有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
[資産・負債・純資産]
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,353億円増加し、12兆931億円となった。これは、売掛金が増加したことなどによるものである。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ906億円減少し、8兆9,503億円となった。これは、買掛金、未払費用が減少したことなどによるものである。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,259億円増加し、3兆1,428億円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどによるものである。この結果、自己資本比率は25.8%と前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇した。
ロ.経営成績
[概要]
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比6.0%減の5兆8,668億円、経常利益は同28.1%減の1,898億円、親会社株主に帰属する当期純利益は256.8%増の1,808億円となった。
[売上高]
当連結会計年度における各セグメントの売上高(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが6,242億円(前連結会計年度比15.8%減)、フュエル&パワーが87億円(前連結会計年度比9.6%減)、パワーグリッドが2兆38億円(前連結会計年度比13.9%増)、エナジーパートナーが5兆343億円(前連結会計年度比10.8%減)、リニューアブルパワーが1,434億円(前連結会計年度比18.3%増)となった。
総販売電力量は、前連結会計年度比5.7%減の2,315億kWhとなった。
[経常利益]
当連結会計年度における各セグメントの経常損益(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが△79億円(前連結会計年度1,228億円)、フュエル&パワーが698億円(前連結会計年度比7.9%増)、パワーグリッドが1,690億円(前連結会計年度比44.9%増)、エナジーパートナーが64億円(前連結会計年度比89.2%減)、リニューアブルパワーが481億円(前連結会計年度比59.8%増)となった。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、特別利益に原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金1,421億円を計上した一方、特別損失に原子力損害賠償費1,407億円を計上したことなどから、1,903億円となった。ここに、法人税、住民税及び事業税89億円、法人税等調整額△3億円、非支配株主に帰属する当期純利益8億円を計上し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1,808億円となった。なお、1株当たり当期純利益は112円90銭となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,578億円(44.1%)減少し、4,543億円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、前連結会計年度比25.9%減の2,398億円となった。これは、電気料収入が減少したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度比13.6%増の5,772億円となった。これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、203億円(前連結会計年度は135億円の収入)となった。これは、短期借入金の返済による支出が増加したことなどによるものである。
③ 生産及び販売の実績
当社グループは、原子力発電等を行う「ホールディングス」、火力発電等を行う「フュエル&パワー」、送電・変電・配電による電力の供給等を行う「パワーグリッド」、電気の販売等を行う「エナジーパートナー」及び再生可能エネルギー発電等を行う「リニューアブルパワー」の5つのセグメントがコスト意識を高めるとともに自発的に収益拡大に取り組みつつ、一体となって電気事業を運営している。加えて、電気事業が連結会社の事業の大半を占めており、また、電気事業以外の製品・サービスは多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくないため、生産及び販売の実績については、電気事業のみを記載している。
イ.発電実績
(注)1.上記発電実績には、連結子会社の一部を含んでいる。
2.2019年4月1日付けで㈱JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー㈱の燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等を吸収分割により承継させた。これにより、火力発電電力量は東京電力パワーグリッド㈱の離島における発電電力量である。
ロ.販売実績
(a) 販売電力量
(注)上記販売電力量には、連結子会社の一部を含んでいる。
(b) 電気料収入
(注)1.上記電気料収入には、消費税等は含まれていない。
2.連結子会社の一部を含んでいる。
