四半期報告書-第73期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年6月30日)(以下「当第1四半期」という。)の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
①財政状態
資産、負債および資本の状況
当第1四半期末の総資産は、2兆1,041億円と前連結会計年度末に比べ30億円減少しました。流動資産のうち、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ513億円減少したことなどにより、流動資産は前連結会計年度末に比べ436億円減少し、5,241億円になりました。非流動資産は航空機及び繰延税金資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ405億円増加し、1兆5,800億円となりました。
負債は、主に十分な手元流動性を確保すべく社債の発行や銀行借入により、前連結会計年度末に比べ542億円増加し、1兆1,799億円となりました。
資本は、主に親会社の所有者に帰属する四半期損失579億円などにより、前連結会計年度末に比べ、573億円減少し、9,242億円となりました。
当社グループでは、これまで培ってきた強固な財務体質を活かし、6月には普通社債で300億円を調達し、さらに244億円の借入れを実施いたしました。また、手元流動性については未使用のコミットメントライン3,000億円を含む6,570億円を確保しております。今後も、コスト削減の徹底と投資の厳格な管理により毎月の資金支出の抑制に努めるとともに、健全な財務体質に裏付けられた資金調達能力を最大限活用し、手元流動性の確保に万全を期してまいります。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (1)要約四半期連結財政状態計算書」をご覧ください。
②経営成績
当第1四半期における売上収益は1,330億円(前年同期比74.1%増加)、営業費用は2,154億円(前年同期比4.7%増加)となり、財務・法人所得税前利益(△は損失)(当社は、四半期利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。以下「EBIT」という。)は△826億円(前年同期は△1,310億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益(△は損失)は△579億円(前年同期は△937億円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第1四半期末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ513億円減少し、3,570億円となりました。
1.営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期損失838億円に、減価償却費等の非資金項目および営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△458億円(前年同期は△1,302億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
2.投資活動によるキャッシュ・フロー
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△473億円(前年同期は△251億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
3.財務活動によるキャッシュ・フロー
社債の発行による収入および長期借入れによる収入を主因として、財務活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は415億円(前年同期は2,204億円のキャッシュ・インフロー)となりました。
2021年度に入っても、新型コロナウイルス感染拡大は収束の兆しが見られず、今もなお世界的な出入国制限および日本国内への入国人数制限が設けられており、国内においても、度重なる緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の発出等がありました。その結果、国際および国内航空旅客需要は依然として低迷しました。一方で、航空貨物においては、航空旅客需要の減少に伴い各社が旅客便を大幅に減便した影響により、需給がひっ迫し、特に国際貨物需要は引き続き好調でした。当社グループは、このような経営環境の中でも、グループ存立の大前提である「安全」を守り、お客さまと社員の感染防止対策を徹底したうえで、国内外の航空ネットワークの維持に努めてまいりました。
