四半期報告書-第42期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が下押しされ、依然として厳しい状況にありますが、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直しの動きもみられました。
情報サービス産業においては、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワーク関連需要の増加や、通信キャリアの5G商用サービス提供開始を受け今後の展開を見据えた投資が追い風となる一方で、一部事業活動の制限や、業績への影響が大きかった顧客企業を中心に、同投資を抑制又は延期するなどの動きもみられました。
このような状況下、当社グループにおきましては、「リーディング・カンパニーとして、IT産業の進化を担う」ことを目指した、2019年3月期から2021年3月期までの3か年の中期経営計画「Opening New Horizons ~新しい景色を見るために~」の達成に向け、4つの“Horizons”「上に広げる:ビジネス変革への挑戦」、「前に伸ばす:強みをさらに強く」、「外に出る:新たな分野・リージョンの開拓」、「足元を固める:経営基盤の強化」に引き続き注力しています。また、新型コロナウイルス感染症により働き方や生活スタイルが変化する中、その対応を支援するため、本中期経営計画に則した新たな取り組みも行っています。これらの具体的な取り組みは次のとおりです。
<「上に広げる:ビジネス変革への挑戦」に関する取り組み>・独Celonis SEが提供するプロセスマイニングソリューション「Celonis Intelligent Business Cloud」の取り扱いを開始しました。企業内で日々発生する業務データやログをAIで分析し、業務プロセスにおけるボトルネックや改善点を特定するソリューションです。プロセスの改善に必要なOODAループ※1をツールの中でリアルタイムに実行することが可能です。本ソリューションの提供に加え、データ設計やコンサルティング、設定、既存システムとの連携、運用、教育などのサービスもトータルで提供し、お客様のDXを支援していきます。さらに、6月に設立された一般社団法人プロセスマイニング協会へ特別会員として参加。技術啓蒙や人材育成にも注力していきます。
※1 OODAループ:「観察(Observe)」、「方向づけ(Orient)」、「意思決定(Decide)」、「行動(Act)」を繰り返し行う問題解決方法
・ローコード開発※1基盤OutSystems上で表計算機能を実現する、グレープシティ株式会社のソフトウェア「SpreadJS for OutSystems」の提供を開始しました。同製品は一般的な表計算ソフトと同等の外観や操作性を実現するソフトウェアモジュールで、OutSystemsとシームレスに連携します。当社は、2015年からOutSystemsの取り扱いを開始し、積極的にアジャイル開発やDevOps※2に取り組んでいます。今後も、同開発でのサービスやオプションの拡充に努め、お客様の業務の効率化やDXに貢献していきます。
※1 ローコード開発:プログラミング言語ををほとんど必要としないソフトウェア開発プラットフォーム。ソフトウェアの開発時間短縮が可能
※2 DevOps:ソフトウェア開発手法の一つで、「Development(開発)」と「Operations(運用)」の略語を組み合わせた造語。開発担当と運用担当が密接に協力し合うことで、柔軟かつスピーディーなソフトウェア開発を実現
・慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンターと慶應義塾大学SFC研究所ブロックチェーン・ラボは、当社、Japan Digital Design株式会社、株式会社ジェーシービー、西日本電信電話株式会社、BlockBase株式会社の5社と共同で、慶應義塾大学の学生を対象に在学証明書や卒業見込証明書などをスマートフォンアプリへ発行する、次世代デジタルアイデンティティ基盤の実証実験を2020年10月から開始しました。今回の実証実験は、大学の教務窓口で身分証明書の提示や書面による諸手続きを行わずに、オンラインで各種証明書の入手を可能にする同基盤について、機能や標準化などの検証を行うものです。名前、住所、年齢などの各種属性に加え、卒業証明書などの各種証明データをオンラインで確実に検証可能とするため、汎用化されたデジタル証明書技術Verifiable Credentialsや、特定の企業・組織に依存しない分散型モデルで永続性のある新たなデジタルID規格Decentralized Identifiers(DID)を活用します。
・アサヒグループホールディングス株式会社(以下、アサヒGH)に、3Dシミュレーションや仮想現実(VR)/拡張現実(AR)分野で高い技術力を持つフィンランドのITサービス企業VividWorks Ltd.(以下:VividWorks)のクラウド型3Dビジュアライゼーション「VividPlatform」を提供しました。アサヒGHの「VR商品パッケージ開発支援システム」における3D仮想商品棚で採用されており、仮想空間に店舗、商品棚などを再現し、簡単な操作で商品のデザインや商品棚内のレイアウト、商品棚自体の構成や配置の変更を行うことができます。今後も、当社とVividWorksは、VR/ARの技術によって、お客様の商品開発や営業、マーケティングにおけるDXに貢献していきます。
