有価証券報告書-第50期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 事業の取組状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な雇用環境や企業収益の底堅い推移、インバウンド需要の拡大を背景に緩やかな景気回復傾向にある一方で、英国のEU離脱や米中貿易摩擦、中国経済減速懸念など海外経済の不確実性から、依然として、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループにおきましては、「資産効率を重視した『高収益ビジネスモデル』への変革を推進し、更なる持続的成長の礎を築く」という基本方針のもと、2016年度より開始した第三次中期経営計画の最終年度にあたり、経営目標達成に向けて更なる「営業基盤の強化」と「経営基盤の強化」を推進しました。
(営業基盤の強化)
[国内リース事業分野]
・上下水道処理などの水環境事業のリーディングカンパニーである月島機械株式会社と、消化ガス発電事業への取組みを推進・強化することを目的に共同出資による事業会社を設立いたしました。当社及び月島機械株式会社それぞれが保有するノウハウを最大限に活用して、安定した発電事業の運営を行っていく方針です。「創エネルギー」、「地域貢献」、「社会インフラ維持」といった社会課題解決に向けた取組みを共同で展開・推進してまいります。
・サブスクリプション・コマースの総合プラットフォームシステムを開発・提供するビープラッツ株式会社の株式買付けを行い、当社の持分法適用関連会社としました。本買付けは、当社とビープラッツ株式会社の協業関係を発展させ、サブスクリプション型ビジネスへの取組みを進展・強化することを目的としています。
・当社、IoT通信プラットフォームを提供する株式会社ソラコム、ビープラッツ株式会社の3社協業により、IoTサブスクリプション・マーケットプレイス「IoT SELECTION connected with SORACOM」を開設いたしました。IoTとサブスクリプションを融合した新たなデジタルマーケットプレイスの開設により、IoTソリューション活用の新しいカタチを提供し、国内企業のビジネス変革と競争力向上に貢献してまいります。
・株式会社アマダホールディングスの100%子会社である株式会社アマダリースの発行済株式総数の60%を取得し、連結子会社といたしました。当社の培ってきたリース・ファイナンス、課金システムなどのノウハウを投入した先進的なサービススキームの展開、当社及び株式会社アマダホールディングスの広範なグローバルネットワークを活用した海外ビジネスなどに共同で取組んでまいります。
[国内オート事業分野]
・当社連結子会社である日本カーソリューションズ株式会社は、テレマティクスサービス「NCSドライブドクター」の新たな販売チャネルとして、株式会社NTTドコモの法人向けサービス「ビジネスプラス」にてライセンス販売を行う契約を締結しました。日本カーソリューションズ株式会社が従来より提供している「NCSドライブドクター」について、様々なお客様に提供できるチャネルを拡大することで、交通事故・危険運転の削減に貢献してまいります。
・当社連結子会社であるニッポンレンタカーサービス株式会社は、ロンドン・ケンジントン宮殿で開催された2018年ワールド・ブランディング・アワーズにおいて、世界で優れたブランドの一つとして国内レンタカー業界初となる「ブランド・オブ・ザ・イヤー」を受賞いたしました。
[スペシャルティ事業分野]
・太陽光発電設置開発等を行うCIEL ET TERRE TAIWAN LIMITED及び株式会社九電工、九電みらいエナジー株式会社と共同で、台湾の水上太陽光発電事業を行う特定目的会社へ出資いたしました。当社のエネルギー事業として、初めての海外直接投資プロジェクトとなります。日本国内で蓄積してきた知見を活かし、台湾における再生可能エネルギー事業の拡大を目指してまいります。
・株式会社神戸製鋼所の100%子会社である神鋼不動産株式会社の発行済株式総数の70%を取得し、連結子会社といたしました。当社がこれまで培ってきた不動産事業のノウハウやネットワークを活用した様々な事業機会を創出し、神鋼不動産株式会社の更なる成長・企業価値の向上を通じて、不動産事業の事業基盤を拡大・強化してまいります。
・当社持分法適用関連会社であるGA Telesis,LLCに対する持分を追加取得し、合計49.2%を保有する筆頭株主となりました。また当社、GA Telesis,LLC、全日空商事株式会社にて、航空機エンジンリースを目的とした合弁会社を設立いたしました。航空機エンジンに関する高いノウハウを持つGA Telesis,LLCと、全日空商事株式会社を戦略的パートナーとするプラットフォームを通じて、全世界のお客様に対して最適なソリューションを提供するとともに、航空機事業マーケットにおける更なるプレゼンス向上を目指します。
・当社持分法適用関連会社である米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group LLCの増資を引き受け、持分を追加取得しました。当社は、当社からのグロースキャピタルの提供によりAviation Capital Group LLCの成長を一層加速させるとともに、当社グループにおける航空機事業の更なる発展を目指します。
[国際事業分野]
・インドネシアの大手財閥リッポー・グループ傘下の銀行であり、インドネシア証券取引所上場のPT Bank Nationalnobu Tbkの株式を合計9.99%取得いたしました。ファイナンス案件や顧客の相互紹介などで連携していくことについて合意し、包括的業務提携に関する覚書を締結いたしました。
・環境省及びその執行団体である公益財団法人地球環境センターが募集した「2018年度二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」において、当社が応募した「タイ/工業団地への25MW屋根置き及び水上太陽光発電プロジェクト」及び「インドネシア/プラスチック部品工場への高効率射出成型機の導入プロジェクト」が採択されました。今後も、ASEAN各国において、JCMを活用した温室効果ガス削減を始めとした社会的意義の高い取組みを加速してまいります。
・東南アジア地域における配車サービスのプラットフォーム大手Grab Holdings Inc.への追加出資を行うとともに、シンガポールで自動車レンタル事業を展開するGrab Rentals Pte.Ltd.への出資を行いました。当社が国内外で培ってきたファイナンスノウハウをGrab Holdings Inc.のプラットフォームにて活用することにより、配車サービス業界における需要の高まりと多様化するニーズに対応してまいります。
・ミャンマー有数のコングロマリット「SPAグループ」の中核持株会社であるYoma Strategic Holdings Ltd.より、ミャンマーにおいてオートリース・カーシェアリング事業を営むYoma Fleet Ltd.の株式20%を取得する契約を締結いたしました。
