有価証券報告書-第72期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/19 13:22
【資料】
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【項目】
143項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢の着実な回復や個人消費の持ち直し、設備投資の増加等に加え、政府による各種政策効果もあり、緩やかな回復基調が見られました。一方、海外経済では、米中の通商摩擦問題等の国際情勢の緊張不安や、金融資本市場の変動影響等、先行き不透明な状況で推移しました。
当建設関連業界におきましては、市場競争下において予断を許さない状況が続く中、激甚化する大規模自然災害への防災・減災対策や、国土強靭化に向けた社会インフラ施設の維持管理対策等の公共投資が、補正予算措置もあり、堅調に推移してまいりました。
このような事業環境のもと、当社グループは、長期ビジョンの第2フェーズとなる中期経営計画「未来を拓け~Growth to the next Stage~」の2年目として、目標達成に向けた積極的な事業投資を実行するとともに、道路、鉄道、行政支援サービス、エネルギー関連等の社会インフラマネジメント事業、河川・砂防、森林・林業支援、環境保全・復興再生等の国土保全コンサルタント事業、次世代空間情報技術の開発や新たな空間情報ビジネスを推進するセンシングイノベーション事業等、国内外で様々な事業展開に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度における業績につきましては、受注高は277億20百万円(前連結会計年度比0.1%減)、売上高は284億80百万円(同15.8%増)となりました。
利益面におきましては、営業利益は13億46百万円(前連結会計年度は9億47百万円)、経常利益は15億81百万円(前連結会計年度は10億80百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億80百万円(前連結会計年度は6億57百万円)となりました。
当社グループは、2020年9月期の目標数値として「連結売上高300億円」、「連結営業利益15億円以上」、「自己資本利益率8%」を掲げておりますが、当期の連結売上高及び連結営業利益は前期比で増加しており、また、自己資本利益率も8.4%となっており、目標達成に向け着実に進捗しております。また、配当性向(連結)は20.0%となり、目標を達成しております。
主要な事業区分別の業績は次のとおりであります。
なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載に代えて事業区分別に記載しております。
社会インフラマネジメント事業では、国の重要施策である国土強靭化基本計画や今後重要となるインフラメンテナンス分野での事業に関連して、航空レーザ計測やMMS(モービルマッピングシステム)計測、ドローン計測を実施し、画像解析技術を活用した路面調査、道路防災・構造物点検への事業展開を進めた他、鉄道関連事業についても社内に組織体系を拡充し、ビジネスの拡大に努めてまいりました。また、電力事業では電力施設点検、再生可能エネルギーの活用に向けた環境アセスメントの対応など各種コンサルティングを推進しました。その他、顧客のニーズに応じた行政支援サービスの強化に向け、操作性、拡張性、安定性を向上させた情報共有システム「ALANDIS+」をリリースしました。本システムはクラウド上でも利用可能で、統合型GISや公開型GISとして導入されました。その結果、受注高は162億17百万円、売上高は152億99百万円となりました。
国土保全コンサルタント事業では、河川・砂防分野におけるALB(航空レーザ測深機)の活用も含めたレーザ計測事業が順調に推移した他、国土強靭化に係る浸水想定や土砂災害防止等に関するサービスを拡販してまいりました。また、森林・農業分野に関しては森林レーザ計測による森林資源の把握や林業支援コンサルティングサービスの積極的な営業展開、森林情報クラウドシステム「ALANDIS+Forest」のリリース等、ICT林業に関するサービス提供を強化してまいりました。その他、相次ぐ大規模自然災害に関する緊急撮影や調査並びに復旧・復興に向けた計測・調査、防災対策立案、災害復興再生支援、自然環境保全等の事業に取り組んでまいりました。その結果、受注高は102億84百万円、売上高は118億79百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比較し19億28百万円増加の246億83百万円となりました。これは主として、投資有価証券が増加したことによるものであります。
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比較し53百万円減少の106億58百万円となりました。これは主として、流動負債のその他に含まれている未払消費税等が減少したことによるものであります。
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比較し19億81百万円増加の140億24百万円となりました。これは主として、利益剰余金が増加したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ7億9百万円減少し、当連結会計年度末には46億14百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、税金等調整前当期純利益16億59百万円等により、5億3百万円(前連結会計年度は6億8百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、無形固定資産の取得による支出6億37百万円等により、11億92百万円(前連結会計年度は11億84百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、リース債務の返済による支出3億44百万円等により、17百万円(前連結会計年度は2億96百万円の支出)となりました。
③ 受注及び販売の実績
当連結会計年度における受注及び販売の実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは空間情報コンサルタント事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載に代えて事業区分別に記載しております。
a.受注実績
前連結会計年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
比較増減
事業区分受注高
(千円)
受注残高
(千円)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
受注高
(千円)
受注残高
(千円)
社会インフラマネジメント14,889,5949,344,50616,217,49310,262,1321,327,899917,626
国土保全コンサルタント11,596,7507,320,34510,284,4325,725,748△1,312,317△1,594,597
その他1,255,432784,1451,218,306700,565△37,126△83,580
合 計27,741,77617,448,99727,720,23216,688,446△21,544△760,551

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
前連結会計年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
比較増減
事業区分金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
増減率
(%)
社会インフラマネジメント15,067,39361.315,299,86753.7232,4741.5
国土保全コンサルタント8,497,84834.511,879,02941.73,381,18139.8
その他1,028,5304.21,301,8864.6273,35526.6
合 計24,593,772100.028,480,784100.03,887,01115.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒引当金、退職給付債務、繰延税金資産等の計上について必要に応じて会計上の見積りを行っております。この会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性を有しているために実際の結果とは異なる可能性があります。
② 経営成績等の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策について
当社グループでは2001年6月より資金効率を最大限に高めるようキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。
また、当社は資金調達の機動性及び長期的な安定性の確保を目的に2018年3月28日付けで、取引金融機関8社との間で50億円の長期コミットメントライン契約(2018年4月~2021年3月)を締結いたしました。当連結会計年度の運転資金及び設備投資資金については内部資金又は短期の借入れにより調達しており、健全な財務状態を維持しております。
当社グループの成長を維持するための将来必要な運転資金及び設備投資資金は手許金及び営業キャッシュ・フローにより生み出すことが可能であると考えております。