<「前に伸ばす:強みをさらに強く」に関する取り組み>・年金積立金管理運用独立行政法人(以下:GPIF)に、資産運用でのベンチマークとなるインデックス情報の収集・分析を行うクラウド基盤の提供を開始しました。GPIFでは、指数会社より提案されるスマートベータ指数やESG指数など、様々なインデックス情報を収集する「インデックス・ポスティング」を開始しています。今回のクラウド基盤の提供によって、これまで時間限定で受け付けていた指数会社からの提案が常時受付可能となり、様々なインデックス情報の収集・蓄積の効率化が実現されました。また、クラウド基盤に搭載された高度データ分析機能を活用することで、インデックスに含まれる企業に関する財務情報だけでなく、ESG情報を含む非財務情報を併せて分析することができ、運用の高度化につなげることができました。
・商業施設や交通機関、公共施設向けにソーシャルディスタンシングに応じた定量評価サービスの提供を開始しました。当社における60年以上にわたるデジタルシミュレーションの知見をもとにしたサービスで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的としたソーシャルディスタンスの確保に伴う待ち行列の発生や集団密度の上昇などを予測して、課題を特定し、対策の効果を評価することで施設運用を支援します。今後も、シミュレーション技術の高度化に取り組み、関連サービスを拡充していくことで、様々な施設の安心で安全な利用に貢献していきます。
・お客様のクラウド活用への貢献を目的に、韓国の大手IT企業Megazone Corporationグループの米国法人MEGAZONE CORPORATIONと資本提携及び業務提携を行い、マルチクラウドの利用を効率化するソリューションの提供を開始しました。今後も Megazone Corporationグループと共同で新技術の活用や新サービスの開発に取り組み、コストの最適化や運用の負荷軽減など、日本及びアジアを中心としたグローバルのお客様のクラウド活用に貢献していきます。
・株式会社日立システムズとセキュリティ分野におけるサービスラインアップの拡充や事業拡大を目的に協業を開始しました。SOC(Security Operation Center)運用プラットフォームの共同利用や、技術・ノウハウやサービスの相互利用、またそれらを通じたセキュリティ人材の育成を推進し、両社の強みを組み合わせたサービスの提供を行うことにより、お客様のセキュリティにおける課題解決に貢献していきます。
・通信キャリア各社より5Gサービスに関するネットワーク構築案件を継続的に受注しています。また、当社が新たにチャレンジしていく領域として位置付けていた「RAN※1領域」の拡大において、従来より取り組んでいるフロントホール※2に加え、Open-RAN※3や運用自動化に向け期待されるクラウドネイティブ技術を活用することにより、新たな領域でも一部の案件を獲得することができました。当社では、早くからネットワーク仮想化技術に関する人材育成、お客様やベンダーとの共同検証などを行っており、こうした取り組みが継続的な案件獲得や領域拡大につながっています。引き続き、通信キャリアの5Gサービス展開を支援していきます。
※1 RAN:Radio Access Networkの略。無線アクセスネットワーク
※2 フロントホール:基地局ノード間を接続するネットワーク
※3 Open-RAN:基地局ノード間の標準インターフェース規格
<「外に出る:新たな分野・リージョンの開拓」に関する取り組み>・当社、日本電気株式会社、株式会社大林組、日本産業パートナーズ株式会社、株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合は、新しい事業を創出するために新会社「BIRD INITIATIVE株式会社(以下:BIRD)」を設立しました。BIRDは、課題や技術を持ち寄って研究開発を行う「共創型R&D」という新たな仕組みを推進し、デジタル技術に関連する研究開発や受託研究、コンサルティング、スタートアップへの投資などを通じた新規事業の創出に取り組みます。
・TAKADA株式会社とともに、インテリア系大型商品の配送を行う物流の合弁会社TriValue株式会社(以下:TriValue)を設立しました。TriValueは大型家具配送の元請事業者として、家具メーカーや、小売業のお客様に配送や倉庫を含めた物流サービスを提供します。荷主、消費者、配送事業者に向けた総合的な物流プラットフォームを活用し、配送可能日や状況をリアルタイムで可視化したり、配送ルートや積み荷を最適化したりすることで、お客様の業務効率化と消費者の利便性向上を実現します。当社は、2011年から輸配送を最適化するクラウドサービス「Mobile Asset Management Service」を提供しています。TriValueは同サービスを活用し、効率的な共同配送を実現するDXを実践していきます。
・ディープラーニングの高速化について高い技術力を持つIdein株式会社(以下:Idein)に出資し、AI/IoTシステムの開発と提供について業務提携を行いました。今回の提携により、ディープラーニングの高速化技術を活用したIdeinのエッジコンピューティングプラットフォーム「Actcast」と、当社のデータ収集・分析技術を組み合わせ、流通小売や製造、社会インフラ、ヘルスケアなどの分野を中心とした企業のDXを支えるAI/IoTソリューションを共同で開発していきます。