(経営基盤の強化)
[財務基盤の充実と強化]
・国内市場において、公募形式によるグリーンボンド(無担保普通社債)を発行いたしました。グリーンボンドは、企業や地方公共団体等が環境改善効果のあるグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券であり、本債券により調達した資金は、当社連結子会社である京セラTCLソーラー合同会社が推進する太陽光発電事業向けの設備リースに充当いたしました。
・株式会社日本格付研究所(JCR)より取得している当社及び当社の連結子会社である日本カーソリューションズ株式会社、富士通リース株式会社の格付が「A+」から「AA-」に格上げされました。
・株式会社格付投資情報センター(R&I)より取得している当社の格付「A」の方向性が「安定的」から「ポジティブ」に変更されました。
・株式の希薄化やROEの低下を回避しつつ財務基盤の強化を図り、将来的な成長事業への投資や財務戦略の柔軟性を高めることを目的として、公募形式によるハイブリッド社債300億円(劣後特約付)の発行について、本年3月に決定し、4月に実行いたしました。
[その他経営基盤の強化]
・経済環境の変化や企業業績に左右されにくく、将来にわたって持続可能な企業年金制度の構築と、従業員のライフプランや多様な価値観に見合った自由度の高い設計を目指して、退職金・年金制度を変更いたしました。
・経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「なでしこ銘柄」に関して、東京証券取引所の全上場企業約3,600社の中から「準なでしこ2019」に選定されました。
・経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「攻めのIT経営銘柄2019」に関して、上場企業の中から業種毎に選定された1社として、本制度が創設された2015年度から5年連続で本年4月に選定されました。
② 業績等の概要
事業の成果としましては、当連結会計年度の契約実行高は主に国内リース事業分野及び国際事業分野のリース資産(リース債権及びリース投資資産並びに賃貸資産)の増加により前期比479億62百万円(3.4%)増加し1兆4,769億5百万円となりました。
業績につきましては、神鋼不動産株式会社の連結子会社化や2017年12月に出資した米国大手航空機リース会社であるAviation Capital Group LLCの業績が通期に渡り寄与するなどスペシャルティ事業の堅調な推移に加え国内オート事業グループ各社の業容拡大の寄与などにより、売上高は前期比554億11百万円(5.5%)増加し1兆676億12百万円、営業利益は同39億76百万円(5.4%)増加し777億21百万円、経常利益は前期比73億5百万円(9.2%)増加し863億37百万円となりました。また、法人税等は前期比49億79百万円(22.2%)増加し273億62百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は同10億34百万円(18.0%)増加し67億93百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億46百万円(1.8%)増加し522億71百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前期末比3,313億85百万円(8.8%)増加し4兆865億13百万円となりました。純資産合計は、前期末比683億35百万円(15.0%)増加し5,243億72百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が392億39百万円、非支配株主持分が372億49百万円増加したことであります。この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.1ポイント低下し10.4%となりました。
セグメント別の業績等は次のとおりであります。
(賃貸・割賦事業)
賃貸・割賦事業では、契約実行高は前期比841億50百万円(10.8%)増加し8,649億23百万円となりました。売上高は同207億19百万円(2.2%)増加し9,805億32百万円、セグメント利益は同8億26百万円(1.4%)減少し586億70百万円となりました。主な減益要因は、資金原価及び経費の増加であります。営業資産残高は神鋼不動産株式会社の連結子会社化などにより前期末比1,431億25百万円(6.0%)増加し2兆5,198億23百万円となりました。
(ファイナンス事業)
ファイナンス事業では、契約実行高は前期比195億75百万円(3.2%)減少し5,849億50百万円となりました。売上高は、前期比53億62百万円(19.6%)増加し326億68百万円、セグメント利益は同36億5百万円(22.9%)増加し193億75百万円となりました。主な増益要因は、不動産ファイナンス収益の増加によるものであります。営業資産残高は前期末比622億28百万円(7.9%)増加し8,473億3百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業では、契約実行高は前期比166億12百万円(38.1%)減少し270億31百万円となりました。売上高は前期比293億29百万円(116.9%)増加し544億11百万円、セグメント利益は同48億66百万円(67.0%)増加し121億27百万円となりました。主な増益要因は、航空機関連の手数料収入及び太陽光発電による売電収益の増加であります。営業資産残高は前期末比205億38百万円(29.8%)増加し894億6百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、賃貸資産減価償却費が1,202億23百万円、税金等調整前当期純利益が864億27百万円、賃貸資産除却損及び売却原価が493億91百万円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が1,751億74百万円、営業投資有価証券の取得を主とする支出が593億84百万円となったこと等により、591億54百万円の支出(前連結会計年度は264億28百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、投資有価証券の売却及び償還による収入が10億1百万円となったこと等に対し、神鋼不動産株式会社の連結子会社などの連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が651億3百万円、Aviation Capital Group LLCの持分追加取得などの投資有価証券の取得による支出が457億32百万円となったこと等により、1,239億47百万円の支出(前連結会計年度は1,079億8百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、長期借入金の返済による支出が4,261億54百万円、社債の償還による支出が704億20百万円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が4,919億55百万円、社債の発行による収入が1,043億円となったこと等により、1,890億35百万円の収入(前連結会計年度は816億49百万円の収入)となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比32億77百万円増加し897億27百万円となりました。
