有価証券報告書-第70期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、企業収益が高水準で推移し個人消費の持ち直しがみられる等、景気は緩やかに回復していましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、極めて厳しい状況になりました。
このような経済情勢の下、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(2018年2月1日開示)で掲げた各種施策を遂行し、安全と品質・サービスを追求するとともに、2020年の首都圏空港発着枠の拡大に向けた人材・設備投資を進めましたが、第4四半期において、新型コロナウイルス感染拡大の影響により航空需要が大幅に減退しました。
なお、当社は経済産業省と東京証券取引所から、戦略的なIT活用に取り組む企業として、「攻めのIT経営銘柄」に2年連続で選定されました。さらに、「攻めのIT経営銘柄」選定企業の中から、最も「デジタル時代を先導する企業」として、当期より新設された「DXグランプリ」にも選定された他、東京証券取引所が主催する「第8回企業価値向上表彰」において、投資家視点の経営を実践している企業として優秀賞を受賞しました。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ1,269億円減少し、2兆5,601億円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ865億円減少し、1兆4,912億円となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ404億円減少し、1兆688億円となりました。
b.経営成績
当期における連結業績は、航空事業を中心に減収となったことから売上高は1兆9,742億円(前期比4.1%減)となり、急激な需要の落ち込みに合わせて運航規模を抑制し費用の削減を図ったものの、売上高の減少影響が非常に大きかったことから、営業利益は608億円(同63.2%減)、経常利益は593億円(同62.1%減)となりました。特別損益において、航空機の受領遅延やエンジンの不具合に対する補償金を計上した一方、Peach・Aviation㈱に係るのれんについて、将来キャッシュフローを算定した結果、収益性が低下したことから、のれんの減損を行ったこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は276億円(同75.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。(なお、各事業における売上高はセグメント間売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の冷え込み等により、国際線貨物の需要が低迷したものの、堅調な国内線旅客需要や国際線ネットワークの拡大等により、第3四半期までの業績は堅調に推移しました。第4四半期は新型コロナウイルスの感染拡大による、世界各国の入国制限措置や国内の外出自粛等の影響で国内外の移動需要が急激に減退し、当期の航空事業の売上高は1兆7,377億円(前期比4.2%減)となりました。航空需要減退に対して、国際線・国内線ともに運休・減便を実施し、燃油費・空港使用料等を抑制したものの、安全・品質サービスの更なる向上や首都圏空港の発着枠拡大に備えて、機材費・整備費等が増加したことから、営業利益は495億円(同69.1%減)となりました。
なお、当社グループは、英国SKYTRAX社から、顧客満足度で最高評価となる「5STAR」に8年連続で認定された他、世界の航空データを分析・評価するグローバルブランドであるCIRIUMのThe On-Time Performance Awardsにて、2019年の定時到着率がアジア・パシフィック地域で1位、全世界では2位に認定されました。
<国際線旅客(ANAブランド)>国際線旅客では、新規路線の開設やハワイ線へのエアバスA380型機の投入等でネットワークを拡充し需要を取り込んだものの、1月末より中国線で新型コロナウイルス感染症による需要減退の影響を受け始め、その後アジア線、北米線、欧州線、ハワイ線に拡がったため、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、新規都市への就航を積極的に推進し、9月から成田=パース線(オーストラリア西部)、10月から成田=チェンナイ線(インド南部)、本年3月から成田=ウラジオストク線(ロシア東部)を開設しました。また、5月より成田=ホノルル線に世界最大の旅客機であるエアバスA380型機「FLYING HONU」を投入しました。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による需要減退を受け、2月より需給調整を行い、3月末までに71路線・2,814便を対象に運休・減便を実施しました。
営業・サービス面では、ファーストクラス、ビジネスクラスに約10年ぶりとなる新シートを導入し、機内空間を一新したボーイング777-300ER型機を、8月から羽田=ロンドン線、11月から羽田=ニューヨーク線、成田=ニューヨーク線、本年2月から羽田=フランクフルト線に投入しました。ビジネスクラスの新シート「THE Room」では、ANA初のドア付き個室型ワイドシートに加え、世界初となる4K対応のパーソナルモニターを導入する等、最上級のくつろぎ空間を実現しました。
また、当社グループは、成長著しいアジア・オセアニア地域のネットワーク強化、プレゼンス向上を目的として、シンガポール航空等との包括提携契約を締結しました。今後一層提携関係を深化させ、アジア・オセアニア地域におけるお客様の利便性の向上ならびに競争力の確保に取り組んでまいります。
以上の結果、当期の国際線旅客数は941万人(前期比6.7%減)となり、収入は6,139億円(同5.8%減)となりました。
<国内線旅客(ANAブランド)>国内線旅客では、好調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動に加え、ゴールデンウィーク10連休の旺盛な需要を取り込むとともに、各種割引運賃を需要に応じて設定したこと等により好調に推移していたものの、2月末からは新型コロナウイルス感染症の影響で需要が大幅に減退し、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、5月から成田=中部線、10月から中部=熊本線を増便した他、路線便数の最適化や投入機種の柔軟な調整を推進し、ネットワークの効率化を図りました。また、新型コロナウイルス感染症による需要の減退局面において、公共交通機関としてネットワークの維持に努めながらも、3月より一部減便を開始し、合計42路線・2,674便の運休・減便を行いました。