5月7日には、早期の財務基盤再構築と、ポストコロナの環境変化を踏まえた持続的な成長・発展の実現に向けた新たな中期経営計画を発表いたしました。「確かな安全といつも心地よい安心を感じられる社会」と「誰もが豊かさと希望を感じられる未来」の実現を目指す「JAL Vision 2030」を2030年のあるべき姿として掲げ、「事業戦略」「財務戦略」「ESG戦略」を経営戦略の柱に、2025年度までの経営目標を定めました。基幹事業であるフルサービスキャリアの収益性向上と、成長分野であるLCC、マイレージ事業を含む非航空領域の拡大により、事業構造の改革と収益源の多様化を図ります。また、2030年のSDGs達成、2050年のCO2排出量実質ゼロに向け、CO2排出量の少ない省燃費機材であるエアバスA350型航空機の導入や代替航空燃料の導入促進等の取り組みを着実に進めてまいります。
コロナ禍においても安全・安心に航空機をご利用いただくために、これまでもさまざまな感染症対策の取り組みを実施してまいりましたが、さらなる衛生・清潔性向上のため客室内に長期間持続する抗ウイルス・抗菌コーティングを本邦航空会社で初めて開始いたしました。また、空港での諸手続きをよりスムーズに行えるよう、非対面・非接触化を進めた、「JAL SMART AIRPORT」を羽田空港に続き、新千歳空港でも全面オープンし、非接触型の自動チェックイン機の全国空港への展開を進めました。加えて、「JALコロナカバー」や「JALあんしんPCRサポート」(旧「JAL国内線PCR検査サービス」 )などの渡航サポートの延長およびサービス範囲を拡大しました。また、新型コロナウイルス感染症ワクチンの航空輸送についても、厳格な品質管理のもとで積極的に協力いたしました。なお、6月14日からは当社グループ社員を対象にワクチンの職域接種を開始いたしました。
LCC事業においては、2020年11月に実施した公募増資にて調達した資金の一部を活用し、春秋航空日本株式会社(以下、SPRING JAPAN)とジェットスター・ジャパン株式会社に対して追加出資を決定し、SPRING JAPANについては当第1四半期決算から連結子会社化しました。株式会社ZIPAIR Tokyo(以下、ZIPAIR)を加えた特徴の異なるLCC3社による成田空港をハブとした利便性の高いネットワークを構築し、ポストコロナにおける航空需要の回復にいち早く対応できる体制を整えました。
非航空事業領域の育成・拡大においては、昨年11月に設立した地域事業本部に加え、4月よりカスタマー・エクスペリエンス本部、マイレージ・ライフスタイル事業本部を新設し、地域活性化への貢献とライフスタイルに密接に関連した成長領域でお客さまに新たな価値提供をしてまいります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要の減少に対しては、機動的な供給調整を行うことで運航費用などの変動費の抑制に加え、委託業務の内製化やITに関わる経費の抑制、役員報酬の減額、社員の賞与減による人件費の削減に努めました。運航に直接携わる業務量が減少する中で、空港における検疫支援業務、ワクチン接種関連業務の受託等をはじめ、グループ外の企業や自治体等へ1日あたり約1,800人規模での出向・派遣を積極的に行いました。また、成田空港発着の周遊チャーターでお客さまに海外旅行気分を味わっていただく「チャーターDE海外旅行気分を満喫!」の実施や、客室乗務員を講師としたサービスに関する教育・コンサルティングプログラム「JALビジネスキャリアサポート」を開始するなど、社員一人ひとりの知恵と工夫を結集し増収に努めました。同時に、新型コロナウイルス感染拡大収束後の再飛躍に備え、社員一人ひとりの能力向上を図るべく社員教育の充実を図ることで人財の有効活用にも取り組みつつ、需要回復局面において遅滞なく人員配置が行えるよう万全を期しております。加えて、日本政府による着陸料や航空機燃料税等の減免を含む航空業界を対象とした支援策や、雇用調整助成金制度の特例措置拡充等、公的なご支援も活用しております。関係の皆さまのご尽力に深く感謝いたします。
足許では、東京都に4度目となる緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルス感染拡大の影響長期化により厳しい経営環境が続いておりますが、日本国内においてもワクチン接種の進展を受け、今後観光需要を中心に国内航空需要の早期回復に期待が持てる状況になっております。また、新型コロナウイルス検査結果やワクチン接種履歴を管理できるデジタル証明書の導入に向けた検証を進める等、関係機関とも連携しつつ、国境をまたいだ人的交流の再開に向けた努力を継続しております。引き続き、この危機を乗り越えるべく、コスト管理の徹底と効率化、状況に適した旅客増収施策の着実な実施、航空貨物事業の増収に最大限努めるとともに、安全運航および感染対策に万全を期し、日本国内外のネットワークの維持に努め、各国・地域間において自由な人と人の往来の再開に向けて貢献してまいります。
以上をふまえ、当第1四半期において、国際旅客事業(フルサービスキャリア)は有効座席キロは前年同期比358.7%増、有償旅客数は前年同期比341.3%増、有償旅客キロは前年同期比412.2%増、有償座席利用率は19.5%、国内旅客事業は有効座席キロは前年同期比54.1%増、有償旅客数は前年同期比120.0%増、有償旅客キロは前年同期比120.7%増、有償座席利用率は40.5%となりました。貨物収入は、前年同期比82.2%増となりました。なお、LCC事業を営むZIPAIRは有効座席キロ270,924(千座席キロ)、有償旅客数は1,556(人)、有償旅客キロ4,477(千人キロ)、となりました。
