有価証券報告書-第73期(2022/04/01-2023/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、個人消費や設備投資が緩やかに持ち直している一方、輸出入が弱含んでいる等、景気は一部に弱さがみられるものの緩やかに回復しています。
航空業界を取り巻く環境は、国内線では行動制限が緩和され、国際線においても各国の入国制限緩和が進んだことにより、急速に改善しています。
経営成績では、このような経済情勢の下、人の移動の回復を背景に売上高は前期から大幅に増加しました。コストに関しては、運航規模を拡大した一方で、コストマネジメントを引き続き徹底した結果、営業費用の増加を抑制し3期ぶりに通期で黒字化を達成しました。
財政状態では、売上高の増加等により利益剰余金が増加しています。
また、現金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆1,837億円となりました。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
1)財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ1,482億円増加し、3兆3,667億円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ813億円増加し、2兆4,963億円となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ669億円増加し、8,703億円となりました。
2)経営成績
当期における売上高は1兆7,074億円(前期比67.3%増)、営業費用は1兆5,874億円(前期比33.0%増)
となり、営業利益は1,200億円(前期 営業損失1,731億円)、経常利益は1,118億円(前期 経常損失
1,849億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は894億円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失
1,436億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは4,498億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは2,040億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,429億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて1,054億円増加し、7,264億円となりまし
た。
③生産及び販売の実績
1)セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの営業収入はセグメント間の売上高を含みます。
3.LCC収入は、Peach Aviation㈱の収入です。
2)セグメント別取扱実績
(a) 航空事業
(ア) ANAブランド輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
(イ) ANAブランド運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。
(注) 1.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績及びオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。また、2021年8月27日から2022年10月29日のPeach Aviation㈱とのコードシェア便実績を含み、2022年10月30日から天草エアライン㈱及び日本エアコミューター㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
2.国際線、国内線ともに不定期便実績を除きます。
3.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
4.国内線貨物及び郵便実績には、Peach Aviation㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
6.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。
8.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
9.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
(ウ)LCC輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
(注)1.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
2.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
3.LCC実績は、Peach Aviation㈱の実績です。
(b) 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(c) 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(d) 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(e) その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。
①財政状態
