有価証券報告書-第55期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/26 12:28
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
[環境認識]
当期における我が国経済につきましては、物価上昇や円安の進展等から景気の先行きに不透明感があったものの、全国的な賃上げの広がりに伴う所得環境の改善や、企業業績及び雇用情勢にも改善の動きがみられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、海外経済の減速や、中東情勢の長期化、日本銀行の金融政策変更等による景気下振れのリスクもあり、今後の動向には留意が必要です。
このようななか、当社グループが属する情報サービス産業につきましては、新技術の普及や人手不足等を背景に、DX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた旺盛なIT投資や、基幹システムの刷新ニーズもあり、受注環境は良好に推移しました。
[当期の取り組み]
当社グループは、2022年3月期からの5ヵ年の中期経営計画を策定し、2026年3月期までに連結売上高1,000億円を超える企業グループを目指してまいりましたが、当期において2年前倒しで当該目標を達成することができました。
目標の達成に向けて、社会的ニーズの強いDX・新技術関連のシステム開発を成長ドライバーとして、システム開発事業の持続的な拡大を進めるとともに、ソリューション事業を第2の収益の柱とするため、新たなソリューションの企画・創出と販売力の強化を進めました。この一環として、2024年4月に新組織としてイノベーション戦略事業本部を設置し、商品・サービスの企画から開発、販売までを一気通貫で行える体制に変更しました。これまで培ってきた新技術対応力等を組織横断的に活用し、既存ソリューションの充実及び新ソリューションの創出力を強化していきます。
インオーガニックな取り組みとしては、2023年4月にシステム・エンジニア(SE)不足への対応を目的にシステム開発事業に強みを有する株式会社アートホールディングス及びその傘下会社7社(アートグループ)を、また、同年5月にソリューション事業の充実を目的にデンタルシステム事業に強みのある株式会社ノーザを子会社化しました。子会社化後は、事業運営の効率化に向けて、各社のPMIに注力し、2024年4月にアートホールディングス傘下の4社を合併しました。
なお、M&Aにつきましては、中期経営計画での200億円の計画に対し、2022年のTrigger株式会社の子会社化を含め、合計で194億円を既に投資しましたが、SEの確保やソリューション・ラインアップの充実は引き続き重要な課題であり、良い投資先があれば、M&Aに取り組んでまいります。
[当期の実績]
当期の実績につきましては、受注環境が良好に推移したことや、M&Aの効果から、以下のとおり12期連続で増収増益となりました。
単位:百万円
2023年3月期2024年3月期
前期比
システム開発事業70,69586,72116,02522.7%
ソリューション事業7,28614,5427,25699.6%
売上高77,982101,26323,28129.9%
うち DAS事業27,87844,20916,33158.6%
営業利益12,52415,1802,65521.2%
経常利益12,66215,3402,67721.1%
親会社株主に帰属する当期純利益10,21910,262430.4%

