有価証券報告書-第33期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、上半期は緩やかな拡大を続けましたが、下半期は海外経済の減速や自然災害、消費税率引き上げ等の影響を受けました。当社グループが属するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界では、企業が直面する課題を解決するための堅調なアウトソーシング需要があった一方、労働需給の逼迫の影響を受けました。
また、当連結会計年度において発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は経済活動に深刻な影響を及ぼしており、当社グループが属するBPO業界も先行きの不透明感が極めて高い状況にあります。当連結会計年度末時点においては、国内連結会社では一部業務の縮小やスタッフの欠勤率の上昇などが見られたものの、事業活動に大きな支障を与えておらず、海外連結会社は12月決算であることから影響は軽微でありました。しかしながら、感染症対策のため当社が運営するコンタクトセンターやBPOセンターにおける出勤者の抑制、営業時間の短縮などによる稼働率の低下、営業活動の自粛や経済環境の変化による新規受注の減少など、今後、当社グループの業績に大きな影響を与えることが見込まれます。
当連結会計年度において当社グループは、中期経営計画である「事業戦略2020」の達成に向け、「4つのイノベーションによる収益構造の変革」「ポートフォリオ見直しも含めた採算管理の徹底」「採用・育成強化、離職率抑制による、生産性の向上」に取り組みました。注力分野であるデジタルシフトにおいては、消費者のライフスタイルの変化に伴う問い合わせチャネルの多様化に対応し、チャットボットや有人チャット等のデジタルチャネルの導入・活用を促進するとともに、コンタクトセンター事業者としての強みを活かした各種オムニチャネルサービス(例:「りらいあ先回りサポート」・「りらいあ自己解決パック」)の提供を開始しました。またバックオフィス事業分野でも自動化により業務効率化を実現する「りらいあBPAシステム」の提供を開始したほか、次世代型コンタクトセンターとして新宿リンクスクエアセンターを新たに開設しました。これら当社グループの取り組みを訴求するため、「Relia Success+ 2019」などの大規模セミナーや業界別セミナーの開催や対外発信の強化に取り組ました。なお、2019年2月に発生した不適切な会計処理に対する再発防止に向け、人事評価制度の見直しやコンプライアンス研修、社員参加型のワークショップなどを実施しました。
売上面では、国内業務では金融、公益、流通向けなどを中心に堅調に推移し、また大型スポット業務の受託もありました。海外子会社においては、Inspiro Relia, Inc.にて、新規受注や既存業務の拡大もあり、主要顧客の受注減の影響を補いました。これらの要因により連結売上高は前年同期を上回りました。また利益面では、既存業務の拡張や採算管理の徹底、大型スポット業務の受託、新規業務受注時の採算性確認プロセスの強化に加え、のれん償却費の減少や定着率向上など生産性向上に資する取り組みも寄与し、営業利益は前年同期を上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は128,731百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益は11,607百万円(同110.0%増)、経常利益は11,772百万円(同110.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,017百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失7,283百万円)となりました。
また、当連結会計年度ののれん償却前営業利益(営業利益+のれん償却額)は、12,000百万円(同65.9%増)、のれん償却前当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却額)は、8,410百万円(同79.4%増)となりました。なお、前年同期比の計算にあたり使用した前連結会計年度ののれん償却前当期純利益ののれん償却額には、前連結会計年度に計上したのれんの減損損失額を含んでおります。
当社はInspiro Relia, Inc.等の買収に伴うのれん償却費用の影響等を鑑み、のれん償却前営業利益、のれん償却前当期純利益を経営指標として採用しております。
なお、自己資本利益率は19.9%となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりです。
コンタクトセンター事業
金融、公益、流通向けなどを中心に堅調に推移し、金融、公益向けでは大型スポット業務の受注がありました。また、既存業務の採算管理の徹底等も奏功し、当事業の売上高は106,709百万円(同13.1%増)、セグメント利益は9,099百万円(同118.1%増)となりました。
バックオフィス事業
前年同期にあった一部業務の終了等の影響があった一方、消費税増税に伴う大型スポット業務などの受注がありました。その結果、当事業の売上高は16,941百万円(同10.0%増)、セグメント利益は2,273百万円(同73.9%増)となりました。
フィールドオペレーション事業