・ITOCHU Techno-Solutions America, Inc.(以下:CTCアメリカ)とともにヤフー株式会社(以下:ヤフー)の米国現地法人Actapio, Inc.のデータセンターで稼働する大規模なAI・ビッグデータ基盤を、エネルギー消費効率と運用効率の高いOpen Compute Project※1(以下:OCP)仕様で構築しました。ヤフーでは、2015年以降、同基盤にOCPを採用し、これらの効率の向上を実現してきました。今回の拡張では、AI向けの米NVIDIA社V100 GPU搭載サーバを含め、約3,000台のサーバをCTCアメリカから提供しました。今後も、当社グループは総合力を活かし、同2社のパートナーとして様々な課題に共に取り組み、サービスにおける品質向上と付加価値の創造に貢献していきます。
※1 Open Compute Project:Facebookなどの、大規模ITを活用する企業が主体となり、ユーザー視点での要件を組み込んで、データセンターに最適なハードウェアを設計するプロジェクト。当社は、2013年に運営団体「Open Compute Project Foundation」と国内で初めて認定Solution Provider契約を締結
・株式会社沖縄銀行(以下:沖縄銀行)及び株式会社 おきぎんエス・ピー・オーに、台湾Intumit社のAIチャットボット「SmartRobot」を提供しました。今回沖縄銀行では、インターネットバンキング「おきぎんeパートナー(法人)」におけるお客様からの問い合せ窓口業務で、SmartRobotを利用した自動回答システムを導入しました。窓口業務の一部自動化により、オペレーターの負担軽減に加え、顧客満足度やサービス品質の向上につながっています。当社は、2019年4月にIntumit社へ出資後、2020年12月には増資を行いました。今後も同社と協業を進め、お客様のサービスの更なる向上に貢献していきます。
<「足元を固める:経営基盤の強化」に関する取り組み>・多様な人材が活躍できる環境や風土を醸成するため、社員の働き方変革や健康経営、女性・シニア及び障がい者の活躍支援、育児・介護との両立支援等に取り組んでおり、加えてLGBT(性的マイノリティ)※1やSOGI(性的指向や性自認)※2を含めた更なるダイバーシティ推進を図るため、ダイバーシティ基本方針を策定しました。本方針に基づき、LGBTやSOGIに関する相談窓口の設置や社内研修を行い社員の理解を促進しています。また、これらの取り組みなどが認められ、任意団体「work with Pride」が策定する、LGBTなどの性的マイノリティへの取り組みの評価指標「PRIDE指標2020」における最高位「ゴールド」を取得しました。一人ひとりが意欲を持ち、多彩な個性が多様な働き方で力を合わせ、新しいことに挑戦し自己実現できる職場環境こそが新たなソリューションや良いサービスを生み出すと考えます。今後も、年齢、性別、性自認や性的指向、国籍、障がいの有無等に関わらず、すべての社員を尊重し、ダイバーシティの浸透を図っていきます。
※1 LGBT:レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル/トランスジェンダーの頭文字。性的マイノリティの総称
※2 SOGI:性的指向及び性自認(Sexual Orientation and Gender Identity)の頭文字
・新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言下の現在、当社グループでは、原則、全ての役職員が在宅勤務へと移行しています。従前よりテレワーク環境の整備や、チャットツールの導入、ペーパーレス化など、在宅勤務でも生産性を維持・向上できる仕組みを構築しており、これらを活用することで、状況に合わせた柔軟な働き方が可能になっています。今後、イノベーティブな発想のためのコミュニケーション、一体感の醸成、適切な統制活動などの場としてのオフィスワークの有効性も認識しつつ、感染拡大防止策の徹底を基本としたコロナ禍におけるより良い働き方を追求していきます。
・総務省がテレワークの普及促進を目的としてその導入・活用に十分な実績を持つ企業を選定する「テレワーク先駆者百選」に選ばれました。当社は、社員の働きがい向上を目指した「働き方変革」を推進し、働く「時間」と「場所」の選択肢を拡げてきました。今後も、これを継続するとともに、変化を楽しみ、多様性を価値に変えることができる創造性豊かな人材が成長し、挑戦し続けるための環境づくり、仕組みづくりに取り組んでいきます。
営業活動につきましては、通信向け5G関連案件や、官公庁及び鉄道向けインフラや開発などに注力しました。
当第3四半期連結累計期間の業績は、製品ビジネス及びサービスビジネスにおいて増加し、売上収益は330,883百万円(前年同期比1.1%増)となりました。営業利益につきましては、その他の収益及び費用の増加により、22,952百万円(同5.0%減)となりました。また、営業利益の減少により税引前四半期利益は23,047百万円(同4.3%減)、四半期純利益は16,073百万円(同2.5%減)、当社株主に帰属する四半期純利益は15,868百万円(同1.8%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分方法を変更しているため、前第3四半期連結累計期間との比較・分析は変更後の区分方法に基づいております。
① エンタープライズ事業
エネルギー向けインフラや、運輸及び製造向けインフラ、サービスなどが減少し、売上収益は90,060百万円(前年同期比3.4%減)となりました。減収に加え販売費及び一般管理費の増加により、税引前四半期利益は4,251百万円(同11.6%減)となりました。