(2)営業取引の状況
① 契約実行高
当連結会計年度における契約実行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.オペレーティング・リースは、賃貸物件の取得価額を記載しております。なお、再リース取引の実行額は含んでおりません。
2.ファイナンス・リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得価額、割賦取引については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
② 営業資産残高
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 割賦取引については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
③ 営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度
(注)売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
当連結会計年度
(注)売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは2016年度から2018年度までの第三次中期経営計画において策定した基本方針及び経営戦略にもとづき、祖業であるファイナンスリースを中心とした金融機能を提供するリース会社から、更なる発展と飛躍を目指し、グローバルに展開する「金融機能を持つ事業会社」として、国内外においてパートナー企業とともに事業性ビジネスに注力してきました。
なお、当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。
(経営成績)
当連結会計年度の売上高は前期比554億11百万円(5.5%)増加し1兆676億円12百万円、売上総利益は前期比185億53百万円(11.4%)増加し1,817億48百万円となりました。主な要因は、神鋼不動産株式会社の連結子会社化などスペシャルティ事業が堅調に推移したことや、国内オート事業グループ各社の業容拡大が寄与したことなどであります。
販売費及び一般管理費は、前期比145億76百万円(16.3%)増加し1,040億27百万円となりました。主な要因は国内オート事業グループ各社の業容拡大や神鋼不動産株式会社の連結子会社化などに伴うものであります。
営業外損益は、前期比33億29百万円(63.0%)増加し86億15百万円の利益となりました。主な要因は、2017年12月に出資した米国大手航空機リース会社であるAviation Capital Group LLCの業績が通期に渡り寄与したことにより持分法による投資利益が前期比41億57百万円(110.2%)増加したことなどであります。
これらにより、経営目標である経常利益は前期比73億5百万円(9.2%)増加し863億37百万円となり、2009年の当社合併以来、10期連続過去最高益を達成いたしました。
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、前期の米国税制改正に伴う反動増などにより、前期比49億79百万円(22.2%)増加し273億62百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億46百万円(1.8%)増加し522億71百万円となり、8期連続過去最高益を達成いたしました。
なお、1株当たり当期純利益は前期比8円84銭増加し494円93銭、ROE(自己資本利益率)は同1.0ポイント低下し12.7%となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は、前期末比3,313億85百万円(8.8%)増加し4兆865億13百万円となりました。主な要因は、資産効率の向上を意識した取り組みなどにより割賦債権が減少する一方で、国内オート事業グループ各社の業容拡大に加え、神鋼不動産株式会社の連結子会社化などによるリース資産(リース債権及びリース投資資産並びに賃貸資産)が増加したこと、また、東南アジア地域において地場優良企業や金融機関を事業パートナーとするアライアンス戦略の推進に伴う出資などにより営業投資有価証券が増加したこと等によるものであります。
負債合計は、前期末比2,630億50百万円(8.0%)増加し3兆5,621億41百万円となりました。有利子負債は、前期末比2,305億54百万円(8.2%)増加し、3兆412億35百万円となりました。主な要因は、神鋼不動産株式会社の株式取得や営業資産の取得などの資金需要に対応した結果、短期借入金及び長期借入金が増加したことであります。
純資産合計は前期末比683億35百万円(15.0%)増加し5,243億72百万円となりました。主な要因は利益剰余金が392億39百万円、非支配株主持分が372億49百万円増加したことであります。この結果、経営目標である自己資本比率は前期末に比べ0.1ポイント低下し10.4%となりました。
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、資産効率を高める良質な資産の拡大とそれに伴う各種リスクのコントロールにあります。当連結会計年度は良質な資産の拡大に伴う収益の拡大とともに、各種リスクについて、航空機を対象とした賃貸資産の減損損失を計上したものの、貸倒費用は低水準におさまるなど、各種リスクに伴う損失の発生は抑制されております。
なお、各種リスクにつきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
また、セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②業績等の概要」に記載のとおりであります。
③ 資金調達と資金の流動性についての分析
(資金調達の基本方針)
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、資金コストの低減及び調達の安定性を高めることを基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。
(間接調達と直接調達)
当社グループの資金調達は、金融機関からの借入による間接調達と資本市場からの調達による直接調達で構成されております。