営業・サービス面では、搭乗の355日前から購入可能な割引運賃を設定する等、ゴールデンウィーク期間や夏休み期間を含め早期から需要の取り込みを図った他、11月よりボーイング777-200型機に、新たにタッチパネル式パーソナルモニターを装着した普通席や、電動リクライニングにより快適性と機能性が向上したプレミアムクラスの新シートを順次導入しました。また、那覇空港では9月に隈研吾氏監修のもとANA LOUNGEをリニューアルし、11月に出発カウンターのレイアウト変更や自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」等を国内4空港目として導入する等、フルサービスキャリアとしてサービス品質の向上に努めました。
以上の結果、当期の国内線旅客数は4,291万人(前期比3.2%減)となり、収入は6,799億円(同2.4%減)となりました。
<貨物(ANAブランド)>国際線貨物では、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の減速を受け、日本発・海外発貨物ともに通期で需要は低位に推移したことに加え、2月より新型コロナウイルス感染症拡大の影響で多数の減便が生じたため、輸送重量・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、7月から成田=上海(浦東)線、10月から成田=シカゴ線へ大型貨物機ボーイング777F型機を導入し、比較的需要が好調な半導体製造装置をはじめとする大型特殊貨物の需要を取り込んだ他、第4四半期には新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急物資輸送等の対応に努めました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は866千トン(前期比5.2%減)となり、収入は1,026億円(同17.9%減)となりました。
LCCでは、香港の市民デモや日韓関係の悪化、期末にかけての新型コロナウイルスの感染拡大により需要が大幅に減退したため、旅客数・収入ともに前期を下回りました。なお当期においては、10月にバニラ・エア㈱の運航が終了し、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の事業統合が完了しております。
路線ネットワークでは、バニラ・エア㈱の10路線の移管を終えた他、本年3月に成田=鹿児島線、成田=長崎線を開設しました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2月より国際線の一部で運休を行い、3月末までに国際線・国内線合わせて23路線・2,088便を対象に運休・減便を実施しました。
営業面では、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の統合後、「“空飛ぶ電車”Peachセール」を全40路線で実施し販売促進に努めました。
以上の結果、当期の旅客数は728万人(前期比10.6%減)となり、収入は819億円(同12.5%減)となりました。
<その他>航空事業におけるその他の収入は2,257億円(前期比6.6%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
◎航空関連事業
関西空港、中部空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、沖縄にて本格的な事業展開を開始した航空機整備のMRO Japan㈱が、当期より新たに連結子会社として加わったこと等により、売上高は2,994億円(前期比2.9%増)となり、営業利益は181億円(同37.7%増)となりました。
◎旅行事業
国内旅行において、店頭販売を中心とする「ANAスカイホリデー」の取扱高が通期で減少したものの、国内旅行、海外旅行ともにインターネット販売商品の集客が好調だった他、ゴールデンウィーク10連休の需要を取り込んだこと等により、第3四半期までは堅調に推移しましたが、1月末より新型コロナウイルス感染拡大に伴うキャンセルの増加や新規予約減少の影響を受けたことで、売上高は前期を下回りました。一方、システム費用が減少したこと等により、営業利益は前期を上回りました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は1,439億円(前期比4.5%減)、営業利益は13億円(同129.9%増)となりました。
◎商社事業
航空・電子部門において、航空機部品等の取扱高が増加したものの、食品部門でナッツ類等の取扱高が減少した他、リテール部門で、特に第4四半期において、新型コロナウイルス感染症の影響で空港利用者が大幅に減少し、空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」の取扱高が減少したこと等により、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,447億円(前期比3.9%減)、営業利益は29億円(同21.5%減)となりました。
◎その他
不動産関連事業ではサブリース取扱高が増加し、保有物件の売却を行った他、建築設備事業では、羽田空港ターミナルの設備改修や建築工事関連の収入が増加した結果、当期のその他の売上高は442億円(前期比8.0%増)、営業利益は35億円(同55.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
税金等調整前当期純利益515億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは1,301億円の収入となりました。
投資活動においては、航空機や新訓練施設の取得等により、投資活動によるキャッシュ・フローは2,302億円の支出となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは1,000億円の支出となりました。
