | 299,522 | 43.4 | 97.7 |
国内線 | |||||
旅客収入 (百万円) | 268,128 | 39.3 | 276,844 | 40.1 | 103.3 |
貨物収入 (百万円) | 11,017 | 1.6 | 10,375 | 1.5 | 94.2 |
郵便収入 (百万円) | 1,689 | 0.2 | 1,748 | 0.3 | 103.5 |
手荷物収入 (百万円) | 144 | 0.0 | 161 | 0.0 | 111.8 |
小計 (百万円) | 280,980 | 41.1 | 289,130 | 41.9 | 102.9 |
国際線・国内線合計 (百万円) | 587,668 | 86.1 | 588,652 | 85.3 | 100.2 |
その他の収入 (百万円) | 95,220 | 13.9 | 101,188 | 14.7 | 106.3 |
合計 (百万円) | 682,888 | 100.0 | 689,841 | 100.0 | 101.0 |
(注) 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
連結輸送実績は次のとおりです。
項目 | 前第2四半期 (自 2018年4月1日 至 2018年9月30日) | 当第2四半期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 対前年同期比 (利用率は ポイント差) | |
国際線 | ||||
有償旅客数 | (人) | 4,605,384 | 4,582,231 | 99.5% |
有償旅客キロ | (千人・キロ) | 22,572,916 | 22,768,481 | 100.9% |
有効座席キロ | (千席・キロ) | 27,399,486 | 28,072,233 | 102.5% |
有償座席利用率 | (%) | 82.4 | 81.1 | △1.3 |
有償貨物トン・キロ | (千トン・キロ) | 1,233,546 | 1,212,362 | 98.3% |
郵便トン・キロ | (千トン・キロ) | 114,650 | 82,852 | 72.3% |
国内線 | ||||
有償旅客数 | (人) | 17,408,061 | 18,006,267 | 103.4% |
有償旅客キロ | (千人・キロ) | 13,037,001 | 13,609,444 | 104.4% |
有効座席キロ | (千席・キロ) | 18,076,780 | 18,387,206 | 101.7% |
有償座席利用率 | (%) | 72.1 | 74.0 | 1.9 |
有償貨物トン・キロ | (千トン・キロ) | 173,812 | 165,648 | 95.3% |
郵便トン・キロ | (千トン・キロ) | 12,141 | 12,068 | 99.4% |
合計 | ||||
有償旅客数 | (人) | 22,013,445 | 22,588,498 | 102.6% |
有償旅客キロ | (千人・キロ) | 35,609,917 | 36,377,926 | 102.2% |
有効座席キロ | (千席・キロ) | 45,476,267 | 46,459,440 | 102.2% |
有償座席利用率 | (%) | 78.3 | 78.3 | △0.0 |
有償貨物トン・キロ | (千トン・キロ) | 1,407,358 | 1,378,010 | 97.9% |
郵便トン・キロ | (千トン・キロ) | 126,791 | 94,921 | 74.9% |
(注)1.旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、
各区間有効座席数(席)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2.区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた算出基準の
大圏距離方式で算出しております。
3.国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、日本エアコミューター(株)、
(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム
4.数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
<その他>株式会社ジャルパックと株式会社ジャルカードの概況は、次のとおりです。
株式会社ジャルパック
項目 | 前第2四半期 (自 2018年4月1日 至 2018年9月30日) | 当第2四半期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 対前年同期比 (%) |
海外旅行取扱人数 (万人) | 11.7 | 10.0 | 85.1 |
国内旅行取扱人数 (万人) | 137.2 | 146.2 | 106.6 |
営業収益 (億円)(連結消去前) | 960 | 983 | 102.3 |
株式会社ジャルカード
項目 | 前第2四半期 (自 2018年4月1日 至 2018年9月30日) | 当第2四半期 (自 2019年4月1日 至 2019年9月30日) | 対前年同期比 (%) |
カード会員数 (万人) | 350.3 | 365.5 | 104.3 |
営業収益 (億円)(連結消去前) | 96 | 101 | 105.5 |
③キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益788億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算等を行
った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は287億円(前年同期比1,215億円の減少)となり
ました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△1,064億
円(前年同期比115億円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払いや有利子負債の返済、ならびに自己株式の取得により、財務活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△484億円(前年同期比179億円の増加)となりました。
以上の結果、当第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,260億円減少の3,959億円となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より、四半期連結キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲を変更し、遡及処理後の数値を記載しております。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
「研究開発費等に係る会計基準」に合致する研究開発費を発生させる活動はありません。
(4)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動があったものは、次のとおりです。
航空機
当第2四半期連結累計期間においての異動は、次のとおりです。
会社名 | 機種 | 機数(機) | 異動年月・事由 |
提出会社 | エアバスA350-900型 | 3 | 2019年6月購入 2019年8月購入 2019年9月購入 |
ボーイング737-800型 | 1 | 2019年6月購入 | |
ボンバルディアDHC-8-400型 | 1 | 2019年5月売却 | |
日本トランスオーシャン 航空株式会社 | ボーイング737-400型 | 3 | 2019年4月売却 2019年5月売却 2019年8月売却 |
日本エアコミューター 株式会社 | ATR72-600型 | 1 | 2019年5月購入 |
SAAB340B型 | 2 | 2019年4月売却 2019年8月売却 |