当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比1,588億14百万円(9.7%)増加し1兆7,908億29百万円となりました。直接調達は、コマーシャル・ペーパーの発行及び社債の発行などにより、前期末比717億40百万円(6.1%)増加し1兆2,504億5百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の直接調達比率は41.1%となり、前期末比0.8ポイント低下しました。
また、当連結会計年度末の長期調達比率は51.7%となり、前期末に比べて0.2ポイント上昇しました。
(流動性の確保)
当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関105行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末に比べて708億48百万円増額の1兆4,843億26百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の当座貸越契約及びコミットメントライン契約による借入未実行残高は9,577億50百万円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
④ 経営上の目標の達成状況
当社グループは、第三次中期経営計画期間の最終年度である2019年3月期の経営目標として、連結経常利益800億円以上、連結ROA(経常利益/営業資産)2.3%以上、連結自己資本比率11.0%を設定しておりました。当連結会計年度における成果は、連結経常利益863億円(目標達成)、連結ROA2.6%(目標達成)、連結自己資本比率10.4%(目標未達)となりました。連結自己資本比率は、M&Aをはじめとする戦略的成長投資の先行などにより目標未達となりましたが、連結経常利益および連結ROAは目標を大幅に上回る達成となりました。
(4)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
② 資金調達内訳
(注)当期の貸付債権の譲渡の合計額は、4,546百万円であります。
③ 業種別貸付金残高内訳
④ 担保別貸付金残高内訳
⑤ 期間別貸付金残高内訳
(注) 期間は、約定期間によっております。
① 事業の取組状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な雇用環境や企業収益の底堅い推移、インバウンド需要の拡大を背景に緩やかな景気回復傾向にある一方で、英国のEU離脱や米中貿易摩擦、中国経済減速懸念など海外経済の不確実性から、依然として、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループにおきましては、「資産効率を重視した『高収益ビジネスモデル』への変革を推進し、更なる持続的成長の礎を築く」という基本方針のもと、2016年度より開始した第三次中期経営計画の最終年度にあたり、経営目標達成に向けて更なる「営業基盤の強化」と「経営基盤の強化」を推進しました。
(営業基盤の強化)
[国内リース事業分野]
・上下水道処理などの水環境事業のリーディングカンパニーである月島機械株式会社と、消化ガス発電事業への取組みを推進・強化することを目的に共同出資による事業会社を設立いたしました。当社及び月島機械株式会社それぞれが保有するノウハウを最大限に活用して、安定した発電事業の運営を行っていく方針です。「創エネルギー」、「地域貢献」、「社会インフラ維持」といった社会課題解決に向けた取組みを共同で展開・推進してまいります。
・サブスクリプション・コマースの総合プラットフォームシステムを開発・提供するビープラッツ株式会社の株式買付けを行い、当社の持分法適用関連会社としました。本買付けは、当社とビープラッツ株式会社の協業関係を発展させ、サブスクリプション型ビジネスへの取組みを進展・強化することを目的としています。
・当社、IoT通信プラットフォームを提供する株式会社ソラコム、ビープラッツ株式会社の3社協業により、IoTサブスクリプション・マーケットプレイス「IoT SELECTION connected with SORACOM」を開設いたしました。IoTとサブスクリプションを融合した新たなデジタルマーケットプレイスの開設により、IoTソリューション活用の新しいカタチを提供し、国内企業のビジネス変革と競争力向上に貢献してまいります。
・株式会社アマダホールディングスの100%子会社である株式会社アマダリースの発行済株式総数の60%を取得し、連結子会社といたしました。当社の培ってきたリース・ファイナンス、課金システムなどのノウハウを投入した先進的なサービススキームの展開、当社及び株式会社アマダホールディングスの広範なグローバルネットワークを活用した海外ビジネスなどに共同で取組んでまいります。
[国内オート事業分野]
・当社連結子会社である日本カーソリューションズ株式会社は、テレマティクスサービス「NCSドライブドクター」の新たな販売チャネルとして、株式会社NTTドコモの法人向けサービス「ビジネスプラス」にてライセンス販売を行う契約を締結しました。日本カーソリューションズ株式会社が従来より提供している「NCSドライブドクター」について、様々なお客様に提供できるチャネルを拡大することで、交通事故・危険運転の削減に貢献してまいります。
・当社連結子会社であるニッポンレンタカーサービス株式会社は、ロンドン・ケンジントン宮殿で開催された2018年ワールド・ブランディング・アワーズにおいて、世界で優れたブランドの一つとして国内レンタカー業界初となる「ブランド・オブ・ザ・イヤー」を受賞いたしました。
[スペシャルティ事業分野]
・太陽光発電設置開発等を行うCIEL ET TERRE TAIWAN LIMITED及び株式会社九電工、九電みらいエナジー株式会社と共同で、台湾の水上太陽光発電事業を行う特定目的会社へ出資いたしました。当社のエネルギー事業として、初めての海外直接投資プロジェクトとなります。日本国内で蓄積してきた知見を活かし、台湾における再生可能エネルギー事業の拡大を目指してまいります。
・株式会社神戸製鋼所の100%子会社である神鋼不動産株式会社の発行済株式総数の70%を取得し、連結子会社といたしました。当社がこれまで培ってきた不動産事業のノウハウやネットワークを活用した様々な事業機会を創出し、神鋼不動産株式会社の更なる成長・企業価値の向上を通じて、不動産事業の事業基盤を拡大・強化してまいります。
・当社持分法適用関連会社であるGA Telesis,LLCに対する持分を追加取得し、合計49.2%を保有する筆頭株主となりました。また当社、GA Telesis,LLC、全日空商事株式会社にて、航空機エンジンリースを目的とした合弁会社を設立いたしました。航空機エンジンに関する高いノウハウを持つGA Telesis,LLCと、全日空商事株式会社を戦略的パートナーとするプラットフォームを通じて、全世界のお客様に対して最適なソリューションを提供するとともに、航空機事業マーケットにおける更なるプレゼンス向上を目指します。