連結業績は次のとおりです。
(注) 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
※当社は、四半期利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。
※EBITマージン=財務・法人所得税前利益(EBIT)/売上収益
セグメントの経営成績は、次のとおりです。
<航空運送事業セグメント>当第1四半期における航空運送事業セグメントの経営成績については、売上収益は1,251億円(前年同期比78.1%増加)、投資・財務・法人所得税前利益(△は損失)(以下「セグメント利益(△は損失)」という。)は△808億円(前年同期は△1,307億円)となりました。(売上収益およびセグメント利益(△は損失)はセグメント間連結消去前数値です。)
国際旅客収入(フルサービスキャリア)は112億円(前年同期比313.8%増加)、国内旅客収入は380億円(前年同期比100.8%増加)、貨物郵便収入は476億円(前年同期比79.3%増加)、LCC事業を営むZIPAIRの国際旅客収入は33百万円でした。なお、SPRING JAPANは取得日以降の業績に重要性がないため連結業績には含まれておりません。
詳細は次のとおりです。
(国際線 フルサービスキャリア)
(国内線)
航空運送事業セグメントの部門別売上高は、次のとおりです。
(注)1 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
2 SPRING JAPANは取得日以降の業績に重要性がないため部門別売上高に含まれておりません。
輸送実績(フルサービスキャリア)は、次のとおりです。
(注)1. 旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、
各区間有効座席数(席)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2. 区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた算出基準
の大圏距離方式で算出しております。
3. 国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、日本エアコミューター(株)、
(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム
4. 数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
5. LCC事業であるZIPAIRおよびSPRING JAPANによる輸送実績は上記輸送実績からは除いております。当第1四半期のZIPAIRの国際線輸送実績は、有償旅客数1,556(人)、有償旅客キロ4,477(千人キロ)、有効座席キロ270,924(千座席キロ)、有償座席利用率は1.7%でした。なお、SPRING JAPANは取得日以降の業績に重要性がないため輸送実績には含まれておりません。
<その他>株式会社ジャルパックと株式会社ジャルカードの概況は、次のとおりです。
株式会社ジャルパック
株式会社ジャルカード
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありま
せん。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。
(4)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動があったものは、次のとおりです。
航空機
当第1四半期連結累計期間においての異動は、次のとおりです。
(1)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
①財政状態
資産、負債および資本の状況
当第1四半期末の総資産は、2兆1,041億円と前連結会計年度末に比べ30億円減少しました。流動資産のうち、現金及び現金同等物が前連結会計年度末に比べ513億円減少したことなどにより、流動資産は前連結会計年度末に比べ436億円減少し、5,241億円になりました。非流動資産は航空機及び繰延税金資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ405億円増加し、1兆5,800億円となりました。
負債は、主に十分な手元流動性を確保すべく社債の発行や銀行借入により、前連結会計年度末に比べ542億円増加し、1兆1,799億円となりました。
資本は、主に親会社の所有者に帰属する四半期損失579億円などにより、前連結会計年度末に比べ、573億円減少し、9,242億円となりました。
当社グループでは、これまで培ってきた強固な財務体質を活かし、6月には普通社債で300億円を調達し、さらに244億円の借入れを実施いたしました。また、手元流動性については未使用のコミットメントライン3,000億円を含む6,570億円を確保しております。今後も、コスト削減の徹底と投資の厳格な管理により毎月の資金支出の抑制に努めるとともに、健全な財務体質に裏付けられた資金調達能力を最大限活用し、手元流動性の確保に万全を期してまいります。
詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 (1)要約四半期連結財政状態計算書」をご覧ください。
②経営成績
当第1四半期における売上収益は1,330億円(前年同期比74.1%増加)、営業費用は2,154億円(前年同期比4.7%増加)となり、財務・法人所得税前利益(△は損失)(当社は、四半期利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。以下「EBIT」という。)は△826億円(前年同期は△1,310億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益(△は損失)は△579億円(前年同期は△937億円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第1四半期末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ513億円減少し、3,570億円となりました。
1.営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期損失838億円に、減価償却費等の非資金項目および営業活動に係る債権・債務の加減算等を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△458億円(前年同期は△1,302億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
2.投資活動によるキャッシュ・フロー
固定資産の取得による支出を主因として、投資活動によるキャッシュ・フロー(アウトフロー)は△473億円(前年同期は△251億円のキャッシュ・アウトフロー)となりました。
3.財務活動によるキャッシュ・フロー
社債の発行による収入および長期借入れによる収入を主因として、財務活動によるキャッシュ・フロー(インフロー)は415億円(前年同期は2,204億円のキャッシュ・インフロー)となりました。
2021年度に入っても、新型コロナウイルス感染拡大は収束の兆しが見られず、今もなお世界的な出入国制限および日本国内への入国人数制限が設けられており、国内においても、度重なる緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の発出等がありました。その結果、国際および国内航空旅客需要は依然として低迷しました。一方で、航空貨物においては、航空旅客需要の減少に伴い各社が旅客便を大幅に減便した影響により、需給がひっ迫し、特に国際貨物需要は引き続き好調でした。当社グループは、このような経営環境の中でも、グループ存立の大前提である「安全」を守り、お客さまと社員の感染防止対策を徹底したうえで、国内外の航空ネットワークの維持に努めてまいりました。
5月7日には、早期の財務基盤再構築と、ポストコロナの環境変化を踏まえた持続的な成長・発展の実現に向けた新たな中期経営計画を発表いたしました。「確かな安全といつも心地よい安心を感じられる社会」と「誰もが豊かさと希望を感じられる未来」の実現を目指す「JAL Vision 2030」を2030年のあるべき姿として掲げ、「事業戦略」「財務戦略」「ESG戦略」を経営戦略の柱に、2025年度までの経営目標を定めました。基幹事業であるフルサービスキャリアの収益性向上と、成長分野であるLCC、マイレージ事業を含む非航空領域の拡大により、事業構造の改革と収益源の多様化を図ります。また、2030年のSDGs達成、2050年のCO2排出量実質ゼロに向け、CO2排出量の少ない省燃費機材であるエアバスA350型航空機の導入や代替航空燃料の導入促進等の取り組みを着実に進めてまいります。
コロナ禍においても安全・安心に航空機をご利用いただくために、これまでもさまざまな感染症対策の取り組みを実施してまいりましたが、さらなる衛生・清潔性向上のため客室内に長期間持続する抗ウイルス・抗菌コーティングを本邦航空会社で初めて開始いたしました。また、空港での諸手続きをよりスムーズに行えるよう、非対面・非接触化を進めた、「JAL SMART AIRPORT」を羽田空港に続き、新千歳空港でも全面オープンし、非接触型の自動チェックイン機の全国空港への展開を進めました。加えて、「JALコロナカバー」や「JALあんしんPCRサポート」(旧「JAL国内線PCR検査サービス」 )などの渡航サポートの延長およびサービス範囲を拡大しました。また、新型コロナウイルス感染症ワクチンの航空輸送についても、厳格な品質管理のもとで積極的に協力いたしました。なお、6月14日からは当社グループ社員を対象にワクチンの職域接種を開始いたしました。
LCC事業においては、2020年11月に実施した公募増資にて調達した資金の一部を活用し、春秋航空日本株式会社(以下、SPRING JAPAN)とジェットスター・ジャパン株式会社に対して追加出資を決定し、SPRING JAPANについては当第1四半期決算から連結子会社化しました。株式会社ZIPAIR Tokyo(以下、ZIPAIR)を加えた特徴の異なるLCC3社による成田空港をハブとした利便性の高いネットワークを構築し、ポストコロナにおける航空需要の回復にいち早く対応できる体制を整えました。