(c) 託送収入
(注)1.上記料金収入には、消費税等は含まれていない。
2.セグメント間取引消去前
④ 託送供給料金
東京電力パワーグリッド株式会社は、2020年7月28日、電気事業法第18条第1項に規定された「託送供給等約款」の変更に係る認可申請(電気事業法施行規則第45条の21の2及び第45条の21の5の規定による経済産業大臣からの通知並びに原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律附則第3条第3項の規定による積立ての終了に基づく新たな料金を設定)を経済産業大臣に行い、2020年9月4日に経済産業大臣の認可を受け、2020年10月1日から実施している。なお、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経済・社会情勢に配慮し、現行託送料金からの引上げ相当分の適用期間の始期及び終期を1年間延期することとし、現行の料金は2020年10月1日から1年間据え置き、2021年10月1日から現行に比べ1kWhあたり+0.03円の見直しをする。
約款実施の日から2021年9月30日までの期間における主要託送供給料金は下記のとおりである。
託送供給料金表
(注)1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、
需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。
2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。
3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。
4.近接性評価割引とは、近接性評価地域に立地する発電場所における発電設備を維持し、及び運用する発電契約者から当該発電設備に係る電気を受電し、接続供給を利用する場合に行う割引をいう。
5.これまで近接性評価割引対象とされていた地域において、現に割引の適用を受けている電源についても、暫定的に、引き続き割引くこととし、受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合の単価を適用する。
なお、2021年10月1日以降における主要託送供給料金は下記のとおりである。(2021年4月1日実施の託送供給等約款にて、一部メニュー単価を変更)
託送供給料金表
(注)1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、
需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。
2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。
3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。
4.近接性評価割引とは、近接性評価地域に立地する発電場所における発電設備を維持し、及び運用する発電契約者から当該発電設備に係る電気を受電し、接続供給を利用する場合に行う割引をいう。
5.これまで近接性評価割引対象とされていた地域において、現に割引の適用を受けている電源についても、暫定的に、引き続き割引くこととし、受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合の単価を適用する。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものである。
① 経営成績等
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、省エネルギーの進展等による国内エネルギー需要の減少傾向が継続するとともに、小売事業において厳しい競争環境にあるなか、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響などにより、一層厳しい状況にある。
こうした状況のなか、当社グループは、福島への責任を貫徹するため、カイゼン活動をはじめとした生産性改革に加え、事業統合を完了した株式会社JERAの経営への適切な支援・監督、再生可能エネルギー発電事業の分社化等のカーボンニュートラルの潮流に対応した事業展開、送配電資機材の調達や非常災害対応における他社との協働など、収益力と企業価値の向上に向けた取り組みをすすめてきた。
当社グループの当連結会計年度の総販売電力量は、競争激化や新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、前連結会計年度比5.7%減の2,315億kWhとなった。
当連結会計年度の連結収支については、収益面では、燃料費調整制度の影響などにより電気料収入単価が低下したことや総販売電力量が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比6.0%減の5兆8,668億円となり、その他の収益を加えた経常収益合計は5.9%減の5兆9,750億円となった。
一方、費用面では、原子力発電が引き続き全機停止するなか、グループをあげたコスト削減の徹底などにより、経常費用合計は前連結会計年度比4.9%減の5兆7,851億円となった。
この結果、経常利益は前連結会計年度比28.1%減の1,898億円となった。
また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金1,421億円を特別利益として計上する一方、原子力損害賠償費1,407億円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,808億円となった。