財務活動においては、社債の発行や借入等の資金調達を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは238億円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて759億円減少し、1,359億円となりました。
③生産及び販売の実績
a.セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの営業収入はセグメント間の売上高を含みます。
3.LCC収入は、Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の収入の合計です。
4.上記の金額には、消費税等は含みません。
b.セグメント別取扱実績
① 航空事業
イ.ANAブランド輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
ロ.ANAブランド運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。
(注)1.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績及びオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
2.国内線、国際線ともに不定期便実績を含みません。
3.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
4.国内線貨物及び郵便実績には、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
6.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。
8.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
9.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
10.Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の実績は含みません。
ハ.LCC輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
② 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
③ 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
④ 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
⑤ その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループは、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(2018年2月1日開示)で掲げた各種施策を遂行し、安全と品質・サービスを追求するとともに、2020年の首都圏空港発着枠の拡大に向けた人材・設備投資を進めましたが、第4四半期において、新型コロナウイルス感染拡大の影響により航空需要が大幅に減退しました。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。
①連結貸借対照表
<資産の部>流動資産は、有価証券が減少したこと等により、前期末に比べて1,290億円減少し、5,711億円となりました。
固定資産は、のれんの減損を行ったこと等により、無形固定資産が減少した一方で、航空機や建物及び構築物が増加したこと等により、有形固定資産が増加した結果、前期末に比べ17億円増加し、1兆9,881億円となりました。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて1,269億円減少し、2兆5,601億円となりました。
<負債の部>負債合計は発売未決済が減少したこと等から、前期末に比べて865億円減少し、1兆4,912億円となりました。
有利子負債は借入金の返済等を進めた一方で、前期を上回る700億円の社債の発行や借入を行った結果、前期末に比べて542億円増加し、8,428億円となりました。
<純資産の部>株主資本は親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前期末に比べて20億円増加し、1兆686億円となりました。
その他の包括利益累計額はその他有価証券評価差額金や繰延ヘッジ損益の減少等により、前期末に比べて404億円減少し、△76億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前期末に比べて404億円減少し、1兆688億円となりました。
なお、自己資本比率は41.4%(前期末40.9%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは0.8倍(前期末0.7倍)となりました。
②連結損益計算書
<営業損益>当期の売上高は、第4四半期における新型コロナウイルス感染拡大の影響により、主力の航空事業を中心に減収となったことから、前期に比べ840億円減少し、1兆9,742億円となりました。詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
営業費用は、急激な需要の落ち込みに合わせて運航規模を抑制し費用の削減を図ったものの、売上原価が前期に比べ235億円増加し、1兆5,834億円となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ34億円減少し、3,299億円となりました。結果として、営業費用全体では前期に比べて201億円増加し、1兆9,134億円となりました。営業利益は前期に比べて1,042億円減少し、608億円となりました。
<経常損益>営業外収益は、前期に比べて20億円増加し、186億円となりました。これは、前期に比べて資産売却益が増加したこと等が主な要因です。
営業外費用は、前期に比べて48億円減少し、201億円となりました。これは、前期に比べて資産除却損が減少したこと等が主な要因です。金融収支(受取利息と支払利息の純額)は△53億円となりました。