② 流通事業
流通向け開発やカード向けインフラなどが減少し、売上収益は38,101百万円(同13.8%減)となりました。減収に加え売上総利益率の低下や販売費及び一般管理費の増加などにより、税引前四半期利益は217百万円(同94.6%減)となりました。
③ 情報通信事業
通信向け5G関連案件などが増加し、売上収益は120,833百万円(同11.8%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前四半期利益は8,853百万円(同20.9%増)となりました。
④ 広域・社会インフラ事業
官公庁や鉄道向けインフラ及び開発などが増加し、売上収益は42,914百万円(同3.3%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前四半期利益は1,880百万円(同85.6%増)となりました。
⑤ 金融事業
政府系金融機関向けインフラ及び開発などが増加し、売上収益は17,539百万円(同4.3%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前四半期利益は1,417百万円(同123.2%増)となりました。
⑥ ITサービス事業
当セグメントは、クラウド関連やデータセンタービジネスを全社横断的に提供しており、売上収益は84,370百万円(同2.6%増)、税引前四半期利益は8,237百万円(同0.6%増)となりました。
⑦ その他
海外子会社における案件の減少などにより、売上収益は28,941百万円(同9.4%減)となりましたが、売上総利益率の改善やその他収益の増加などにより、税引前四半期利益は1,836百万円(同19.9%増)となりました。
(注)上記セグメントの売上収益及び税引前四半期利益は、セグメント間の内部売上収益等を含めて表示しております。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べて11,351百万円減少し、427,465百万円となりました。これは、主に棚卸資産が16,286百万円、その他の流動資産が8,677百万円増加したものの、営業債権及びその他の債権が35,448百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて14,207百万円減少し、186,044百万円となりました。これは、主にその他の流動負債が14,497百万円増加したものの、営業債務及びその他の債務が16,532百万円、未払法人所得税が10,218百万円減少したことによるものであります。
資本は、前連結会計年度末に比べて2,856百万円増加し、241,421百万円となりました。これは、主に剰余金の配当による減少が14,451百万円あったものの、四半期純利益による増加が16,073百万円、その他の包括利益による増加が1,703百万円あったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べて877百万円増加し、75,492百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は25,325百万円となりました。これは、税引前四半期利益23,047百万円、減価償却費及び償却費12,397百万円、営業債権及びその他の債権が31,656百万円の減少となったものの、棚卸資産が16,193百万円の増加、営業債務及びその他の債務が16,351百万円の減少、法人所得税の支払額が15,002百万円の支出となったことによるものであります。
前第3四半期連結累計期間との比較では、営業活動による収入は3,820百万円減少しております。これは、営業債権及びその他の債権の増減額が減少したこと、及び法人所得税の支払額が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は5,356百万円となりました。これは、既存データセンターの設備増強等のため有形固定資産の取得による支出が2,826百万円となったこと、無形資産の取得による支出が1,317百万円となったことに加え、関連会社株式の取得による支出が1,007百万円となったことによるものであります。
前第3四半期連結累計期間との比較では、投資活動による支出は8,422百万円減少しております。これは、子会社株式の取得による支出及び関連会社株式の取得による支出が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は19,017百万円となりました。これは、セール・アンド・リースバックによる収入が4,125百万円となったものの、リース負債の返済による支出が8,886百万円となったことに加え、当社株主への配当金の支払額が14,346百万円となったことによるものであります。
前第3四半期連結累計期間との比較では、財務活動による支出は3,793百万円増加しております。これは、セール・アンド・リースバックによる収入が減少したこと、及び当社株主への配当金の支払額が増加したこと等によるものであります。
(4) 研究開発活動
当社グループの当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、1,151百万円(情報通信事業 212百万円、サービスデザイングループ 444百万円、その他 493百万円)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が下押しされ、依然として厳しい状況にありますが、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、持ち直しの動きもみられました。