当連結会計年度の自己資本比率については前連結会計年度の24.3%から25.8%に、デット・エクイティ・レシオについては前連結会計年度の1.69から1.56に、また、ROE/ROAはそれぞれ6.0%/1.2%となるなど、引き続き財務体質の改善と資本効率の向上をすすめてきた。
当連結会計年度における各セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。
[ホールディングス]
販売電力料収入が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比15.8%減の6,242億円となった。加えて、基幹事業会社からの受取配当金が減少したことなどから、経常損益は前連結会計年度比1,307億円減の79億円の損失となった。
[フュエル&パワー]
持分法適用関連会社である株式会社JERAが、燃料費調整制度の期ずれによる悪化影響を受けながらも需給収支の好転等により増益となったことなどから、経常利益は前連結会計年度比7.9%増の698億円となった。
[パワーグリッド]
託送収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比13.9%増の2兆38億円となった。
加えて、減価償却費が減少したことなどから、経常利益は前連結会計年度比44.9%増の1,690億円となった。
[エナジーパートナー]
燃料費調整制度の影響による電気料収入単価の低下や小売販売電力量の減少などにより、売上高(営業収益)は前連結会計年度比10.8%減の5兆343億円となった。この結果、経常利益は前連結会計年度比89.2%減の64億円となった。
[リニューアブルパワー]
販売電力料収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比18.3%増の1,434億円となった。この結果、経常利益は前連結会計年度比59.8%増の481億円となった。
コロナ禍による電力需要への影響は、2020年4月に発令された緊急事態宣言が解除されて以降、緩やかな回復傾向はみられたものの、感染拡大前の水準までは戻らず、需要水準の減少として現れた。
当連結会計年度の当社エリア需要は、前年同期比で1.3%程度の減少となった。当社小売販売電力量についても前年同期比で8.0%程度の減少となった。
新型コロナウイルスの影響分を正確に算定することは難しいが、一定の仮定をおいた試算を行うと、エリア電力需要の減少は63億kWh程度、小売販売電力量の減少は61億kWh程度と考えられる。
長期的な構造変化も含めた、全体的な電力需要への影響を注視しつつ、引き続き電力の安定供給維持に努める。
また、2020年12月末以降の寒波による低気温に伴い暖房需要が増加したことや、供給側ではLNG火力発電の計画を上回る稼働の継続により、燃料在庫が減少し発電事業者の持続的な供給力が低下したことから、年明けから厳しい電力需給状況が発生した。
こうした需給ひっ迫による収支影響は、個々の収支項目毎の影響は大きかったものの、当社グループ全体で見た場合は影響が相殺し合い、結果的に、当社連結収支に与えた影響は50億円程度の減少にとどまった。
なお、2021年4月に電力広域的運営推進機関が公表した全国各エリアの「2021年度電力需給見通し」の結果を踏まえ、2021年5月、経済産業省総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会の下に設置された「電力・ガス基本政策小委員会」において、「2021年度夏季及び冬季の電力需給見通しと対策」が取りまとめられた。
特に2021年度冬季の電力需給については、現時点で当社サービスエリア内において厳しい見通しが示されているが、国や電力広域的運営推進機関等、関係各所と連携して安定供給確保に向けた取り組みを進めていくとともに、収支影響についても注意深く見極めていく。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
イ.キャッシュ・フロー等
(a) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
(b) 有利子負債
2021年3月31日現在の社債、長期借入金、短期借入金については、以下のとおりである。
当連結会計年度(2021年3月31日)
上記については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項(注4)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額」にも記載。
ロ.財務政策
当社グループとして、総特等において機構から1兆円の出資を受けるとともに、取引金融機関に対し追加与信及び借換え等による与信を維持することなどをお願いしており、ご協力をいただいている。これらの機構や金融機関の支援・協力のもとで、自己資本比率の改善、公募社債市場への復帰を2017年3月に実現しており、 2020年度はパワーグリッドにおいて7,000億円の公募社債を発行した。引き続き社債の発行を継続するなど、当社グループの自律的な資金調達力の回復もはかっていく。
金融機関からの借入金や社債の発行により調達した資金は、電気事業等に必要な設備資金、借入金返済及び社債償還等に充当している。設備投資計画については、「第3 設備の状況」のとおりであり、借入金返済及び社債償還の予定については、「② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況 イ.キャッシュ・フロー等 (b) 有利子負債」のとおりである。