<資産の部>流動資産は、現金及び預金等が増加したことから、前期末に比べて2,568億円増加し、1兆5,508億円となり
ました。
固定資産は、売却に伴い航空機が減少したこと等により、前期末に比べ1,079億円減少し、1兆8,149億円と
なりました。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて1,482億円増加し、3兆3,667億円となりました。
<負債の部>負債の部は、転換社債型新株予約権付社債の償還及び借入金の返済等があったことから、有利子負債(無利
子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含む)が前期末に比べて1,421億円減少し、1兆6,079億円とな
る一方、航空券の予約発券数の拡大に伴う契約負債の増加等により、前期末に比べて813億円増加し、
2兆4,963億円となりました。
<純資産の部>株主資本は、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことから、前期末に比べて920億円増加し、
7,944億円となりました。
その他の包括利益累計額は繰延ヘッジ損益の減少等により、前期末に比べて269億円減少し、679億円とな
りました。
これらの結果、純資産合計は前期末に比べて669億円増加し、8,703億円となりました。
なお、自己資本比率は25.6%(前期末24.8%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは
1.9倍(前期末2.2倍)となりました。
②経営成績
航空業界を取り巻く環境は、国内線では行動制限が緩和され、国際線においても各国の入国制限緩和が進んだ
ことにより、急速に改善しています。
このような経済情勢の下、売上高は前期から増加し1兆7,074億円(前期比67.3%増)となりました。
営業利益は1,200億円(前期 営業損失1,731億円)、経常利益は1,118億円(前期 経常損失1,849億円)、親会社
株主に帰属する当期純利益は894億円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失1,436億円)となりました。
なお、当社は世界の代表的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability World Index」の構成
銘柄に6年連続で選定された他、国際的な環境評価を手掛ける非営利団体であるCDPより、最高評価の「Aリス
ト企業」に選定されました。今後も事業を通じて環境問題等の社会課題解決に取り組み、持続的な成長と企業価
値の向上を目指してまいります。
以下、当期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。
(なお、各事業における売上高はセグメント間内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
日本国内の移動自粛等の行動制限緩和や各国の入国に関する規制緩和を受けて、回復する旅客需要の取り込みに
努めた他、貨物については需要が弱含む中でも高水準の単価を維持した結果、売上高は前期を大幅に上回り
1兆5,394億円(前期比73.9%増)となりました。費用面では、事業規模拡大に伴う運航関連費用が増加したもの
の、コストマネジメント等を通じた費用抑制に努めたことで、営業利益は1,241億円(前期 営業損失1,629億円)
となりました。なお、ウクライナ情勢の影響を受けて、欧州路線はロシア上空を迂回した運航を余儀なくされまし
たが、一方で好調な北米路線を中心に運航規模を拡大したこと等により、収入への影響は限定的なものとなりまし
た。
当社グループは、英国SKYTRAX社による「World Airline Awards 2022」において「機内客室の清潔さ」をはじめ
3部門で最も優秀な航空会社に選ばれた他、世界の航空データを分析・評価するCIRIUMの「The On-Time
Performance Awards」の「ネットワーク部門」にて、2022年の定時到着率が世界1位に認定されました。
<国際線旅客(ANAブランド)>国際線旅客では、各国の入国制限が緩和され、先行して回復していた北米=アジア間の接続需要を積極的に取り込みました。9月以降は日本においても入国制限が順次緩和され、回復傾向を辿った日本発ビジネス需要及び訪日需要の取り込みに努めた結果、旅客数・収入ともに前期を大幅に上回り、国際線の旅客数はコロナ前の4割の水準まで回復しました。
路線ネットワークでは、上期に北米=アジア間の接続需要を取り込むため、成田空港発着の北米、アジア路線を増便した他、回復する日本発の需要や訪日需要に対応し、本年1月から羽田=デリー線、シドニー線を増便する等、羽田空港発着路線を中心に運航規模を拡大しました。
営業・サービス面では、ANA創立70周年記念として本年3月に「ANAで思いっきりん 海外に行こうセール」を実施し、アジア・欧米行きの特別運賃を販売し、レジャー需要の喚起や創出を図りました。また本年3月31日ご搭乗便からは国際線機内食の事前予約サービスに「Quick & Light Meal(軽めの機内食サービス)」と「No Thank you Option(機内食不要)」の選択肢を新たに追加しました。本取り組みにより、機内での時間をより自由に快適におくつろぎいただくとともに、提供されずに廃棄される機内食を減らすことに繋げてまいります。
以上の結果、当期の国際線旅客数は421万人(前期比410.3%増)となり、収入は4,334億円(同517.9%増)と
なりました。