前年度に引き続き事業の体質改善を目的に選別受注を進めるなどした結果、当事業の売上高は5,080百万円(同15.3%減)、セグメント利益は235百万円(同401.4%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、65,968百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,212百万円の増加となりました。主な増加は、現金及び預金6,275百万円、受取手形及び売掛金3,427百万円、リース資産(純額)1,315百万円であり、主な減少は、のれん434百万円、長期預金800百万円です。
負債は23,112百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,170百万円の増加となりました。主な増加は、未払金453百万円、リース債務1,473百万円、未払法人税等2,596百万円、賞与引当金393百万円であり、主な減少は、短期借入金500百万円です。
純資産は42,855百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,041百万円の増加となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益8,017百万円、主な減少は、剰余金の配当金による支払2,550百万円によるものです。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の67.8%から、65.0%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、22,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,275百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得したキャッシュ・フローは11,083百万円(前連結会計年度は7,595百万円の獲得)となりました。主な増加は、税金等調整前当期純利益11,591百万円、減価償却費2,371百万円、のれん償却額393百万円、未払金の増減額396百万円であり、主な減少は、売上債権の増減額4,510百万円、法人税等の支払額1,572百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用したキャッシュ・フローは1,264百万円(前連結会計年度は3,020百万円の使用)となりました。主な増加は、定期預金の増減額800百万円であり、主な減少は、有形固定資産の取得による支出1,550百万円、無形固定資産の取得による支出532百万円、敷金及び保証金の差入による支出687百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用したキャッシュ・フローは3,502百万円(前連結会計年度は4,248百万円の使用)となりました。主な減少は、短期借入金の増減額500百万円、リース債務の返済による支出451百万円、配当金の支払額2,550百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの主たる事業であるコンタクトセンター事業は、お客様企業のマーケティング活動を支援するサービスを提供する事業であり、生産量の測定が極めて困難であるため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが顧客企業と締結している契約で規定されているのは、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額の算定に必要な座席数等についてはコール予想等に応じて頻繁に変動します。また、コール実績に応じて売上が計上される契約については受注金額の特定が極めて困難であります。従いまして、受注とはいえ受注金額を確定することが困難な状況であるため、同数値の掲載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒債権、退職金、投資等に関する見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。従いまして、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また国際財務報告基準を適用している一部の在外子会社は、当連結会計年度より、国際財務報告基準第16号「リース」を適用しております。これらの詳細は「第5 経理の状況」の注記事項に記載の通りです。
② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、連結売上高は前連結会計年度に比べ、11.2%の増加となる128,731百万円となりました。国内においては、金融、公益、流通向けを中心に堅調に推移し、また大型スポット業務の受託がありました。海外子会社では、Inspiro Relia, Inc.にて、新規受注や既存業務の拡大があり、主要顧客向けの売上減少を補うことで、事業計画を上回りました。
販売費及び一般管理費は、人事制度改革やガバナンス強化に向けコーポレート部門の強化を行った一方、のれん償却費の減少があり、前連結会計年度に比べ7.7%の減少となる10,650百万円となりました。
営業利益は、既存業務の拡張や採算管理の徹底、大型スポット業務の受託、新規業務受注時の採算性確認プロセスの強化に加え、定着率向上など生産性向上に資する取り組みも寄与し、110.0%の増加となる11,607百万円となりました。
セグメントごとの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、当社グループは期間限定の業務の受託や主要顧客の業績動向により、売上高、利益ともに大きな影響を受ける傾向があります。新規受託、または業務量が拡大した場合、売上高の増加のみならず、採算性が改善する可能性が高くなりますが、業務の終了、または業務量が縮小した場合には売上高の減少とともに採算性が悪化する可能性があります。当社グループといたしましては、より柔軟且つ機動力のあるコスト構造の維持・改善に努めるとともに、業務量減少の際には迅速なコスト調整を図ることによって、そのマイナス影響を可能な限り抑制していきたいと考えております。