情報サービス産業においては、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワーク関連需要の増加や、通信キャリアの5G商用サービス提供開始を受け今後の展開を見据えた投資が追い風となる一方で、一部事業活動の制限や、業績への影響が大きかった顧客企業を中心に、同投資を抑制又は延期するなどの動きもみられました。
このような状況下、当社グループにおきましては、「リーディング・カンパニーとして、IT産業の進化を担う」ことを目指した、2019年3月期から2021年3月期までの3か年の中期経営計画「Opening New Horizons ~新しい景色を見るために~」の達成に向け、4つの“Horizons”「上に広げる:ビジネス変革への挑戦」、「前に伸ばす:強みをさらに強く」、「外に出る:新たな分野・リージョンの開拓」、「足元を固める:経営基盤の強化」に引き続き注力しています。また、新型コロナウイルス感染症により働き方や生活スタイルが変化する中、その対応を支援するため、本中期経営計画に則した新たな取り組みも行っています。これらの具体的な取り組みは次のとおりです。
<「上に広げる:ビジネス変革への挑戦」に関する取り組み>・独Celonis SEが提供するプロセスマイニングソリューション「Celonis Intelligent Business Cloud」の取り扱いを開始しました。企業内で日々発生する業務データやログをAIで分析し、業務プロセスにおけるボトルネックや改善点を特定するソリューションです。プロセスの改善に必要なOODAループ※1をツールの中でリアルタイムに実行することが可能です。本ソリューションの提供に加え、データ設計やコンサルティング、設定、既存システムとの連携、運用、教育などのサービスもトータルで提供し、お客様のDXを支援していきます。さらに、6月に設立された一般社団法人プロセスマイニング協会へ特別会員として参加。技術啓蒙や人材育成にも注力していきます。
※1 OODAループ:「観察(Observe)」、「方向づけ(Orient)」、「意思決定(Decide)」、「行動(Act)」を繰り返し行う問題解決方法
・ローコード開発※1基盤OutSystems上で表計算機能を実現する、グレープシティ株式会社のソフトウェア「SpreadJS for OutSystems」の提供を開始しました。同製品は一般的な表計算ソフトと同等の外観や操作性を実現するソフトウェアモジュールで、OutSystemsとシームレスに連携します。当社は、2015年からOutSystemsの取り扱いを開始し、積極的にアジャイル開発やDevOps※2に取り組んでいます。今後も、同開発でのサービスやオプションの拡充に努め、お客様の業務の効率化やDXに貢献していきます。
※1 ローコード開発:プログラミング言語ををほとんど必要としないソフトウェア開発プラットフォーム。ソフトウェアの開発時間短縮が可能
※2 DevOps:ソフトウェア開発手法の一つで、「Development(開発)」と「Operations(運用)」の略語を組み合わせた造語。開発担当と運用担当が密接に協力し合うことで、柔軟かつスピーディーなソフトウェア開発を実現
・慶應義塾インフォメーションテクノロジーセンターと慶應義塾大学SFC研究所ブロックチェーン・ラボは、当社、Japan Digital Design株式会社、株式会社ジェーシービー、西日本電信電話株式会社、BlockBase株式会社の5社と共同で、慶應義塾大学の学生を対象に在学証明書や卒業見込証明書などをスマートフォンアプリへ発行する、次世代デジタルアイデンティティ基盤の実証実験を2020年10月から開始しました。今回の実証実験は、大学の教務窓口で身分証明書の提示や書面による諸手続きを行わずに、オンラインで各種証明書の入手を可能にする同基盤について、機能や標準化などの検証を行うものです。名前、住所、年齢などの各種属性に加え、卒業証明書などの各種証明データをオンラインで確実に検証可能とするため、汎用化されたデジタル証明書技術Verifiable Credentialsや、特定の企業・組織に依存しない分散型モデルで永続性のある新たなデジタルID規格Decentralized Identifiers(DID)を活用します。
・アサヒグループホールディングス株式会社(以下、アサヒGH)に、3Dシミュレーションや仮想現実(VR)/拡張現実(AR)分野で高い技術力を持つフィンランドのITサービス企業VividWorks Ltd.(以下:VividWorks)のクラウド型3Dビジュアライゼーション「VividPlatform」を提供しました。アサヒGHの「VR商品パッケージ開発支援システム」における3D仮想商品棚で採用されており、仮想空間に店舗、商品棚などを再現し、簡単な操作で商品のデザインや商品棚内のレイアウト、商品棚自体の構成や配置の変更を行うことができます。今後も、当社とVividWorksは、VR/ARの技術によって、お客様の商品開発や営業、マーケティングにおけるDXに貢献していきます。
