四半期報告書-第99期第2四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/11 15:23
【資料】
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【項目】
48項目
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第2四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べ1,964億円増加し、13兆499億円となった。これは、売掛金が増加したことなどによるものである。
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,681億円増加し、9兆7,994億円となった。これは、社債が増加したことなどによるものである。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ282億円増加し、3兆2,504億円となった。これは、その他の包括利益累計額が増加したことなどによるものである。この結果、自己資本比率は24.7%と前連結会計年度末に比べ0.2ポイント低下した。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間の経常損失は、グループ全社を挙げた収支改善に努めたものの、株式会社JERAにおける燃料費調整制度の期ずれ影響が悪化したことや、燃料・卸電力市場価格の高騰などによる電気調達費用が増加したことなどにより、2,388億円(前年同四半期は1,013億円の経常利益)となった。
また、特別利益に、関係会社株式売却益1,233億円を計上した一方、特別損失に原子力損害賠償費327億円を計上したことから、親会社株主に帰属する四半期純損益は1,433億円の損失(前年同四半期は886億円の利益)となった。
当第2四半期連結累計期間における各セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。
[ホールディングス]
売上高は、前年同四半期比9.1%増の2,614億円となり、経常利益は、基幹事業会社からの受取配当金の減少などにより、前年同四半期比11.4%減の868億円となった。
[フュエル&パワー]
売上高は、前年同四半期比24.5%減の19億円となり、経常損失は、株式会社JERAにおける燃料費調整制度の期ずれ影響が悪化したことなどにより、873億円(前年同四半期は73億円の経常利益)となった。
[パワーグリッド]
売上高は、前年同四半期比43.3%増の1兆2,413億円となり、経常利益は、燃料価格の高騰などによる電気調達費用が大幅に増加したことなどにより、前年同四半期比41.7%減の621億円となった。
[エナジーパートナー]
売上高は、前年同四半期比53.9%増の2兆8,282億円となり、経常損失は、燃料・卸電力市場価格の高騰などによる電気調達費用が大幅に増加したことなどにより、2,273億円(前年同四半期は58億円の経常利益)となった。
[リニューアブルパワー]
売上高は、前年同四半期比10.9%増の919億円となり、経常利益は、卸電力販売が増加したことなどにより、前年同四半期比24.0%増の434億円となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における期末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ212億円(2.5%)減少し、8,405億円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の支出は、1,731億円(前年同四半期は962億円の収入)となった。これは、売上債権の増減額が増加したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は、前年同四半期比76.1%減の596億円となった。これは、投融資の回収による収入が増加したことなどによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の収入は、前年同四半期比69.0%減の2,104億円となった。これは、短期借入金の返済による支出が増加したことなどによるものである。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はない。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した課題はない。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した課題のうち、見直しを行った項目は次のとおりである。
以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境及び対処すべき課題等」の項目番号に対応している。
本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。
②優先的に対処すべき課題
[ホールディングス]
<福島事業>ハ.ALPS処理水の扱い
ALPS処理水の扱いについては、ALPS処理水希釈放出設備及び関連施設の基本設計等について、原子力規制委員会より「福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画変更認可申請書」の許可をいただいた。
引き続き、国際原子力機関のレビューなどに真摯に対応するとともに、関係者の皆さまの理解醸成に向けて、丁寧な説明を積み重ねていく。
加えて、風評影響を受けうる産業の生産・加工・流通・消費の各段階への取り組みの強化・拡充等をすすめ、それらの対策を講じてもなお起こりうる風評被害への賠償については、関係する方々のご意見を丁寧にお伺いしながら、適切に対応していく。
<経済事業>ニ.原子力発電事業の取り組み
当社は、核物質防護の不適切な事案と安全対策工事の一部未完了の事案から、リスク認識の弱さ、現場実態把握の弱さ、組織として是正する力の弱さ、及び、組織間連携や当社と企業間の連携不足といった弱さを抽出した。抽出された弱さを解消するための取り組みとして、プロジェクトを完遂するための体制・システムの導入や核物質防護強化のためのリソースの拡充・質の向上を進めている。
また、これらを足元から将来にわたって支えるとともに、本社と発電所が一体となり、地域や社会から信頼される組織や企業文化を醸成するために、柏崎刈羽原子力発電所に必要な本社機能の移転を進めている。具体的には2022年5月までに発電所の運営に必要となる機能と要員の柏崎市内への移転を完了しており、今後は発電所の状況変化に合わせて、2026年度までに職住環境を整備し、順次300名規模の社員を柏崎駅周辺、発電所構内に移転していく計画である。
そのほか、発電所経営層と所員との対話や、さまざまな分野の専門知識を有する外部人財を積極的に採用するなどの取り組みを進めている。
安定供給の継続に加え、カーボンニュートラルの実現に向けて、ゼロエミッション電源である原子力発電は重要な電源の一つと考えており、原子力事業者として信頼していただけるよう、原子力改革を継続し、信頼の回復に努めていく。
[エナジーパートナー]
ロ.燃料価格高騰を受けた対応
当社グループは、昨今の世界的な資源価格の高騰を背景とした事業環境下において、お客さまに電力を安定的
にお届けするよう取り組んでいる。
しかしながら、ウクライナ情勢の影響により、燃料価格や卸電力市場価格がさらに上昇した結果、電源調達費用が増加している。
これによる東京電力エナジーパートナー株式会社(以下「東電EP」という。)の財務の毀損や、今後の燃料価格及び卸電力市場価格を見通すことが難しい状況にあることを踏まえ、当面の財務基盤を立て直すことを目的として、当社を引受先とする2,000億円の増資を決議し、東電EPに対し10月26日に払込を行った。
また、こうした状況を踏まえ、東電EPにおいて、特に卸電力市場価格の影響が大きい「特別高圧・高圧」のお客さまを対象とした電気料金を2023年4月より見直すこととした。併せて、燃料価格・卸電力市場価格の高騰にともなう追加調達を抑制する観点から、今冬及びその先も見据えた省エネ・節電施策(節電促進プラン・機器更新支援等)を実施していく。さらに、「低圧」のお客さまを対象とした電気料金についても、見直しに向けた検討を進めていく。
法人・家庭分野ともに今夏、省エネ・節電の取り組みを実施しているが、今冬及びその先も見据え、更なる充実を図っていく。法人向けには、省エネ・節電を促進するプランの新設や空調設備の洗浄サポート等の支援を行い、お客さまの電気料金の負担軽減に取り組んでいく。家庭向けには、既に実施している「TEPCO省エネプログラム2022」の拡充として、前年同月の電気使用量と比較し、節電電力量に応じてポイントを進呈する取り組みを新たに開始する。また、節電の効率を高める施策として、ご家庭のエアコン洗浄を支援するキャンペーンも実施する。
以上の取り組み等により、お客さまに電力を安定的にお届けできるよう最大限努力していく。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、5,057百万円である。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はない。
(6) 生産及び販売の実績
当社グループは、原子力発電等を行う「ホールディングス」、火力発電等を行う「フュエル&パワー」、送電・変電・配電による電力の供給等を行う「パワーグリッド」、電気の販売等を行う「エナジーパートナー」及び再生可能エネルギー発電等を行う「リニューアブルパワー」の5つのセグメントがコスト意識を高めるとともに自発的に収益拡大に取り組みつつ、一体となって電気事業を運営している。加えて、電気事業が連結会社の事業の大半を占めており、また、電気事業以外の製品・サービスは多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくないため、生産及び販売の実績については、電気事業のみを記載している。
なお、電気事業については、販売電力量を四半期ごとに比較すると、第1四半期・第3四半期と比べて、第2四半期・第4四半期の販売電力量は、冷暖房需要により増加し、相対的に高水準となる。また、第2四半期は、夏季のピーク需要に対応する供給コストの上昇を反映した夏季料金(7月1日から9月30日まで)を設定しており、料金収入に季節的変動がある。
① 発電実績
種別2022年度第2四半期累計
(百万kWh)
前年同四半期比
(%)