非航空事業領域の育成・拡大においては、昨年11月に設立した地域事業本部に加え、4月よりカスタマー・エクスペリエンス本部、マイレージ・ライフスタイル事業本部を新設し、地域活性化への貢献とライフスタイルに密接に関連した成長領域でお客さまに新たな価値提供をしてまいります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による需要の減少に対しては、機動的な供給調整を行うことで運航費用などの変動費の抑制に加え、委託業務の内製化やITに関わる経費の抑制、役員報酬の減額、社員の賞与減による人件費の削減に努めました。運航に直接携わる業務量が減少する中で、空港における検疫支援業務、ワクチン接種関連業務の受託等をはじめ、グループ外の企業や自治体等へ1日あたり約1,800人規模での出向・派遣を積極的に行いました。また、成田空港発着の周遊チャーターでお客さまに海外旅行気分を味わっていただく「チャーターDE海外旅行気分を満喫!」の実施や、客室乗務員を講師としたサービスに関する教育・コンサルティングプログラム「JALビジネスキャリアサポート」を開始するなど、社員一人ひとりの知恵と工夫を結集し増収に努めました。同時に、新型コロナウイルス感染拡大収束後の再飛躍に備え、社員一人ひとりの能力向上を図るべく社員教育の充実を図ることで人財の有効活用にも取り組みつつ、需要回復局面において遅滞なく人員配置が行えるよう万全を期しております。加えて、日本政府による着陸料や航空機燃料税等の減免を含む航空業界を対象とした支援策や、雇用調整助成金制度の特例措置拡充等、公的なご支援も活用しております。関係の皆さまのご尽力に深く感謝いたします。
足許では、東京都に4度目となる緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルス感染拡大の影響長期化により厳しい経営環境が続いておりますが、日本国内においてもワクチン接種の進展を受け、今後観光需要を中心に国内航空需要の早期回復に期待が持てる状況になっております。また、新型コロナウイルス検査結果やワクチン接種履歴を管理できるデジタル証明書の導入に向けた検証を進める等、関係機関とも連携しつつ、国境をまたいだ人的交流の再開に向けた努力を継続しております。引き続き、この危機を乗り越えるべく、コスト管理の徹底と効率化、状況に適した旅客増収施策の着実な実施、航空貨物事業の増収に最大限努めるとともに、安全運航および感染対策に万全を期し、日本国内外のネットワークの維持に努め、各国・地域間において自由な人と人の往来の再開に向けて貢献してまいります。
以上をふまえ、当第1四半期において、国際旅客事業(フルサービスキャリア)は有効座席キロは前年同期比358.7%増、有償旅客数は前年同期比341.3%増、有償旅客キロは前年同期比412.2%増、有償座席利用率は19.5%、国内旅客事業は有効座席キロは前年同期比54.1%増、有償旅客数は前年同期比120.0%増、有償旅客キロは前年同期比120.7%増、有償座席利用率は40.5%となりました。貨物収入は、前年同期比82.2%増となりました。なお、LCC事業を営むZIPAIRは有効座席キロ270,924(千座席キロ)、有償旅客数は1,556(人)、有償旅客キロ4,477(千人キロ)、となりました。
連結業績は次のとおりです。
項目 | 前第1四半期 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 当第1四半期 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 対前年同期比 (利益率は ポイント差) |
売上収益 (億円) | 763 | 1,330 | 174.1% |
国際線旅客収入 (億円) | 27 | 112 | 415.0% |
国内線旅客収入 (億円) | 189 | 380 | 200.8% |
貨物郵便収入 (億円) | 265 | 476 | 179.3% |
その他 (億円) | 281 | 360 | 128.2% |
営業費用 (億円) | 2,058 | 2,154 | 104.7% |
航空燃油費 (億円) | 194 | 265 | 136.8% |
航空燃油費以外 (億円) | 1,863 | 1,888 | 101.3% |
財務・法人所得税前利益(△は損失)(EBIT) (億円) | △1,310 | △826 | - |
EBITマージン (%) | - | - | - |
親会社の所有者に帰属する四半期利益 (△は損失) (億円) | △937 | △579 | - |
(注) 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
※当社は、四半期利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務収益・費用を除いた「財務・法人所得税前利益」をEBITと定義しております。
※EBITマージン=財務・法人所得税前利益(EBIT)/売上収益