<国内線旅客(ANAブランド)>国内線旅客では、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた動きが進み、下期から全国旅行支援の後押し等でレジャー需要が大きく回復しました。感染拡大第8波の影響を受けつつも、ANA創立70周年記念企画「国内線どこでも片道7,000円」セールを実施し、新規顧客の取り込みや需要喚起に努めた結果、旅客数・収入ともに前期を上回り、国内線の旅客数はコロナ前の7割の水準まで回復しました。
路線ネットワークでは、エンジン改修を終えたボーイング777型機を第3四半期以降、全面的に活用し、週末・年末年始・春休みを中心に機材の大型化及び臨時便の設定を積極的に行い、回復する需要の取り込みに努めました。
営業・サービス面では、本年1月ご予約分より特定区間の乗り継ぎ運賃である「ANA VALUE TRANSIT」をリニューアルし、乗り継ぎ便の選択肢を最大3便まで拡充することでお客様の利便性向上を図りました。また12月より、国内線プレミアムクラスの機内食の新たなコンセプト「The Premium Kitchen」をスタートさせ、メニュー構成をお客様のご要望に基づいてリニューアルすると同時に、機内食で使用している使い捨てプラスチック容器を紙製の容器等に変更し、更なるESGの取り組みを推進しました。
以上の結果、当期の国内線旅客数は3,453万人(前期比92.3%増)となり、収入は5,295億円(同89.2%増)と
なりました。
<国際線貨物(ANAブランド)>国際線貨物では、自動車関連部品の需要が減退した影響等に加え、旅客需要の取り込みを強化するために、旅客機による貨物専用便の運航を減少させた結果、輸送重量は前期を下回りましたが、大型特殊商材等の高単価貨物を積極的に取り込み、高い単価水準の維持に努めました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は805千トン(前期比17.5%減)となり、収入は3,080億円(同6.3%減)となりました。
また、貨物事業の拡大を見据えて、本年3月に日本郵船㈱との間で日本貨物航空㈱の株式取得に向けた基本合意書を締結しました。
LCCでは、国内の行動制限や各国の水際対策が緩和されたことを受けて、国内線の運航規模を拡大し、また国際線についてはこれまで休止していた運航便を再開させ、レジャーや訪日需要の取り込みに努めました。その結果、旅客数・収入ともに前期を上回りました。
路線ネットワークでは、国内線については増加する需要に対応し、成田=新千歳線、成田=福岡線で増便を実施する等、運航規模を拡大しました。国際線については、8月からの関西=ソウル線を皮切りに、関西=台北線、関西=香港線等を再開した他、本年3月に中部=台北線の新規開設を行う等、ネットワークを拡充し、需要の取り込みを図りました。
営業・サービス面では、前期に販売開始した行き先を選べない旅を提案する「旅くじ」に続き、本年2月からパッケージ商品として「宿付き旅くじ」を新たに販売しました。本取り組みにより、目的地を運に任せる旅の体験を提供し、需要の創出に取り組みました。
以上の結果、当期のLCC旅客数は777万人(前期比82.2%増)となり、収入は902億円(同138.7%増)となりました。
<その他>航空事業におけるその他の収入は1,447億円(前期比6.9%増)となりました。なお、航空事業におけるその他に
は、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
◎航空関連事業
日本の水際対策緩和や旅客需要の回復に伴い、搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託や機内食関連
業務が増加したこと等により、売上高は2,471億円(前期比19.5%増)となり、営業利益は23億円(前期 営業損失
6億円)となりました。
◎旅行事業
国内旅行については、旅客需要が着実に回復し、下期から開始された全国旅行支援の影響を受けて、ダイナミッ
クパッケージ商品の取扱いが増加した他、支払いにマイルを利用できる「ANAトラベラーズホテル」商品も好調に
推移しました。加えて、9月にはゴルフ場のWEB予約サービス「ANAトラベラーズゴルフ」を開始する等、新たなサ
ービスの拡充に努めました。また海外旅行については4月にハワイ方面のツアー催行を約2年ぶりに再開し、順次
方面を拡大しました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は738億円(前期比59.5%増)、営業損失は2億円(前期 営業損失
21億円)となりました。
当社グループは、10月にANAマイレージクラブアプリを日常生活における当社グループの各種サービスへの
入り口となるゲートアプリへリニューアルした他、本年1月にはマイルが貯まる・使える新たなECモールとして
「ANA Mall」を開店しました。今後もお客様の更なる利便性向上に努め、「マイルで生活できる世界」の具現化を
推進してまいります。
◎商社事業
航空需要の回復に伴い、空港物販店「ANA FESTA」や免税店「ANA DUTY FREE SHOP」等で増収となった他、半導体市場の好調な需要を受けて、電子事業の取扱高が増加したこと等により、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,032億円(前期比26.4%増)、営業利益は35億円(同539.5%
増)となりました。
◎その他
ラウンジ業務や検疫関連審査業務等の受託が増加した一方で、前期に大型物件の売却があった反動等により不動
産関連事業の取扱高が減少したこと等から、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、当期のその他の売上高は380億円(前期比0.2%減)、営業利益5億円(同56.8%減)となりまし
た。
③キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当期の税金等調整前当期純利益1,143億円に、減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減
算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは4,498億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>設備投資や定期預金の預入による支出があったこと等から、2,040億円の支出となりました。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは2,457億円の収入となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>転換社債型新株予約権付社債の償還及び借入金の返済等があったことから、財務活動によるキャッシュ・フ
ローは1,429億円の支出となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または金融機関から
の借入、及び社債発行等により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に
確保することを基本方針としています。
当期においては、設備投資資金等の手当てのため民間金融機関から920億円の借り換えを実施しました。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1兆6,079億円となっています。また、現
金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆1,837億円となりました。
なお、2023年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,000億円のコミットメントライン契約を締結して
います。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「2023~2025年度 ANAグループ中期経営戦略」(2023年2月15日開示)のもと、ビジネ
スチャンスを確実に捉え、各事業において価値創造を実現し、安定的経営基盤の構築に取り組んでまいります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本とな
る重要な事項)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日、以下「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期のわが国経済は、個人消費や設備投資が緩やかに持ち直している一方、輸出入が弱含んでいる等、景気は一部に弱さがみられるものの緩やかに回復しています。
航空業界を取り巻く環境は、国内線では行動制限が緩和され、国際線においても各国の入国制限緩和が進んだことにより、急速に改善しています。
経営成績では、このような経済情勢の下、人の移動の回復を背景に売上高は前期から大幅に増加しました。コストに関しては、運航規模を拡大した一方で、コストマネジメントを引き続き徹底した結果、営業費用の増加を抑制し3期ぶりに通期で黒字化を達成しました。
財政状態では、売上高の増加等により利益剰余金が増加しています。
また、現金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆1,837億円となりました。
以上の結果、当期の財政状態及び経営成績等は以下のとおりとなりました。
1)財政状態
当期末の資産合計は、前期末に比べ1,482億円増加し、3兆3,667億円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ813億円増加し、2兆4,963億円となりました。
当期末の純資産合計は、前期末に比べ669億円増加し、8,703億円となりました。
2)経営成績
当期における売上高は1兆7,074億円(前期比67.3%増)、営業費用は1兆5,874億円(前期比33.0%増)
となり、営業利益は1,200億円(前期 営業損失1,731億円)、経常利益は1,118億円(前期 経常損失
1,849億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は894億円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失
1,436億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは4,498億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは2,040億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,429億円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べて1,054億円増加し、7,264億円となりまし
た。
③生産及び販売の実績
1)セグメント別売上高
最近2連結会計年度のセグメント別売上高は次のとおりです。
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |||
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) |
| 航空事業 | ||||
| 国際線 | ||||
| 旅客収入 | 70,151 | 5.6 | 433,470 | 21.7 |
| 貨物収入 | 328,750 | 26.1 | 308,088 | 15.4 |
| 郵便収入 | 5,448 | 0.4 | 6,268 | 0.3 |
