有価証券報告書-第26期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営環境
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、緩やかな持ち直しとなりましたが、一方で原材料、光熱費の高騰や継続的な採用難、長期化する部材不足などが経済に与える影響に十分注意する必要があり、不透明な経済状況が続いております。
② 経営成績及び財政状態の状況
当社グループの経営成績は、以下のとおりです。
当連結会計年度は『食べログ』の飲食店販促事業、『求人ボックス』をはじめとする新興メディア・ソリューションの各事業及び連結子会社㈱カカクコム・インシュアランスの各事業が好調に成長したことによって、売上収益は60,820百万円(前年同期比17.6%増)、営業利益は23,947百万円(前年同期比25.1%増)となりました。
セグメントごとの業績(内部取引消去後)は次のとおりです。
当連結会計年度のインターネット・メディア事業の売上収益は56,960百万円(前年同期比16.1%増)、セグメント利益は22,397百万円(前年同期比21.1%増)となりました。当連結会計年度のファイナンス事業の売上収益は3,860百万円(前年同期比44.0%増)、セグメント利益は1,550百万円(前年同期比135.6%増)となりました。
当社グループの財政状態は、以下のとおりです。
資産合計は78,558百万円となり、前連結会計年度末と比較し8,081百万円増加いたしました。これは主に、使用権資産が908百万円減少した一方で、その他の流動資産が3,875百万円、現金及び現金同等物が2,154百万円、営業債権及びその他の債権が2,120百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債合計は30,418百万円となり、前連結会計年度末と比較し8,105百万円増加いたしました。これは主に、その他の流動負債が5,293百万円、未払法人所得税が1,484百万円それぞれ増加したことによるものであります。
資本合計は48,140百万円となり、前連結会計年度末と比較し24百万円減少いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益16,132百万円を計上した一方で、剰余金の配当8,184百万円、自己株式の取得及び処分による減少7,965百万円があったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ2,154百万円増加し、36,453百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22,400百万円(前年同期は16,033百万円の収入)となりました。
これは主に、税引前利益23,253百万円、減価償却費及び償却費3,563百万円、その他の流動負債の増加5,293百万円があった一方で、法人所得税の支払額6,334百万円、その他の流動資産の増加3,875百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は2,678百万円(前年同期は1,311百万円の支出)となりました。
これは主に、サーバーで使用するソフトウェアの購入等の無形資産の取得による支出が1,447百万円、投資有価証券の取得による支出が614百万円、有形固定資産の取得による支出が552百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は17,572百万円(前年同期は15,310百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払による支出が8,184百万円、自己株式の取得による支出が8,018百万円、リース負債の返済による支出が1,387百万円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務には生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針 及び 4. 重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載のとおりであります。
② 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度における当社グループの売上収益は60,820百万円(前年同期比17.6%増)となりました。
まん延防止等重点措置その他の行動制限が全国的に解除された後、7月及び11月において発生した新たな変異ウイルスによる感染拡大の影響を受けながらも経済社会活動の正常化が進む中で、価格.comの売上が減少した一方、食べログ事業の飲食店販促事業、新興メディア・ソリューション事業及びファイナンス事業の売上が増加しました。
営業利益は23,947百万円(前年同期比25.1%増)となりました。これは主として、売上収益が増加したことによるものであります。
税引前利益は23,253百万円(前年同期比11.3%増)となりました。これは主として、営業利益の増加によるものであります。
親会社の所有者に帰属する当期利益は16,132百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
セグメントの業績(内部取引消去後)は、次のとおりであります。
1.インターネット・メディア事業