以上により、経常利益は前期と比べて973億円減少し、593億円となりました。
<特別損益>特別利益は、前期に比べて124億円増加し、192億円となりました。これは当期において、航空機の受領遅延やエンジンの不具合に対する補償金を計上したこと等が主な要因です。
特別損失は、前期に比べて176億円増加し、271億円となりました。これは、Peach・Aviation ㈱に係るのれんの減損を行ったこと等が主な要因です。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べて831億円減少し、276億円となりました。
③連結キャッシュ・フロー計算書
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当期の税金等調整前当期純利益515億円に、減価償却費等非資金性項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは1,301億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>主として航空機受領時の支払いや予備部品の購入、今後導入予定の航空機に対する前払い等の有形固定資産や、ソフトウエア投資等の無形固定資産の取得による支出等の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは2,302億円の支出となりました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは1,000億円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>配当金の支払いや借入金の返済等を行った一方で、社債の発行や借入等の資金調達を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは238億円の収入となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または銀行借入、および社債発行により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、8,428億円となっています。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は1,359億円となっています。
なお、2020年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,536億円のコミットメントライン契約を締結しています。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」に基づき、事業規模を拡大しながら成長戦略を着実に推進してまいりましたが、第4四半期において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により航空需要が大幅に減退した結果、売上高・営業利益ともに前期を下回りました。
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大により甚大な影響を受けておりますが、感染の収束状況や各国の出入国規制、需給環境、景気動向等を注視しながら運航便の再開を図り、事業を成長軌道に戻してまいります。
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、企業収益が高水準で推移し個人消費の持ち直しがみられる等、景気は緩やかに回復していましたが、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の影響により急速に悪化し、極めて厳しい状況になりました。
このような経済情勢の下、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(2018年2月1日開示)で掲げた各種施策を遂行し、安全と品質・サービスを追求するとともに、2020年の首都圏空港発着枠の拡大に向けた人材・設備投資を進めましたが、第4四半期において、新型コロナウイルス感染拡大の影響により航空需要が大幅に減退しました。
なお、当社は経済産業省と東京証券取引所から、戦略的なIT活用に取り組む企業として、「攻めのIT経営銘柄」に2年連続で選定されました。さらに、「攻めのIT経営銘柄」選定企業の中から、最も「デジタル時代を先導する企業」として、当期より新設された「DXグランプリ」にも選定された他、東京証券取引所が主催する「第8回企業価値向上表彰」において、投資家視点の経営を実践している企業として優秀賞を受賞しました。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ1,269億円減少し、2兆5,601億円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ865億円減少し、1兆4,912億円となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ404億円減少し、1兆688億円となりました。
b.経営成績
当期における連結業績は、航空事業を中心に減収となったことから売上高は1兆9,742億円(前期比4.1%減)となり、急激な需要の落ち込みに合わせて運航規模を抑制し費用の削減を図ったものの、売上高の減少影響が非常に大きかったことから、営業利益は608億円(同63.2%減)、経常利益は593億円(同62.1%減)となりました。特別損益において、航空機の受領遅延やエンジンの不具合に対する補償金を計上した一方、Peach・Aviation㈱に係るのれんについて、将来キャッシュフローを算定した結果、収益性が低下したことから、のれんの減損を行ったこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は276億円(同75.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。(なお、各事業における売上高はセグメント間売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の冷え込み等により、国際線貨物の需要が低迷したものの、堅調な国内線旅客需要や国際線ネットワークの拡大等により、第3四半期までの業績は堅調に推移しました。第4四半期は新型コロナウイルスの感染拡大による、世界各国の入国制限措置や国内の外出自粛等の影響で国内外の移動需要が急激に減退し、当期の航空事業の売上高は1兆7,377億円(前期比4.2%減)となりました。航空需要減退に対して、国際線・国内線ともに運休・減便を実施し、燃油費・空港使用料等を抑制したものの、安全・品質サービスの更なる向上や首都圏空港の発着枠拡大に備えて、機材費・整備費等が増加したことから、営業利益は495億円(同69.1%減)となりました。