・当社持分法適用関連会社である米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group LLCの増資を引き受け、持分を追加取得しました。当社は、当社からのグロースキャピタルの提供によりAviation Capital Group LLCの成長を一層加速させるとともに、当社グループにおける航空機事業の更なる発展を目指します。
[国際事業分野]
・インドネシアの大手財閥リッポー・グループ傘下の銀行であり、インドネシア証券取引所上場のPT Bank Nationalnobu Tbkの株式を合計9.99%取得いたしました。ファイナンス案件や顧客の相互紹介などで連携していくことについて合意し、包括的業務提携に関する覚書を締結いたしました。
・環境省及びその執行団体である公益財団法人地球環境センターが募集した「2018年度二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」において、当社が応募した「タイ/工業団地への25MW屋根置き及び水上太陽光発電プロジェクト」及び「インドネシア/プラスチック部品工場への高効率射出成型機の導入プロジェクト」が採択されました。今後も、ASEAN各国において、JCMを活用した温室効果ガス削減を始めとした社会的意義の高い取組みを加速してまいります。
・東南アジア地域における配車サービスのプラットフォーム大手Grab Holdings Inc.への追加出資を行うとともに、シンガポールで自動車レンタル事業を展開するGrab Rentals Pte.Ltd.への出資を行いました。当社が国内外で培ってきたファイナンスノウハウをGrab Holdings Inc.のプラットフォームにて活用することにより、配車サービス業界における需要の高まりと多様化するニーズに対応してまいります。
・ミャンマー有数のコングロマリット「SPAグループ」の中核持株会社であるYoma Strategic Holdings Ltd.より、ミャンマーにおいてオートリース・カーシェアリング事業を営むYoma Fleet Ltd.の株式20%を取得する契約を締結いたしました。
(経営基盤の強化)
[財務基盤の充実と強化]
・国内市場において、公募形式によるグリーンボンド(無担保普通社債)を発行いたしました。グリーンボンドは、企業や地方公共団体等が環境改善効果のあるグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券であり、本債券により調達した資金は、当社連結子会社である京セラTCLソーラー合同会社が推進する太陽光発電事業向けの設備リースに充当いたしました。
・株式会社日本格付研究所(JCR)より取得している当社及び当社の連結子会社である日本カーソリューションズ株式会社、富士通リース株式会社の格付が「A+」から「AA-」に格上げされました。
・株式会社格付投資情報センター(R&I)より取得している当社の格付「A」の方向性が「安定的」から「ポジティブ」に変更されました。
・株式の希薄化やROEの低下を回避しつつ財務基盤の強化を図り、将来的な成長事業への投資や財務戦略の柔軟性を高めることを目的として、公募形式によるハイブリッド社債300億円(劣後特約付)の発行について、本年3月に決定し、4月に実行いたしました。
[その他経営基盤の強化]
・経済環境の変化や企業業績に左右されにくく、将来にわたって持続可能な企業年金制度の構築と、従業員のライフプランや多様な価値観に見合った自由度の高い設計を目指して、退職金・年金制度を変更いたしました。
・経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「なでしこ銘柄」に関して、東京証券取引所の全上場企業約3,600社の中から「準なでしこ2019」に選定されました。
・経済産業省と東京証券取引所が共同で実施する「攻めのIT経営銘柄2019」に関して、上場企業の中から業種毎に選定された1社として、本制度が創設された2015年度から5年連続で本年4月に選定されました。
② 業績等の概要
事業の成果としましては、当連結会計年度の契約実行高は主に国内リース事業分野及び国際事業分野のリース資産(リース債権及びリース投資資産並びに賃貸資産)の増加により前期比479億62百万円(3.4%)増加し1兆4,769億5百万円となりました。
業績につきましては、神鋼不動産株式会社の連結子会社化や2017年12月に出資した米国大手航空機リース会社であるAviation Capital Group LLCの業績が通期に渡り寄与するなどスペシャルティ事業の堅調な推移に加え国内オート事業グループ各社の業容拡大の寄与などにより、売上高は前期比554億11百万円(5.5%)増加し1兆676億12百万円、営業利益は同39億76百万円(5.4%)増加し777億21百万円、経常利益は前期比73億5百万円(9.2%)増加し863億37百万円となりました。また、法人税等は前期比49億79百万円(22.2%)増加し273億62百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は同10億34百万円(18.0%)増加し67億93百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億46百万円(1.8%)増加し522億71百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前期末比3,313億85百万円(8.8%)増加し4兆865億13百万円となりました。純資産合計は、前期末比683億35百万円(15.0%)増加し5,243億72百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が392億39百万円、非支配株主持分が372億49百万円増加したことであります。この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.1ポイント低下し10.4%となりました。
セグメント別の業績等は次のとおりであります。
(賃貸・割賦事業)
賃貸・割賦事業では、契約実行高は前期比841億50百万円(10.8%)増加し8,649億23百万円となりました。売上高は同207億19百万円(2.2%)増加し9,805億32百万円、セグメント利益は同8億26百万円(1.4%)減少し586億70百万円となりました。主な減益要因は、資金原価及び経費の増加であります。営業資産残高は神鋼不動産株式会社の連結子会社化などにより前期末比1,431億25百万円(6.0%)増加し2兆5,198億23百万円となりました。
(ファイナンス事業)
