有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの事業の取組状況、財政状態及び経営成績の状況、キャッシュ・フローの状況、並びに営業取引の状況の概要(以下「経営成績等」)は次のとおりであります。
① 事業の取組状況
(営業基盤の強化)
[次の10年に向けた取組み]
・日本電信電話株式会社(以下「NTT」)と、資本業務提携契約を締結いたしました。資本業務提携の第一弾として、両社の国内外におけるリース事業及びファイナンス事業を強化・拡充するために、NTTグループにおける金融中核会社であるNTTファイナンス株式会社のリース事業及びグローバル事業の一部を分社化し、NTT、NTTファイナンス株式会社及び当社の3社による合弁会社とすることといたしました。当社が有する金融・サービスソリューションノウハウ及びその提供能力と、NTTグループが有する信用力・研究開発力、NTTファイナンス株式会社が培ってきたリース事業のケイパビリティとを融合させることにより、新会社の企業価値を向上させるとともに、NTTグループが今後注力する成長分野の実現・展開などに資する新たなソリューションを提供し、NTTグループの資産の有効活用にも取り組んでまいります。また、NTTとは、現在、グローバル、不動産、環境・エネルギーといった成長分野において、具体的な検討を開始しておりますが、デジタル化・IoT等の他の成長分野においても、アセットビジネスの共同展開等の協業可能性について、検討を進めてまいります。
・当社連結子会社TC Skyward Aviation U.S.,Inc.の持分法適用関連会社である、米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group LLCの残り75.5%の持分を米国大手生命保険会社であるPacific Life Insurance Companyより取得し、完全子会社といたしました。航空機オペレーティング・リース事業のフルプラットフォームを擁するAviation Capital Group LLCを完全子会社化することにより、当社持分法適用関連会社で、航空機部品・サービス事業を展開するGA Telesis, LLC及びエンジンリースを手掛けるGateway Engine Leasing,LLCとあわせ、航空機ビジネスにおけるバリューチェーンの入口から出口までを当社グループが一気通貫で対応することが可能となります。新造機体と中古機体、中古パーツのビジネスをつなげることで、バリューチェーンの最大化を図るとともに、それぞれの航空機ビジネスにおけるシナジーを高めて、航空機マーケット全体の成長を取り込んでいくことで、航空機ビジネス市場における当社のプレゼンスを一層高めてまいります
[国内リース事業分野]
・伊藤忠商事株式会社の100%子会社である伊藤忠建機株式会社の発行済株式総数の50%を取得し、当社の持分法適用関連会社とするとともに、伊藤忠TC建機株式会社に社名を変更いたしました。当社が持つITソリューションやサブスクリプションプラットフォームと、伊藤忠TC建機株式会社が長年の事業を通じて築いてきた顧客基盤を掛け合わせることで、建機ユーザーの課題やニーズに対して、先進的なサービスの提供が可能となります。建機ユーザーの事業ライフサイクル(購入~使用~売却)において、販売・レンタルのみならず、ソフトウェアやサービス、ファイナンス等のあらゆるニーズにワンストップで対応する次世代型総合ソリューション企業を目指してまいります。
・JFEエンジニアリング株式会社と、収益基盤強化に資する新たな事業フィールドの創出を目指し、共同投資ビークル「一般社団法人 J&TC Frontier」を設立いたしました。本共同投資ビークルを活用し、低炭素社会や社会インフラ整備への貢献、技術革新に対応した新技術創出、持続可能な資源利用への対応など、新しいビジネスモデルや社会課題の解決に貢献する新しい価値を創造してまいります。
[国内オート事業分野]
・当社連結子会社であるニッポンレンタカーサービス株式会社のグループ会社であるニッポンレンタカーインターナショナル株式会社は、世界最大かつ革新的なモビリティ・プロバイダーであるエンタープライズ・ホールディングスと、国内外におけるカーレンタルサービスの拡充を目指し、パートナーシップを締結いたしました。国内のお客様の海外でのレンタカー需要、また海外のお客様の日本国内でのレンタカー需要に対し、エンタープライズ・ホールディングスと相互に連携し、対応してまいります。
・当社連結子会社である日本カーソリューションズ株式会社とエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社は、「『業務代行 AI』による業務効率化」にて、公益社団法人企業情報化協会主催の2019年度「IT賞」をオートリース業界において初めて受賞いたしました。
・当社連結子会社である株式会社オリコオートリースは、バランスシートのスリム化とともに、資金調達の多様化を目的として、国内初の個人向けオートリース債権流動化により、資金調達額121億円を実行いたしました。
[スペシャルティ事業分野]
・日本のPEファンド業界におけるリーディング・カンパニーであるAdvantage Partnersグループとのパートナーシップ強化を目的として、Advantage Partners (H.K.) Limitedと戦略的提携に係る契約を締結し、発行済普通株式の14.9%を取得するとともに、Advantage Partners (H.K.) Limitedが実施するエクイティファイナンスを引受けることといたしました。本提携により、当社の幅広い顧客基盤、金融ノウハウ・専門性と、Advantage Partnersグループのネットワーク、ハンズオン型の企業価値向上のノウハウ・専門性を融合させ、新たな収益基盤の拡大と、競争力を有するビジネスモデルを構築することにより、投資先企業の成長・発展への取り組みを通じて、社会課題の解決への貢献を積極的に推進してまいります。
・NTTグループの保有するICT技術・直流給電技術を活用したスマートエネルギー事業を推進するNTTアノードエナジー株式会社と、環境・エネルギー分野におけるアセットビジネスの共同展開等の協業可能性について検討を開始いたしました。当社とNTTグループがこれまで培ってきた環境・エネルギー分野に関するそれぞれの知見を活かしてシナジー効果を発揮し、環境問題等の社会的課題の解決に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指してまいります。
[国際事業分野]
・環境省及びその執行団体である公益財団法人地球環境センターが募集した「2019年度二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」において、代表事業者として当社が応募した「フィリピン/配電会社と連携した18MW太陽光発電プロジェクト」が採択されました。今後も、当社グループの広範な海外ネットワークと付加価値の高い金融・サービス機能を活用し、ASEAN各国において、JCM事業に積極的に参画してまいります。
・当社連結子会社であるTokyo Century(USA)Inc.は、米国の独立系リース・ファイナンス会社Allegiant Partners Incorporatedの株式の100%を取得し、完全子会社といたしました。Allegiant Partners Incorporatedは、米国西海岸に拠点を構える、中小型トラックや樹木整備機器を中心に取り扱う独立系リース・ファイナンス会社で、米国東海岸に拠点を構え、中小型トラックを対象とした小口ファイナンスに強みを有するTokyo Century(USA)Inc.とビジネスの親和性も高く、地域補完、顧客ベースの共有によるビジネスの相互紹介、クロスセルによる営業力強化などのシナジー効果が期待できます。当社とAllegiant Partners Incorporatedがこれまでに培ってきたノウハウを融合させることにより、更なるマーケットプレゼンスの向上を図るとともに、当社グループの米国事業の成長を加速させてまいります。
(経営基盤の強化)
[財務基盤の充実と強化]
・NTT及び伊藤忠商事株式会社を割当先として、第三者割当の方法による新株式の発行を行いました。これまで営業取引の実行・M&A等を通じた国内外における事業の拡大・成長を積極的に実施してまいりましたが、本第三者割当増資により調達した資金により、自己資本の拡充を図り、財務基盤の充実と強化を進めると共に、NTT及び伊藤忠商事株式会社等の戦略的パートナーとの協業を進め、「新・第四次中期経営計画」に沿って、強固な事業基盤の確立に向けた成長投資等を進めることにより、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
[その他経営基盤の強化]
・障がい者の更なる雇用促進を図るための新たな取り組みとして、農場長と農園スタッフ計8名を雇用し、「TCわくはぴ農園」を開園いたしました。当社は、今後も障がい者雇用体制の整備・強化を推進するとともに、多様な社員が活躍できる職場環境作りに取り組んでまいります。
・経済産業省が東京証券取引所と共同で実施する「準なでしこ2020」に、2019年に引き続き2年連続で選定されました。当社は、経営方針の一つにダイバーシティの推進を掲げ、女性活躍とワーク・ライフ・バランスの促進に向けた数値目標を定めることにより、課題・目標を明確にし、採用、育成、登用と両立支援など様々な施策に取り組んでいます。
② 財政状態及び経営成績の状況