当連結会計年度のインターネット・メディア事業の売上収益は56,960百万円(前年同期比16.1%増)、セグメント利益は22,397百万円(前年同期比21.1%増)となりました。
[価格.com]
当連結会計年度の売上収益は19,697百万円(前年同期比8.0%減)となりました。
ショッピング事業は、新製品の減少その他の供給面の制約の長期化及び為替の変動による製品値上がりなどの影響を受けて売上が減少しました。広告事業は、新製品の減少その他の供給面の制約の長期化及び為替の変動による製造コストの上昇に伴う出稿の減少などの影響を受けて売上が減少しました。サービス事業は、下半期は回復が見られたものの、通信領域における巣ごもり需要の落ち着きや、自動車領域において供給面の影響が続いていることなどから売上が減少しました。
その結果、ショッピング事業の売上収益は8,054百万円(前年同期比8.9%減)、サービス事業の売上収益は8,017百万円(前年同期比2.9%減)、広告事業の売上収益は3,626百万円(前年同期比16.0%減)となりました。
月間利用者数は2023年3月度に4,235万人(※1)となりました。
[食べログ]
当連結会計年度の売上収益は23,381百万円(前年同期比38.5%増)となりました。
飲食店販促事業の売上収益は20,179百万円(前年同期比49.1%増)となりました。新型コロナウイルス感染症が7月及び11月に再拡大したものの、社会活動は正常化に向かい外食需要も着実に高まりました。このため、当連結会計年度累計期間のネット予約人数は5,674万人(前年同期比111.6%増)となりました。また、飲食店におけるネット予約サービスの利用が拡大したことにより、有料プラン契約店舗数は2023年3月時点で68,200店舗となりました。
ユーザー会員事業は、有料サービス加入者数の減少により、売上収益が1,496百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
広告事業は、主に提携パートナーへの送客が増加したことにより売上収益が1,672百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
また、業務受託の売上収益は35百万円(※2)となりました。
月間利用者数は2023年3月度に9,649万人(※1)となりました。
[新興メディア・ソリューション]
当連結会計年度の売上収益は13,882百万円(前年同期比29.2%増)となりました。
新興メディア・ソリューション事業は、求人、不動産及び旅行・移動の各領域において売上収益が増加しました。
※1 月間利用者数とは、サイトを訪れた人をブラウザベースで数えた利用者数です(特定のブラウザ、OS等によっては一定期間経過後に再訪した利用者を重複計測する場合があります)。モバイル端末のウェブページ高速表示に伴う利用者数の重複や、第三者による自動収集プログラムなどの機械的なアクセスについては可能な限り排除して計測しています。なお、食べログにおいては、2022年2月をもってAMP(Accelerated Mobile Pages)対応を終了いたしました。
※2 Go To Eatキャンペーン事業(農林水産省)の受託による収入を指しております。ただし、当該事業の受託による広告宣伝に係る収入(広告事業に計上)は含まれておりません。
2.ファイナンス事業
当連結会計年度のファイナンス事業の売上収益は3,860百万円(前年同期比44.0%増)、セグメント利益は1,550百万円(前年同期比135.6%増)となりました。
㈱カカクコム・インシュアランスが運営する『価格.com保険』は、保険代理店手数料収入における収益認識に関する見積の変更、及びオンラインによる保険契約の申込が増加したことにより手数料収入が増加しました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行されるなど感染動向が景気に与える影響は縮小していくとみられるものの、一方で原材料、光熱費の高騰や継続的な採用難、長期化する部材不足などが経済に与える影響に十分注意する必要があり、不透明な経済状況が続いております。
④ 資本の財源及び資金の流動性
(経営資源の配分に関する考え方)
既存事業の運営及び成長投資に必要な資金を手元に残した上で、過剰な内部留保は行わずに株主還元を行うこと、また、株主還元は年2回の配当及び機動的な自己株の取得によって継続的に実施することを方針としております。
なお、成長投資は、ⅰ)既存事業の拡大や新規事業創出に伴う人的資源への投資、ⅱ)先端技術に関する研究開発及び事業への活用に対する投資、並びにⅲ)事業ポートフォリオ拡大及び成長の加速を目的としたM&Aや出資をその対象としています。
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの主な資金需要は運転資金及び設備資金であります。運転資金の主なものは、営業活動における人件費や販売代理店に支払う販売手数料、またサービス利用者増加を目的とした広告宣伝費によるものであります。設備資金の主なものは、サーバー及びネットワークの設備投資によるものであります。
(財務政策)
当社グループの事業拡大に必要な資金は営業キャッシュ・フローから獲得した資金を充当しております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について