また、当社グループでは、グループ全体でより効率的な資金の運用を図る観点からグループ金融制度を採用している。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
総特のとおり、賠償・廃炉に必要な資金を確保しつつ、2026年度以内に連結経常利益で3,000億円/年超、2027年度以降には4,500億円規模の利益水準を達成することを目指す。
当連結会計年度における経常利益は1,898億円となった。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
[資産・負債・純資産]
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,353億円増加し、12兆931億円となった。これは、売掛金が増加したことなどによるものである。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ906億円減少し、8兆9,503億円となった。これは、買掛金、未払費用が減少したことなどによるものである。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,259億円増加し、3兆1,428億円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどによるものである。この結果、自己資本比率は25.8%と前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇した。
ロ.経営成績
[概要]
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比6.0%減の5兆8,668億円、経常利益は同28.1%減の1,898億円、親会社株主に帰属する当期純利益は256.8%増の1,808億円となった。
[売上高]
当連結会計年度における各セグメントの売上高(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが6,242億円(前連結会計年度比15.8%減)、フュエル&パワーが87億円(前連結会計年度比9.6%減)、パワーグリッドが2兆38億円(前連結会計年度比13.9%増)、エナジーパートナーが5兆343億円(前連結会計年度比10.8%減)、リニューアブルパワーが1,434億円(前連結会計年度比18.3%増)となった。
総販売電力量は、前連結会計年度比5.7%減の2,315億kWhとなった。
[経常利益]
当連結会計年度における各セグメントの経常損益(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが△79億円(前連結会計年度1,228億円)、フュエル&パワーが698億円(前連結会計年度比7.9%増)、パワーグリッドが1,690億円(前連結会計年度比44.9%増)、エナジーパートナーが64億円(前連結会計年度比89.2%減)、リニューアブルパワーが481億円(前連結会計年度比59.8%増)となった。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、特別利益に原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金1,421億円を計上した一方、特別損失に原子力損害賠償費1,407億円を計上したことなどから、1,903億円となった。ここに、法人税、住民税及び事業税89億円、法人税等調整額△3億円、非支配株主に帰属する当期純利益8億円を計上し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、1,808億円となった。なお、1株当たり当期純利益は112円90銭となった。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,578億円(44.1%)減少し、4,543億円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、前連結会計年度比25.9%減の2,398億円となった。これは、電気料収入が減少したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度比13.6%増の5,772億円となった。これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、203億円(前連結会計年度は135億円の収入)となった。これは、短期借入金の返済による支出が増加したことなどによるものである。
③ 生産及び販売の実績
当社グループは、原子力発電等を行う「ホールディングス」、火力発電等を行う「フュエル&パワー」、送電・変電・配電による電力の供給等を行う「パワーグリッド」、電気の販売等を行う「エナジーパートナー」及び再生可能エネルギー発電等を行う「リニューアブルパワー」の5つのセグメントがコスト意識を高めるとともに自発的に収益拡大に取り組みつつ、一体となって電気事業を運営している。加えて、電気事業が連結会社の事業の大半を占めており、また、電気事業以外の製品・サービスは多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくないため、生産及び販売の実績については、電気事業のみを記載している。
イ.発電実績
| 種別 | 2020年度 (百万kWh) | 前年同期比 (%) | |