| 小計 | 404,349 | 32.1 | 747,826 | 37.4 |
| 国内線 | ||||
| 旅客収入 | 279,877 | 22.3 | 529,593 | 26.5 |
| 貨物収入 | 24,932 | 2.0 | 24,119 | 1.2 |
| 郵便収入 | 2,666 | 0.2 | 2,898 | 0.1 |
| 小計 | 307,475 | 24.5 | 556,610 | 27.8 |
| 航空事業収入合計 | 711,824 | 56.6 | 1,304,436 | 65.2 |
| LCC収入 | 37,813 | 3.0 | 90,265 | 4.5 |
| その他の収入 | 135,459 | 10.8 | 144,742 | 7.2 |
| 航空事業小計 | 885,096 | 70.4 | 1,539,443 | 76.9 |
| 航空関連事業 | ||||
| 航空関連収入 | 206,806 | 16.4 | 247,129 | 12.3 |
| 航空関連事業小計 | 206,806 | 16.4 | 247,129 | 12.3 |
| 旅行事業 | ||||
| パッケージ商品収入(国内) | 26,243 | 2.1 | 45,954 | 2.3 |
| パッケージ商品収入(国際) | 171 | 0.0 | 1,512 | 0.1 |
| その他の収入 | 19,868 | 1.6 | 26,349 | 1.3 |
| 旅行事業小計 | 46,282 | 3.7 | 73,815 | 3.7 |
| 商社事業 | ||||
| 商社収入 | 81,694 | 6.5 | 103,252 | 5.2 |
| 商社事業小計 | 81,694 | 6.5 | 103,252 | 5.2 |
| 報告セグメント計 | 1,219,878 | 97.0 | 1,963,639 | 98.1 |
| その他 | ||||
| その他の収入 | 38,130 | 3.0 | 38,066 | 1.9 |
| その他小計 | 38,130 | 3.0 | 38,066 | 1.9 |
| 売上高合計 | 1,258,008 | 100.0 | 2,001,705 | 100.0 |
| セグメント間取引 | △237,684 | - | △294,221 | - |
| 売上高(連結) | 1,020,324 | - | 1,707,484 | - |
(注)1.セグメント内の内訳は内部管理上採用している区分によっています。
2.各セグメントの営業収入はセグメント間の売上高を含みます。
3.LCC収入は、Peach Aviation㈱の収入です。
2)セグメント別取扱実績
(a) 航空事業
(ア) ANAブランド輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 国際線 | |||
| 旅客数 | (人) | 825,524 | 4,212,581 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 20,524,342 | 35,875,939 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 5,550,477 | 26,408,990 |
| 利用率 | (%) | 27.0 | 73.6 |
| 有効貨物トンキロ | (千トンキロ) | 6,966,178 | 6,605,184 |
| 貨物輸送重量 | (トン) | 976,644 | 805,799 |
| 貨物トンキロ | (千トンキロ) | 5,186,055 | 4,147,026 |
| 郵便輸送重量 | (トン) | 18,737 | 15,999 |
| 郵便トンキロ | (千トンキロ) | 87,665 | 78,114 |
| 貨物重量利用率 | (%) | 75.7 | 64.0 |
| 国内線 | |||
| 旅客数 | (人) | 17,959,225 | 34,534,798 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 34,288,864 | 49,901,650 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 16,382,448 | 32,201,978 |
| 利用率 | (%) | 47.8 | 64.5 |
| 有効貨物トンキロ | (千トンキロ) | 957,661 | 1,413,437 |
| 貨物輸送重量 | (トン) | 251,332 | 253,661 |
| 貨物トンキロ | (千トンキロ) | 281,992 | 281,531 |
| 郵便輸送重量 | (トン) | 24,663 | 25,086 |
| 郵便トンキロ | (千トンキロ) | 24,180 | 24,795 |
| 貨物重量利用率 | (%) | 32.0 | 21.7 |
(イ) ANAブランド運航実績
最近2連結会計年度の運航実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||
| 国際線 | 国内線 | 国際線 | 国内線 | |
| 運航回数(回) | 38,527 | 276,732 | 41,521 | 365,967 |
| 飛行距離(km) | 224,573,623 | 239,638,839 | 229,546,353 | 310,896,747 |
| 飛行時間(時間) | 291,833 | 413,559 | 306,327 | 544,243 |