当社グループは、新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業の連結売上構成比を20%以上に引き上げることを目指しており、当連結会計年度は29.2%となりました。
[新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業の連結売上構成比率の推移]
なお、2024年3月期以降については『求人ボックス』及び新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業(『求人ボックス』を除く。)それぞれの連結売上構成比を20%以上に引き上げることを目指してまいります。
また、継続的な事業拡大と経営の効率維持のために親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を重要な指標と位置付け、その目安を40%としておりますが、当連結会計年度のROEは33.7%となりました。これは、売上収益及び親会社の所有者に帰属する当期利益がいずれも前年同期比では増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けたことによって、コロナ前との比較においては低い水準にとどまったことによるものです。
[ROEの推移]
加えて、各事業の売上収益についても指標として重視しております。
[各事業の売上] (単位:百万円)
※当該事業の2023年1月終了に伴い第3四半期及び第4四半期に行われた精算手続の過程において、調整が発生しました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営環境
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、緩やかな持ち直しとなりましたが、一方で原材料、光熱費の高騰や継続的な採用難、長期化する部材不足などが経済に与える影響に十分注意する必要があり、不透明な経済状況が続いております。
② 経営成績及び財政状態の状況
当社グループの経営成績は、以下のとおりです。
当連結会計年度は『食べログ』の飲食店販促事業、『求人ボックス』をはじめとする新興メディア・ソリューションの各事業及び連結子会社㈱カカクコム・インシュアランスの各事業が好調に成長したことによって、売上収益は60,820百万円(前年同期比17.6%増)、営業利益は23,947百万円(前年同期比25.1%増)となりました。
セグメントごとの業績(内部取引消去後)は次のとおりです。
当連結会計年度のインターネット・メディア事業の売上収益は56,960百万円(前年同期比16.1%増)、セグメント利益は22,397百万円(前年同期比21.1%増)となりました。当連結会計年度のファイナンス事業の売上収益は3,860百万円(前年同期比44.0%増)、セグメント利益は1,550百万円(前年同期比135.6%増)となりました。
当社グループの財政状態は、以下のとおりです。
資産合計は78,558百万円となり、前連結会計年度末と比較し8,081百万円増加いたしました。これは主に、使用権資産が908百万円減少した一方で、その他の流動資産が3,875百万円、現金及び現金同等物が2,154百万円、営業債権及びその他の債権が2,120百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債合計は30,418百万円となり、前連結会計年度末と比較し8,105百万円増加いたしました。これは主に、その他の流動負債が5,293百万円、未払法人所得税が1,484百万円それぞれ増加したことによるものであります。
資本合計は48,140百万円となり、前連結会計年度末と比較し24百万円減少いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益16,132百万円を計上した一方で、剰余金の配当8,184百万円、自己株式の取得及び処分による減少7,965百万円があったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ2,154百万円増加し、36,453百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22,400百万円(前年同期は16,033百万円の収入)となりました。
これは主に、税引前利益23,253百万円、減価償却費及び償却費3,563百万円、その他の流動負債の増加5,293百万円があった一方で、法人所得税の支払額6,334百万円、その他の流動資産の増加3,875百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は2,678百万円(前年同期は1,311百万円の支出)となりました。
これは主に、サーバーで使用するソフトウェアの購入等の無形資産の取得による支出が1,447百万円、投資有価証券の取得による支出が614百万円、有形固定資産の取得による支出が552百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は17,572百万円(前年同期は15,310百万円の支出)となりました。
これは主に、配当金の支払による支出が8,184百万円、自己株式の取得による支出が8,018百万円、リース負債の返済による支出が1,387百万円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務には生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比 |
