有価証券報告書-第31期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/27 9:44
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済及び海外経済は緩やかな成長を続けました。当社グループが属するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界では、労働需給の引き締まりや生産性の改善など、企業が直面する課題を解決するためのアウトソーシング需要が堅調に推移しました。
こうした中、当社グループは「中期経営計画2020」並びに「事業戦略2018」に基づく年度計画を着実に推進いたしました。施策面では、IBM Watson日本語版を活用した「バーチャルエージェント®」の提供を正式に開始し、AI(人工知能)を活用した対話システムをさらに強化したほか、ソフトバンク株式会社と販売パートナーとなる契約を締結し同システムの拡販に努めました。また、株式会社ナディアとの資本・業務提携を締結し、当社が持つICTを活用したシステムのクリエイティブ面での強化を行いました。
売上面では、前年度にあったスポット業務終了の影響があったものの、公益、金融、流通向けを中心に業務が開始、拡大したほか、前年度に連結子会社化したSPi CRM, Inc.及びInfocom Technologies, Inc.の売上を取り込みました。利益面では、既存業務の生産性改善に取り組み、年度後半にかけてその成果がみられました。一方、海外子会社においてコールセンターリロケーションや前年度にあったスポット業務終了などの影響がありました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は109,800百万円(前年同期比14.2%増)、営業利益は5,290百万円(同21.0%増)、経常利益は5,343百万円(同22.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,407百万円(同4.4%増)となりました。
また、当連結会計年度ののれん償却前営業利益(営業利益+のれん償却額)は、7,028百万円(同46.2%増)、のれん償却前当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却額)は、5,144百万円(同39.1%増)となりました。
当社は中期経営計画の達成に向けM&A等も視野に入れた事業基盤の強化、拡大を志向しております。これによる現金流出を伴わないのれん償却費用の影響等を鑑み、のれん償却前営業利益、のれん償却前純利益を経営指標として採用しております。
また、自己資本利益率は7.1%となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。
コンタクトセンター事業
前年同期にあったスポット業務終了の影響があったものの、公益、流通、金融向けを中心に業務が開始、拡大しました。また、前年度に連結子会社化したSPi CRM, Inc.及びInfocom Technologies, Inc.の売上の取り込みがありました。以上の結果、当事業の売上高は88,644百万円(同18.5%増)となりました。
バックオフィス事業
前年同期にあったスポット業務縮小や通信向け業務の縮小の影響があったものの、金融、製造向けを中心に業務が拡大したことなどにより、当事業の売上高は14,777百万円(同0.4%増)となりました。
フィールドオペレーション事業
事業の体質改善を目的に選別受注を進めるなどした結果、当事業の売上高は6,379百万円(同4.1%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、67,123百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,053百万円の増加となりました。主な増加は、現金及び預金1,984百万円、受取手形及び売掛金589百万円、敷金及び保証金260百万円、投資有価証券230百万円であり、主な減少は、のれん2,255百万円です。
負債は18,874百万円となり、前連結会計年度末に比べ547百万円の増加となりました。主な増加は、未払金1,037百万円、未払法人税等310百万円、買掛金85百万円であり、主な減少は、短期借入金969百万円です。
純資産は48,248百万円となり、前連結会計年度末に比べ506百万円の増加となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益3,407百万円であり、主な減少は、剰余金の配当金による支払2,274百万円、為替換算調整勘定672百万円によるものです。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の72.3%から、71.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、16,270百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,984百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得したキャッシュ・フローは7,291百万円(前連結会計年度は4,489百万円の獲得)となりました。主な増加は、税金等調整前当期純利益5,647百万円、のれん償却額1,737百万円、減価償却費1,652百万円であり、主な減少は、法人税等の支払額1,763百万円、売上債権の増加額550百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用したキャッシュ・フローは1,962百万円(前連結会計年度は4,172百万円の使用)となりました。主な増加は、投資有価証券の売却による収入1,001百万円であり、主な減少は、有形固定資産の取得による支出1,165百万円、非連結子会社株式の取得による支出776百万円、敷金及び保証金の差入による支出456百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用したキャッシュ・フローは3,349百万円(前連結会計年度は1,501百万円の獲得)となりました。主な減少は、配当金の支払額2,275百万円、及び短期借入金の増減額1,000百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの主たる事業であるコンタクトセンター事業は、お客様企業のマーケティング活動を支援するサービスを提供する事業であり、生産量の測定が極めて困難であるため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが顧客企業と締結している契約で規定されているのは、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額の算定に必要な座席数等についてはコール予想等に応じて頻繁に変動します。また、コール実績に応じて売上が計上される契約については受注金額の特定が極めて困難であります。従いまして、受注とはいえ受注金額を確定することが困難な状況であるため、同数値の掲載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)