なお、当社グループは、英国SKYTRAX社から、顧客満足度で最高評価となる「5STAR」に8年連続で認定された他、世界の航空データを分析・評価するグローバルブランドであるCIRIUMのThe On-Time Performance Awardsにて、2019年の定時到着率がアジア・パシフィック地域で1位、全世界では2位に認定されました。
<国際線旅客(ANAブランド)>国際線旅客では、新規路線の開設やハワイ線へのエアバスA380型機の投入等でネットワークを拡充し需要を取り込んだものの、1月末より中国線で新型コロナウイルス感染症による需要減退の影響を受け始め、その後アジア線、北米線、欧州線、ハワイ線に拡がったため、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、新規都市への就航を積極的に推進し、9月から成田=パース線(オーストラリア西部)、10月から成田=チェンナイ線(インド南部)、本年3月から成田=ウラジオストク線(ロシア東部)を開設しました。また、5月より成田=ホノルル線に世界最大の旅客機であるエアバスA380型機「FLYING HONU」を投入しました。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による需要減退を受け、2月より需給調整を行い、3月末までに71路線・2,814便を対象に運休・減便を実施しました。
営業・サービス面では、ファーストクラス、ビジネスクラスに約10年ぶりとなる新シートを導入し、機内空間を一新したボーイング777-300ER型機を、8月から羽田=ロンドン線、11月から羽田=ニューヨーク線、成田=ニューヨーク線、本年2月から羽田=フランクフルト線に投入しました。ビジネスクラスの新シート「THE Room」では、ANA初のドア付き個室型ワイドシートに加え、世界初となる4K対応のパーソナルモニターを導入する等、最上級のくつろぎ空間を実現しました。
また、当社グループは、成長著しいアジア・オセアニア地域のネットワーク強化、プレゼンス向上を目的として、シンガポール航空等との包括提携契約を締結しました。今後一層提携関係を深化させ、アジア・オセアニア地域におけるお客様の利便性の向上ならびに競争力の確保に取り組んでまいります。
以上の結果、当期の国際線旅客数は941万人(前期比6.7%減)となり、収入は6,139億円(同5.8%減)となりました。
<国内線旅客(ANAブランド)>国内線旅客では、好調なビジネス需要と訪日旅客の国内移動に加え、ゴールデンウィーク10連休の旺盛な需要を取り込むとともに、各種割引運賃を需要に応じて設定したこと等により好調に推移していたものの、2月末からは新型コロナウイルス感染症の影響で需要が大幅に減退し、旅客数・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、5月から成田=中部線、10月から中部=熊本線を増便した他、路線便数の最適化や投入機種の柔軟な調整を推進し、ネットワークの効率化を図りました。また、新型コロナウイルス感染症による需要の減退局面において、公共交通機関としてネットワークの維持に努めながらも、3月より一部減便を開始し、合計42路線・2,674便の運休・減便を行いました。
営業・サービス面では、搭乗の355日前から購入可能な割引運賃を設定する等、ゴールデンウィーク期間や夏休み期間を含め早期から需要の取り込みを図った他、11月よりボーイング777-200型機に、新たにタッチパネル式パーソナルモニターを装着した普通席や、電動リクライニングにより快適性と機能性が向上したプレミアムクラスの新シートを順次導入しました。また、那覇空港では9月に隈研吾氏監修のもとANA LOUNGEをリニューアルし、11月に出発カウンターのレイアウト変更や自動手荷物預け機「ANA Baggage Drop」等を国内4空港目として導入する等、フルサービスキャリアとしてサービス品質の向上に努めました。
以上の結果、当期の国内線旅客数は4,291万人(前期比3.2%減)となり、収入は6,799億円(同2.4%減)となりました。
<貨物(ANAブランド)>国際線貨物では、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の減速を受け、日本発・海外発貨物ともに通期で需要は低位に推移したことに加え、2月より新型コロナウイルス感染症拡大の影響で多数の減便が生じたため、輸送重量・収入ともに前期を下回りました。
路線ネットワークでは、7月から成田=上海(浦東)線、10月から成田=シカゴ線へ大型貨物機ボーイング777F型機を導入し、比較的需要が好調な半導体製造装置をはじめとする大型特殊貨物の需要を取り込んだ他、第4四半期には新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急物資輸送等の対応に努めました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は866千トン(前期比5.2%減)となり、収入は1,026億円(同17.9%減)となりました。
路線ネットワークでは、バニラ・エア㈱の10路線の移管を終えた他、本年3月に成田=鹿児島線、成田=長崎線を開設しました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2月より国際線の一部で運休を行い、3月末までに国際線・国内線合わせて23路線・2,088便を対象に運休・減便を実施しました。
営業面では、Peach・Aviation㈱とバニラ・エア㈱の統合後、「“空飛ぶ電車”Peachセール」を全40路線で実施し販売促進に努めました。
以上の結果、当期の旅客数は728万人(前期比10.6%減)となり、収入は819億円(同12.5%減)となりました。