<「前に伸ばす:強みをさらに強く」に関する取り組み>・年金積立金管理運用独立行政法人(以下:GPIF)に、資産運用でのベンチマークとなるインデックス情報の収集・分析を行うクラウド基盤の提供を開始しました。GPIFでは、指数会社より提案されるスマートベータ指数やESG指数など、様々なインデックス情報を収集する「インデックス・ポスティング」を開始しています。今回のクラウド基盤の提供によって、これまで時間限定で受け付けていた指数会社からの提案が常時受付可能となり、様々なインデックス情報の収集・蓄積の効率化が実現されました。また、クラウド基盤に搭載された高度データ分析機能を活用することで、インデックスに含まれる企業に関する財務情報だけでなく、ESG情報を含む非財務情報を併せて分析することができ、運用の高度化につなげることができました。
・商業施設や交通機関、公共施設向けにソーシャルディスタンシングに応じた定量評価サービスの提供を開始しました。当社における60年以上にわたるデジタルシミュレーションの知見をもとにしたサービスで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的としたソーシャルディスタンスの確保に伴う待ち行列の発生や集団密度の上昇などを予測して、課題を特定し、対策の効果を評価することで施設運用を支援します。今後も、シミュレーション技術の高度化に取り組み、関連サービスを拡充していくことで、様々な施設の安心で安全な利用に貢献していきます。
・お客様のクラウド活用への貢献を目的に、韓国の大手IT企業Megazone Corporationグループの米国法人MEGAZONE CORPORATIONと資本提携及び業務提携を行い、マルチクラウドの利用を効率化するソリューションの提供を開始しました。今後も Megazone Corporationグループと共同で新技術の活用や新サービスの開発に取り組み、コストの最適化や運用の負荷軽減など、日本及びアジアを中心としたグローバルのお客様のクラウド活用に貢献していきます。
・株式会社日立システムズとセキュリティ分野におけるサービスラインアップの拡充や事業拡大を目的に協業を開始しました。SOC(Security Operation Center)運用プラットフォームの共同利用や、技術・ノウハウやサービスの相互利用、またそれらを通じたセキュリティ人材の育成を推進し、両社の強みを組み合わせたサービスの提供を行うことにより、お客様のセキュリティにおける課題解決に貢献していきます。
・通信キャリア各社より5Gサービスに関するネットワーク構築案件を継続的に受注しています。また、当社が新たにチャレンジしていく領域として位置付けていた「RAN※1領域」の拡大において、従来より取り組んでいるフロントホール※2に加え、Open-RAN※3や運用自動化に向け期待されるクラウドネイティブ技術を活用することにより、新たな領域でも一部の案件を獲得することができました。当社では、早くからネットワーク仮想化技術に関する人材育成、お客様やベンダーとの共同検証などを行っており、こうした取り組みが継続的な案件獲得や領域拡大につながっています。引き続き、通信キャリアの5Gサービス展開を支援していきます。
※1 RAN:Radio Access Networkの略。無線アクセスネットワーク
※2 フロントホール:基地局ノード間を接続するネットワーク
※3 Open-RAN:基地局ノード間の標準インターフェース規格
<「外に出る:新たな分野・リージョンの開拓」に関する取り組み>・当社、日本電気株式会社、株式会社大林組、日本産業パートナーズ株式会社、株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合は、新しい事業を創出するために新会社「BIRD INITIATIVE株式会社(以下:BIRD)」を設立しました。BIRDは、課題や技術を持ち寄って研究開発を行う「共創型R&D」という新たな仕組みを推進し、デジタル技術に関連する研究開発や受託研究、コンサルティング、スタートアップへの投資などを通じた新規事業の創出に取り組みます。
・TAKADA株式会社とともに、インテリア系大型商品の配送を行う物流の合弁会社TriValue株式会社(以下:TriValue)を設立しました。TriValueは大型家具配送の元請事業者として、家具メーカーや、小売業のお客様に配送や倉庫を含めた物流サービスを提供します。荷主、消費者、配送事業者に向けた総合的な物流プラットフォームを活用し、配送可能日や状況をリアルタイムで可視化したり、配送ルートや積み荷を最適化したりすることで、お客様の業務効率化と消費者の利便性向上を実現します。当社は、2011年から輸配送を最適化するクラウドサービス「Mobile Asset Management Service」を提供しています。TriValueは同サービスを活用し、効率的な共同配送を実現するDXを実践していきます。
・ディープラーニングの高速化について高い技術力を持つIdein株式会社(以下:Idein)に出資し、AI/IoTシステムの開発と提供について業務提携を行いました。今回の提携により、ディープラーニングの高速化技術を活用したIdeinのエッジコンピューティングプラットフォーム「Actcast」と、当社のデータ収集・分析技術を組み合わせ、流通小売や製造、社会インフラ、ヘルスケアなどの分野を中心とした企業のDXを支えるAI/IoTソリューションを共同で開発していきます。
