訂正有価証券報告書-第62期(令和1年7月1日-令和2年6月30日)

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2020/11/05 16:38
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(1)経営成績等の状況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社は、社会とともに目指す未来像・方向性として、ソート(Thought)「Innovating for a Wise Future」を掲げております。このソートには、「工学知」をベースにした有益な技術を社会に普及させることで、より賢慮にみちた未来社会を創出していきたいという思いが込められております。その実現に向けて、Professional Design & Engineering Firmとして、工学知に裏付けられた高付加価値なサービスを提供しております。
事業活動においては、収益の拡大と利益の確保、及び得られた利益を再投資に回すサイクルにより、企業として持続的に成長し続けることを重視しており、経営指標としては当社の独自指標である総付加価値を定めております。この総付加価値を配当や給与等の原資として考え、株主、社会、顧客、所員、パートナーへ適正に配分することで各ステークホルダーとより良い関係を築いていきたいと考えております。なお、当事業年度の総付加価値は計画値78億円に対し、実績値83億88百万円でした。
収益の拡大に関しては、既存事業において経験曲線効果を重視し、工学知の積み重ねによる着実な付加価値向上を行っております。
利益の確保に関しては、顧客に提供するサービスの品質向上を重視しております。過去に起こった構造設計瑕疵問題や大型プロジェクトの不採算化等を踏まえ、システム開発分野と構造設計業務分野のそれぞれで専門的な品質保証センターを設置し、組織的な品質管理体制を構築・運用しております。各事業分野において、見積り段階からのリスク精査による選別受注、プロジェクトマネジメントの向上による大型不採算プロジェクトの抑制やサービス品質の確保に取り組んでおります。これらを通じて、品質に妥協しない組織風土の醸成に継続して取り組んでおります。また、高付加価値サービスに見合う見積り価格の提示等にも取り組んでおります。
得られた利益を再投資に回すことに関しては、社内新規事業開発テーマへの投資や、国内外を問わず最先端の技術を持つパートナーとの協業により、新しい事業の開発に努めております。さらに、人才の育成や働く環境の向上にも積極的に投資をしております。
パートナーへの投資に際しては、当社の特徴でもある技術コンサルティングの価値向上につながること、及び投資先と当社の間で企業文化に親和性があることを重視しております。前者に関しては、投資先の事業と当社の持つ様々な技術との連携や知財の開発が重要と考えております。また後者に関しては、当社と共通する企業風土を持ち、協業を目指して対等で良好な関係を長期的に維持できることが重要と考えております。これらの方針に基づき、近年は特に海外のパートナーとの新規事業開発を積極的に行っております。2013年にスタートした米国Twilio, Inc.のクラウドベースメール配信サービス「Twilio SendGrid」は、サブスクリプション型のビジネスモデルを採用し、売上を拡大するとともに、利益面においても順調に成長しております。2016年にスタートした米国LockState, Inc.の入退室管理クラウドサービス「RemoteLOCK」も、IoT時代における建物や住まいに新たな付加価値をもたらす事業として、着実に売り上げを伸ばしております。大学発のドイツのスタートアップ企業NavVis GmbHの大規模施設デジタル化ソリューション「NavVis」は、デジタルツイン・スマートファクトリー化や施設の遠隔維持管理を支援するサービスとして、事業基盤の構築に取り組んでおります。また、先端的な技術の社会実装を目指し、大学・研究機関との共同研究や連携活動を通じた事業開発を行っております。東京大学と共同開発したリアルタイム洪水予測システム「RiverCast」は、早期の避難判断や河川周辺の施設・工事現場でのオペレーションを支援するサービスとして、現在展開を進めております。このサービスの核となる技術の研究開発成果は、ネイチャー・パブリッシング・グループの総合科学雑誌「Scientific Reports」(オンライン版)に掲載されました。さらに、社会シミュレーションをクラウド上で実現し、社会課題に対し様々な洞察を提供する「artisoc Cloud」やミッションクリティカル・システムにおけるシステム設計を検証し、安全性、信頼性向上を支援する「DynaSpec」等、社会的な課題の解決に向けたソリューションの開発を推進しております。
そして、当社のビジネスを推進する上で最も重要な人才に関しても、海外を含めた積極的な採用活動等、様々な取り組みを推進しております。特にアジア圏を中心とした採用活動を強化しており、当事業年度末(2020年6月30日時点)において外国籍所員は49名と全所員の約8%を占めております。こうした異なる文化や制度の経験を持つ人才の参画が、当社における多様な価値観の融合による組織の活性化や新たな事業展開につながっています。今後もインターン制度等を活用しながら、幅広い学問分野、国籍からの採用活動を継続してまいります。