また、当社グループは、業務遂行のため多数のオペレーターが必要となります。労働人口減少や景気好転などにより、十分な労働力が確保できない、または採用費や人件費の上昇により、機会損失や採算性の低下する可能性があります。当社グループといたしましては、地方拠点の活用や様々な求職者層に向けた採用活動や人事制度を適宜見直すことにより、優秀なオペレーターの安定的な確保に努めて参りたいと考えております。
当社グループは、中期計画である「事業戦略2020」において海外事業の推進を掲げ、主に米国、フィリピン、ベトナム、タイでサービスを展開しております。このため、海外各国の顧客動向、為替相場、景気動向、法律・規制の変更、政治・経済状況の変化、税制の変更、テロ及び戦争その他要因による社会的混乱などの潜在的なリスクに対処できないことなどにより事業推進が困難となった場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の事業が計画通りに進捗しない場合、経営成績に影響を与える可能性があります。なお、海外子会社において新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う現地当局の強制隔離措置等により、センター稼働率の低下や感染症対策の経費増などの影響が生じる一方、自宅で過ごす消費者からの需要に起因したコールセンター業務拡大の要請も発生しています。海外子会社は12月決算であることから、当連結会計年度への影響は軽微であったものの、海外事業における今後の業績に与える影響を見通しづらい状況にあり、現地状況を注視しながら、適時適切に対処してまいります。
当連結会計年度において発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は経済活動に深刻な影響を及ぼしており、当社グループが属するBPO業界も先行きの不透明感が極めて高い状況にあります。当連結会計年度における当社グループの業績に与える影響は軽微であったものの、当社グループが運営するコンタクトセンターやBPOセンターにおける出勤者の抑制、営業時間の短縮などによる稼働率の低下、営業活動の自粛や経済環境の変化による新規受注の減少など、今後当社グループの業績に大きな影響を与えることが見込まれます。当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対し迅速かつ的確に対処するため、代表取締役社長を長とする災害対策本部を立ち上げ、従業員の安全確保を第一に、お客様企業のご理解を得ながら、各拠点の環境や業務に応じた感染防止・予防に向けた取り組みを行い、適切な事業継続を図ってまいります。また今後、急激な社会変化を機会とした一層のデジタルシフトの加速が予想されることから、これに対応したサービス開発や提供体制の構築をより積極的に進めてまいります。
当社グループの資本の財源及び資本の流動性について、当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループが運営するコンタクトセンター等に従事するオペレーターの労務費及び派遣会社への外注費です。また、投資資金需要の主なものは、コンタクトセンターの新設や既存センターの設備更新に伴う設備投資等です。
当社グループは運転資金及び投資資金とも、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローと内部留保をベースとした自己資金により賄えるものと判断しておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により対応してまいります。なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。また、株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、Inspiro Relia, Inc.及びInfocom Technologies, Inc.に関するのれん償却費用を親会社株主に帰属する連結純利益に足し戻した金額に対して配当性向45%を目処に利益還元を行っていく方針です。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当社グループは、当面対処すべき課題に対応するため、2021年3月期までの中期計画である「事業戦略2020」を策定し、実行しております。同戦略では「高付加価値サービスの提供による新たな顧客体験価値(CX/Customer Experience)の創造」をテーマに、「デジタルシフト」「企画提案力の強化」「海外事業の推進」「人財強化・総合力の発揮」の4つのイノベーションを起こすことで更なる企業価値向上を目指し、計画期間を通じ収益性の改善を進め、2021年3月期ののれん償却前営業利益率8%を目指しております。
当連結会計年度におけるのれん償却前営業利益率は9.3%となりました。当連結会計年度においては、大型スポット業務の受注増など一時的な要素もありましたが、「事業戦略2020」の重点取り組みの着実な実行の成果が顕れたものと評価しており、最終年度にあたる次期についても「事業戦略2020」の各取り組みを推進し、のれん償却前営業利益率8%を達成できるよう取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内経済は、上半期は緩やかな拡大を続けましたが、下半期は海外経済の減速や自然災害、消費税率引き上げ等の影響を受けました。当社グループが属するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業界では、企業が直面する課題を解決するための堅調なアウトソーシング需要があった一方、労働需給の逼迫の影響を受けました。