業績につきましては、Aviation Capital Group LLCの連結子会社化や2018年7月に出資した神鋼不動産株式会社の業績が通期にわたり寄与するなどスペシャルティ事業の堅調な推移に加えて、国内オート事業グループ各社の業容拡大の寄与などにより、売上高は前期比989億86百万円(9.3%)増加し1兆1,665億99百万円、営業利益は同106億25百万円(13.7%)増加し883億46百万円、経常利益は前期比47億89百万円(5.5%)増加し911億26百万円となりました。また、法人税等は前期比29億22百万円(10.7%)増加し302億84百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は同15億34百万円(22.6%)増加し83億27百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比40億32百万円(7.7%)増加し563億3百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前期末比1兆5,220億42百万円(37.2%)増加し5兆6,085億56百万円となりました。負債合計は、前期末比1兆3,862億69百万円(38.9%)増加し4兆9,484億11百万円となりました。資産及び負債が増加した主な要因は、Aviation Capital Group LLCの連結子会社化であります。純資産合計は、前期末比1,357億72百万円(25.9%)増加し6,601億45百万円となりました。主な要因は、NTT及び伊藤忠商事株式会社を割当先とする第三者割当増資の実施及び期間利益の蓄積による利益剰余金の増加であります。
この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.5ポイント低下し9.9%となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
各セグメントにおける売上高については「外部顧客に対する売上高」の金額、セグメント利益については報告セグメントの金額を記載しております。
当連結会計年度より、報告セグメントを「賃貸・割賦事業」、「ファイナンス事業」及び「その他の事業」から、「国内リース事業」、「国内オート事業」、「スペシャルティ事業」及び「国際事業」に変更し、セグメント利益を営業利益から経常利益に変更しております。
また、セグメント資産についても、従来の営業資産から、営業資産及び各セグメントに帰属する持分法適用関連会社への投資額並びにのれん等の合計額に変更しております。
なお、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメントに組み替えた数値で比較しております。
(国内リース事業)
売上高は前期比114億60百万円(2.2%)減少し5,035億92百万円、セグメント利益は同4億77百万円(1.7%)増加し281億84百万円となりました。主な増益要因は、持分法適用関連会社の減損処理に伴う損失を計上したものの、情報通信機器を中心としたリース収益が好調であったこと及び、有力パートナー企業と設立した合弁会社の利益増加に伴うものであります。セグメント資産残高は前期末比982億63百万円(7.2%)増加し1兆4,710億97百万円となりました。
(国内オート事業)
売上高は前期比216億84百万円(6.6%)増加し3,507億73百万円、セグメント利益は同20億44百万円(10.3%)増加し219億28百万円となりました。主な増益要因は、国内初の個人向けオートリースの債権流動化に伴う譲渡益の発生及び国内オート事業グループ各社の業容拡大に伴うものであります。セグメント資産残高は前期末比385億43百万円(6.5%)増加し6,312億14百万円となりました。
(スペシャルティ事業)
売上高は前期比800億68百万円(57.8%)増加し2,185億42百万円、セグメント利益は同54億90百万円(14.1%)増加し444億49百万円となりました。主な増益要因は、米国大手航空機リース会社であるAviation Capital Group LLCの連結子会社化や2018年7月に連結子会社化した神鋼不動産株式会社の業績が通期にわたり寄与したことであります。セグメント資産残高はAviation Capital Group LLC連結子会社化の影響により前期末比1兆54億82百万円(88.0%)増加し2兆1,478億81百万円となりました。
(国際事業)
売上高は前期比90億49百万円(10.7%)増加し933億53百万円、セグメント利益は同3億57百万円(4.8%)増加し77億38百万円となりました。主な増益要因は東アジア・アセアンでの大口顧客の貸倒引当金計上があったものの、米国のIT機器を中心としたリース子会社CSI Leasing, Inc.の事業が年間を通じて堅調に推移したことであります。セグメント資産残高は前期末比23億29百万円(0.5%)減少し5,105億78百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、賃貸資産減価償却費が1,409億30百万円、賃貸資産除却損及び売却原価が1,218億55百万円、税金等調整前当期純利益が949億16百万円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が2,970億28百万円、リース債権及びリース投資資産の増減額による支出が960億85百万円となったこと等により、506億64百万円の支出(前連結会計年度は591億54百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、投資有価証券の売却及び償還による収入が49億74百万円となったこと等に対し、Aviation Capital Group LLCの連結子会社などの連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,872億31百万円、投資有価証券の取得による支出が228億29百万円となったこと等により、3,151億77百万円の支出(前連結会計年度は1,239億47百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、長期借入金の返済による支出が5,207億46百万円、社債の償還による支出が1,219億10百万円、コマーシャル・ペーパーの純増減額による支出が899億64百万円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が1兆1,467億62百万円、株式の発行による収入が937億96百万円、社債の発行による収入が676億36百万円となったこと等により、5,230億62百万円の収入(前連結会計年度は1,890億35百万円の収入)となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比1,603億68百万円増加し2,500億96百万円となりました。
④ 営業取引の状況
連結会計年度におけるセグメント資産残高、セグメント売上高及びセグメント利益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a. セグメント資産残高
(単位:百万円)
b. セグメント売上高
(単位:百万円)
(注) 売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
c. セグメント利益
(単位:百万円)
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、2019年度から2021年度までの「第四次中期経営計画」において策定した基本方針及び経営戦略にもとづき、「金融機能を持つ事業会社」として、パートナー企業との事業性ビジネスを含めたグローバルな安定事業基盤の確立などに注力してきました。
なお、当社グループの当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。
また、2019年12月のAviation Capital Group LLCの完全子会社化に続き、2020年2月のNTTとの資本業務締結契約等を踏まえ、「第四次中期経営計画」を1年で終了し、2020年度を初年度とする「新・第四次中期経営計画」(3ヵ年)を策定いたしました。
(経営成績及び財政状態)
当社グループの重要な経営指標である経常利益は前期比48億円(5.5%)増加し911億円となり、2009年の当社合併以来、11期連続過去最高益を達成いたしました。
セグメント別の経常利益(セグメント利益)及びROAについて分析した結果は以下のとおりであります。
(単位 億円)
*ROA:経常利益/((前期末セグメント資産+当期末セグメント資産)/2)
【国内リース事業】
国内リース事業の経常利益は前期比5億円(1.7%)増加し、282億円となりました。また、ROAは前期と変わらず2.0%となりました。国内リースマーケットはリース会計基準変更等によるマーケットの縮小及び低金利の長期化等により、収益性が厳しい環境ではありますが、有力パートナーとの共創ビジネス、各種提案型営業の推進に加え、事務の合理化等により収益性の向上を進めてきました。
当連結会計年度の業績は持分法適用関連会社の株価低下に伴う減損損失を計上したものの、株式会社アマダホールディングス、伊藤忠商事株式会社等の有力パートナーとの共同事業が収益貢献を果たし、経常利益は増益を確保いたしました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響は軽微であります。