| 発 電 電 力 量 | 水力発電電力量 | 12,499 | 108.0 |
| 火力発電電力量 | 159 | 99.0 | |
| 原子力発電電力量 | ― | ― | |
| 新エネルギー等発電電力量 | 56 | 89.7 | |
| 発電電力量合計 | 12,713 | 107.8 | |
(注)1.上記発電実績には、連結子会社の一部を含んでいる。
2.2019年4月1日付けで㈱JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー㈱の燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等を吸収分割により承継させた。これにより、火力発電電力量は東京電力パワーグリッド㈱の離島における発電電力量である。
ロ.販売実績
(a) 販売電力量
| 種別 | 2020年度 (百万kWh) | 前年同期比 (%) | ||
| 販売電力量 | 204,484 | 92.0 | ||
(注)上記販売電力量には、連結子会社の一部を含んでいる。
(b) 電気料収入
| 種別 | 2020年度 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 電気料収入 | 3,820,970 | 84.7 |
(注)1.上記電気料収入には、消費税等は含まれていない。
2.連結子会社の一部を含んでいる。
(c) 託送収入
| 種別 | 2020年度 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 託送収益 | 1,617,985 | 108.3 |
(注)1.上記料金収入には、消費税等は含まれていない。
2.セグメント間取引消去前
④ 託送供給料金
東京電力パワーグリッド株式会社は、2020年7月28日、電気事業法第18条第1項に規定された「託送供給等約款」の変更に係る認可申請(電気事業法施行規則第45条の21の2及び第45条の21の5の規定による経済産業大臣からの通知並びに原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律附則第3条第3項の規定による積立ての終了に基づく新たな料金を設定)を経済産業大臣に行い、2020年9月4日に経済産業大臣の認可を受け、2020年10月1日から実施している。なお、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経済・社会情勢に配慮し、現行託送料金からの引上げ相当分の適用期間の始期及び終期を1年間延期することとし、現行の料金は2020年10月1日から1年間据え置き、2021年10月1日から現行に比べ1kWhあたり+0.03円の見直しをする。
約款実施の日から2021年9月30日までの期間における主要託送供給料金は下記のとおりである。
託送供給料金表
(消費税等相当額を含む料金単価)
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 単位 | 料金単価(円) | |||||||||
| 接続送電 サービス | 低圧 | 動力 時間帯別接続送電サービス | 基本 料金 | 実量契約 | 1kW 1か月につき | 704.00 | ||||
| 主開閉器契約 | 〃 | 445.50 | ||||||||
| 電力量料金 | 昼間時間 | 1kWhにつき | 5.69 | |||||||
| 夜間時間 | 〃 | 4.57 | ||||||||
| 動力従量接続送電サービス | 〃 | 16.71 | ||||||||
| 高圧 | 高圧標準 接続送電サービス | 基本料金 | 1kW 1か月につき | 555.50 | ||||||
| 電力量料金 | 1kWhにつき | 2.34 | ||||||||
| 高圧 時間帯別接続送電サービス | 基本料金 | 1kW 1か月につき | 555.50 | |||||||
| 電力量料金 | 昼間時間 | 1kWhにつき | 2.57 | |||||||
| 夜間時間 | 〃 | 2.04 | ||||||||
| 高圧従量接続送電サービス | 〃 | 11.45 | ||||||||
| ピークシフト割引 | 1kW 1か月につき | 471.90 | ||||||||
| 特別 高圧 | 特別 高圧標準接続送電サービス | 基本料金 | 〃 | 379.50 | ||||||
| 電力量料金 | 1kWhにつき | 1.30 | ||||||||
| 特別高圧時間帯別接続送電サービス | 基本料金 | 1kW 1か月につき | 379.50 | |||||||
| 電力量料金 | 昼間時間 | 1kWhにつき | 1.39 | |||||||
| 夜間時間 | 〃 | 1.17 | ||||||||
| 特別高圧従量接続送電サービス | 〃 | 7.52 | ||||||||
| ピークシフト割引 | 1kW 1か月につき | 322.30 | ||||||||
| 予備送電サービス | 高圧 | 予備送電サービスA | 〃 | 71.50 | ||||||
| 予備送電サービスB | 〃 | 88.00 | ||||||||
| 特別 高圧 | 予備送電サービスA | 〃 | 66.00 | |||||||
| 予備送電サービスB | 〃 | 77.00 | ||||||||
| 近接性 評価割引 | 受電電圧が標準電圧6,000V以下の場合 | 1kWhにつき | 0.69 | |||||||