<その他>航空事業におけるその他の収入は2,257億円(前期比6.6%増)となりました。なお、航空事業におけるその他には、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
◎航空関連事業
関西空港、中部空港における旅客の搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託が増加したことや、沖縄にて本格的な事業展開を開始した航空機整備のMRO Japan㈱が、当期より新たに連結子会社として加わったこと等により、売上高は2,994億円(前期比2.9%増)となり、営業利益は181億円(同37.7%増)となりました。
◎旅行事業
国内旅行において、店頭販売を中心とする「ANAスカイホリデー」の取扱高が通期で減少したものの、国内旅行、海外旅行ともにインターネット販売商品の集客が好調だった他、ゴールデンウィーク10連休の需要を取り込んだこと等により、第3四半期までは堅調に推移しましたが、1月末より新型コロナウイルス感染拡大に伴うキャンセルの増加や新規予約減少の影響を受けたことで、売上高は前期を下回りました。一方、システム費用が減少したこと等により、営業利益は前期を上回りました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は1,439億円(前期比4.5%減)、営業利益は13億円(同129.9%増)となりました。
◎商社事業
航空・電子部門において、航空機部品等の取扱高が増加したものの、食品部門でナッツ類等の取扱高が減少した他、リテール部門で、特に第4四半期において、新型コロナウイルス感染症の影響で空港利用者が大幅に減少し、空港免税店「ANA DUTY FREE SHOP」や空港物販店「ANA FESTA」の取扱高が減少したこと等により、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,447億円(前期比3.9%減)、営業利益は29億円(同21.5%減)となりました。
◎その他
不動産関連事業ではサブリース取扱高が増加し、保有物件の売却を行った他、建築設備事業では、羽田空港ターミナルの設備改修や建築工事関連の収入が増加した結果、当期のその他の売上高は442億円(前期比8.0%増)、営業利益は35億円(同55.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
税金等調整前当期純利益515億円に減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは1,301億円の収入となりました。
投資活動においては、航空機や新訓練施設の取得等により、投資活動によるキャッシュ・フローは2,302億円の支出となりました。これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは1,000億円の支出となりました。
財務活動においては、社債の発行や借入等の資金調達を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは238億円の収入となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて759億円減少し、1,359億円となりました。
③生産及び販売の実績
a.セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
| 航空事業 | ||||
| 国際線 | ||||
| 旅客収入 | 651,587 | 26.6 | 613,908 | 25.9 |
| 貨物収入 | 125,015 | 5.1 | 102,697 | 4.3 |
| 郵便収入 | 5,100 | 0.2 | 4,764 | 0.2 |
| 小計 | 781,702 | 31.9 | 721,369 | 30.4 |
| 国内線 | ||||
| 旅客収入 | 696,617 | 28.5 | 679,962 | 28.7 |
| 貨物収入 | 27,454 | 1.1 | 25,533 | 1.1 |
| 郵便収入 | 3,230 | 0.1 | 3,136 | 0.1 |
| 小計 | 727,301 | 29.7 | 708,631 | 29.9 |
| 航空事業収入合計 | 1,509,003 | 61.6 | 1,430,000 | 60.3 |
| LCC収入 | 93,611 | 3.8 | 81,953 | 3.5 |
| その他の収入 | 211,803 | 8.7 | 225,784 | 9.5 |
| 航空事業小計 | 1,814,417 | 74.1 | 1,737,737 | 73.3 |
| 航空関連事業 | ||||
| 航空関連収入 | 291,051 | 11.9 | 299,433 | 12.6 |
| 航空関連事業小計 | 291,051 | 11.9 | 299,433 | 12.6 |
| 旅行事業 | ||||
| パッケージ商品収入(国内) | 119,362 | 4.9 | 112,711 | 4.8 |
| パッケージ商品収入(国際) | 20,979 | 0.9 | 20,925 | 0.9 |
| その他の収入 | 10,405 | 0.4 | 10,360 | 0.4 |
| 旅行事業小計 | 150,746 | 6.2 | 143,996 | 6.1 |
| 商社事業 | ||||
| 商社事業収入 | 150,679 | 6.1 | 144,750 | 6.1 |
| 商社事業小計 | 150,679 | 6.1 | 144,750 | 6.1 |
| 報告セグメント計 | 2,406,893 | 98.3 | 2,325,916 | 98.1 |
| その他 | ||||
| その他の収入 | 40,958 | 1.7 | 44,223 | 1.9 |
| その他小計 | 40,958 | 1.7 | 44,223 | 1.9 |
| 営業収入合計 | 2,447,851 | 100.0 | 2,370,139 | 100.0 |
| セグメント間取引 | △389,539 | - | △395,923 | - |
| 営業収入(連結) | 2,058,312 | - | 1,974,216 | - |
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの営業収入はセグメント間の売上高を含みます。