【国内オート事業】
国内オート事業の経常利益は前期比20億円(10.3%)増加し、219億円となりました。また、ROAは前期と変わらず3.6%となりました。海外向け中古車マーケットは低迷しておりますが、レンタカー市場におけるイベントやインバウンド増加に伴う需要増を取り組むことによる売上が増加したこと、個人向けオートリース市場において、所有から利用への意識が浸透し、取扱高の増加に伴う収益が増加したこと及び国内初となる個人向けオートリース債権流動化に伴う譲渡益の計上が増益の要因であります。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けている運輸業等の取引先に対する債権に対して、貸倒費用を計上しております。
【スペシャルティ事業】
スペシャルティ事業の経常利益は前期比55億円(14.1%)増加し、444億円となりました。また、ROAは前期比1.0pt低下の2.7%となりました。
Aviation Capital Group LLCを連結子会社化し、第4四半期から子会社として利益が反映され、その効果も含め航空機事業の利益が拡大したこと、不動産事業におけるキャピタルゲインの増加、神鋼不動産株式会社の連結業績が年間にわたり寄与したことなどが増益の要因であります。
ROAは1.0pt低下しているものの、この主因はAviation Capital Group LLCの連結化による影響であります。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けているエアラインに対する債権に対して、貸倒費用を計上しております。
【国際事業】
国際事業の経常利益は前期比4億円(4.8%)増加し、77億円となりました。また、ROAは前期と変わらず1.5%となりました。アジア・アセアン地域において、非日系取引に係る貸倒費用が増加したものの、グローバルに事業を展開する子会社CSI Leasing,Inc.が連結子会社化以降最高益更新を継続するなど業績が伸長し、増益を確保いたしました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響は軽微であります。
特別利益について、投資有価証券評価損21億円計上したものの、投資有価証券の縮減も進め、投資有価証券売却益45億円計上するとともに、Aviation Capital Group LLCの連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を19億円計上し、特別損益合計で38億円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比40億円(7.7%)増加し563億円となりました。ROEは前期末に比べ、1.2ポイント低下し11.5%となりましたが、9期連続して過去最高益を達成いたしました。
当社グループは、合併以降、ファイナンス・リース、貸付等の金融を主軸としたビジネスからの変革に注力し、航空機、オート、不動産等モノの価値に着目した事業を拡充してきましたが、当連結会計年度の業績の伸長に大きく反映されております。
財政状態はAviation Capital Group LLCの連結子会社化など成長事業への投資を積極的に推進した結果、当連結会計年度末の資産合計は、前期末比1兆5,220億円(37.2%)増加し5兆6,086億円となり、負債合計は、前期末比1兆3,863億円(38.9%)増加し4兆9,484億円、有利子負債は、前期末比1兆2,370億円(40.7%)増加し4兆2,782億円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.5ポイント低下し9.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度のキャッシュ・フローについて、スペシャルティ事業分野におけるAviation Capital Group LLCの完全子会社化、国内リース事業分野における伊藤忠建機株式会社の持分法適用関連会社化(50%出資)、国際事業分野におけるAllegiant Partners Incorporatedの完全子会社化のための株式取得資金などにより投資活動によるキャッシュ・フローが3,152億円の支出となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フローについても、オペレーティング・リースを中心に収益の源泉となる営業資産を積み増したことなどにより、507億円の支出になるなど、各事業分野の営業基盤強化に向けた成長事業への投資を実行しました。
この成長事業への投資に必要な資金は主として長期借入金など長期の有利子負債により調達を行いました。また、当連結会計年度において資本業務提携契約を締結したNTT及び伊藤忠商事株式会社を割当先とする第三者割当増資により938億円調達いたしましたが、財務基盤の充実と強化を進めるとともに、強固な事業基盤の確立に向けた成長事業への投資を進めるためであります。この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは5,231億円の収入となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比1,604億円(178.7%)増加し2,501億円となりました。第三者割当増資により調達した資金について、2020年7月に支出予定のNTT・TCリース株式会社の株式取得資金(600億円を予定)など、その一部が未使用であることが増加した要因の一つであります。
(資金調達の基本方針)
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、資金コストの低減及び調達の安定性を高めることを基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。
(資金調達の方法)
当社グループの資金調達は、国内外の金融機関からの借入による間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー、ユーロ・ミディアム・ターム・ノート、リース債権流動化といった資本市場からの調達による直接調達で構成されております。
当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比6,875億円(38.4%)増加し2兆4,783億円となりました。これは、Aviation Capital Group LLCの完全子会社化に要する株式取得資金を金融機関からの借入金で調達したことに加え、調達資金の長期化を推進するため、コマーシャル・ペーパーから長期借入金への切り替えを進めているためであります。
直接調達は、前期末比5,495億円(43.9%)増加し1兆7,999億円となりました。Aviation Capital Group LLCの調達の大半が社債によるためであります。
この結果、当連結会計年度末の長期調達比率は67.6%となり、前期末に比べて15.9ポイント上昇しました。
(流動性の確保)
当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関123行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末に比べて2,496億円増額の1兆7,339億円、借入未実行残高は1兆2,235億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
(資本政策と株主還元方針)
「新・第四次中期経営計画」において最適資本構成を踏まえたバランスシートマネジメントを実施していく方針であります。
2020年2月に第三者割当増資を行い今後の事業成長に必要資金を調達しましたが、「新・第四次中期経営計画」最終年度に親会社株主に帰属する当期純利益800億円という目標を設定し、EPSを向上させながら株主資本コストを上回るROE12%水準を維持することで、投資家の皆さまのご期待に応えていきます。
そのためにも、成長事業への投資において、適切なリスク運営及びアセットコントロールを踏まえたROA向上策への取り組みの強化を図ります。NTTとの間で締結した資本業務提携の第一弾としてリース・ファイナンス事業を手掛ける合弁会社であるNTT・TCリース株式会社への出資のほか同グループと不動産、環境・エネルギー事業、グローバル事業等において協業ビジネスなどを推進し、成長分野に資金の配分をしていきます。
資金調達について、内部資金の活用に加え、外部格付の維持・向上させるなど安定的な財務基盤を支える資金調達力を強化しながら有利子負債による調達を進めていきます。
株主還元について、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本とし、成長事業への投資と財務基盤の強化とのバランスを確保しつつ、配当性向の向上を引き続き図っていきます。「新・第四次中期経営計画」最終年度に配当性向30%を目指しております。
③ 経営上の目標の達成状況
当社グループは、「新・第四次中期経営計画」における経営指標として、利益項目だけでなく、安定的な財務基盤を支える資金調達力を強化するため、引き続き自己資本比率を経営指標として採用するとともに、株主資本コストを上回る資本効率を重視していることから、引き続きROEを経営指標として採用しております。