また、当連結会計年度において発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は経済活動に深刻な影響を及ぼしており、当社グループが属するBPO業界も先行きの不透明感が極めて高い状況にあります。当連結会計年度末時点においては、国内連結会社では一部業務の縮小やスタッフの欠勤率の上昇などが見られたものの、事業活動に大きな支障を与えておらず、海外連結会社は12月決算であることから影響は軽微でありました。しかしながら、感染症対策のため当社が運営するコンタクトセンターやBPOセンターにおける出勤者の抑制、営業時間の短縮などによる稼働率の低下、営業活動の自粛や経済環境の変化による新規受注の減少など、今後、当社グループの業績に大きな影響を与えることが見込まれます。
当連結会計年度において当社グループは、中期経営計画である「事業戦略2020」の達成に向け、「4つのイノベーションによる収益構造の変革」「ポートフォリオ見直しも含めた採算管理の徹底」「採用・育成強化、離職率抑制による、生産性の向上」に取り組みました。注力分野であるデジタルシフトにおいては、消費者のライフスタイルの変化に伴う問い合わせチャネルの多様化に対応し、チャットボットや有人チャット等のデジタルチャネルの導入・活用を促進するとともに、コンタクトセンター事業者としての強みを活かした各種オムニチャネルサービス(例:「りらいあ先回りサポート」・「りらいあ自己解決パック」)の提供を開始しました。またバックオフィス事業分野でも自動化により業務効率化を実現する「りらいあBPAシステム」の提供を開始したほか、次世代型コンタクトセンターとして新宿リンクスクエアセンターを新たに開設しました。これら当社グループの取り組みを訴求するため、「Relia Success+ 2019」などの大規模セミナーや業界別セミナーの開催や対外発信の強化に取り組ました。なお、2019年2月に発生した不適切な会計処理に対する再発防止に向け、人事評価制度の見直しやコンプライアンス研修、社員参加型のワークショップなどを実施しました。
売上面では、国内業務では金融、公益、流通向けなどを中心に堅調に推移し、また大型スポット業務の受託もありました。海外子会社においては、Inspiro Relia, Inc.にて、新規受注や既存業務の拡大もあり、主要顧客の受注減の影響を補いました。これらの要因により連結売上高は前年同期を上回りました。また利益面では、既存業務の拡張や採算管理の徹底、大型スポット業務の受託、新規業務受注時の採算性確認プロセスの強化に加え、のれん償却費の減少や定着率向上など生産性向上に資する取り組みも寄与し、営業利益は前年同期を上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は128,731百万円(前年同期比11.2%増)、営業利益は11,607百万円(同110.0%増)、経常利益は11,772百万円(同110.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,017百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失7,283百万円)となりました。
また、当連結会計年度ののれん償却前営業利益(営業利益+のれん償却額)は、12,000百万円(同65.9%増)、のれん償却前当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益+のれん償却額)は、8,410百万円(同79.4%増)となりました。なお、前年同期比の計算にあたり使用した前連結会計年度ののれん償却前当期純利益ののれん償却額には、前連結会計年度に計上したのれんの減損損失額を含んでおります。
当社はInspiro Relia, Inc.等の買収に伴うのれん償却費用の影響等を鑑み、のれん償却前営業利益、のれん償却前当期純利益を経営指標として採用しております。
なお、自己資本利益率は19.9%となりました。
セグメント別の業績は、以下のとおりです。
コンタクトセンター事業
金融、公益、流通向けなどを中心に堅調に推移し、金融、公益向けでは大型スポット業務の受注がありました。また、既存業務の採算管理の徹底等も奏功し、当事業の売上高は106,709百万円(同13.1%増)、セグメント利益は9,099百万円(同118.1%増)となりました。
バックオフィス事業
前年同期にあった一部業務の終了等の影響があった一方、消費税増税に伴う大型スポット業務などの受注がありました。その結果、当事業の売上高は16,941百万円(同10.0%増)、セグメント利益は2,273百万円(同73.9%増)となりました。
フィールドオペレーション事業
前年度に引き続き事業の体質改善を目的に選別受注を進めるなどした結果、当事業の売上高は5,080百万円(同15.3%減)、セグメント利益は235百万円(同401.4%増)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、65,968百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,212百万円の増加となりました。主な増加は、現金及び預金6,275百万円、受取手形及び売掛金3,427百万円、リース資産(純額)1,315百万円であり、主な減少は、のれん434百万円、長期預金800百万円です。