セグメントの経営成績は、次のとおりです。
<航空運送事業セグメント>当第1四半期における航空運送事業セグメントの経営成績については、売上収益は1,251億円(前年同期比78.1%増加)、投資・財務・法人所得税前利益(△は損失)(以下「セグメント利益(△は損失)」という。)は△808億円(前年同期は△1,307億円)となりました。(売上収益およびセグメント利益(△は損失)はセグメント間連結消去前数値です。)
国際旅客収入(フルサービスキャリア)は112億円(前年同期比313.8%増加)、国内旅客収入は380億円(前年同期比100.8%増加)、貨物郵便収入は476億円(前年同期比79.3%増加)、LCC事業を営むZIPAIRの国際旅客収入は33百万円でした。なお、SPRING JAPANは取得日以降の業績に重要性がないため連結業績には含まれておりません。
詳細は次のとおりです。
(国際線 フルサービスキャリア)
項目 | 前第1四半期 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 当第1四半期 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
旅客収入 (百万円) | 2,711 | 11,218 | 413.8% |
有償旅客数 (人) | 33,875 | 149,492 | 441.3% |
有償旅客キロ (千人・キロ) | 198,894 | 1,018,678 | 512.2% |
有効座席キロ (千席・キロ) | 1,138,551 | 5,222,461 | 458.7% |
有償座席利用率 (%) | 17.5 | 19.5 | 2.0 |
貨物収入 (百万円) | 19,088 | 38,904 | 203.8% |
有償貨物トン・キロ(千トン・キロ) | 350,745 | 735,495 | 209.7% |
(国内線)
項目 | 前第1四半期 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 当第1四半期 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
旅客収入 (百万円) | 18,950 | 38,046 | 200.8% |
有償旅客数 (人) | 1,231,323 | 2,708,405 | 220.0% |
有償旅客キロ (千人・キロ) | 911,954 | 2,012,309 | 220.7% |
有効座席キロ (千席・キロ) | 3,227,571 | 4,972,326 | 154.1% |
有償座席利用率 (%) | 28.3 | 40.5 | 12.2 |
貨物収入 (百万円) | 5,306 | 5,551 | 104.6% |
有償貨物トン・キロ(千トン・キロ) | 54,026 | 53,768 | 99.5% |
航空運送事業セグメントの部門別売上高は、次のとおりです。
科目 | 前第1四半期 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 構成比(%) | 当第1四半期 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 構成比(%) | 対前年 同期比 (%) |
国際線 (フルサービスキャリア) 旅客収入 (百万円) 貨物収入 (百万円) 郵便収入 (百万円) 手荷物収入 (百万円) | 2,711 19,088 1,476 29 | 3.9 27.2 2.1 0.0 | 11,218 38,904 2,320 150 | 9.0 31.1 1.9 0.1 | 413.8 203.8 157.2 513.0 |
小計 (百万円) | 23,305 | 33.2 | 52,594 | 42.0 | 225.7 |
国内線 旅客収入 (百万円) 貨物収入 (百万円) 郵便収入 (百万円) 手荷物収入 (百万円) | 18,950 5,306 710 31 | 27.0 7.6 1.0 0.0 | 38,046 5,551 883 58 | 30.4 4.4 0.7 0.0 | 200.8 104.6 124.3 181.9 |
小計 (百万円) | 24,999 | 35.6 | 44,539 | 35.6 | 178.2 |
国際線・国内線合計(百万円) | 48,304 | 68.7 | 97,133 | 77.6 | 201.1 |
その他 (ZIPAIRの国際旅客収入を含む) (百万円) | 21,972 | 31.3 | 28,046 | 22.4 | 127.6 |
合計 (百万円) | 70,277 | 100.0 | 125,180 | 100.0 | 178.1 |
(注)1 金額については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
2 SPRING JAPANは取得日以降の業績に重要性がないため部門別売上高に含まれておりません。
輸送実績(フルサービスキャリア)は、次のとおりです。