当連結会計年度において、連結経常利益911億円、親会社株主に帰属する当期純利益563億円、連結自己資本比率9.9%、連結ROE11.5%となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、航空機リース事業、レンタカー事業等の業績に一時的に悪影響を与えると見込まれますが、「新・第四次中期経営計画」最終年度における2023年3月期の目標の達成に向けて着実に取り組んでまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりですが、その中でも特に重要なものは以下のとおりであります。
a. 賃貸資産の減損損失の計上
賃貸資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、回収可能価額を使用価値と物件の処分価値の見積り額のいずれか高い金額としています。
経営者は、賃貸資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、賃貸資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。
b. のれんの減損損失の計上
のれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、5年から20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。経営者は、その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討を行っており、その検討の内容は合理的であると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。
c. 金融商品の時価評価
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額の他、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。有価証券のうち、市場価格のあるものについては、市場価格によっております。
また、時価の把握が極めて困難と認められるものについては、帳簿価額を時価とみなしております。
当社グループで行っているデリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引等)、通貨関連取引(為替予約取引及び通貨スワップ取引等)であり、取引所の価格、割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算出した価額によっております。
経営者は、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。
d. 貸倒引当金の計上
貸倒引当金は、一般債権(正常先債権、要注意先債権及び要管理先債権)については貸倒実績率により、破産更生債権等(破綻懸念先債権、実質破綻先債権及び破綻先債権)については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。このため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
e. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。
経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価の見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。
ただし、予測不能な前提条件の変化等により回収可能額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて繰延税金資産の取崩し又は追加計上により損益に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。当社グループとしては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞と消費の低迷は、地域差はあるものの下半期あたりから徐々に解消するとの仮定に基づき見積りを行っていますが、経済活動の停滞と消費の低迷が想定以上に長期化した場合には、当社グループの財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(4)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
② 資金調達内訳
(注)当期の貸付債権の譲渡の合計額は、443百万円であります。
③ 業種別貸付金残高内訳
④ 担保別貸付金残高内訳
⑤ 期間別貸付金残高内訳
(注) 期間は、約定期間によっております。
当連結会計年度における当社グループの事業の取組状況、財政状態及び経営成績の状況、キャッシュ・フローの状況、並びに営業取引の状況の概要(以下「経営成績等」)は次のとおりであります。
① 事業の取組状況
(営業基盤の強化)
[次の10年に向けた取組み]
・日本電信電話株式会社(以下「NTT」)と、資本業務提携契約を締結いたしました。資本業務提携の第一弾として、両社の国内外におけるリース事業及びファイナンス事業を強化・拡充するために、NTTグループにおける金融中核会社であるNTTファイナンス株式会社のリース事業及びグローバル事業の一部を分社化し、NTT、NTTファイナンス株式会社及び当社の3社による合弁会社とすることといたしました。当社が有する金融・サービスソリューションノウハウ及びその提供能力と、NTTグループが有する信用力・研究開発力、NTTファイナンス株式会社が培ってきたリース事業のケイパビリティとを融合させることにより、新会社の企業価値を向上させるとともに、NTTグループが今後注力する成長分野の実現・展開などに資する新たなソリューションを提供し、NTTグループの資産の有効活用にも取り組んでまいります。また、NTTとは、現在、グローバル、不動産、環境・エネルギーといった成長分野において、具体的な検討を開始しておりますが、デジタル化・IoT等の他の成長分野においても、アセットビジネスの共同展開等の協業可能性について、検討を進めてまいります。
・当社連結子会社TC Skyward Aviation U.S.,Inc.の持分法適用関連会社である、米国大手航空機リース会社Aviation Capital Group LLCの残り75.5%の持分を米国大手生命保険会社であるPacific Life Insurance Companyより取得し、完全子会社といたしました。航空機オペレーティング・リース事業のフルプラットフォームを擁するAviation Capital Group LLCを完全子会社化することにより、当社持分法適用関連会社で、航空機部品・サービス事業を展開するGA Telesis, LLC及びエンジンリースを手掛けるGateway Engine Leasing,LLCとあわせ、航空機ビジネスにおけるバリューチェーンの入口から出口までを当社グループが一気通貫で対応することが可能となります。新造機体と中古機体、中古パーツのビジネスをつなげることで、バリューチェーンの最大化を図るとともに、それぞれの航空機ビジネスにおけるシナジーを高めて、航空機マーケット全体の成長を取り込んでいくことで、航空機ビジネス市場における当社のプレゼンスを一層高めてまいります
[国内リース事業分野]
・伊藤忠商事株式会社の100%子会社である伊藤忠建機株式会社の発行済株式総数の50%を取得し、当社の持分法適用関連会社とするとともに、伊藤忠TC建機株式会社に社名を変更いたしました。当社が持つITソリューションやサブスクリプションプラットフォームと、伊藤忠TC建機株式会社が長年の事業を通じて築いてきた顧客基盤を掛け合わせることで、建機ユーザーの課題やニーズに対して、先進的なサービスの提供が可能となります。建機ユーザーの事業ライフサイクル(購入~使用~売却)において、販売・レンタルのみならず、ソフトウェアやサービス、ファイナンス等のあらゆるニーズにワンストップで対応する次世代型総合ソリューション企業を目指してまいります。
・JFEエンジニアリング株式会社と、収益基盤強化に資する新たな事業フィールドの創出を目指し、共同投資ビークル「一般社団法人 J&TC Frontier」を設立いたしました。本共同投資ビークルを活用し、低炭素社会や社会インフラ整備への貢献、技術革新に対応した新技術創出、持続可能な資源利用への対応など、新しいビジネスモデルや社会課題の解決に貢献する新しい価値を創造してまいります。
[国内オート事業分野]
・当社連結子会社であるニッポンレンタカーサービス株式会社のグループ会社であるニッポンレンタカーインターナショナル株式会社は、世界最大かつ革新的なモビリティ・プロバイダーであるエンタープライズ・ホールディングスと、国内外におけるカーレンタルサービスの拡充を目指し、パートナーシップを締結いたしました。国内のお客様の海外でのレンタカー需要、また海外のお客様の日本国内でのレンタカー需要に対し、エンタープライズ・ホールディングスと相互に連携し、対応してまいります。
・当社連結子会社である日本カーソリューションズ株式会社とエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社は、「『業務代行 AI』による業務効率化」にて、公益社団法人企業情報化協会主催の2019年度「IT賞」をオートリース業界において初めて受賞いたしました。