また、人才の育成にも引き続き積極的に取り組んでおります。社内人事異動や社外研修制度のみならず、米国スタンフォード大学や中央省庁、研究機関への出向など、社内外を含めた様々な活躍の場を提供することで多様な成長機会を創出しております。さらに、働く場に関しても、今後の事業拡大を目指し、新たに住友中野坂上ビルの2フロアを賃借し、中野坂上別館として開設いたしました。この結果、東京都内のオフィスにおける執務フロア面積は13%増加し、事業拡大に伴う人員増にも対応可能となりました。そのほかにもオフィス環境や福利厚生面の拡充を通じて、優秀な人才がより魅力的な環境で活躍できるように、場の整備を行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載の通りであります。
当事業年度におきましては、前事業年度から繰り越された豊富な受注残に加え135億81百万円(前事業年度は128億23百万円)の受注獲得により、売上高は134億32百万円(前事業年度は119億66百万円)、営業利益は18億55百万円(前事業年度は12億41百万円)、経常利益は17億97百万円(前事業年度は12億46百万円)となりました。なお、特別損失に関係会社株式評価損86百万円を計上しましたが、当期純利益は12億4百万円(前事業年度は6億82百万円)となり、いずれも公表済みの業績予想値を超える結果となりました。また、当事業年度末における受注残高は、前事業年度末を上回る64億27百万円(前事業年度末は62億77百万円)を確保しております。
当事業年度の報告セグメント別の状況は、次のとおりであります。
[エンジニアリングコンサルティング]
当事業年度においては、構造設計コンサルティング業務、住宅メーカー向けシステム開発業務、及び建設・製造業向けシステム開発業務が堅調に推移しました。この結果、売上高は102億41百万円(前事業年度は90億46百万円)、売上総利益は60億76百万円(前事業年度は53億74百万円)となりました。また、受注残高につきましては、53億6百万円(前事業年度末は51億95百万円)となっております。
[プロダクツサービス]
当事業年度においては、米国Twilio, Inc.のクラウドベースメールの配信サービスや米国LockState, Inc.の入退室管理クラウドサービスが順調に販売を拡大しました。また、設計者向けCAEソフト、粒子法流体解析ソフトの販売が堅調に推移しております。この結果、売上高は31億90百万円(前事業年度は29億19百万円)、売上総利益は12億84百万円(前事業年度は10億83百万円)となりました。また、受注残高につきましては、11億20百万円(前事業年度末は10億82百万円)となっております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて6億62百万円増加し、当事業年度末には20億14百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は14億19百万円(前事業年度比2億14百万円収入減)となりました。
これは、主に税引前当期純利益16億88百万円、売上債権の増加額3億19百万円、減価償却費2億76百万円を反映したものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は7億31百万円(前事業年度比7億22百万円支出減)となりました。
これは、主に投資有価証券の取得による支出2億19百万円、その他に含まれる敷金の増加による支出2億1百万円、有形固定資産の取得による支出1億75百万円、無形固定資産の取得による支出1億40百万円を反映したものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は25百万円(前事業年度比1億37百万円支出増)となりました。
これは、主に資金の流入では長期借入れによる収入15億円、自己株式の処分による収入6億15百万円、資金の流出では長期借入金の返済による支出10億96百万円、配当金の支払額5億60百万円を反映したものであります。
③受注及び販売の実績
a.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高受注残高
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)
エンジニアリングコンサルティング10,352,922104.75,306,689102.1
プロダクツサービス3,228,687109.91,120,389103.5
合計13,581,609105.96,427,078102.4

(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
エンジニアリングコンサルティング10,241,324113.2
プロダクツサービス3,190,988109.3