(注) 1.国内線旅客実績には、アイベックスエアラインズ㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績及びオリエンタルエアブリッジ㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。また、2021年8月27日から2022年10月29日のPeach Aviation㈱とのコードシェア便実績を含み、2022年10月30日から天草エアライン㈱及び日本エアコミューター㈱との一部のコードシェア便実績を含みます。
2.国際線、国内線ともに不定期便実績を除きます。
3.国際線貨物及び郵便実績には、コードシェア便実績、エアラインチャーター便実績、ブロック・スペース契約締結便実績及び地上輸送実績を含みます。
4.国内線貨物及び郵便実績には、Peach Aviation㈱、㈱AIRDO、㈱ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ㈱及び㈱スターフライヤーとのコードシェア便実績、エアラインチャーター便実績及び地上輸送実績を含みます。
5.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
6.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
7.有効貨物トンキロは、各路線各区間の有効貨物重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。なお、旅客便については、床下貨物室(ベリー)の有効貨物重量に各区間距離を乗じています。また、床下貨物室の有効貨物重量には、貨物・郵便の他、搭乗旅客から預かる手荷物搭載の有効搭載重量も含まれています。
8.貨物トンキロ及び郵便トンキロは、各路線各区間の輸送重量(トン)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
9.貨物重量利用率は、貨物トンキロと郵便トンキロの合計を有効貨物トンキロで除した数値です。
(ウ)LCC輸送実績
最近2連結会計年度の輸送実績は次のとおりです。
| 項目 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 旅客数 | (人) | 4,267,002 | 7,775,072 |
| 座席キロ | (千席キロ) | 7,863,780 | 12,232,702 |
| 旅客キロ | (千人キロ) | 4,846,740 | 8,991,276 |
| 利用率 | (%) | 61.6 | 73.5 |
(注)1.座席キロは、各路線各区間の有効座席数(席)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
2.旅客キロは、各路線各区間の旅客数(人)に各区間距離(km)を乗じた数値の合計です。
3.LCC実績は、Peach Aviation㈱の実績です。
(b) 航空関連事業
航空関連事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(c) 旅行事業
旅行事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(d) 商社事業
商社事業に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(e) その他
その他に含まれる連結子会社の取扱状況等については、構成する各種事業が多岐にわたり、かつ重要性の観点から開示しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。
①財政状態
<資産の部>流動資産は、現金及び預金等が増加したことから、前期末に比べて2,568億円増加し、1兆5,508億円となり
ました。
固定資産は、売却に伴い航空機が減少したこと等により、前期末に比べ1,079億円減少し、1兆8,149億円と
なりました。
以上により、当期末における総資産は前期末に比べて1,482億円増加し、3兆3,667億円となりました。
<負債の部>負債の部は、転換社債型新株予約権付社債の償還及び借入金の返済等があったことから、有利子負債(無利
子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含む)が前期末に比べて1,421億円減少し、1兆6,079億円とな
る一方、航空券の予約発券数の拡大に伴う契約負債の増加等により、前期末に比べて813億円増加し、
2兆4,963億円となりました。
<純資産の部>株主資本は、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことから、前期末に比べて920億円増加し、
7,944億円となりました。
その他の包括利益累計額は繰延ヘッジ損益の減少等により、前期末に比べて269億円減少し、679億円とな
りました。
これらの結果、純資産合計は前期末に比べて669億円増加し、8,703億円となりました。
なお、自己資本比率は25.6%(前期末24.8%)となり、有利子負債と自己資本の比率を示すD/Eレシオは
1.9倍(前期末2.2倍)となりました。
②経営成績
航空業界を取り巻く環境は、国内線では行動制限が緩和され、国際線においても各国の入国制限緩和が進んだ
ことにより、急速に改善しています。
このような経済情勢の下、売上高は前期から増加し1兆7,074億円(前期比67.3%増)となりました。
営業利益は1,200億円(前期 営業損失1,731億円)、経常利益は1,118億円(前期 経常損失1,849億円)、親会社
株主に帰属する当期純利益は894億円(前期 親会社株主に帰属する当期純損失1,436億円)となりました。
なお、当社は世界の代表的な社会的責任投資の指標である「Dow Jones Sustainability World Index」の構成