・当社連結子会社である株式会社オリコオートリースは、バランスシートのスリム化とともに、資金調達の多様化を目的として、国内初の個人向けオートリース債権流動化により、資金調達額121億円を実行いたしました。
[スペシャルティ事業分野]
・日本のPEファンド業界におけるリーディング・カンパニーであるAdvantage Partnersグループとのパートナーシップ強化を目的として、Advantage Partners (H.K.) Limitedと戦略的提携に係る契約を締結し、発行済普通株式の14.9%を取得するとともに、Advantage Partners (H.K.) Limitedが実施するエクイティファイナンスを引受けることといたしました。本提携により、当社の幅広い顧客基盤、金融ノウハウ・専門性と、Advantage Partnersグループのネットワーク、ハンズオン型の企業価値向上のノウハウ・専門性を融合させ、新たな収益基盤の拡大と、競争力を有するビジネスモデルを構築することにより、投資先企業の成長・発展への取り組みを通じて、社会課題の解決への貢献を積極的に推進してまいります。
・NTTグループの保有するICT技術・直流給電技術を活用したスマートエネルギー事業を推進するNTTアノードエナジー株式会社と、環境・エネルギー分野におけるアセットビジネスの共同展開等の協業可能性について検討を開始いたしました。当社とNTTグループがこれまで培ってきた環境・エネルギー分野に関するそれぞれの知見を活かしてシナジー効果を発揮し、環境問題等の社会的課題の解決に取り組むことで、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指してまいります。
[国際事業分野]
・環境省及びその執行団体である公益財団法人地球環境センターが募集した「2019年度二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」において、代表事業者として当社が応募した「フィリピン/配電会社と連携した18MW太陽光発電プロジェクト」が採択されました。今後も、当社グループの広範な海外ネットワークと付加価値の高い金融・サービス機能を活用し、ASEAN各国において、JCM事業に積極的に参画してまいります。
・当社連結子会社であるTokyo Century(USA)Inc.は、米国の独立系リース・ファイナンス会社Allegiant Partners Incorporatedの株式の100%を取得し、完全子会社といたしました。Allegiant Partners Incorporatedは、米国西海岸に拠点を構える、中小型トラックや樹木整備機器を中心に取り扱う独立系リース・ファイナンス会社で、米国東海岸に拠点を構え、中小型トラックを対象とした小口ファイナンスに強みを有するTokyo Century(USA)Inc.とビジネスの親和性も高く、地域補完、顧客ベースの共有によるビジネスの相互紹介、クロスセルによる営業力強化などのシナジー効果が期待できます。当社とAllegiant Partners Incorporatedがこれまでに培ってきたノウハウを融合させることにより、更なるマーケットプレゼンスの向上を図るとともに、当社グループの米国事業の成長を加速させてまいります。
(経営基盤の強化)
[財務基盤の充実と強化]
・NTT及び伊藤忠商事株式会社を割当先として、第三者割当の方法による新株式の発行を行いました。これまで営業取引の実行・M&A等を通じた国内外における事業の拡大・成長を積極的に実施してまいりましたが、本第三者割当増資により調達した資金により、自己資本の拡充を図り、財務基盤の充実と強化を進めると共に、NTT及び伊藤忠商事株式会社等の戦略的パートナーとの協業を進め、「新・第四次中期経営計画」に沿って、強固な事業基盤の確立に向けた成長投資等を進めることにより、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
[その他経営基盤の強化]
・障がい者の更なる雇用促進を図るための新たな取り組みとして、農場長と農園スタッフ計8名を雇用し、「TCわくはぴ農園」を開園いたしました。当社は、今後も障がい者雇用体制の整備・強化を推進するとともに、多様な社員が活躍できる職場環境作りに取り組んでまいります。
・経済産業省が東京証券取引所と共同で実施する「準なでしこ2020」に、2019年に引き続き2年連続で選定されました。当社は、経営方針の一つにダイバーシティの推進を掲げ、女性活躍とワーク・ライフ・バランスの促進に向けた数値目標を定めることにより、課題・目標を明確にし、採用、育成、登用と両立支援など様々な施策に取り組んでいます。
② 財政状態及び経営成績の状況
業績につきましては、Aviation Capital Group LLCの連結子会社化や2018年7月に出資した神鋼不動産株式会社の業績が通期にわたり寄与するなどスペシャルティ事業の堅調な推移に加えて、国内オート事業グループ各社の業容拡大の寄与などにより、売上高は前期比989億86百万円(9.3%)増加し1兆1,665億99百万円、営業利益は同106億25百万円(13.7%)増加し883億46百万円、経常利益は前期比47億89百万円(5.5%)増加し911億26百万円となりました。また、法人税等は前期比29億22百万円(10.7%)増加し302億84百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は同15億34百万円(22.6%)増加し83億27百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比40億32百万円(7.7%)増加し563億3百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前期末比1兆5,220億42百万円(37.2%)増加し5兆6,085億56百万円となりました。負債合計は、前期末比1兆3,862億69百万円(38.9%)増加し4兆9,484億11百万円となりました。資産及び負債が増加した主な要因は、Aviation Capital Group LLCの連結子会社化であります。純資産合計は、前期末比1,357億72百万円(25.9%)増加し6,601億45百万円となりました。主な要因は、NTT及び伊藤忠商事株式会社を割当先とする第三者割当増資の実施及び期間利益の蓄積による利益剰余金の増加であります。
この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.5ポイント低下し9.9%となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
各セグメントにおける売上高については「外部顧客に対する売上高」の金額、セグメント利益については報告セグメントの金額を記載しております。
当連結会計年度より、報告セグメントを「賃貸・割賦事業」、「ファイナンス事業」及び「その他の事業」から、「国内リース事業」、「国内オート事業」、「スペシャルティ事業」及び「国際事業」に変更し、セグメント利益を営業利益から経常利益に変更しております。
また、セグメント資産についても、従来の営業資産から、営業資産及び各セグメントに帰属する持分法適用関連会社への投資額並びにのれん等の合計額に変更しております。
なお、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメントに組み替えた数値で比較しております。
(国内リース事業)
売上高は前期比114億60百万円(2.2%)減少し5,035億92百万円、セグメント利益は同4億77百万円(1.7%)増加し281億84百万円となりました。主な増益要因は、持分法適用関連会社の減損処理に伴う損失を計上したものの、情報通信機器を中心としたリース収益が好調であったこと及び、有力パートナー企業と設立した合弁会社の利益増加に伴うものであります。セグメント資産残高は前期末比982億63百万円(7.2%)増加し1兆4,710億97百万円となりました。
(国内オート事業)
売上高は前期比216億84百万円(6.6%)増加し3,507億73百万円、セグメント利益は同20億44百万円(10.3%)増加し219億28百万円となりました。主な増益要因は、国内初の個人向けオートリースの債権流動化に伴う譲渡益の発生及び国内オート事業グループ各社の業容拡大に伴うものであります。セグメント資産残高は前期末比385億43百万円(6.5%)増加し6,312億14百万円となりました。
(スペシャルティ事業)
売上高は前期比800億68百万円(57.8%)増加し2,185億42百万円、セグメント利益は同54億90百万円(14.1%)増加し444億49百万円となりました。主な増益要因は、米国大手航空機リース会社であるAviation Capital Group LLCの連結子会社化や2018年7月に連結子会社化した神鋼不動産株式会社の業績が通期にわたり寄与したことであります。セグメント資産残高はAviation Capital Group LLC連結子会社化の影響により前期末比1兆54億82百万円(88.0%)増加し2兆1,478億81百万円となりました。
(国際事業)