3.LCC収入は、Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の収入の合計です。
4.上記の金額には、消費税等は含みません。
b.セグメント別取扱実績
① 航空事業
イ.ANAブランド輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 国際線 | |||
| 旅客数 | (人) | 10,093,299 | 9,416,415 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 65,976,156 | 68,885,746 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 50,776,587 | 50,219,355 |
| 利用率 | (%) | 77.0 | 72.9 |
| 有効貨物トンキロ | (千トンキロ) | 7,122,948 | 7,354,438 |
| 貨物輸送重量 | (トン) | 913,915 | 866,821 |
| 貨物トンキロ | (千トンキロ) | 4,318,339 | 4,222,117 |
| 郵便輸送重量 | (トン) | 25,407 | 22,065 |
| 郵便トンキロ | (千トンキロ) | 131,516 | 120,449 |
| 貨物重量利用率 | (%) | 62.5 | 59.0 |
| 国内線 | |||
| 旅客数 | (人) | 44,325,835 | 42,916,334 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 58,475,114 | 58,552,753 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 40,704,695 | 39,502,036 |
| 利用率 | (%) | 69.6 | 67.5 |
| 有効貨物トンキロ | (千トンキロ) | 1,720,144 | 1,705,379 |
| 貨物輸送重量 | (トン) | 393,773 | 373,176 |
| 貨物トンキロ | (千トンキロ) | 408,275 | 387,038 |
| 郵便輸送重量 | (トン) | 30,482 | 29,308 |
| 郵便トンキロ | (千トンキロ) | 30,125 | 29,030 |
| 貨物重量利用率 | (%) | 25.5 | 24.4 |
ロ.ANAブランド運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 国際線 | 国内線 | 国際線 | 国内線 | |
| 運航回数(回) | 68,987 | 378,402 | 66,733 | 380,575 |
| 飛行距離(km) | 313,702,732 | 321,461,696 | 317,940,700 | 323,310,351 |
| 飛行時間(時間) | 425,881 | 562,565 | 427,721 | 565,397 |
(注)1.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績及びオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
2.国内線、国際線ともに不定期便実績を含みません。
3.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
4.国内線貨物及び郵便実績には、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
6.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。
8.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
9.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
10.Peach・Aviation㈱及びバニラ・エア㈱の実績は含みません。
ハ.LCC輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 旅客数 | (人) | 8,153,118 | 7,288,641 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 12,052,233 | 11,076,179 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 10,394,337 | 9,202,033 |
| 利用率 | (%) | 86.2 | 83.1 |
② 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
③ 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
④ 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
⑤ その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループは、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」(2018年2月1日開示)で掲げた各種施策を遂行し、安全と品質・サービスを追求するとともに、2020年の首都圏空港発着枠の拡大に向けた人材・設備投資を進めましたが、第4四半期において、新型コロナウイルス感染拡大の影響により航空需要が大幅に減退しました。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。
①連結貸借対照表
<資産の部>流動資産は、有価証券が減少したこと等により、前期末に比べて1,290億円減少し、5,711億円となりました。
固定資産は、のれんの減損を行ったこと等により、無形固定資産が減少した一方で、航空機や建物及び構築物が増加したこと等により、有形固定資産が増加した結果、前期末に比べ17億円増加し、1兆9,881億円となりました。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて1,269億円減少し、2兆5,601億円となりました。