前年同期比(%)
コンタクトセンター事業88,644+18.5
バックオフィス事業14,777+0.4
フィールドオペレーション事業6,379△4.1
報告セグメント計109,800+14.2
合計109,800+14.2

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒債権、退職金、投資等に関する見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。従いまして、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、連結売上高は前連結会計年度に比べ、14.2%の増加となる109,800百万円となりました。企業の競争力強化やコスト削減に向けたアウトソーシングの動きがみられたほか、前年度に連結子会社化したSPi CRM, Inc.及びInfocom Technologies, Inc.の売上を取り込みました。
販売費及び一般管理費は、費用の抑制に努めた一方、前年度に連結子会社化したSPi CRM, Inc.及びInfocom Technologies, Inc.の連結子会社化やそれに伴うのれん償却などにより、前連結会計年度に比べ20.9%増加となる10,884百万円となりました。
以上の結果、営業利益は5,290百万円(前年同期比21.0%増)、経常利益は5,343百万円(同22.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,407百万円(同4.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、当社グループは期間限定の業務の受託や主要顧客の業績動向により、売上高、利益ともに大きな影響を受ける傾向があります。新規受託、または業務量が拡大した場合、売上高の増加のみならず、採算性が改善する可能性が高くなりますが、業務の終了、または業務量が縮小した場合には売上高の減少とともに採算性が悪化する可能性があります。当社グループといたしましては、より柔軟且つ機動力のあるコスト構造の維持・改善に努めるとともに、業務量減少の際には迅速なコスト調整を図ることによって、そのマイナス影響を可能な限り抑制していきたいと考えております。
また、当社グループは、業務遂行のため多数のオペレーターが必要となります。労働人口減少や景気好転などにより、十分な労働力が確保できない、または採用費や人件費の上昇により、機会損失や採算性の低下する可能性があります。当社グループといたしましては、地方拠点の活用や様々な求職者層に向けた採用活動や人事制度を適宜見直すことにより、優秀なオペレーターの安定的な確保に努めて参りたいと考えております。
当社グループは、中期経営計画に掲げるアジアビジネス強化によるグローバル受託体制の構築を目指しており、平成28年9月に主にフィリピンでCRMサービスを提供しているSPi CRM, Inc.及びInfocom Technologies, Inc.を連結子会社としております。同社の顧客は主に米国及びフィリピンにあり、同国で業務遂行しています。このため、海外各国の顧客動向、為替相場、景気動向、法律・規制の変更、政治・経済状況の変化、税制の変更、テロ及び戦争その他要因による社会的混乱などの潜在的なリスクに対処できないことなどにより事業推進が困難となった場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の事業が計画通りに進捗しない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じるなど、経営成績に影響を与える可能性があります。当連結会計年度において、SPi CRM, Inc.は顧客企業の要請によるコールセンターリロケーションの影響で一過性の費用が発生し期初に想定した利益水準に達しませんでした。当社グループは、同影響は一時的なものであり、同社の将来の事業展開に大きな影響を及ぼすものではないと認識しておりますが、引き続き当社グループとのシナジー効果の早期発現や同社の自律的成長を促すことでリスクの低減を図ってまいりたいと考えております。
当社グループの資本の財源及び資本の流動性については、当社グループは原則として、営業活動によるキャッシュ・フローと内部留保をベースとした財源に経営を行うこととしております。当社グループはM&Aも視野にいれた事業領域の拡大を志向しておりますが、上記方針に従って経営を進めていく方針です。
当社グループは、更なる利益及び企業価値の向上に努めるべく、平成27年4月からの5年間の「中期経営計画2020」を策定し、推進しております。同計画は、当社グループの未来像を「信頼の環で人・社会と企業・組織をつなぐ価値共創企業」とし、その実現のため、当初3年間(平成28年3月期から平成30年3月期まで)の事業戦略を「事業戦略2018」として定め、これら事業戦略に基づく年度計画の着実な推進により、収益基盤に厚みを増し、長期的な企業価値の向上に努めてまいりました。
同計画における定量目標は、いずれも平成30年3月期において、連結売上高890億円から1,180億円、営業利益60億円から90億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円から60億円、自己資本当期純利益率8%以上であり、利益指標については買収した海外子会社ののれん償却の影響等により未達成であるものの、連結売上高は目標を達成するなど一定の成果を得たと考えております。当社グループはこれら「事業戦略2018」の成果を踏まえ、今後新たな事業戦略を策定し、当社グループの更なる企業価値向上に努めてまいる所存です。

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