EBITDA13,35117,7514,39932.9%
EBITDAマージン17.1%17.5%0.4ポイント-

※ DAS事業とは、当社グループの注力事業で、DXを目的としたシステム開発事業、AI等の新技術を活用したシステム開発事業、及びソリューション事業をいいます(従来、新コア事業と定義していたもので、DASはDX・AI・Solutionの頭文字です)。
※ EBITDAは「営業利益+減価償却費+のれん償却額」により算出しています。
※ 組織変更に伴い2024年3月期よりセグメントの区分を見直しており、過年度の実績についても当該変更後の区分で記載しています。
売上高につきましては、順調なオーガニック成長に加え、M&Aによる事業拡大が貢献し、前期比29.9%増収の101,263百万円となりました。このうち注力分野であるDAS事業につきましては、クラウドを利用したDX関連のシステム開発事業が大きく伸長したほか、M&Aによる新たなソリューションの売上高も寄与し、前期比58.6%増収の44,209百万円となりました。
営業利益は、ベースアップやのれん償却の発生などの費用の増加もありましたが、これらを吸収し、前期比21.2%増益の15,180百万円となり、経常利益は前期比21.1%増益の15,340百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に特別利益として計上した株式売却益2,150百万円の反動減により、10,262百万円と前期比微増となりました。
中期経営計画(2023年5月に上方修正)では、当期の業績目標として、売上高970億円、DAS事業売上高375億円、営業利益140億円を掲げておりましたが、事業が順調に拡大した結果、いずれも目標を上回る実績となりました。この結果、売上高1,000億円を当初計画から2年前倒しで達成することができました。
また、収益性指標である営業利益率については、目標14.4%に対して15.0%、EBITDAマージンについては、目標17. 1%に対して17.5%、ROEについては、目標15.4%に対して17.5%となり、収益性指標についても目標を上回る実績となりました。
[セグメント別の実績]
セグメント別の実績は以下のとおりとなりました。
(セグメント別売上高) 単位:百万円
2023年3月期2024年3月期
前期比
システム
開発事業
金融IT24,56130,9216,36025.9%
産業IT17,32223,9396,61738.2%
社会基盤IT18,15720,3062,14811.8%
ITインフラ10,79711,8701,0739.9%
ソリューション事業7,30214,5557,25399.3%
調整額△159△330△170-
合 計77,982101,26323,28129.9%

(セグメント別営業利益) 単位:百万円
2023年3月期2024年3月期
前期比
システム
開発事業
金融IT4,5465,7391,19326.2%
産業IT2,4252,93150520.9%
社会基盤IT3,4583,96350514.6%
ITインフラ1,9022,0551528.0%
ソリューション事業56087030955.2%
調整額△368△380△12-
合 計12,52415,1802,65521.2%

※ セグメント間の内部取引を含んだ計数を記載しています。
※ 調整額とは、セグメント間取引消去額及び全社費用(セグメントに帰属しない一般管理費等)をいいます。
※ セグメントについては、組織変更に伴い2024年3月期より「産業・社会基盤IT」を「産業IT」及び「社会基盤IT」の2つに分割するなど、セグメントの区分を見直しています。また、過年度の実績についても当該変更後の区分で記載しています。
<システム開発事業(金融IT)>金融向けソフトウエア開発事業につきましては、システム更改案件をはじめ既存案件の拡大により大手銀行、保険会社、カード会社からの受注が大きく伸長したほか、アートグループをM&Aした効果もあり、売上高は、前期比25.9%増収の30,921百万円となり、営業利益は、26.2%増益の5,739百万円となりました。
<システム開発事業(産業IT)>産業向けソフトウエア開発事業につきましては、製造業や商業からの受注が大きく伸長したほか、アートグループやTrigger株式会社をM&Aした効果もあり、売上高は、前期比38.2%増収の23,939百万円となりました。営業利益は、M&Aに伴うのれん償却額等の増加により、20.9%増益の2,931百万円となりました。
<システム開発事業(社会基盤IT)>社会基盤向けソフトウエア開発事業につきましては、通信業、公共団体、電気・ガス・水道業からの受注が大きく伸長したほか、アートグループをM&Aした効果もあり、売上高は、前期比11.8%増収の20,306百万円となり、営業利益は、14.6%増益の3,963百万円となりました。
<システム開発事業(ITインフラ)>ITインフラ事業につきましては、官公庁向けインフラ構築案件、銀行・保険向けのクラウド案件など、公共団体や金融業からの受注が大きく伸長した結果、売上高は、前期比9.9%増収の11,870百万円となりました。営業利益は、M&Aに伴い原価率が上昇した結果、8.0%増益の2,055百万円となりました。
<ソリューション事業>ソリューション事業につきましては、医療・ヘルスケアやRFID関連のM&Aによる新規のソリューションが事業拡大に大きく貢献したほか、既存ソリューションも拡大した結果、売上高は、前期比99.3%増収の14,555百万円となりました。営業利益は、M&Aに伴うのれん償却額等の増加により、55.2%増益の870百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度前連結会計年度比
システム
開発事業
金融IT30,889百万円25.8%
産業IT23,685百万円37.9%
社会基盤IT20,306百万円11.8%
ITインフラ11,839百万円9.7%
ソリューション事業14,542百万円99.6%
合計101,263百万円29.9%