項目 | 前第1四半期 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 当第1四半期 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 対前年同期比 (利用率は ポイント差) |
国際線 有償旅客数 (人) 有償旅客キロ (千人・キロ) 有効座席キロ (千席・キロ) 有償座席利用率 (%) 有償貨物トン・キロ(千トン・キロ) 郵便トン・キロ (千トン・キロ) | 33,875 198,894 1,138,551 17.5 350,745 30,823 | 149,492 1,018,678 5,222,461 19.5 735,495 42,178 | 441.3% 512.2% 458.7% 2.0 209.7% 136.8% |
国内線 有償旅客数 (人) 有償旅客キロ (千人・キロ) 有効座席キロ (千席・キロ) 有償座席利用率 (%) 有償貨物トン・キロ(千トン・キロ) 郵便トン・キロ (千トン・キロ) | 1,231,323 911,954 3,227,571 28.3 54,026 4,612 | 2,708,405 2,012,309 4,972,326 40.5 53,768 5,746 | 220.0% 220.7% 154.1% 12.2 99.5% 124.6% |
合計 有償旅客数 (人) 有償旅客キロ (千人・キロ) 有効座席キロ (千席・キロ) 有償座席利用率 (%) 有償貨物トン・キロ(千トン・キロ) 郵便トン・キロ (千トン・キロ) | 1,265,198 1,110,849 4,366,123 25.4 404,772 35,436 | 2,857,897 3,030,988 10,194,787 29.7 789,264 47,925 | 225.9% 272.9% 233.5% 4.3 195.0% 135.2% |
(注)1. 旅客キロは、各区間有償旅客数(人)に当該区間距離(キロ)を乗じたものであり、座席キロは、
各区間有効座席数(席)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。輸送量(トン・キロ)は、各区間輸送量(トン)に当該区間距離(キロ)を乗じたものです。
2. 区間距離は、IATA(国際航空運送協会)、ICAO(国際民間航空機構)の統計資料に準じた算出基準
の大圏距離方式で算出しております。
3. 国際線:日本航空(株)
国内線:日本航空(株)、日本トランスオーシャン航空(株)、日本エアコミューター(株)、
(株)ジェイエア、琉球エアーコミューター(株)、(株)北海道エアシステム
4. 数字については切捨処理、比率については四捨五入処理しております。
5. LCC事業であるZIPAIRおよびSPRING JAPANによる輸送実績は上記輸送実績からは除いております。当第1四半期のZIPAIRの国際線輸送実績は、有償旅客数1,556(人)、有償旅客キロ4,477(千人キロ)、有効座席キロ270,924(千座席キロ)、有償座席利用率は1.7%でした。なお、SPRING JAPANは取得日以降の業績に重要性がないため輸送実績には含まれておりません。
<その他>株式会社ジャルパックと株式会社ジャルカードの概況は、次のとおりです。
株式会社ジャルパック
項目 | 前第1四半期 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 当第1四半期 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 対前年同期比 (%) |
海外旅行取扱人数 (万人) | 0.0 | 0.0 | - |
国内旅行取扱人数 (万人) | 4.7 | 14.5 | 303.8 |
売上収益 (億円)(連結消去前) | 19 | 67 | 338.8 |
株式会社ジャルカード
項目 | 前第1四半期 (自 2020年4月1日 至 2020年6月30日) | 当第1四半期 (自 2021年4月1日 至 2021年6月30日) | 対前年同期比 (%) |
カード会員数 (万人) | 368.7 | 353.3 | 95.8 |
売上収益 (億円)(連結消去前) | 44 | 45 | 102.8 |
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありま
せん。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。
(4)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等による著しい変動があったものは、次のとおりです。
航空機
当第1四半期連結累計期間においての異動は、次のとおりです。
会社名 | 機種 | 機数(機) | 異動年月・事由 |
提出会社 | エアバスA350-900型 | 1 | 2021年6月購入 |
ボーイング777-200型 | 1 | 2021年5月売却 | |
ボーイング787-9型 | 2 | 2021年4月購入 | |
日本エアコミューター 株式会社 | ATR42-600型 | 1 | 2021年4月購入 |
株式会社北海道エアシステム | SAAB340B型 | 1 | 2021年4月売却 |