| 受電電圧が標準電圧6,000Vをこえ140,000V以下の場合 | 〃 | 0.41 | ||||||||
| 受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合 | 〃 | 0.21 | ||||||||
(注)1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、
需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。
2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。
3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。
4.近接性評価割引とは、近接性評価地域に立地する発電場所における発電設備を維持し、及び運用する発電契約者から当該発電設備に係る電気を受電し、接続供給を利用する場合に行う割引をいう。
5.これまで近接性評価割引対象とされていた地域において、現に割引の適用を受けている電源についても、暫定的に、引き続き割引くこととし、受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合の単価を適用する。
なお、2021年10月1日以降における主要託送供給料金は下記のとおりである。(2021年4月1日実施の託送供給等約款にて、一部メニュー単価を変更)
託送供給料金表
| (消費税等相当額を含む料金単価) |
| 単位 | 料金単価(円) | ||||||||
| 接続送電サービス | 低圧 | 電灯定額接続送電サービス | 電灯 料金 | 10Wまで | 1灯 1か月につき | 35.66 | |||
| 10W超過 20Wまで | 〃 | 71.32 | |||||||
| 20W 〃 40W 〃 | 〃 | 142.66 | |||||||
| 40W 〃 60W 〃 | 〃 | 213.98 | |||||||
| 60W 〃 100W 〃 | 〃 | 356.64 | |||||||
| 100W 〃 100Wまでごとに | 〃 | 356.64 | |||||||
| 小型 機器 料金 | 50VAまで | 1機器 1か月につき | 106.52 | ||||||
| 50VA超過 100VAまで | 〃 | 213.04 | |||||||
| 100VA 〃 100VAまでごとに | 〃 | 213.04 | |||||||
| 電灯標準接続送電サービス | 基本 料金 | 実量契約 | 1kW 1か月につき | 214.50 | |||||
| SB・主開閉器契約 | 1kVA 1か月につき | 143.00 | |||||||
| SB契約;5Aの場合 | 1契約 1か月につき | 71.50 | |||||||
| SB契約;15Aの場合 | 〃 | 214.50 | |||||||
| 電力量料金 | 1kWhにつき | 7.48 | |||||||
| 電灯 時間帯別接続送電サービス | 基本 料金 | 実量契約 | 1kW 1か月につき | 214.50 | |||||
| SB・主開閉器契約 | 1kVA 1か月につき | 143.00 | |||||||
| SB契約;5Aの場合 | 1契約 1か月につき | 71.50 | |||||||
| SB契約;15Aの場合 | 〃 | 214.50 | |||||||
| 電力量料金 | 昼間時間 | 1kWhにつき | 8.23 | ||||||
| 夜間時間 | 〃 | 6.58 | |||||||
| 電灯従量接続送電サービス | 〃 | 11.00 | |||||||
| 動力標準接続送電サービス | 基本 料金 | 実量契約 | 1kW 1か月につき | 704.00 | |||||
| 主開閉器契約 | 〃 | 445.50 | |||||||
| 電力量料金 | 1kWhにつき | 5.20 | |||||||
| 動力 時間帯別接続送電サービス | 基本 料金 | 実量契約 | 1kW 1か月につき | 704.00 | |||||
| 主開閉器契約 | 〃 | 445.50 | |||||||
| 電力量料金 | 昼間時間 | 1kWhにつき | 5.72 | ||||||
| 夜間時間 | 〃 | 4.60 | |||||||
| 動力従量接続送電サービス | 〃 | 16.74 | |||||||
| 単位 | 料金単価(円) | ||||||||
| 接続送電 サービス | 高圧 | 高圧標準 接続送電サービス | 基本料金 | 1kW 1か月につき | 555.50 | ||||
| 電力量料金 | 1kWhにつき | 2.37 | |||||||
| 高圧 時間帯別接続送電サービス | 基本料金 | 1kW 1か月につき | 555.50 | ||||||
| 電力量料金 | 昼間時間 | 1kWhにつき | 2.60 | ||||||
| 夜間時間 | 〃 | 2.07 | |||||||
| 高圧従量接続送電サービス | 〃 | 11.48 | |||||||
| ピークシフト割引 | 1kW 1か月につき | 471.90 | |||||||
| 特別 高圧 | 特別 高圧標準接続送電サービス | 基本料金 | 〃 | 379.50 | |||||
| 電力量料金 | 1kWhにつき | 1.33 | |||||||
| 特別高圧時間帯別接続送電サービス | 基本料金 | 1kW 1か月につき | 379.50 | ||||||
| 電力量料金 | 昼間時間 | 1kWhにつき | 1.42 | ||||||
| 夜間時間 | 〃 | 1.20 | |||||||
