有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社及び連結子会社(以下、「当社グループ」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の経営成績に関する説明については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)(連結損益計算書関係)」に記載のとおり、組替後の連結損益計算書の数値を用いております。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資は増加傾向を維持し、企業収益は底堅く推移するなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、後半は、消費税増税後の反動減による消費の落ち込みや米中通商問題の長期化などを背景とした世界経済の減速など、製造業を中心に弱さが一段と増したことに加え、その後の世界的な新型コロナウイルス感染症拡大を受け、拡大防止対策としての外出自粛や訪日客の入国制限、需要減に対応した工場の操業停止など、ヒト・モノ・カネの流れが停滞したことにより、景気は不透明感を増してまいりました。
情報サービス産業におきましては、労働力不足が顕在化するなかでビジネス環境の激しい変化に対応するため、あらゆる産業でIoT、AI(人工知能)、クラウドサービスなどのデジタル技術を活用した生産性向上や競争力強化を図る取り組み、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)が進められており、ICTの重要性は一段と増してまいりました。
一方で、地震、豪雨などの自然災害の激甚化や複雑化・巧妙化するサイバー攻撃等の情報漏えい・消失等の脅威に備え、災害に強く、安全で安心したサービスやインフラ環境の提供が求められており、データセンターが担う役割の重要性が高まっております。加えて、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、在宅勤務をはじめとしたリモートワークや、セキュアなクラウドサービス需要が高まるなどの変化が見受けられました。
このような状況のなか、当社グループでは、公共分野及び民間分野とも引き続き受注拡大、製品・サービス強化、ならびに収益構造の改善に取り組んでまいりました。受注拡大では、すべての事業において商談が堅調に推移しました。製品・サービス分野では、特にソフトウェア開発・システム販売分野が堅調に推移いたしました。
また、不採算案件が収束したことにより、収益構造が大幅に改善いたしました。
その結果、売上高は15,846,553千円(前期比2.1%増)、営業利益は1,272,889千円(前期比81.2%増)、経常利益は1,286,654千円(前期比78.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は862,853千円(前期比103.3%増)となりました。
なお、当社グループが経営の最重要指標と考えております連結営業利益額は1,272,889千円となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大への取組みでは、お客様、関係者様、当社グループ従業員の健康や安全確保、並びにお客様に安定したサービスを継続的に提供するため、感染予防策(マスク着用、手洗い・うがい)の励行に加え、対策本部を設置し、外出や出張の自粛、Web会議、電話会議の活用等、新型コロナウイルス感染症拡大リスクの低減に努めてまいりました。
セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
(公共事業セグメント)
公共事業セグメントは、すべてのサービス分野※で堅調に推移いたしました。ソフトウェア開発・システム販売分野では、不採算案件の収束による経費削減に加えて、消費税増税前の駆け込み需要及び改元や、法改正によるシステム改修等が収益に貢献いたしました。
その結果、売上高は6,679,312千円(前期比5.2%減)、セグメント利益は766,886千円(前期比136.8%増)となりました。
(社会・産業事業セグメント)
社会・産業事業セグメントは、消費税増税に伴うシステム改修やWindows 7等のサポート終了に伴う機器販売等も影響し、すべてのサービス分野※で堅調に推移いたしました。ソフトウェア開発・システム販売分野では、車載系組込ソフトウェア開発支援業務、ガス事業者向け「GIOS(ジーオス)」が堅調に推移したことに加えて、消費税軽減税率導入のシステム改修等が収益に貢献いたしました。また、海外ソフトウェア開発子会社の活用が進んだことも収益構造の改善に貢献いたしました。
その結果、売上高は9,167,240千円(前期比8.2%増)、セグメント利益は2,118,712千円(前期比11.1%増)となりました。
※サービス分野とは次の4分野です。
ソフトウェア開発・システム販売
情報処理サービス
システム機器・プロダクト関連販売
その他の情報サービス
(2) 財政状態
(資産、負債、純資産)
当連結会計年度末における資産合計は15,999,106千円(前連結会計年度末17,723,130千円)となり、1,724,024千円減少しました。流動資産は10,719,010千円となり1,969,238千円減少し、固定資産は5,280,095千円となり245,213千円増加しました。
流動資産の減少要因は、大型ソフトウェア受託開発案件を納品したことによりたな卸資産が1,321,710千円、売上債権の回収等により受取手形及び売掛金が780,333千円それぞれ減少したこと等によるものです。固定資産の増加要因は、事業用地としての土地が403,886千円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度末における負債合計は7,541,859千円(前連結会計年度末9,721,615千円)となり、2,179,755千円減少しました。流動負債は3,533,637千円となり1,657,661千円減少し、固定負債は4,008,222千円となり522,093千円減少しました。
流動負債の減少要因は、不採算案件に対する受注損失引当金が961,228千円、短期借入金が329,500千円、未払法人税等が217,300千円それぞれ減少したこと等によるものです。固定負債の減少要因は、リース債務が560,721千円減少したこと等によるものです。
当連結会計年度末における純資産合計は8,457,246千円(前連結会計年度末8,001,515千円)となり、455,730千円増加しました。これは主に、利益剰余金が799,873千円増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は、以下のとおりです。