(注)金額は販売価格で表示しております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高受注残高
前連結
会計年度比
前連結
会計年度比
システム
開発事業
金融IT31,205百万円19.4%10,091百万円8.9%
産業IT23,139百万円34.2%3,875百万円9.2%
社会基盤IT20,859百万円12.4%5,272百万円12.5%
ITインフラ12,034百万円8.7%2,661百万円7.9%
ソリューション事業14,567百万円108.3%2,379百万円9.7%
合計101,807百万円27.3%24,281百万円9.7%


③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度前連結会計年度比
システム
開発事業
金融IT30,921百万円25.9%
産業IT23,939百万円38.2%
社会基盤IT20,306百万円11.8%
ITインフラ11,870百万円9.9%
ソリューション事業14,555百万円99.3%
調整額△330百万円-
合計101,263百万円29.9%

(注) 調整額とは、セグメント間取引消去額及び全社費用(セグメントに帰属しない一般管理費等)です。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産及び負債は、M&Aにより株式会社アートホールディングス及び株式会社ノーザを連結したことを主因として増加し、総資産は前連結会計年度末比18,245百万円増加の86,405百万円、また、負債は9,672百万円増加の22,373百万円となりました。
総資産の増加の内訳は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加3,328百万円、有価証券の増加2,199百万円、土地建物の増加3,625百万円、のれんの増加7,721百万円、顧客関連資産の増加8,224百万円、退職給付に係る資産の増加2,083百万円、並びに現金及び預金の減少11,145百万円などです。
負債の増加の内訳は、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含む)の増加1,762百万円、流動負債その他の増加1,499百万円、長期借入金の増加1,458百万円、繰延税金負債の増加4,002百万円などです。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益による増加10,262百万円、株式の売出し等による自己株式の処分による増加1,494百万円、非支配株主持分の増加912百万円、配当金支払いによる減少4,381百万円、自己株式の取得による減少1,701百万円などから前連結会計年度末比8,573百万円増加し、64,032百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、26,987百万円となり、前連結会計年度末比11,309百万円の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益15,375百万円による資金の増加、法人税等の支払額5,893百万円による資金の減少を主因に、12,188百万円の資金の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出2,000百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出15,292百万円を主因に、17,849百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額4,381百万円、自己株式の取得による支出1,701百万円を主因に、5,770百万円の資金の減少となりました。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、主に従業員への給与や賞与等の人件費、協力会社への外注費、事務所の賃借料等があります。投資資金需要については、先端技術の調査及び研究開発、自社独自サービス及びソフトウェアの開発、M&A資金等があります。
これらの資金需要に対しては、内部資金及び営業キャッシュ・フローでまかなうことを基本としております。また、M&A等で一時的に巨額の資金需要が発生する場合には財務健全性や調達コストを勘案しつつ、内部資金以外の金融機関からの借入等も含め、柔軟に資金調達を行います。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
・収益認識における原価総額の見積り
請負契約による取引については、開発作業の進捗に伴って顧客に成果が移転し、一定の期間にわたり履行義務を充足することから、その進捗度に応じて収益を認識しております。期末日における見積原価総額に対する実際発生原価の割合に基づくインプット法を使用して進捗度を合理的に測定し、収益を認識しております。
進捗度に応じた収益の認識においては、プロジェクト毎に合理的かつ信頼性の高い総原価の見積りを行うとともに、適宜適切に、経営環境の変化及びプロジェクトの実態に即した総原価の見直しを行うことで進捗率及び売上高の精度を確保しております。また、見積り時点では予見できないような経営環境の大幅な変化が発生し、見積りが変更になった場合には、当連結会計年度においてその影響額を損益として認識することになります。
・株式会社アートホールディングスののれん及び顧客関連資産の評価
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な会計上の見積り)に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)に記載しております。

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