負債は23,112百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,170百万円の増加となりました。主な増加は、未払金453百万円、リース債務1,473百万円、未払法人税等2,596百万円、賞与引当金393百万円であり、主な減少は、短期借入金500百万円です。
純資産は42,855百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,041百万円の増加となりました。主な増加は、親会社株主に帰属する当期純利益8,017百万円、主な減少は、剰余金の配当金による支払2,550百万円によるものです。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の67.8%から、65.0%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、22,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,275百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得したキャッシュ・フローは11,083百万円(前連結会計年度は7,595百万円の獲得)となりました。主な増加は、税金等調整前当期純利益11,591百万円、減価償却費2,371百万円、のれん償却額393百万円、未払金の増減額396百万円であり、主な減少は、売上債権の増減額4,510百万円、法人税等の支払額1,572百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用したキャッシュ・フローは1,264百万円(前連結会計年度は3,020百万円の使用)となりました。主な増加は、定期預金の増減額800百万円であり、主な減少は、有形固定資産の取得による支出1,550百万円、無形固定資産の取得による支出532百万円、敷金及び保証金の差入による支出687百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用したキャッシュ・フローは3,502百万円(前連結会計年度は4,248百万円の使用)となりました。主な減少は、短期借入金の増減額500百万円、リース債務の返済による支出451百万円、配当金の支払額2,550百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの主たる事業であるコンタクトセンター事業は、お客様企業のマーケティング活動を支援するサービスを提供する事業であり、生産量の測定が極めて困難であるため、記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが顧客企業と締結している契約で規定されているのは、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額の算定に必要な座席数等についてはコール予想等に応じて頻繁に変動します。また、コール実績に応じて売上が計上される契約については受注金額の特定が極めて困難であります。従いまして、受注とはいえ受注金額を確定することが困難な状況であるため、同数値の掲載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| コンタクトセンター事業 | 106,709 | +13.1 |
| バックオフィス事業 | 16,941 | +10.0 |
| フィールドオペレーション事業 | 5,080 | △15.3 |
| 報告セグメント計 | 128,731 | +11.2 |
| 合計 | 128,731 | +11.2 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における、経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒債権、退職金、投資等に関する見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。従いまして、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また国際財務報告基準を適用している一部の在外子会社は、当連結会計年度より、国際財務報告基準第16号「リース」を適用しております。これらの詳細は「第5 経理の状況」の注記事項に記載の通りです。
② 当連結会計年度の経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、連結売上高は前連結会計年度に比べ、11.2%の増加となる128,731百万円となりました。国内においては、金融、公益、流通向けを中心に堅調に推移し、また大型スポット業務の受託がありました。海外子会社では、Inspiro Relia, Inc.にて、新規受注や既存業務の拡大があり、主要顧客向けの売上減少を補うことで、事業計画を上回りました。
販売費及び一般管理費は、人事制度改革やガバナンス強化に向けコーポレート部門の強化を行った一方、のれん償却費の減少があり、前連結会計年度に比べ7.7%の減少となる10,650百万円となりました。
営業利益は、既存業務の拡張や採算管理の徹底、大型スポット業務の受託、新規業務受注時の採算性確認プロセスの強化に加え、定着率向上など生産性向上に資する取り組みも寄与し、110.0%の増加となる11,607百万円となりました。