| 特別高圧従量接続送電サービス | 〃 | 7.55 | |||||||
| ピークシフト割引 | 1kW 1か月につき | 322.30 | |||||||
| 予備送電サービス | 高圧 | 予備送電サービスA | 〃 | 71.50 | |||||
| 予備送電サービスB | 〃 | 88.00 | |||||||
| 特別 高圧 | 予備送電サービスA | 〃 | 66.00 | ||||||
| 予備送電サービスB | 〃 | 77.00 | |||||||
| 近接性 評価割引 | 受電電圧が標準電圧6,000V以下の場合 | 1kWhにつき | 0.69 | ||||||
| 受電電圧が標準電圧6,000Vをこえ140,000V以下の場合 | 〃 | 0.41 | |||||||
| 受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合 | 〃 | 0.21 | |||||||
(注)1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、
需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。
2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。
3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。
4.近接性評価割引とは、近接性評価地域に立地する発電場所における発電設備を維持し、及び運用する発電契約者から当該発電設備に係る電気を受電し、接続供給を利用する場合に行う割引をいう。
5.これまで近接性評価割引対象とされていた地域において、現に割引の適用を受けている電源についても、暫定的に、引き続き割引くこととし、受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合の単価を適用する。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものである。
① 経営成績等
当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、省エネルギーの進展等による国内エネルギー需要の減少傾向が継続するとともに、小売事業において厳しい競争環境にあるなか、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞の影響などにより、一層厳しい状況にある。
こうした状況のなか、当社グループは、福島への責任を貫徹するため、カイゼン活動をはじめとした生産性改革に加え、事業統合を完了した株式会社JERAの経営への適切な支援・監督、再生可能エネルギー発電事業の分社化等のカーボンニュートラルの潮流に対応した事業展開、送配電資機材の調達や非常災害対応における他社との協働など、収益力と企業価値の向上に向けた取り組みをすすめてきた。
当社グループの当連結会計年度の総販売電力量は、競争激化や新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、前連結会計年度比5.7%減の2,315億kWhとなった。
当連結会計年度の連結収支については、収益面では、燃料費調整制度の影響などにより電気料収入単価が低下したことや総販売電力量が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比6.0%減の5兆8,668億円となり、その他の収益を加えた経常収益合計は5.9%減の5兆9,750億円となった。
一方、費用面では、原子力発電が引き続き全機停止するなか、グループをあげたコスト削減の徹底などにより、経常費用合計は前連結会計年度比4.9%減の5兆7,851億円となった。
この結果、経常利益は前連結会計年度比28.1%減の1,898億円となった。
また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金1,421億円を特別利益として計上する一方、原子力損害賠償費1,407億円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は1,808億円となった。
当連結会計年度の自己資本比率については前連結会計年度の24.3%から25.8%に、デット・エクイティ・レシオについては前連結会計年度の1.69から1.56に、また、ROE/ROAはそれぞれ6.0%/1.2%となるなど、引き続き財務体質の改善と資本効率の向上をすすめてきた。
当連結会計年度における各セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。
[ホールディングス]
販売電力料収入が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比15.8%減の6,242億円となった。加えて、基幹事業会社からの受取配当金が減少したことなどから、経常損益は前連結会計年度比1,307億円減の79億円の損失となった。
[フュエル&パワー]
持分法適用関連会社である株式会社JERAが、燃料費調整制度の期ずれによる悪化影響を受けながらも需給収支の好転等により増益となったことなどから、経常利益は前連結会計年度比7.9%増の698億円となった。
[パワーグリッド]
託送収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比13.9%増の2兆38億円となった。