銘柄に6年連続で選定された他、国際的な環境評価を手掛ける非営利団体であるCDPより、最高評価の「Aリス
ト企業」に選定されました。今後も事業を通じて環境問題等の社会課題解決に取り組み、持続的な成長と企業価
値の向上を目指してまいります。
以下、当期におけるセグメント別の概況をお知らせいたします。
(なお、各事業における売上高はセグメント間内部売上高を含み、営業利益はセグメント利益に該当します。)
◎航空事業
日本国内の移動自粛等の行動制限緩和や各国の入国に関する規制緩和を受けて、回復する旅客需要の取り込みに
努めた他、貨物については需要が弱含む中でも高水準の単価を維持した結果、売上高は前期を大幅に上回り
1兆5,394億円(前期比73.9%増)となりました。費用面では、事業規模拡大に伴う運航関連費用が増加したもの
の、コストマネジメント等を通じた費用抑制に努めたことで、営業利益は1,241億円(前期 営業損失1,629億円)
となりました。なお、ウクライナ情勢の影響を受けて、欧州路線はロシア上空を迂回した運航を余儀なくされまし
たが、一方で好調な北米路線を中心に運航規模を拡大したこと等により、収入への影響は限定的なものとなりまし
た。
当社グループは、英国SKYTRAX社による「World Airline Awards 2022」において「機内客室の清潔さ」をはじめ
3部門で最も優秀な航空会社に選ばれた他、世界の航空データを分析・評価するCIRIUMの「The On-Time
Performance Awards」の「ネットワーク部門」にて、2022年の定時到着率が世界1位に認定されました。
<国際線旅客(ANAブランド)>国際線旅客では、各国の入国制限が緩和され、先行して回復していた北米=アジア間の接続需要を積極的に取り込みました。9月以降は日本においても入国制限が順次緩和され、回復傾向を辿った日本発ビジネス需要及び訪日需要の取り込みに努めた結果、旅客数・収入ともに前期を大幅に上回り、国際線の旅客数はコロナ前の4割の水準まで回復しました。
路線ネットワークでは、上期に北米=アジア間の接続需要を取り込むため、成田空港発着の北米、アジア路線を増便した他、回復する日本発の需要や訪日需要に対応し、本年1月から羽田=デリー線、シドニー線を増便する等、羽田空港発着路線を中心に運航規模を拡大しました。
営業・サービス面では、ANA創立70周年記念として本年3月に「ANAで思いっきりん 海外に行こうセール」を実施し、アジア・欧米行きの特別運賃を販売し、レジャー需要の喚起や創出を図りました。また本年3月31日ご搭乗便からは国際線機内食の事前予約サービスに「Quick & Light Meal(軽めの機内食サービス)」と「No Thank you Option(機内食不要)」の選択肢を新たに追加しました。本取り組みにより、機内での時間をより自由に快適におくつろぎいただくとともに、提供されずに廃棄される機内食を減らすことに繋げてまいります。
以上の結果、当期の国際線旅客数は421万人(前期比410.3%増)となり、収入は4,334億円(同517.9%増)と
なりました。
<国内線旅客(ANAブランド)>国内線旅客では、感染拡大防止と社会経済活動の両立に向けた動きが進み、下期から全国旅行支援の後押し等でレジャー需要が大きく回復しました。感染拡大第8波の影響を受けつつも、ANA創立70周年記念企画「国内線どこでも片道7,000円」セールを実施し、新規顧客の取り込みや需要喚起に努めた結果、旅客数・収入ともに前期を上回り、国内線の旅客数はコロナ前の7割の水準まで回復しました。
路線ネットワークでは、エンジン改修を終えたボーイング777型機を第3四半期以降、全面的に活用し、週末・年末年始・春休みを中心に機材の大型化及び臨時便の設定を積極的に行い、回復する需要の取り込みに努めました。
営業・サービス面では、本年1月ご予約分より特定区間の乗り継ぎ運賃である「ANA VALUE TRANSIT」をリニューアルし、乗り継ぎ便の選択肢を最大3便まで拡充することでお客様の利便性向上を図りました。また12月より、国内線プレミアムクラスの機内食の新たなコンセプト「The Premium Kitchen」をスタートさせ、メニュー構成をお客様のご要望に基づいてリニューアルすると同時に、機内食で使用している使い捨てプラスチック容器を紙製の容器等に変更し、更なるESGの取り組みを推進しました。
以上の結果、当期の国内線旅客数は3,453万人(前期比92.3%増)となり、収入は5,295億円(同89.2%増)と
なりました。
<国際線貨物(ANAブランド)>国際線貨物では、自動車関連部品の需要が減退した影響等に加え、旅客需要の取り込みを強化するために、旅客機による貨物専用便の運航を減少させた結果、輸送重量は前期を下回りましたが、大型特殊商材等の高単価貨物を積極的に取り込み、高い単価水準の維持に努めました。
以上の結果、当期の国際線貨物輸送重量は805千トン(前期比17.5%減)となり、収入は3,080億円(同6.3%減)となりました。
また、貨物事業の拡大を見据えて、本年3月に日本郵船㈱との間で日本貨物航空㈱の株式取得に向けた基本合意書を締結しました。
路線ネットワークでは、国内線については増加する需要に対応し、成田=新千歳線、成田=福岡線で増便を実施する等、運航規模を拡大しました。国際線については、8月からの関西=ソウル線を皮切りに、関西=台北線、関西=香港線等を再開した他、本年3月に中部=台北線の新規開設を行う等、ネットワークを拡充し、需要の取り込みを図りました。
営業・サービス面では、前期に販売開始した行き先を選べない旅を提案する「旅くじ」に続き、本年2月からパッケージ商品として「宿付き旅くじ」を新たに販売しました。本取り組みにより、目的地を運に任せる旅の体験を提供し、需要の創出に取り組みました。
以上の結果、当期のLCC旅客数は777万人(前期比82.2%増)となり、収入は902億円(同138.7%増)となりました。