セグメントごとの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、当社グループは期間限定の業務の受託や主要顧客の業績動向により、売上高、利益ともに大きな影響を受ける傾向があります。新規受託、または業務量が拡大した場合、売上高の増加のみならず、採算性が改善する可能性が高くなりますが、業務の終了、または業務量が縮小した場合には売上高の減少とともに採算性が悪化する可能性があります。当社グループといたしましては、より柔軟且つ機動力のあるコスト構造の維持・改善に努めるとともに、業務量減少の際には迅速なコスト調整を図ることによって、そのマイナス影響を可能な限り抑制していきたいと考えております。
また、当社グループは、業務遂行のため多数のオペレーターが必要となります。労働人口減少や景気好転などにより、十分な労働力が確保できない、または採用費や人件費の上昇により、機会損失や採算性の低下する可能性があります。当社グループといたしましては、地方拠点の活用や様々な求職者層に向けた採用活動や人事制度を適宜見直すことにより、優秀なオペレーターの安定的な確保に努めて参りたいと考えております。
当社グループは、中期計画である「事業戦略2020」において海外事業の推進を掲げ、主に米国、フィリピン、ベトナム、タイでサービスを展開しております。このため、海外各国の顧客動向、為替相場、景気動向、法律・規制の変更、政治・経済状況の変化、税制の変更、テロ及び戦争その他要因による社会的混乱などの潜在的なリスクに対処できないことなどにより事業推進が困難となった場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、各国の事業が計画通りに進捗しない場合、経営成績に影響を与える可能性があります。なお、海外子会社において新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う現地当局の強制隔離措置等により、センター稼働率の低下や感染症対策の経費増などの影響が生じる一方、自宅で過ごす消費者からの需要に起因したコールセンター業務拡大の要請も発生しています。海外子会社は12月決算であることから、当連結会計年度への影響は軽微であったものの、海外事業における今後の業績に与える影響を見通しづらい状況にあり、現地状況を注視しながら、適時適切に対処してまいります。
当連結会計年度において発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大は経済活動に深刻な影響を及ぼしており、当社グループが属するBPO業界も先行きの不透明感が極めて高い状況にあります。当連結会計年度における当社グループの業績に与える影響は軽微であったものの、当社グループが運営するコンタクトセンターやBPOセンターにおける出勤者の抑制、営業時間の短縮などによる稼働率の低下、営業活動の自粛や経済環境の変化による新規受注の減少など、今後当社グループの業績に大きな影響を与えることが見込まれます。当社グループは、新型コロナウイルス感染症に対し迅速かつ的確に対処するため、代表取締役社長を長とする災害対策本部を立ち上げ、従業員の安全確保を第一に、お客様企業のご理解を得ながら、各拠点の環境や業務に応じた感染防止・予防に向けた取り組みを行い、適切な事業継続を図ってまいります。また今後、急激な社会変化を機会とした一層のデジタルシフトの加速が予想されることから、これに対応したサービス開発や提供体制の構築をより積極的に進めてまいります。
当社グループの資本の財源及び資本の流動性について、当社グループの運転資金需要の主なものは、当社グループが運営するコンタクトセンター等に従事するオペレーターの労務費及び派遣会社への外注費です。また、投資資金需要の主なものは、コンタクトセンターの新設や既存センターの設備更新に伴う設備投資等です。
当社グループは運転資金及び投資資金とも、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローと内部留保をベースとした自己資金により賄えるものと判断しておりますが、必要に応じて金融機関からの借入等により対応してまいります。なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。また、株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、Inspiro Relia, Inc.及びInfocom Technologies, Inc.に関するのれん償却費用を親会社株主に帰属する連結純利益に足し戻した金額に対して配当性向45%を目処に利益還元を行っていく方針です。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。
当社グループは、当面対処すべき課題に対応するため、2021年3月期までの中期計画である「事業戦略2020」を策定し、実行しております。同戦略では「高付加価値サービスの提供による新たな顧客体験価値(CX/Customer Experience)の創造」をテーマに、「デジタルシフト」「企画提案力の強化」「海外事業の推進」「人財強化・総合力の発揮」の4つのイノベーションを起こすことで更なる企業価値向上を目指し、計画期間を通じ収益性の改善を進め、2021年3月期ののれん償却前営業利益率8%を目指しております。
当連結会計年度におけるのれん償却前営業利益率は9.3%となりました。当連結会計年度においては、大型スポット業務の受注増など一時的な要素もありましたが、「事業戦略2020」の重点取り組みの着実な実行の成果が顕れたものと評価しており、最終年度にあたる次期についても「事業戦略2020」の各取り組みを推進し、のれん償却前営業利益率8%を達成できるよう取り組んでまいります。