加えて、減価償却費が減少したことなどから、経常利益は前連結会計年度比44.9%増の1,690億円となった。
[エナジーパートナー]
燃料費調整制度の影響による電気料収入単価の低下や小売販売電力量の減少などにより、売上高(営業収益)は前連結会計年度比10.8%減の5兆343億円となった。この結果、経常利益は前連結会計年度比89.2%減の64億円となった。
[リニューアブルパワー]
販売電力料収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比18.3%増の1,434億円となった。この結果、経常利益は前連結会計年度比59.8%増の481億円となった。
コロナ禍による電力需要への影響は、2020年4月に発令された緊急事態宣言が解除されて以降、緩やかな回復傾向はみられたものの、感染拡大前の水準までは戻らず、需要水準の減少として現れた。
当連結会計年度の当社エリア需要は、前年同期比で1.3%程度の減少となった。当社小売販売電力量についても前年同期比で8.0%程度の減少となった。
新型コロナウイルスの影響分を正確に算定することは難しいが、一定の仮定をおいた試算を行うと、エリア電力需要の減少は63億kWh程度、小売販売電力量の減少は61億kWh程度と考えられる。
長期的な構造変化も含めた、全体的な電力需要への影響を注視しつつ、引き続き電力の安定供給維持に努める。
また、2020年12月末以降の寒波による低気温に伴い暖房需要が増加したことや、供給側ではLNG火力発電の計画を上回る稼働の継続により、燃料在庫が減少し発電事業者の持続的な供給力が低下したことから、年明けから厳しい電力需給状況が発生した。
こうした需給ひっ迫による収支影響は、個々の収支項目毎の影響は大きかったものの、当社グループ全体で見た場合は影響が相殺し合い、結果的に、当社連結収支に与えた影響は50億円程度の減少にとどまった。
なお、2021年4月に電力広域的運営推進機関が公表した全国各エリアの「2021年度電力需給見通し」の結果を踏まえ、2021年5月、経済産業省総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会の下に設置された「電力・ガス基本政策小委員会」において、「2021年度夏季及び冬季の電力需給見通しと対策」が取りまとめられた。
特に2021年度冬季の電力需給については、現時点で当社サービスエリア内において厳しい見通しが示されているが、国や電力広域的運営推進機関等、関係各所と連携して安定供給確保に向けた取り組みを進めていくとともに、収支影響についても注意深く見極めていく。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
イ.キャッシュ・フロー等
(a) キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
(b) 有利子負債
2021年3月31日現在の社債、長期借入金、短期借入金については、以下のとおりである。
当連結会計年度(2021年3月31日)
| 1年以内 (百万円) | 1年超 2年以内 (百万円) | 2年超 3年以内 (百万円) | 3年超 4年以内 (百万円) | 4年超 5年以内 (百万円) | 5年超 (百万円) | |
| 社債 | 346,836 | 221,999 | 260,000 | 200,806 | 210,000 | 1,465,769 |
| 長期借入金 | 46,497 | 23,765 | 57,102 | 28,084 | 10,657 | 49,818 |
| 短期借入金 | 1,967,761 | - | - | - | - | - |
| 合計 | 2,361,095 | 245,765 | 317,102 | 228,890 | 220,657 | 1,515,588 |
上記については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項(注4)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額」にも記載。
ロ.財務政策
当社グループとして、総特等において機構から1兆円の出資を受けるとともに、取引金融機関に対し追加与信及び借換え等による与信を維持することなどをお願いしており、ご協力をいただいている。これらの機構や金融機関の支援・協力のもとで、自己資本比率の改善、公募社債市場への復帰を2017年3月に実現しており、 2020年度はパワーグリッドにおいて7,000億円の公募社債を発行した。引き続き社債の発行を継続するなど、当社グループの自律的な資金調達力の回復もはかっていく。
金融機関からの借入金や社債の発行により調達した資金は、電気事業等に必要な設備資金、借入金返済及び社債償還等に充当している。設備投資計画については、「第3 設備の状況」のとおりであり、借入金返済及び社債償還の予定については、「② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況 イ.キャッシュ・フロー等 (b) 有利子負債」のとおりである。
また、当社グループでは、グループ全体でより効率的な資金の運用を図る観点からグループ金融制度を採用している。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等
総特のとおり、賠償・廃炉に必要な資金を確保しつつ、2026年度以内に連結経常利益で3,000億円/年超、2027年度以降には4,500億円規模の利益水準を達成することを目指す。
当連結会計年度における経常利益は1,898億円となった。