ファイナンス事業では、契約実行高は前期比195億75百万円(3.2%)減少し5,849億50百万円となりました。売上高は、前期比53億62百万円(19.6%)増加し326億68百万円、セグメント利益は同36億5百万円(22.9%)増加し193億75百万円となりました。主な増益要因は、不動産ファイナンス収益の増加によるものであります。営業資産残高は前期末比622億28百万円(7.9%)増加し8,473億3百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業では、契約実行高は前期比166億12百万円(38.1%)減少し270億31百万円となりました。売上高は前期比293億29百万円(116.9%)増加し544億11百万円、セグメント利益は同48億66百万円(67.0%)増加し121億27百万円となりました。主な増益要因は、航空機関連の手数料収入及び太陽光発電による売電収益の増加であります。営業資産残高は前期末比205億38百万円(29.8%)増加し894億6百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 自 2017年4月1日 至 2018年3月31日 | 当連結会計年度 自 2018年4月1日 至 2019年3月31日 | 増減額 | |
| 営業活動キャッシュ・フロー | 26,428 | △59,154 | △85,582 |
| 投資活動キャッシュ・フロー | △107,908 | △123,947 | △16,039 |
| 財務活動キャッシュ・フロー | 81,649 | 189,035 | 107,385 |
| 現金・現金同等物期末残高 | 86,449 | 89,727 | 3,277 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、賃貸資産減価償却費が1,202億23百万円、税金等調整前当期純利益が864億27百万円、賃貸資産除却損及び売却原価が493億91百万円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が1,751億74百万円、営業投資有価証券の取得を主とする支出が593億84百万円となったこと等により、591億54百万円の支出(前連結会計年度は264億28百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、投資有価証券の売却及び償還による収入が10億1百万円となったこと等に対し、神鋼不動産株式会社の連結子会社などの連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が651億3百万円、Aviation Capital Group LLCの持分追加取得などの投資有価証券の取得による支出が457億32百万円となったこと等により、1,239億47百万円の支出(前連結会計年度は1,079億8百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、長期借入金の返済による支出が4,261億54百万円、社債の償還による支出が704億20百万円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が4,919億55百万円、社債の発行による収入が1,043億円となったこと等により、1,890億35百万円の収入(前連結会計年度は816億49百万円の収入)となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比32億77百万円増加し897億27百万円となりました。
(2)営業取引の状況
① 契約実行高
当連結会計年度における契約実行実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 契約実行高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 賃貸・割賦事業 | ||
| ファイナンス・リース | 617,082 | 115.3 |
| オペレーティング・リース | 175,174 | 103.7 |
| 賃貸取引計 | 792,257 | 112.5 |
| 割賦取引 | 72,666 | 95.0 |
| 賃貸・割賦事業計 | 864,923 | 110.8 |
| ファイナンス事業 | 584,950 | 96.8 |
| その他の事業 | 27,031 | 61.9 |
| 合計 | 1,476,905 | 103.4 |
(注) 1.オペレーティング・リースは、賃貸物件の取得価額を記載しております。なお、再リース取引の実行額は含んでおりません。
2.ファイナンス・リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得価額、割賦取引については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
② 営業資産残高
連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 期末残高(百万円) | 構成比(%) | 期末残高(百万円) | 構成比(%) | |
| 賃貸・割賦事業 | ||||
| ファイナンス・リース | 1,544,595 | 47.9 | 1,565,671 | 45.3 |
| オペレーティング・リース | 637,811 | 19.7 | 774,272 | 22.4 |
| 賃貸取引計 | 2,182,406 | 67.6 | 2,339,943 | 67.7 |
| 割賦取引 | 194,291 | 6.0 | 179,879 | 5.2 |
| 賃貸・割賦事業計 | 2,376,698 | 73.6 | 2,519,823 | 72.9 |
| ファイナンス事業 | 785,074 | 24.3 | 847,303 | 24.5 |
| その他の事業 | 68,868 | 2.1 | 89,406 | 2.6 |
| 合計 | 3,230,641 | 100.0 | 3,456,534 | 100.0 |
(注) 割賦取引については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。
③ 営業実績
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
前連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
| 賃貸・割賦 事業 | ファイナンス・リース | 601,832 | - | - | - | - |
| オペレーティング・リース | 300,922 | - | - | |||
| 賃貸取引計 | 902,754 | 757,132 | 145,622 | |||
| 割賦取引 | 57,057 | 50,946 | 6,110 | |||
| 賃貸・割賦事業計 | 959,812 | 808,079 | 151,733 | |||