売上高は前期比90億49百万円(10.7%)増加し933億53百万円、セグメント利益は同3億57百万円(4.8%)増加し77億38百万円となりました。主な増益要因は東アジア・アセアンでの大口顧客の貸倒引当金計上があったものの、米国のIT機器を中心としたリース子会社CSI Leasing, Inc.の事業が年間を通じて堅調に推移したことであります。セグメント資産残高は前期末比23億29百万円(0.5%)減少し5,105億78百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 自 2018年4月1日至 2019年3月31日 | 当連結会計年度 自 2019年4月1日至 2020年3月31日 | 増減額 | |
| 営業活動キャッシュ・フロー | △59,154 | △50,664 | 8,489 |
| 投資活動キャッシュ・フロー | △123,947 | △315,177 | △191,229 |
| 財務活動キャッシュ・フロー | 189,035 | 523,062 | 334,026 |
| 現金・現金同等物期末残高 | 89,727 | 250,096 | 160,368 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動では、賃貸資産減価償却費が1,409億30百万円、賃貸資産除却損及び売却原価が1,218億55百万円、税金等調整前当期純利益が949億16百万円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が2,970億28百万円、リース債権及びリース投資資産の増減額による支出が960億85百万円となったこと等により、506億64百万円の支出(前連結会計年度は591億54百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動では、投資有価証券の売却及び償還による収入が49億74百万円となったこと等に対し、Aviation Capital Group LLCの連結子会社などの連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,872億31百万円、投資有価証券の取得による支出が228億29百万円となったこと等により、3,151億77百万円の支出(前連結会計年度は1,239億47百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動では、長期借入金の返済による支出が5,207億46百万円、社債の償還による支出が1,219億10百万円、コマーシャル・ペーパーの純増減額による支出が899億64百万円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が1兆1,467億62百万円、株式の発行による収入が937億96百万円、社債の発行による収入が676億36百万円となったこと等により、5,230億62百万円の収入(前連結会計年度は1,890億35百万円の収入)となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比1,603億68百万円増加し2,500億96百万円となりました。
④ 営業取引の状況
連結会計年度におけるセグメント資産残高、セグメント売上高及びセグメント利益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a. セグメント資産残高
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 報告セグメント | 国内リース事業 | 1,372,833 | 1,471,097 | 98,263 | 7.2 |
| 国内オート事業 | 592,670 | 631,214 | 38,543 | 6.5 | |
| スペシャルティ事業 | 1,142,398 | 2,147,881 | 1,005,482 | 88.0 | |
| 国際事業 | 512,908 | 510,578 | △2,329 | △0.5 | |
| 報告セグメント計 | 3,620,811 | 4,760,772 | 1,139,960 | 31.5 | |
| その他 | 10,107 | 12,201 | 2,093 | 20.7 | |
| 合計 | 3,630,919 | 4,772,973 | 1,142,054 | 31.5 | |
| 連結財務諸表との調整額 | 455,594 | 835,582 | 379,988 | - | |
| 連結財務諸表上の資産合計 | 4,086,513 | 5,608,556 | 1,522,042 | 37.2 | |
b. セグメント売上高
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 報告セグメント | 国内リース事業 | 515,052 | 503,592 | △11,460 | △2.2 |
| 国内オート事業 | 329,088 | 350,773 | 21,684 | 6.6 | |
| スペシャルティ事業 | 138,474 | 218,542 | 80,068 | 57.8 | |
| 国際事業 | 84,303 | 93,353 | 9,049 | 10.7 | |
| 報告セグメント計 | 1,066,919 | 1,166,261 | 99,342 | 9.3 | |
| その他 | 692 | 337 | △355 | △51.3 | |
| 連結財務諸表上の売上高 | 1,067,612 | 1,166,599 | 98,986 | 9.3 | |
(注) 売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
c. セグメント利益
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 報告セグメント | 国内リース事業 | 27,706 | 28,184 | 477 | 1.7 |
| 国内オート事業 | 19,883 | 21,928 | 2,044 | 10.3 | |
| スペシャルティ事業 | 38,959 | 44,449 | 5,490 | 14.1 | |
| 国際事業 | 7,381 | 7,738 | 357 | 4.8 | |
| 報告セグメント計 | 93,932 | 102,301 | 8,369 | 8.9 | |
| その他 | 234 | 320 | 86 | 36.8 | |
| 合計 | 94,166 | 102,621 | 8,455 | 9.0 | |
| 連結財務諸表との調整額 | △7,828 | △11,495 | △3,666 | - | |
| 連結財務諸表上の経常利益 | 86,337 | 91,126 | 4,789 | 5.5 | |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、2019年度から2021年度までの「第四次中期経営計画」において策定した基本方針及び経営戦略にもとづき、「金融機能を持つ事業会社」として、パートナー企業との事業性ビジネスを含めたグローバルな安定事業基盤の確立などに注力してきました。
なお、当社グループの当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。
また、2019年12月のAviation Capital Group LLCの完全子会社化に続き、2020年2月のNTTとの資本業務締結契約等を踏まえ、「第四次中期経営計画」を1年で終了し、2020年度を初年度とする「新・第四次中期経営計画」(3ヵ年)を策定いたしました。
(経営成績及び財政状態)
当社グループの重要な経営指標である経常利益は前期比48億円(5.5%)増加し911億円となり、2009年の当社合併以来、11期連続過去最高益を達成いたしました。
セグメント別の経常利益(セグメント利益)及びROAについて分析した結果は以下のとおりであります。
(単位 億円)
| セグメントの名称 | 経常利益(セグメント利益) | ROA | ||||
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 前期比 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 前期比 | |
| 国内リース事業 | 277 | 282 | 5 | 2.0% | 2.0% | 0.0pt |
| 国内オート事業 | 199 | 219 | 20 | 3.6% | 3.6% | 0.0pt |
| スペシャルティ事業 | 390 | 444 | 55 | 3.7% | 2.7% | -1.0pt |
| 国際事業 | 74 | 77 | 4 | 1.5% | 1.5% | 0.0pt |
*ROA:経常利益/((前期末セグメント資産+当期末セグメント資産)/2)
【国内リース事業】
国内リース事業の経常利益は前期比5億円(1.7%)増加し、282億円となりました。また、ROAは前期と変わらず2.0%となりました。国内リースマーケットはリース会計基準変更等によるマーケットの縮小及び低金利の長期化等により、収益性が厳しい環境ではありますが、有力パートナーとの共創ビジネス、各種提案型営業の推進に加え、事務の合理化等により収益性の向上を進めてきました。
当連結会計年度の業績は持分法適用関連会社の株価低下に伴う減損損失を計上したものの、株式会社アマダホールディングス、伊藤忠商事株式会社等の有力パートナーとの共同事業が収益貢献を果たし、経常利益は増益を確保いたしました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響は軽微であります。
【国内オート事業】