・ITOCHU Techno-Solutions America, Inc.(以下:CTCアメリカ)とともにヤフー株式会社(以下:ヤフー)の米国現地法人Actapio, Inc.のデータセンターで稼働する大規模なAI・ビッグデータ基盤を、エネルギー消費効率と運用効率の高いOpen Compute Project※1(以下:OCP)仕様で構築しました。ヤフーでは、2015年以降、同基盤にOCPを採用し、これらの効率の向上を実現してきました。今回の拡張では、AI向けの米NVIDIA社V100 GPU搭載サーバを含め、約3,000台のサーバをCTCアメリカから提供しました。今後も、当社グループは総合力を活かし、同2社のパートナーとして様々な課題に共に取り組み、サービスにおける品質向上と付加価値の創造に貢献していきます。
※1 Open Compute Project:Facebookなどの、大規模ITを活用する企業が主体となり、ユーザー視点での要件を組み込んで、データセンターに最適なハードウェアを設計するプロジェクト。当社は、2013年に運営団体「Open Compute Project Foundation」と国内で初めて認定Solution Provider契約を締結
・株式会社沖縄銀行(以下:沖縄銀行)及び株式会社 おきぎんエス・ピー・オーに、台湾Intumit社のAIチャットボット「SmartRobot」を提供しました。今回沖縄銀行では、インターネットバンキング「おきぎんeパートナー(法人)」におけるお客様からの問い合せ窓口業務で、SmartRobotを利用した自動回答システムを導入しました。窓口業務の一部自動化により、オペレーターの負担軽減に加え、顧客満足度やサービス品質の向上につながっています。当社は、2019年4月にIntumit社へ出資後、2020年12月には増資を行いました。今後も同社と協業を進め、お客様のサービスの更なる向上に貢献していきます。
<「足元を固める:経営基盤の強化」に関する取り組み>・多様な人材が活躍できる環境や風土を醸成するため、社員の働き方変革や健康経営、女性・シニア及び障がい者の活躍支援、育児・介護との両立支援等に取り組んでおり、加えてLGBT(性的マイノリティ)※1やSOGI(性的指向や性自認)※2を含めた更なるダイバーシティ推進を図るため、ダイバーシティ基本方針を策定しました。本方針に基づき、LGBTやSOGIに関する相談窓口の設置や社内研修を行い社員の理解を促進しています。また、これらの取り組みなどが認められ、任意団体「work with Pride」が策定する、LGBTなどの性的マイノリティへの取り組みの評価指標「PRIDE指標2020」における最高位「ゴールド」を取得しました。一人ひとりが意欲を持ち、多彩な個性が多様な働き方で力を合わせ、新しいことに挑戦し自己実現できる職場環境こそが新たなソリューションや良いサービスを生み出すと考えます。今後も、年齢、性別、性自認や性的指向、国籍、障がいの有無等に関わらず、すべての社員を尊重し、ダイバーシティの浸透を図っていきます。
※1 LGBT:レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル/トランスジェンダーの頭文字。性的マイノリティの総称
※2 SOGI:性的指向及び性自認(Sexual Orientation and Gender Identity)の頭文字
・新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言下の現在、当社グループでは、原則、全ての役職員が在宅勤務へと移行しています。従前よりテレワーク環境の整備や、チャットツールの導入、ペーパーレス化など、在宅勤務でも生産性を維持・向上できる仕組みを構築しており、これらを活用することで、状況に合わせた柔軟な働き方が可能になっています。今後、イノベーティブな発想のためのコミュニケーション、一体感の醸成、適切な統制活動などの場としてのオフィスワークの有効性も認識しつつ、感染拡大防止策の徹底を基本としたコロナ禍におけるより良い働き方を追求していきます。
・総務省がテレワークの普及促進を目的としてその導入・活用に十分な実績を持つ企業を選定する「テレワーク先駆者百選」に選ばれました。当社は、社員の働きがい向上を目指した「働き方変革」を推進し、働く「時間」と「場所」の選択肢を拡げてきました。今後も、これを継続するとともに、変化を楽しみ、多様性を価値に変えることができる創造性豊かな人材が成長し、挑戦し続けるための環境づくり、仕組みづくりに取り組んでいきます。
営業活動につきましては、通信向け5G関連案件や、官公庁及び鉄道向けインフラや開発などに注力しました。
当第3四半期連結累計期間の業績は、製品ビジネス及びサービスビジネスにおいて増加し、売上収益は330,883百万円(前年同期比1.1%増)となりました。営業利益につきましては、その他の収益及び費用の増加により、22,952百万円(同5.0%減)となりました。また、営業利益の減少により税引前四半期利益は23,047百万円(同4.3%減)、四半期純利益は16,073百万円(同2.5%減)、当社株主に帰属する四半期純利益は15,868百万円(同1.8%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分方法を変更しているため、前第3四半期連結累計期間との比較・分析は変更後の区分方法に基づいております。
① エンタープライズ事業
エネルギー向けインフラや、運輸及び製造向けインフラ、サービスなどが減少し、売上収益は90,060百万円(前年同期比3.4%減)となりました。減収に加え販売費及び一般管理費の増加により、税引前四半期利益は4,251百万円(同11.6%減)となりました。
② 流通事業