合計13,432,312112.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて判断しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当事業年度におきましては、前事業年度から繰り越された豊富な受注残に加え135億81百万円(前事業年度は128億23百万円)の受注獲得により、売上高は134億32百万円(前事業年度は119億66百万円)、営業利益は18億55百万円(前事業年度は12億41百万円)、経常利益は17億97百万円(前事業年度は12億46百万円)となりました。なお、特別損失に関係会社株式評価損86百万円を計上しましたが、当期純利益は12億4百万円(前事業年度は6億82百万円)となり、いずれも公表済みの業績予想値を超える結果となりました。また、当事業年度末における受注残高は、前事業年度末を上回る64億27百万円(前事業年度末は62億77百万円)を確保しております。
当社の業績は、現状においては堅調に推移しており既存事業の成長は安定的ではあるものの、大幅な伸びは期待できない状況にあると認識しております。当社が新たな価値を持続的に生み出し、ソート(Thought)「Innovating for a Wise Future」に基づき更なる成長を目指すために、今後も積極的な事業投資が必要不可欠であると考えております。
当社はセグメントをエンジニアリングコンサルティング、プロダクツサービスの2つに区分しております。エンジニアリングコンサルティング売上高は102億41百万円(前事業年度は90億46百万円)、プロダクツサービス売上高は31億90百万円(前事業年度は29億19百万円)となりました。詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べて38.8%増加し、58億24百万円となりました。これは、主に現金及び預金が6億62百万円、売掛金が5億61百万円、前渡金が2億21百万円増加したことによります。
固定資産は、前事業年度末に比べて3.5%増加し、91億8百万円となりました。これは、主に投資その他の資産のその他に含まれる敷金1億87百万円、投資有価証券が1億77百万円増加した一方、関係会社株式が86百万円減少したことによります。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べて14.9%増加し、149億32百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べて23.3%増加し、44億83百万円となりました。これは、主に前受金が2億17百万円、未払消費税等が2億9百万円、未払金が1億54百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億52百万円増加したことによります。
固定負債は、前事業年度末に比べて6.3%増加し、41億84百万円となりました。これは、主に長期借入金が2億51百万円、退職給付引当金が62百万円増加する一方、社債が1億円減少したことによります。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べて14.5%増加し、86億67百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前事業年度末に比べて15.5%増加し、62億64百万円となりました。これは、主に繰越利益剰余金が6億44百万円、自己株式が1億79百万円減少したことによります。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2018年6月期2019年6月期2020年6月期
自己資本比率(%)38.341.742.0
時価ベースの自己資本比率(%)85.185.591.0
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.01.51.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)21.892.864.5

自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
3.有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③資本の財源及び資金の流動性
当社は、設備投資計画・研究開発計画に基づいて、必要な資金を社債発行及び銀行借入により調達しております。
社債及び借入金は、設備投資・研究開発投資のための資金と短期的な運転資金の調達を目的としたものであります。短期借入金は、年次・月次の資金計画により調達しておりますが、1年以内の短期間で返済しております。また、長期借入金は固定金利で調達し、金利変動リスクに備えております。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は20億14百万円であり、将来の資金需要に対し適正な水準であると認識しております。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
中長期的な成長を実現していく上で、当社が重視する経営指標は、営業利益に人件費と福利厚生費を加えた総付加価値です。当社の付加価値の源泉が人才であることから、今後もより良い人才を確保し育成していくことこそが、当社を持続的に発展させていくために必要だと考えております。その方針の下、役員の業績連動型報酬制度については総付加価値を基準に設計を行っております。
なお、当事業年度における業績連動報酬に係る指標の目標は78億円で、実績は83億88百万円であります。

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