国内オート事業の経常利益は前期比20億円(10.3%)増加し、219億円となりました。また、ROAは前期と変わらず3.6%となりました。海外向け中古車マーケットは低迷しておりますが、レンタカー市場におけるイベントやインバウンド増加に伴う需要増を取り組むことによる売上が増加したこと、個人向けオートリース市場において、所有から利用への意識が浸透し、取扱高の増加に伴う収益が増加したこと及び国内初となる個人向けオートリース債権流動化に伴う譲渡益の計上が増益の要因であります。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けている運輸業等の取引先に対する債権に対して、貸倒費用を計上しております。
【スペシャルティ事業】
スペシャルティ事業の経常利益は前期比55億円(14.1%)増加し、444億円となりました。また、ROAは前期比1.0pt低下の2.7%となりました。
Aviation Capital Group LLCを連結子会社化し、第4四半期から子会社として利益が反映され、その効果も含め航空機事業の利益が拡大したこと、不動産事業におけるキャピタルゲインの増加、神鋼不動産株式会社の連結業績が年間にわたり寄与したことなどが増益の要因であります。
ROAは1.0pt低下しているものの、この主因はAviation Capital Group LLCの連結化による影響であります。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受けているエアラインに対する債権に対して、貸倒費用を計上しております。
【国際事業】
国際事業の経常利益は前期比4億円(4.8%)増加し、77億円となりました。また、ROAは前期と変わらず1.5%となりました。アジア・アセアン地域において、非日系取引に係る貸倒費用が増加したものの、グローバルに事業を展開する子会社CSI Leasing,Inc.が連結子会社化以降最高益更新を継続するなど業績が伸長し、増益を確保いたしました。
なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響は軽微であります。
特別利益について、投資有価証券評価損21億円計上したものの、投資有価証券の縮減も進め、投資有価証券売却益45億円計上するとともに、Aviation Capital Group LLCの連結子会社化に伴う段階取得に係る差益を19億円計上し、特別損益合計で38億円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比40億円(7.7%)増加し563億円となりました。ROEは前期末に比べ、1.2ポイント低下し11.5%となりましたが、9期連続して過去最高益を達成いたしました。
当社グループは、合併以降、ファイナンス・リース、貸付等の金融を主軸としたビジネスからの変革に注力し、航空機、オート、不動産等モノの価値に着目した事業を拡充してきましたが、当連結会計年度の業績の伸長に大きく反映されております。
財政状態はAviation Capital Group LLCの連結子会社化など成長事業への投資を積極的に推進した結果、当連結会計年度末の資産合計は、前期末比1兆5,220億円(37.2%)増加し5兆6,086億円となり、負債合計は、前期末比1兆3,863億円(38.9%)増加し4兆9,484億円、有利子負債は、前期末比1兆2,370億円(40.7%)増加し4兆2,782億円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.5ポイント低下し9.9%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度のキャッシュ・フローについて、スペシャルティ事業分野におけるAviation Capital Group LLCの完全子会社化、国内リース事業分野における伊藤忠建機株式会社の持分法適用関連会社化(50%出資)、国際事業分野におけるAllegiant Partners Incorporatedの完全子会社化のための株式取得資金などにより投資活動によるキャッシュ・フローが3,152億円の支出となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フローについても、オペレーティング・リースを中心に収益の源泉となる営業資産を積み増したことなどにより、507億円の支出になるなど、各事業分野の営業基盤強化に向けた成長事業への投資を実行しました。
この成長事業への投資に必要な資金は主として長期借入金など長期の有利子負債により調達を行いました。また、当連結会計年度において資本業務提携契約を締結したNTT及び伊藤忠商事株式会社を割当先とする第三者割当増資により938億円調達いたしましたが、財務基盤の充実と強化を進めるとともに、強固な事業基盤の確立に向けた成長事業への投資を進めるためであります。この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは5,231億円の収入となりました。
これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比1,604億円(178.7%)増加し2,501億円となりました。第三者割当増資により調達した資金について、2020年7月に支出予定のNTT・TCリース株式会社の株式取得資金(600億円を予定)など、その一部が未使用であることが増加した要因の一つであります。
(資金調達の基本方針)
当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、資金コストの低減及び調達の安定性を高めることを基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。
(資金調達の方法)
当社グループの資金調達は、国内外の金融機関からの借入による間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー、ユーロ・ミディアム・ターム・ノート、リース債権流動化といった資本市場からの調達による直接調達で構成されております。
当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比6,875億円(38.4%)増加し2兆4,783億円となりました。これは、Aviation Capital Group LLCの完全子会社化に要する株式取得資金を金融機関からの借入金で調達したことに加え、調達資金の長期化を推進するため、コマーシャル・ペーパーから長期借入金への切り替えを進めているためであります。
直接調達は、前期末比5,495億円(43.9%)増加し1兆7,999億円となりました。Aviation Capital Group LLCの調達の大半が社債によるためであります。
この結果、当連結会計年度末の長期調達比率は67.6%となり、前期末に比べて15.9ポイント上昇しました。
(流動性の確保)
当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関123行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末に比べて2,496億円増額の1兆7,339億円、借入未実行残高は1兆2,235億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。
(資本政策と株主還元方針)
「新・第四次中期経営計画」において最適資本構成を踏まえたバランスシートマネジメントを実施していく方針であります。
2020年2月に第三者割当増資を行い今後の事業成長に必要資金を調達しましたが、「新・第四次中期経営計画」最終年度に親会社株主に帰属する当期純利益800億円という目標を設定し、EPSを向上させながら株主資本コストを上回るROE12%水準を維持することで、投資家の皆さまのご期待に応えていきます。
そのためにも、成長事業への投資において、適切なリスク運営及びアセットコントロールを踏まえたROA向上策への取り組みの強化を図ります。NTTとの間で締結した資本業務提携の第一弾としてリース・ファイナンス事業を手掛ける合弁会社であるNTT・TCリース株式会社への出資のほか同グループと不動産、環境・エネルギー事業、グローバル事業等において協業ビジネスなどを推進し、成長分野に資金の配分をしていきます。
資金調達について、内部資金の活用に加え、外部格付の維持・向上させるなど安定的な財務基盤を支える資金調達力を強化しながら有利子負債による調達を進めていきます。
株主還元について、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本とし、成長事業への投資と財務基盤の強化とのバランスを確保しつつ、配当性向の向上を引き続き図っていきます。「新・第四次中期経営計画」最終年度に配当性向30%を目指しております。
③ 経営上の目標の達成状況
当社グループは、「新・第四次中期経営計画」における経営指標として、利益項目だけでなく、安定的な財務基盤を支える資金調達力を強化するため、引き続き自己資本比率を経営指標として採用するとともに、株主資本コストを上回る資本効率を重視していることから、引き続きROEを経営指標として採用しております。
当連結会計年度において、連結経常利益911億円、親会社株主に帰属する当期純利益563億円、連結自己資本比率9.9%、連結ROE11.5%となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、航空機リース事業、レンタカー事業等の業績に一時的に悪影響を与えると見込まれますが、「新・第四次中期経営計画」最終年度における2023年3月期の目標の達成に向けて着実に取り組んでまいります。