流通向け開発やカード向けインフラなどが減少し、売上収益は38,101百万円(同13.8%減)となりました。減収に加え売上総利益率の低下や販売費及び一般管理費の増加などにより、税引前四半期利益は217百万円(同94.6%減)となりました。
③ 情報通信事業
通信向け5G関連案件などが増加し、売上収益は120,833百万円(同11.8%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前四半期利益は8,853百万円(同20.9%増)となりました。
④ 広域・社会インフラ事業
官公庁や鉄道向けインフラ及び開発などが増加し、売上収益は42,914百万円(同3.3%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前四半期利益は1,880百万円(同85.6%増)となりました。
⑤ 金融事業
政府系金融機関向けインフラ及び開発などが増加し、売上収益は17,539百万円(同4.3%増)となりました。増収に加え売上総利益率の改善などにより、税引前四半期利益は1,417百万円(同123.2%増)となりました。
⑥ ITサービス事業
当セグメントは、クラウド関連やデータセンタービジネスを全社横断的に提供しており、売上収益は84,370百万円(同2.6%増)、税引前四半期利益は8,237百万円(同0.6%増)となりました。
⑦ その他
海外子会社における案件の減少などにより、売上収益は28,941百万円(同9.4%減)となりましたが、売上総利益率の改善やその他収益の増加などにより、税引前四半期利益は1,836百万円(同19.9%増)となりました。
(注)上記セグメントの売上収益及び税引前四半期利益は、セグメント間の内部売上収益等を含めて表示しております。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べて11,351百万円減少し、427,465百万円となりました。これは、主に棚卸資産が16,286百万円、その他の流動資産が8,677百万円増加したものの、営業債権及びその他の債権が35,448百万円減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べて14,207百万円減少し、186,044百万円となりました。これは、主にその他の流動負債が14,497百万円増加したものの、営業債務及びその他の債務が16,532百万円、未払法人所得税が10,218百万円減少したことによるものであります。
資本は、前連結会計年度末に比べて2,856百万円増加し、241,421百万円となりました。これは、主に剰余金の配当による減少が14,451百万円あったものの、四半期純利益による増加が16,073百万円、その他の包括利益による増加が1,703百万円あったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べて877百万円増加し、75,492百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と主な内容は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は25,325百万円となりました。これは、税引前四半期利益23,047百万円、減価償却費及び償却費12,397百万円、営業債権及びその他の債権が31,656百万円の減少となったものの、棚卸資産が16,193百万円の増加、営業債務及びその他の債務が16,351百万円の減少、法人所得税の支払額が15,002百万円の支出となったことによるものであります。
前第3四半期連結累計期間との比較では、営業活動による収入は3,820百万円減少しております。これは、営業債権及びその他の債権の増減額が減少したこと、及び法人所得税の支払額が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は5,356百万円となりました。これは、既存データセンターの設備増強等のため有形固定資産の取得による支出が2,826百万円となったこと、無形資産の取得による支出が1,317百万円となったことに加え、関連会社株式の取得による支出が1,007百万円となったことによるものであります。
前第3四半期連結累計期間との比較では、投資活動による支出は8,422百万円減少しております。これは、子会社株式の取得による支出及び関連会社株式の取得による支出が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は19,017百万円となりました。これは、セール・アンド・リースバックによる収入が4,125百万円となったものの、リース負債の返済による支出が8,886百万円となったことに加え、当社株主への配当金の支払額が14,346百万円となったことによるものであります。
前第3四半期連結累計期間との比較では、財務活動による支出は3,793百万円増加しております。これは、セール・アンド・リースバックによる収入が減少したこと、及び当社株主への配当金の支払額が増加したこと等によるものであります。
(4) 研究開発活動
当社グループの当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、1,151百万円(情報通信事業 212百万円、サービスデザイングループ 444百万円、その他 493百万円)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。