(公共事業セグメント)
公共事業セグメントの資産は、5,704,482千円(前連結会計年度末8,417,645千円)となり2,713,163千円減少しました。この主な要因は、大型ソフトウェア受託開発案件を納品した事によるたな卸資産の減少等によるものです。
(社会・産業事業セグメント)
社会・産業事業セグメントの資産は、4,228,084千円(前連結会計年度末4,407,756千円)となり179,671千円減少しました。この主な要因は、売上債権の回収による売掛金及び受取手形の減少等によるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ230,242千円増加し、非連結子会社との合併に伴う現金及び現金同等物3,911千円を加味した結果、3,405,010千円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,150,244千円(前期は442,612千円)となりました。この主な要因は、不採算案件に対する受注損失引当金が減少したことにより961,228千円の資金の減少はありましたが、受注制作のソフトウエアに係るたな卸資産が減少したことにより1,321,819千円の資金の増加があったことに加えて、税金等調整前当期純利益1,302,999千円の計上等の資金の増加があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,590,922千円(前期は925,618千円)となりました。この主な要因は、土地の取得等有形固定資産の取得による支出674,330千円、定期預金の担保差入れによる支出500,000千円、市場販売目的ソフトウエアへの投資等無形固定資産の取得による支出418,984千円の資金の減少があったこと等によるものです。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローをあわせたフリー・キャッシュ・フローは559,321千円の増加(前期は483,005千円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、327,624千円(前期は262,401千円)となりました。この主な要因は、セール・アンド・リースバックによる収入233,016千円の資金の増加はありましたが、短期借入金の返済329,500千円、リース債務の返済による支出167,729千円、配当金の支払額63,340千円の資金の減少があったこと等によるものです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的としての資金需要は、設備投資、ソフトウェア開発投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,886,092千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,405,010千円となっております。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| 公共事業 | 5,375,034 | 79.9 |
| 社会・産業事業 | 7,093,558 | 108.8 |
| 計 | 12,468,593 | 94.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 公共事業 | 5,902,211 | 82.1 | 721,623 | 48.1 |
| 社会・産業事業 | 9,142,239 | 102.6 | 1,699,101 | 98.5 |
| 計 | 15,044,450 | 93.5 | 2,420,724 | 75.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| 公共事業 | 6,679,312 | 94.8 |
| 社会・産業事業 | 9,167,240 | 108.2 |
| 計 | 15,846,553 | 102.1 |
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の
とおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| ㈱ミツバ | 1,907,456 | 12.3 | 1,977,193 | 12.5 |
| ㈱本田技術研究所 | 1,729,119 | 11.2 | 1,835,158 | 11.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当社グループは現時点では、今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難なことから、当連結会計年度末時点で入手可能な外部の情報等を踏まえて、今後、2021年3月期の一定期間にわたり当該影響が継続するとの仮定の下、会計上の見積りを行っております。
a.繰延税金資産
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。
b.受注損失引当金
受注損失引当金は、受注契約に係る将来の損失に備えるため、連結会計年度末で将来の損失額を合理的に見積ることが可能なものについて、翌連結会計年度末以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。
当該見積りには、受注契約に係る残工数の見込みなどの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、残工数の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する受注損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c.市場販売目的のソフトウェアの減価償却の方法
市場販売目的のソフトウェアの減価償却は、製品ごとに未償却残高を、見込販売収益を基礎として当連結会計年度の実績販売収益に対応して計算した金額と残存有効期間に基づく均等配分額のいずれか多い金額で償却を行うものとしております。見込販売収益が減少した場合、ソフトウェアの減価償却費が増加する可能性があります。
d.固定資産の減損
固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。資産計上したサーバ等のハードウェアやサービスの提供に用いるソフトウェア等について、事業環境の悪化や開発コストの増加等で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。