インターネット・メディア事業 | 56,960 | 16.1%増 |
ファイナンス事業 | 3,860 | 44.0%増 |
合計 | 60,820 | 17.6%増 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針 及び 4. 重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載のとおりであります。
② 経営成績及び財政状態の状況
当連結会計年度における当社グループの売上収益は60,820百万円(前年同期比17.6%増)となりました。
まん延防止等重点措置その他の行動制限が全国的に解除された後、7月及び11月において発生した新たな変異ウイルスによる感染拡大の影響を受けながらも経済社会活動の正常化が進む中で、価格.comの売上が減少した一方、食べログ事業の飲食店販促事業、新興メディア・ソリューション事業及びファイナンス事業の売上が増加しました。
営業利益は23,947百万円(前年同期比25.1%増)となりました。これは主として、売上収益が増加したことによるものであります。
税引前利益は23,253百万円(前年同期比11.3%増)となりました。これは主として、営業利益の増加によるものであります。
親会社の所有者に帰属する当期利益は16,132百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
セグメントの業績(内部取引消去後)は、次のとおりであります。
1.インターネット・メディア事業
当連結会計年度のインターネット・メディア事業の売上収益は56,960百万円(前年同期比16.1%増)、セグメント利益は22,397百万円(前年同期比21.1%増)となりました。
[価格.com]
当連結会計年度の売上収益は19,697百万円(前年同期比8.0%減)となりました。
ショッピング事業は、新製品の減少その他の供給面の制約の長期化及び為替の変動による製品値上がりなどの影響を受けて売上が減少しました。広告事業は、新製品の減少その他の供給面の制約の長期化及び為替の変動による製造コストの上昇に伴う出稿の減少などの影響を受けて売上が減少しました。サービス事業は、下半期は回復が見られたものの、通信領域における巣ごもり需要の落ち着きや、自動車領域において供給面の影響が続いていることなどから売上が減少しました。
その結果、ショッピング事業の売上収益は8,054百万円(前年同期比8.9%減)、サービス事業の売上収益は8,017百万円(前年同期比2.9%減)、広告事業の売上収益は3,626百万円(前年同期比16.0%減)となりました。
月間利用者数は2023年3月度に4,235万人(※1)となりました。
[食べログ]
当連結会計年度の売上収益は23,381百万円(前年同期比38.5%増)となりました。
飲食店販促事業の売上収益は20,179百万円(前年同期比49.1%増)となりました。新型コロナウイルス感染症が7月及び11月に再拡大したものの、社会活動は正常化に向かい外食需要も着実に高まりました。このため、当連結会計年度累計期間のネット予約人数は5,674万人(前年同期比111.6%増)となりました。また、飲食店におけるネット予約サービスの利用が拡大したことにより、有料プラン契約店舗数は2023年3月時点で68,200店舗となりました。
ユーザー会員事業は、有料サービス加入者数の減少により、売上収益が1,496百万円(前年同期比1.0%減)となりました。
広告事業は、主に提携パートナーへの送客が増加したことにより売上収益が1,672百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
また、業務受託の売上収益は35百万円(※2)となりました。
月間利用者数は2023年3月度に9,649万人(※1)となりました。
[新興メディア・ソリューション]
当連結会計年度の売上収益は13,882百万円(前年同期比29.2%増)となりました。
新興メディア・ソリューション事業は、求人、不動産及び旅行・移動の各領域において売上収益が増加しました。
※1 月間利用者数とは、サイトを訪れた人をブラウザベースで数えた利用者数です(特定のブラウザ、OS等によっては一定期間経過後に再訪した利用者を重複計測する場合があります)。モバイル端末のウェブページ高速表示に伴う利用者数の重複や、第三者による自動収集プログラムなどの機械的なアクセスについては可能な限り排除して計測しています。なお、食べログにおいては、2022年2月をもってAMP(Accelerated Mobile Pages)対応を終了いたしました。
※2 Go To Eatキャンペーン事業(農林水産省)の受託による収入を指しております。ただし、当該事業の受託による広告宣伝に係る収入(広告事業に計上)は含まれておりません。
2.ファイナンス事業
当連結会計年度のファイナンス事業の売上収益は3,860百万円(前年同期比44.0%増)、セグメント利益は1,550百万円(前年同期比135.6%増)となりました。
㈱カカクコム・インシュアランスが運営する『価格.com保険』は、保険代理店手数料収入における収益認識に関する見積の変更、及びオンラインによる保険契約の申込が増加したことにより手数料収入が増加しました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりです。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行されるなど感染動向が景気に与える影響は縮小していくとみられるものの、一方で原材料、光熱費の高騰や継続的な採用難、長期化する部材不足などが経済に与える影響に十分注意する必要があり、不透明な経済状況が続いております。