| ファイナンス事業 | 27,306 | 975 | 26,330 | |||
| その他の事業 | 25,081 | 18,302 | 6,779 | |||
| 合計 | 1,012,200 | 827,356 | 184,843 | 21,648 | 163,195 | |
(注)売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
当連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) | |
| 賃貸・割賦 事業 | ファイナンス・リース | 611,000 | - | - | - | - |
| オペレーティング・リース | 316,692 | - | - | |||
| 賃貸取引計 | 927,692 | 769,783 | 157,909 | |||
| 割賦取引 | 52,839 | 46,836 | 6,002 | |||
| 賃貸・割賦事業計 | 980,532 | 816,620 | 163,912 | |||
| ファイナンス事業 | 32,668 | 1,513 | 31,154 | |||
| その他の事業 | 54,411 | 41,435 | 12,975 | |||
| 合計 | 1,067,612 | 859,569 | 208,042 | 26,294 | 181,748 | |
(注)売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは2016年度から2018年度までの第三次中期経営計画において策定した基本方針及び経営戦略にもとづき、祖業であるファイナンスリースを中心とした金融機能を提供するリース会社から、更なる発展と飛躍を目指し、グローバルに展開する「金融機能を持つ事業会社」として、国内外においてパートナー企業とともに事業性ビジネスに注力してきました。
なお、当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。
(経営成績)
当連結会計年度の売上高は前期比554億11百万円(5.5%)増加し1兆676億円12百万円、売上総利益は前期比185億53百万円(11.4%)増加し1,817億48百万円となりました。主な要因は、神鋼不動産株式会社の連結子会社化などスペシャルティ事業が堅調に推移したことや、国内オート事業グループ各社の業容拡大が寄与したことなどであります。
販売費及び一般管理費は、前期比145億76百万円(16.3%)増加し1,040億27百万円となりました。主な要因は国内オート事業グループ各社の業容拡大や神鋼不動産株式会社の連結子会社化などに伴うものであります。
営業外損益は、前期比33億29百万円(63.0%)増加し86億15百万円の利益となりました。主な要因は、2017年12月に出資した米国大手航空機リース会社であるAviation Capital Group LLCの業績が通期に渡り寄与したことにより持分法による投資利益が前期比41億57百万円(110.2%)増加したことなどであります。
これらにより、経営目標である経常利益は前期比73億5百万円(9.2%)増加し863億37百万円となり、2009年の当社合併以来、10期連続過去最高益を達成いたしました。
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、前期の米国税制改正に伴う反動増などにより、前期比49億79百万円(22.2%)増加し273億62百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億46百万円(1.8%)増加し522億71百万円となり、8期連続過去最高益を達成いたしました。
なお、1株当たり当期純利益は前期比8円84銭増加し494円93銭、ROE(自己資本利益率)は同1.0ポイント低下し12.7%となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産合計は、前期末比3,313億85百万円(8.8%)増加し4兆865億13百万円となりました。主な要因は、資産効率の向上を意識した取り組みなどにより割賦債権が減少する一方で、国内オート事業グループ各社の業容拡大に加え、神鋼不動産株式会社の連結子会社化などによるリース資産(リース債権及びリース投資資産並びに賃貸資産)が増加したこと、また、東南アジア地域において地場優良企業や金融機関を事業パートナーとするアライアンス戦略の推進に伴う出資などにより営業投資有価証券が増加したこと等によるものであります。
負債合計は、前期末比2,630億50百万円(8.0%)増加し3兆5,621億41百万円となりました。有利子負債は、前期末比2,305億54百万円(8.2%)増加し、3兆412億35百万円となりました。主な要因は、神鋼不動産株式会社の株式取得や営業資産の取得などの資金需要に対応した結果、短期借入金及び長期借入金が増加したことであります。
純資産合計は前期末比683億35百万円(15.0%)増加し5,243億72百万円となりました。主な要因は利益剰余金が392億39百万円、非支配株主持分が372億49百万円増加したことであります。この結果、経営目標である自己資本比率は前期末に比べ0.1ポイント低下し10.4%となりました。
(キャッシュ・フロー)
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、資産効率を高める良質な資産の拡大とそれに伴う各種リスクのコントロールにあります。当連結会計年度は良質な資産の拡大に伴う収益の拡大とともに、各種リスクについて、航空機を対象とした賃貸資産の減損損失を計上したものの、貸倒費用は低水準におさまるなど、各種リスクに伴う損失の発生は抑制されております。
なお、各種リスクにつきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
また、セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②業績等の概要」に記載のとおりであります。
③ 資金調達と資金の流動性についての分析
(資金調達の基本方針)
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、資金コストの低減及び調達の安定性を高めることを基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。
(間接調達と直接調達)
当社グループの資金調達は、金融機関からの借入による間接調達と資本市場からの調達による直接調達で構成されております。
当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比1,588億14百万円(9.7%)増加し1兆7,908億29百万円となりました。直接調達は、コマーシャル・ペーパーの発行及び社債の発行などにより、前期末比717億40百万円(6.1%)増加し1兆2,504億5百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の直接調達比率は41.1%となり、前期末比0.8ポイント低下しました。