水力発電電力量7,67698.5
火力発電電力量81103.0
原子力発電電力量--
新エネルギー等発電電力量3188.9
発電電力量合計7,78998.5

(注)1.上記発電実績には、連結子会社の一部を含んでいる。
2.2019年4月1日付けで㈱JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー㈱の燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等を吸収分割により承継させた。これにより、火力発電電力量は東京電力パワーグリッド㈱の離島における発電電力量である。
② 販売実績
(a) 総販売電力量
種別2022年度第2四半期
(百万kWh)
前年同四半期比
(%)
小売販売電力量91,655100.6
卸販売電力量27,415123.8
総販売電力量119,070105.1

(注) 連結子会社の一部を含んでいる。
(b) 電気料収入
種別2022年度第2四半期累計
(百万円)
前年同四半期比
(%)
電気料収入2,127,572142.6

(注)1.連結子会社の一部を含んでいる。
2.電気料収入は小売販売電力量に相当する。
(c) 託送収入
種別2022年度第2四半期累計
(百万円)
前年同四半期比
(%)
託送収益834,235115.8

(注) 東京電力パワーグリッド㈱におけるセグメント間取引消去前の託送収入である。
(7) 設備の状況
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、除却等について、当第2四半期連結累計期間に重要な変更はない。また、当第2四半期連結累計期間に新たに確定した主要な設備の新設、除却等の計画はない。
なお、前連結会計年度末における主要な設備の新設等の計画の当第2四半期連結累計期間の完了分は、次のとおりである。
(送電設備)
会社名件名セグメントの
名称
種別電圧(kV)亘長(km)着工運転開始
東京電力パワーグリッド㈱姉崎共火線新設パワーグリッド架空2751号線:0.5
2号線:0.5
2021年6月2022年5月
(1号線)
2022年6月
(2号線)

(変電設備)
会社名件名セグメントの
名称
最高電圧
(kV)
増加出力
(MVA)
着工運転開始
東京電力パワーグリッド㈱新木更津変電所
変圧器増設
パワーグリッド5009002020年8月2022年5月
(8B)
2022年6月
(5B)
東京電力パワーグリッド㈱南多摩変電所
変圧器増容量
パワーグリッド2751002021年6月2022年6月

(注)1. 新木更津変電所の変電設備の出力は4,800MVAとなった。
2. 南多摩変電所の変電設備の出力は1,100MVAとなった。