④ 資本の財源及び資金の流動性
(経営資源の配分に関する考え方)
既存事業の運営及び成長投資に必要な資金を手元に残した上で、過剰な内部留保は行わずに株主還元を行うこと、また、株主還元は年2回の配当及び機動的な自己株の取得によって継続的に実施することを方針としております。
なお、成長投資は、ⅰ)既存事業の拡大や新規事業創出に伴う人的資源への投資、ⅱ)先端技術に関する研究開発及び事業への活用に対する投資、並びにⅲ)事業ポートフォリオ拡大及び成長の加速を目的としたM&Aや出資をその対象としています。
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの主な資金需要は運転資金及び設備資金であります。運転資金の主なものは、営業活動における人件費や販売代理店に支払う販売手数料、またサービス利用者増加を目的とした広告宣伝費によるものであります。設備資金の主なものは、サーバー及びネットワークの設備投資によるものであります。
(財務政策)
当社グループの事業拡大に必要な資金は営業キャッシュ・フローから獲得した資金を充当しております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について
当社グループは、新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業の連結売上構成比を20%以上に引き上げることを目指しており、当連結会計年度は29.2%となりました。
[新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業の連結売上構成比率の推移]
2019年 3月期 | 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | |
新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業 | 14.5% | 17.5% | 19.2% | 26.0% | 29.2% |
なお、2024年3月期以降については『求人ボックス』及び新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業(『求人ボックス』を除く。)それぞれの連結売上構成比を20%以上に引き上げることを目指してまいります。
2019年 3月期 | 2020年 3月期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | 2023年 3月期 | |
「求人ボックス」 | 1.3% | 3.0% | 4.9% | 9.1% | 10.4% |
新興メディア・ソリューション/ファイナンス事業 (「求人ボックス」を除く) | 13.3% | 14.5% | 14.3% | 16.9% | 18.8% |
また、継続的な事業拡大と経営の効率維持のために親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を重要な指標と位置付け、その目安を40%としておりますが、当連結会計年度のROEは33.7%となりました。これは、売上収益及び親会社の所有者に帰属する当期利益がいずれも前年同期比では増加したものの、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けたことによって、コロナ前との比較においては低い水準にとどまったことによるものです。
[ROEの推移]
2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | |
ROE | 45.1% | 44.0% | 26.2% | 30.1% | 33.7% |
加えて、各事業の売上収益についても指標として重視しております。
[各事業の売上] (単位:百万円)
事業 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 当連結会計年度 |
価格.com | 4,957 | 9,643 | 14,603 | 19,697 |
ショッピング事業 | 2,113 | 4,024 | 6,046 | 8,054 |
サービス事業 | 1,945 | 3,836 | 5,721 | 8,017 |
広告事業 | 898 | 1,783 | 2,835 | 3,626 |
食べログ | 5,373 | 10,821 | 17,112 | 23,381 |
飲食店販促事業 | 4,621 | 9,242 | 14,717 | 20,179 |
ユーザー会員事業 | 369 | 735 | 1,106 | 1,496 |
広告事業 | 360 | 804 | 1,252 | 1,672 |
業務受託に係る収入※ | 23 | 40 | 37 | 35 |
新興メディア・ソリューション | 2,962 | 6,329 | 9,719 | 13,882 |
ファイナンス | 723 | 1,447 | 3,127 | 3,860 |
※当該事業の2023年1月終了に伴い第3四半期及び第4四半期に行われた精算手続の過程において、調整が発生しました。