また、当連結会計年度末の長期調達比率は51.7%となり、前期末に比べて0.2ポイント上昇しました。
(流動性の確保)
当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関105行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末に比べて708億48百万円増額の1兆4,843億26百万円となりました。
なお、当連結会計年度末の当座貸越契約及びコミットメントライン契約による借入未実行残高は9,577億50百万円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
④ 経営上の目標の達成状況
| 第二次中期経営計画 (最終年度) | 第三次中期経営計画 | |||
| 2016年3月期 (実績) | 2017年3月期 (実績) | 2018年3月期 (実績) | 2019年3月期 (実績) | |
| 連結経常利益 | 680億円 | 735億円 | 790億円 | 863億円 |
| 連結ROA (経常利益/営業資産) | 2.3% | 2.4% | 2.5% | 2.6% |
| 連結自己資本比率 | 9.6% | 9.9% | 10.5% | 10.4% |
当社グループは、第三次中期経営計画期間の最終年度である2019年3月期の経営目標として、連結経常利益800億円以上、連結ROA(経常利益/営業資産)2.3%以上、連結自己資本比率11.0%を設定しておりました。当連結会計年度における成果は、連結経常利益863億円(目標達成)、連結ROA2.6%(目標達成)、連結自己資本比率10.4%(目標未達)となりました。連結自己資本比率は、M&Aをはじめとする戦略的成長投資の先行などにより目標未達となりましたが、連結経常利益および連結ROAは目標を大幅に上回る達成となりました。
(4)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
| 2019年3月31日現在 | |||||
| 貸付種別 | 件数 (件) | 構成割合 (%) | 残高 (百万円) | 構成割合 (%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 | |||||
| 無担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 有担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 住宅向 | - | - | - | - | - |
| 計 | - | - | - | - | - |
| 事業者向 | |||||
| 計 | 12,310 | 100.00 | 889,630 | 100.00 | 2.45 |
| 合計 | 12,310 | 100.00 | 889,630 | 100.00 | 2.45 |
② 資金調達内訳
| 2019年3月31日現在 | ||
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) |
| 金融機関等からの借入 | 1,065,357 | 1.03 |
| その他 | 989,408 | 0.16 |
| 社債・CP | 927,908 | 0.17 |
| 合計 | 2,054,765 | 0.61 |
| 自己資本 | 297,389 | - |
| 資本金・出資額 | 34,231 | - |
(注)当期の貸付債権の譲渡の合計額は、4,546百万円であります。
③ 業種別貸付金残高内訳
| 2019年3月31日現在 | ||||
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 製造業 | 399 | 16.13 | 7,505 | 0.84 |
| 建設業 | 68 | 2.75 | 209 | 0.02 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 21 | 0.85 | 41,107 | 4.62 |
| 運輸・通信業 | 108 | 4.37 | 83,953 | 9.44 |
| 卸売・小売業、飲食店 | 520 | 21.02 | 6,308 | 0.71 |
| 金融・保険業 | 89 | 3.60 | 135,030 | 15.18 |
| 不動産業 | 38 | 1.54 | 107,892 | 12.13 |
| サ-ビス業 | 771 | 31.15 | 468,551 | 52.67 |
| 個人 | - | - | - | - |
| その他 | 460 | 18.59 | 39,070 | 4.39 |
| 合計 | 2,474 | 100.00 | 889,630 | 100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
| 2019年3月31日現在 | ||
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 有価証券 | 5,335 | 0.60 |
| うち株式 | - | - |
| 債権 | 3,683 | 0.41 |
| うち預金 | - | - |
| 商品 | - | - |
| 不動産 | 14,600 | 1.64 |
| 財団 | - | - |
| その他 | 105,645 | 11.88 |
| 計 | 129,264 | 14.53 |
| 保証 | 7,512 | 0.84 |
| 無担保 | 752,853 | 84.63 |
| 合計 | 889,630 | 100.00 |
⑤ 期間別貸付金残高内訳
| 2019年3月31日現在 | ||||
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | 359 | 2.92 | 225,777 | 25.38 |
| 1年超5年以下 | 10,512 | 85.39 | 217,041 | 24.40 |
| 5年超10年以下 | 1,305 | 10.60 | 307,774 | 34.60 |
| 10年超15年以下 | 59 | 0.48 | 102,184 | 11.49 |
| 15年超20年以下 | 70 | 0.57 | 15,777 | 1.77 |
| 20年超25年以下 | 1 | 0.01 | 36 | 0.00 |
| 25年超 | 4 | 0.03 | 21,038 | 2.36 |
| 合計 | 12,310 | 100.00 | 889,630 | 100.00 |
| 一件当たり平均期間 | 5.57年 | |||
(注) 期間は、約定期間によっております。