<その他>航空事業におけるその他の収入は1,447億円(前期比6.9%増)となりました。なお、航空事業におけるその他に
は、マイレージ附帯収入、機内販売収入、整備受託収入等が含まれています。
◎航空関連事業
日本の水際対策緩和や旅客需要の回復に伴い、搭乗受付や手荷物搭載等の空港地上支援業務の受託や機内食関連
業務が増加したこと等により、売上高は2,471億円(前期比19.5%増)となり、営業利益は23億円(前期 営業損失
6億円)となりました。
◎旅行事業
国内旅行については、旅客需要が着実に回復し、下期から開始された全国旅行支援の影響を受けて、ダイナミッ
クパッケージ商品の取扱いが増加した他、支払いにマイルを利用できる「ANAトラベラーズホテル」商品も好調に
推移しました。加えて、9月にはゴルフ場のWEB予約サービス「ANAトラベラーズゴルフ」を開始する等、新たなサ
ービスの拡充に努めました。また海外旅行については4月にハワイ方面のツアー催行を約2年ぶりに再開し、順次
方面を拡大しました。
以上の結果、当期の旅行事業における売上高は738億円(前期比59.5%増)、営業損失は2億円(前期 営業損失
21億円)となりました。
当社グループは、10月にANAマイレージクラブアプリを日常生活における当社グループの各種サービスへの
入り口となるゲートアプリへリニューアルした他、本年1月にはマイルが貯まる・使える新たなECモールとして
「ANA Mall」を開店しました。今後もお客様の更なる利便性向上に努め、「マイルで生活できる世界」の具現化を
推進してまいります。
◎商社事業
航空需要の回復に伴い、空港物販店「ANA FESTA」や免税店「ANA DUTY FREE SHOP」等で増収となった他、半導体市場の好調な需要を受けて、電子事業の取扱高が増加したこと等により、売上高は前期を上回りました。
以上の結果、当期の商社事業における売上高は1,032億円(前期比26.4%増)、営業利益は35億円(同539.5%
増)となりました。
◎その他
ラウンジ業務や検疫関連審査業務等の受託が増加した一方で、前期に大型物件の売却があった反動等により不動
産関連事業の取扱高が減少したこと等から、売上高は前期を下回りました。
以上の結果、当期のその他の売上高は380億円(前期比0.2%減)、営業利益5億円(同56.8%減)となりまし
た。
③キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当期の税金等調整前当期純利益1,143億円に、減価償却費等の非資金項目、営業活動に係る債権・債務の加減
算を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは4,498億円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>設備投資や定期預金の預入による支出があったこと等から、2,040億円の支出となりました。
以上の結果、フリー・キャッシュ・フローは2,457億円の収入となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>転換社債型新株予約権付社債の償還及び借入金の返済等があったことから、財務活動によるキャッシュ・フ
ローは1,429億円の支出となりました。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主に航空機等)につきましては、自己資金または金融機関から
の借入、及び社債発行等により資金調達することとしており、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に
確保することを基本方針としています。
当期においては、設備投資資金等の手当てのため民間金融機関から920億円の借り換えを実施しました。
当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1兆6,079億円となっています。また、現
金及び預金に有価証券を加えた手元流動性資金は1兆1,837億円となりました。
なお、2023年3月31日現在、複数の金融機関との間で合計1,000億円のコミットメントライン契約を締結して
います。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
| 指標 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 |
| 売上高 (百万円) | 728,683 | 1,020,324 | 1,707,484 |
| 営業利益又は営業損失(△) (百万円) | △464,774 | △173,127 | 120,030 |
| 売上高営業利益率 (%) | △63.8 | △17.0 | 7.0 |
| 株主資本利益率(ROE) (%) | △39.1 | △15.9 | 10.8 |
| 総資本利益率(ROA)(%) | △16.0 | △5.3 | 3.7 |
| 自己資本比率 (%) | 31.4 | 24.8 | 25.6 |
当社グループは、「2023~2025年度 ANAグループ中期経営戦略」(2023年2月15日開示)のもと、ビジネ
スチャンスを確実に捉え、各事業において価値創造を実現し、安定的経営基盤の構築に取り組んでまいります。
⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定につきましては、
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本とな
る重要な事項)」及び「(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。