| 2020年3月期 (実績) | 2023年3月期 (目標) | |
| 連結経常利益 | 911億円 | 1,300億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 563億円 | 800億円 |
| 連結自己資本比率 | 9.9% | 12% |
| 連結ROE | 11.5% | 12% |
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりですが、その中でも特に重要なものは以下のとおりであります。
a. 賃貸資産の減損損失の計上
賃貸資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、回収可能価額を使用価値と物件の処分価値の見積り額のいずれか高い金額としています。
経営者は、賃貸資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、賃貸資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。
b. のれんの減損損失の計上
のれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、5年から20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。経営者は、その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討を行っており、その検討の内容は合理的であると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。
c. 金融商品の時価評価
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額の他、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。有価証券のうち、市場価格のあるものについては、市場価格によっております。
また、時価の把握が極めて困難と認められるものについては、帳簿価額を時価とみなしております。
当社グループで行っているデリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引等)、通貨関連取引(為替予約取引及び通貨スワップ取引等)であり、取引所の価格、割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算出した価額によっております。
経営者は、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。
d. 貸倒引当金の計上
貸倒引当金は、一般債権(正常先債権、要注意先債権及び要管理先債権)については貸倒実績率により、破産更生債権等(破綻懸念先債権、実質破綻先債権及び破綻先債権)については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれております。このため、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があり、この場合には、将来当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。
e. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。
経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価の見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。
ただし、予測不能な前提条件の変化等により回収可能額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて繰延税金資産の取崩し又は追加計上により損益に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。当社グループとしては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞と消費の低迷は、地域差はあるものの下半期あたりから徐々に解消するとの仮定に基づき見積りを行っていますが、経済活動の停滞と消費の低迷が想定以上に長期化した場合には、当社グループの財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(4)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。
① 貸付金の種別残高内訳
| 2020年3月31日現在 | |||||
| 貸付種別 | 件数 (件) | 構成割合 (%) | 残高 (百万円) | 構成割合 (%) | 平均約定金利 (%) |
| 消費者向 | |||||
| 無担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 有担保 (住宅向を除く) | - | - | - | - | - |
| 住宅向 | - | - | - | - | - |
| 計 | - | - | - | - | - |
| 事業者向 | |||||
| 計 | 11,499 | 100.00 | 902,604 | 100.00 | 2.05 |
| 合計 | 11,499 | 100.00 | 902,604 | 100.00 | 2.05 |
② 資金調達内訳
| 2020年3月31日現在 | ||
| 借入先等 | 残高(百万円) | 平均調達金利(%) |
| 金融機関等からの借入 | 1,607,563 | 0.63 |
| その他 | 803,436 | 0.18 |
| 社債・CP | 750,936 | 0.19 |
| 合計 | 2,410,999 | 0.48 |
| 自己資本 | 387,520 | - |
| 資本金・出資額 | 81,129 | - |
(注)当期の貸付債権の譲渡の合計額は、443百万円であります。
③ 業種別貸付金残高内訳
| 2020年3月31日現在 | ||||
| 業種別 | 先数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 製造業 | 396 | 15.48 | 8,610 | 0.95 |
| 建設業 | 72 | 2.81 | 251 | 0.03 |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | 20 | 0.78 | 43,824 | 4.86 |
| 運輸・通信業 | 105 | 4.10 | 95,726 | 10.61 |
| 卸売・小売業、飲食店 | 560 | 21.89 | 6,007 | 0.67 |
| 金融・保険業 | 91 | 3.56 | 126,755 | 14.04 |
| 不動産業 | 35 | 1.37 | 80,868 | 8.96 |
| サ-ビス業 | 798 | 31.21 | 500,604 | 55.45 |
| 個人 | - | - | - | - |
| その他 | 481 | 18.80 | 39,954 | 4.43 |
| 合計 | 2,558 | 100.00 | 902,604 | 100.00 |
④ 担保別貸付金残高内訳
| 2020年3月31日現在 | ||
| 受入担保の種類 | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 有価証券 | 6,499 | 0.72 |
| うち株式 | - | - |
| 債権 | 3,650 | 0.40 |
| うち預金 | - | - |
| 商品 | - | - |
| 不動産 | 14,500 | 1.61 |
| 財団 | - | - |
| その他 | 88,487 | 9.80 |
| 計 | 113,137 | 12.53 |
| 保証 | 9,568 | 1.06 |
| 無担保 | 779,898 | 86.41 |
| 合計 | 902,604 | 100.00 |
⑤ 期間別貸付金残高内訳
| 2020年3月31日現在 | ||||
| 期間別 | 件数(件) | 構成割合(%) | 残高(百万円) | 構成割合(%) |
| 1年以下 | 329 | 2.86 | 241,046 | 26.71 |
| 1年超5年以下 | 9,636 | 83.80 | 223,018 | 24.71 |
| 5年超10年以下 | 1,365 | 11.87 | 300,602 | 33.30 |
| 10年超15年以下 | 61 | 0.53 | 100,194 | 11.10 |
| 15年超20年以下 | 103 | 0.90 | 16,674 | 1.85 |
| 20年超25年以下 | 1 | 0.01 | 32 | 0.00 |
| 25年超 | 4 | 0.03 | 21,035 | 2.33 |
| 合計 | 11,499 | 100.00 | 902,604 | 100.00 |
| 一件当たり平均期間 | 5.43年 | |||
(注) 期間は、約定期間によっております。