<負債の部>負債合計は発売未決済が減少したこと等から、前期末に比べて865億円減少し、1兆4,912億円となりました。
有利子負債は借入金の返済等を進めた一方で、前期を上回る700億円の社債の発行や借入を行った結果、前期末に比べて542億円増加し、8,428億円となりました。
<純資産の部>株主資本は親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前期末に比べて20億円増加し、1兆686億円となりました。
その他の包括利益累計額はその他有価証券評価差額金や繰延ヘッジ損益の減少等により、前期末に比べて404億円減少し、△76億円となりました。
これらの結果、純資産合計は前期末に比べて404億円減少し、1兆688億円となりました。
なお、自己資本比率は41.4%(前期末40.9%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは0.8倍(前期末0.7倍)となりました。
②連結損益計算書
<営業損益>当期の売上高は、第4四半期における新型コロナウイルス感染拡大の影響により、主力の航空事業を中心に減収となったことから、前期に比べ840億円減少し、1兆9,742億円となりました。詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
営業費用は、急激な需要の落ち込みに合わせて運航規模を抑制し費用の削減を図ったものの、売上原価が前期に比べ235億円増加し、1兆5,834億円となりました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ34億円減少し、3,299億円となりました。結果として、営業費用全体では前期に比べて201億円増加し、1兆9,134億円となりました。営業利益は前期に比べて1,042億円減少し、608億円となりました。
<経常損益>営業外収益は、前期に比べて20億円増加し、186億円となりました。これは、前期に比べて資産売却益が増加したこと等が主な要因です。
営業外費用は、前期に比べて48億円減少し、201億円となりました。これは、前期に比べて資産除却損が減少したこと等が主な要因です。金融収支(受取利息と支払利息の純額)は△53億円となりました。
以上により、経常利益は前期と比べて973億円減少し、593億円となりました。
<特別損益>特別利益は、前期に比べて124億円増加し、192億円となりました。これは当期において、航空機の受領遅延やエンジンの不具合に対する補償金を計上したこと等が主な要因です。
特別損失は、前期に比べて176億円増加し、271億円となりました。これは、Peach・Aviation ㈱に係るのれんの減損を行ったこと等が主な要因です。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に比べて831億円減少し、276億円となりました。
③連結キャッシュ・フロー計算書
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当期の税金等調整前当期純利益515億円に、減価償却費等非資金性項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは1,301億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>主として航空機受領時の支払いや予備部品の購入、今後導入予定の航空機に対する前払い等の有形固定資産や、ソフトウエア投資等の無形固定資産の取得による支出等の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは2,302億円の支出となりました。
以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは1,000億円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>配当金の支払いや借入金の返済等を行った一方で、社債の発行や借入等の資金調達を行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは238億円の収入となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または銀行借入、および社債発行により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、8,428億円となっています。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は1,359億円となっています。
なお、2020年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,536億円のコミットメントライン契約を締結しています。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「2018~2022年度ANAグループ中期経営戦略」に基づき、事業規模を拡大しながら成長戦略を着実に推進してまいりましたが、第4四半期において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により航空需要が大幅に減退した結果、売上高・営業利益ともに前期を下回りました。
| 指標 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
| 売上高 (百万円) | 1,971,799 | 2,058,312 | 1,974,216 |
| 営業利益 (百万円) | 164,516 | 165,019 | 60,806 |
| 売上高営業利益率 (%) | 8.3 | 8.0 | 3.1 |
| 株主資本利益率(ROE)(%) | 15.1 | 10.6 | 2.6 |
| 総資本利益率(ROA)(%) | 6.8 | 6.4 | 2.4 |
| 自己資本比率 (%) | 38.6 | 40.9 | 41.4 |
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大により甚大な影響を受けておりますが、感染の収束状況や各国の出入国規制、需給環境、景気動向等を注視しながら運航便の再開を図り、事業を成長軌道に戻してまいります。